重要な意思決定
自己資金で618億円の設備投資。マレーシア新工場の建設開始
背景
パッケージ基板の好調を背景に618億円の大規模設備投資を決断
2008年にイビデンはパッケージ基板、プリント配線板、自動車向けDPFのそれぞれの需要が拡大すると判断し、大規模な設備投資を実施した。FY2008における設備投資額は累計618億円に及び、主な内訳はパッケージ基板向け282億円、プリント配線板向け129億円、自動車向けDPFに35億円であった。
最大の投資項目はマレーシアにおける海外生産拠点の立ち上げであった。2008年にイビデンはマレーシアに現地子会社を設立し、2011年の工場稼働を目指してパッケージ基板およびプリント配線板の製造拠点を建設した。インテル向けの供給能力を拡大するための前方投資であった。
決断
618億円の全額を自己資金で調達し、外部借入に依存しない投資を実行
618億円に及ぶ巨額投資に対して、イビデンは投資額の全額を自己資金でまかなった。銀行借入や資本市場からの調達は見送られた。2000年代を通じてパッケージ基板事業が好調であったことから、蓄積した利益を再投資に回す形となった。
自己資金による投資は財務的な規律を示す一方で、外部資本を活用しないことで投資規模やスピードに制約がかかりうる面もある。しかしイビデンにとっては、借入金に依存しない財務体質を維持することが、半導体需要の変動に対する耐性を確保する上で重要な判断であった。翌2009年にはリーマンショックにより87億円の最終赤字を計上するが、借入依存度が低かったことで財務的な危機には至らなかった。