創業1981年2月、東京都千代田区大手町で全国保証株式会社が信用保証事業を目的として設立された(資本金50百万円)。同年4月の厚生年金転貸住宅融資保証業務開始から始まり、1994年の住宅供給公社保証、1997年の民間金融機関住宅ローン保証へと事業領域を段階的に拡張、独立系の信用保証専業会社として全国営業網を整備した。
決断1997年に開始した民間金融機関の住宅ローン保証業務が、その後25年以上にわたる主力事業の起点となった。2012年12月に東京証券取引所市場第一部に新規上場で直接上場、2018年12月のYUTORI債権回収(現あけぼの債権回収)子会社化以降、2020年東和信用保証・2021年筑波信用保証・2023年東日本保証サービス・2024年ちば興銀カードサービス・2025年三重総合信用・東北保証サービスと、地方信用保証会社の連続買収による信用保証グループ拡大を進めた。
課題連結営業利益率はFY24(2025年3月期)73.7%・経常利益率78.1%という極めて高水準を維持しているが、人口減少と若年層の住宅取得意欲低下、フラット35のシェア拡大、ネット銀行系住宅ローンの価格競争という3方向の圧力に住宅ローン市場が直面している。2022年に石川英治から青木裕一へ社長交代した経営権継承後、地方信用保証会社の連続買収による全国シェア拡大が、本業の住宅ローン保証市場縮小への対応戦略として急加速している局面にある。
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歴史概略
1981年〜2011年信用保証専業会社としての創業と公的保証から民間住宅ローン保証への展開
厚生年金転貸住宅融資保証からの起点
1981年2月、東京都千代田区大手町で全国保証株式会社が信用保証事業を目的として設立された(資本金50百万円)。1980年代初頭の日本では、住宅金融公庫・住宅供給公社の公的融資制度が住宅取得資金の中核を担い、民間金融機関の住宅ローン市場はまだ補完的位置づけにとどまっていた。同年4月、厚生年金転貸住宅融資の保証業務を開始し、公的融資制度の保証を本業の起点に据えた。創業から10年余は公的保証中心の事業構造で、1986年3月に大阪事務所(現大阪支店)、1987年4月に横浜事務所(現横浜支店)、1995年8月に札幌事務所(現札幌支店)と、地方拠点を段階的に整備しながら全国展開の基盤を作った。
1994年12月、住宅供給公社の保証業務を開始し、公的保証の対象を厚生年金住宅融資から住宅供給公社系へ広げた。1997年7月、民間金融機関の住宅ローン保証業務を開始した。これがその後20年以上にわたる主力事業の起点であり、当時の日本では金融機関の住宅ローン審査機能を外部化する動きが始まった時期にあたる。1998年5月には保証債務残高1兆円を達成し、信用保証専業会社としての規模の節目を迎えた。住宅金融公庫の融資シェア縮小と民間金融機関の住宅ローン拡大という金融構造の変化が、全国保証の事業機会の拡大に直結する関係構造が、1990年代後半に確立された。
主力商品「住まいる いちばん」と全国営業網の拡張
2001年1月には民間金融機関の教育ローン保証業務を開始、2002年4月には主力保証商品「住まいる いちばん」の取扱いを開始した。同年4月に名古屋支店・仙台支店、同年5月に新潟営業所、2003年1月に広島支店、同年4月に金沢営業所(現金沢支店)、2005年5月に宮崎営業所と、全国主要都市への営業拠点展開が継続した。2005年7月に「住まいる いちばん プラス」を発売し、保証商品ラインを拡張した。2007年3月には保証債務残高5兆円を達成し、創業26年で事業規模を5倍に拡大した。同年4月には本店営業部と本社審査部の一部業務統合により本店を開設し、組織体制も整えた。
民間金融機関の住宅ローン保証市場では、メガバンク系・地銀系の保証会社(三菱UFJ住宅保証・りそな信用保証・三井住友トラスト・ローン&ファイナンス等)と、独立系の全国保証・全国ハウジングサービス・住宅金融保証等が競合していた。全国保証は独立系の強みとして、特定の金融機関に縛られない中立的位置づけで、地銀・第二地銀・信用金庫・労働金庫など複数の金融機関と保証契約を結ぶ営業戦略を採用した。2010年4月の株式会社全国ビジネスパートナー設立(金融機関向け事務代行)と並走し、保証業務の標準化と業務効率化を進めた。
2012年〜2021年東証一部直接上場と保証債務残高15兆円達成
2012年東証一部直接上場と保証事業の成長
2012年12月、東京証券取引所市場第一部に株式を上場した。新規上場でいきなり東証一部直接上場という形態は、保証事業の収益性と資本基盤の安定性が評価された結果である。上場時の連結営業収益はFY11(2012年3月期)211億円・経常利益50億円・純利益29億円水準で、上場後の事業拡張のスピードを高めるための資本調達と知名度向上が狙いだった。
