The社史 — 上場企業の歴史を振り返る

日本の上場企業を中心とした253社の企業史をまとめた個人サイト。創業から現在に至る意思決定の軌跡を、財務データや業績推移とともに記録しています。

The社史

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ニッスイ
売上高8,861億円営業利益317億円
ニッスイは1911年、久原財閥出身の田村市郎が山口県下関で田村汽船漁業部を個人創業し、財閥資本を元手に英国スミス造船所へ発注したトロール船で遠洋漁業を始めた企業である。1919年に共同漁業へ組織変更、1926年に日本水産へ改称、1943年の戦時国策会社化と1945年の社名復帰を経て、1949年に東京証券取引所へ上場した。戦後の食糧難で動物性たんぱく源の需要が急拡大し、同社は北洋漁業と南氷洋捕鯨の二本柱で業界随一の漁獲量を得た。しかし1977年に米国主導の200カイリ排他的経済水域設定で漁場の半分を失い、陸上加工への転換が進まぬまま漁労重点主義の投資を続けた結果、1990年3月期には上場以来初の経常赤字を計上した。 200カイリ後の構造転換は容易に進まなかった。2001年10月に北米家庭用水産冷凍食品最大手のゴートンズを買収して輸出から現地ブランド保有へ北米戦略を転換、2006年にはデンマークのNORDIC SEAFOODやフランスのCITE MARINEにも資本参加した。だがリーマン・ショック後の2009年3月期には純損失162億円を計上し、海外M&A依存の脆さが露呈した。2017年以降は食品事業の高付加価値化を最優先課題に据え直し、2022年12月には商号を「日本水産」から「ニッスイ」へ変更、日水製薬など非中核事業を売却して水産・食品・ファインケミカルの三本柱に絞った。2025年3月期売上高は8861億円、2028年3月期9700億円を経て1兆円を長期目標に据える。
営業利益販管費売上原価営業利益率FY07〜FY24
1605
INPEX
売上高20,113億円営業利益11,354億円
INPEXは国際石油開発と帝国石油の経営統合で2006年に発足した、日本最大の石油・天然ガス開発会社である。資源外交と民間経営の両立を前提とした半官半民の体制下で、エネルギー安全保障の一翼を担う。前身の国際石油開発は1966年にインドネシア石油資源開発として設立され、1970年のアタカ油田発見を皮切りに、中東・カスピ海・豪州で権益を取得した。1998年に豪州沖で単独オペレーターとして取得した鉱区から発見されたイクシスガス田は、日本企業として初の大型LNGオペレーター案件である。経済産業大臣が約2割の株式を保有する資本構造も、他の資源開発企業とは異なる独自性である。その結果、国際資源開発における日本企業の位置づけが変わった。 イクシスLNGプロジェクトは発見から操業開始まで16年、総事業費340億米ドルを投じた案件で、成否がINPEXの企業価値を長く左右した。2018年の操業開始後は安定的な収益源となり、FY21には売上収益2兆3200億円・親会社帰属利益4985億円の過去最高益を記録した。2020年のコロナ禍では純損失1117億円を計上したが、翌年以降のエネルギー価格高騰で一転して最高益を更新している。2025年2月に公表した長期ビジョン「INPEX Vision 2035」では、天然ガスを移行期の燃料と位置づけ、CCS・水素・再生可能エネルギーを含む5分野への投資拡大を掲げた。次期大型LNGであるインドネシアのアバディプロジェクトの最終投資決定と、脱炭素時代を見据えた事業構造の転換が当面の課題である。
営業利益その他販管費売上原価営業利益率FY07〜FY25
1721
コムシスHD
売上高6,146億円営業利益459億円
1951年12月、電気通信工事業界と経済界の有力者21名が出資して「日本通信建設」を設立したことがコムシスホールディングスの源流となる。翌1952年に日本電信電話公社(電電公社)の指定工事会社として認定を受け、電電公社を唯一の発注者とする通信設備建設の請負を開始した。受注の100%を1社に依存する構造は、1985年のNTT民営化を経ても根本的には変わらず、2003年9月に日本コムシス・三和エレック・東日本システム建設の同業3社が株式移転によってコムシスホールディングスを設立した後も、売上高の過半はNTTグループ向けのままだった。すなわち電電公社1社への依存と地域密着型の施工体制が、その後のM&A戦略を規定する前提条件として経営の選択肢を長く狭めた。 発注者1社依存を解く試みは、持株会社設立から20年にわたるM&A連鎖を貫く経営課題となった。2010年の北海道地盤のつうけん完全子会社化、2018年のNDS・SYSKEN・北陸電話工事の上場3社一括統合によって通信工事の全国施工体制を完成させ、並行して再生可能エネルギー・ガスインフラ・道路舗装など非通信領域にも進出した。FY24(2025/3期)の計画ではNTT関連売上比率は44%まで低下し、売上高6146億円・営業利益460億円で過去最高を更新した。電電公社1社への100%依存から始まった一地方の工事会社が、70年超の時間をかけて事業構造の分散に到達したことは、日本の通信建設業界における構造転換の代表例である。
営業利益販管費売上原価営業利益率FY05〜FY24

建設6調査済

食品・飲料11調査済

繊維6調査済

化学・素材21調査済

医薬品・医療機器12調査済

鉄鋼・非鉄15調査済

機械・重工21調査済

総合電機・OA18調査済

半導体12調査済

自動車・部品18調査済

精密機器9調査済

電力・インフラ5調査済

海運・物流8調査済

IT・通信17調査済

総合商社8調査済

小売9調査済

金融19調査済

鉄道・不動産16調査済

サービス6調査済

娯楽6調査済

外食2調査済

アパレル・日用品8調査済