2014年4月には民間金融機関のカードローン保証業務を開始し、住宅ローン中心の保証商品にカードローン領域を加える事業拡張を開始した。同年9月には「住まいる いちばんネクストⅤ」を発売し、保証商品ラインを段階的に更新した。2015年4月に高松営業所を開設、2016年3月には保証債務残高10兆円を達成し、創業35年で事業規模をさらに2倍に拡大した。連結営業収益はFY11の211億円からFY16(2017年3月期)359億円へ5年で1.7倍に拡大、経常利益はFY11の50億円からFY16の290億円へ約5.8倍に拡大し、住宅ローン保証専業会社としての高収益体質を確立した。
信用保証グループ拡大と保証債務残高15兆円達成
2018年12月、YUTORI債権回収を子会社化(現あけぼの債権回収)し、債権回収事業に参入した。保証会社は代位弁済後の求償権回収を本業内で行う構造を持つが、専門子会社で債権回収機能を外出しすることで、本体の保証事業の収益管理と債権管理を分離する組織構造へ移行した。2020年2月には東和信用保証を子会社化(現みのり信用保証)、2021年3月には筑波信用保証を子会社化し、地方信用保証会社の段階的買収を開始した。2021年9月には保証債務残高15兆円を達成し、創業40年で事業規模を3倍に拡大した。連結営業収益はFY16の359億円からFY21(2022年3月期)488億円へ5年で1.4倍に拡大、経常利益はFY16の290億円からFY21の406億円へ約1.4倍に拡大した。
地方信用保証会社の段階的買収戦略は、地銀・第二地銀との保証契約パイプの確保と、地方住宅ローン市場での保証シェア拡大を同時に狙う事業拡張である。地方信用保証会社は地元金融機関との独占的または優先的保証契約を持つことが多く、買収による営業権の取得が直接的な収益寄与をもたらす構造である。一方、地方住宅ローン市場の縮小(人口減少と若年層の都市集中)と、メガバンクのフラット35シェア拡大は、地方信用保証会社の長期的な事業継続性に逆風となる構造でもあった。
2022年〜2025年プライム市場移行と地方信用保証会社の連続買収
経営権継承と信用保証グループの段階的拡大
2022年4月、東京証券取引所プライム市場への移行を実施した。同年6月には四国総合信用と資本業務提携契約を締結し、地方信用保証会社との連携を業務提携形式で拡張した。2022年6月の代表取締役会長交代(石川英治会長就任)と青木裕一の代表取締役社長就任で、創業以来初めての本格的な経営権継承が実施された。青木裕一は全国保証入社・経営企画系の経歴を持つ生え抜き昇格で、住宅ローン保証専業から地方信用保証会社の連続買収による事業拡大期の経営を率いる立場となった。
2023年4月、東日本保証サービスを子会社化(2024年3月に筑波信用保証が吸収合併)し、信用保証グループの規模をさらに拡大した。2024年7月にはちば興銀カードサービスを子会社化してカード関連事業を強化、2025年2月には三重総合信用と東北保証サービスを同時に子会社化した。地方信用保証会社の連続買収は、青木裕一社長体制での事業戦略の中心軸として2023年以降明確化し、各地方信用保証会社の地元金融機関との保証契約パイプを本体の事業基盤に組み込む形で、信用保証グループの全国展開を完成させる戦略となった。
FY24過去最高益と次の事業領域への模索
連結営業収益はFY21の488億円からFY24(2025年3月期)569億円へ3期で17%増、連結営業利益はFY21の394億円からFY24の419億円へ6%増、連結経常利益はFY21の405億円からFY24の445億円へ10%増、親会社株主帰属純利益はFY21の278億円からFY24の321億円へ15%増となり、創業以来最高水準の収益を維持した。経常利益率は78%という極めて高い水準を維持しており、住宅ローン保証専業会社としての事業構造の収益性の高さが、上場時から13年継続している。
日本の住宅ローン市場は、人口減少と若年層の住宅取得意欲の低下、フラット35の固定金利優位性によるシェア拡大、ネット銀行系住宅ローンの価格競争という3方向からの圧力に直面している。全国保証は地方信用保証会社の連続買収による全国シェア拡大と、カードローン・教育ローン・カード関連事業への商品領域拡張で、本業の住宅ローン保証の市場縮小に備える事業構造の組み替えを進めている。一方、保証事業は事業性質上、本体の保証債務残高(FY24時点で約16兆円水準)に対する信用リスクが財務指標の中核を規定する。住宅市場の景気循環に対する信用リスク管理と、地方信用保証会社の連続買収による事業拡大戦略の継続性が、創業45年目を迎える全国保証の中期的な経営論点となる。