The社史 — 上場企業の歴史を振り返る

日本の上場企業を中心とした253社の企業史をまとめた個人サイト。創業から現在に至る意思決定の軌跡を、財務データや業績推移とともに記録しています。

The社史

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1605
INPEX
売上高20,113億円営業利益11,354億円
INPEXは国際石油開発と帝国石油の経営統合で2006年に発足した、日本最大の石油・天然ガス開発会社である。資源外交と民間経営の両立を前提とした半官半民の体制下で、エネルギー安全保障の一翼を担う。前身の国際石油開発は1966年にインドネシア石油資源開発として設立され、1970年のアタカ油田発見を皮切りに、中東・カスピ海・豪州で権益を取得した。1998年に豪州沖で単独オペレーターとして取得した鉱区から発見されたイクシスガス田は、日本企業として初の大型LNGオペレーター案件である。経済産業大臣が約2割の株式を保有する資本構造も、他の資源開発企業とは異なる独自性だ。これにより国際資源開発における日本企業の位置づけが変わった。 イクシスLNGプロジェクトは発見から操業開始まで16年、総事業費340億米ドルを投じた案件で、成否がINPEXの企業価値を長く左右した。2018年の操業開始後は安定的な収益源となり、FY21には売上収益2兆3200億円・親会社帰属利益4985億円の過去最高益を記録した。2020年のコロナ禍では純損失1117億円を計上したが、翌年以降のエネルギー価格高騰で一転して最高益を更新した。2025年2月に公表した長期ビジョン「INPEX Vision 2035」では、天然ガスを移行期の燃料と位置づけ、CCS・水素・再生可能エネルギーを含む5分野への投資拡大を掲げた。次期大型LNGであるインドネシアのアバディプロジェクトの最終投資決定と、脱炭素時代を見据えた事業構造の転換が当面の課題である。
営業利益その他販管費売上原価営業利益率FY07〜FY25
1925
大和ハウス工業
売上高54,348億円営業利益5,462億円
大和ハウス工業は1955年に石橋信夫が大阪で18人の仲間と興した。戦後の木材不足で住宅難が深刻化するなか、木の代わりに鋼管を柱に使う「パイプハウス」を世に出し、建築の工業化に先鞭をつけた。1959年発売の「ミゼットハウス」は第1次ベビーブームで増えた子ども向けの勉強部屋として、3時間で建つ家が爆発的に売れ、日本のプレハブ住宅産業の起点となった。住宅で築いた顧客基盤と施工力を武器に、1976年からはロードサイドの遊休地と出店希望企業を結ぶ流通店舗事業を始めた。住宅メーカーが土地情報そのものを商品化する独自モデルは、後の事業施設・商業施設セグメントに育ち、総合不動産グループへの転換を促した。 創業者が貫いた無借金経営の信念のもと、有利子負債を1997年3月期から3期連続で毎期5割前後のペースで削減し、財務健全性を早期に回復した。2001年の大和団地合併でマンション事業を本体に統合、2013年のフジタ子会社化で総合建設会社のノウハウを取り込み、売上高は前期比3割超に拡大した。2017年以降は米国Stanley-Martin Communities買収を皮切りに海外住宅市場へ参入し、物流施設や半導体工場など事業施設の受注も伸ばした。2025年3月期の連結売上高は5兆4,348億円、営業利益は5,462億円で、いずれも過去最高を更新した。住宅、賃貸、マンション、商業施設、事業施設、環境エネルギーの6本柱を国内外に持つ総合不動産グループへ脱皮し、住宅メーカーの枠を超える複合企業へ姿を変えた。
営業利益販管費売上原価営業利益率FY05〜FY24
1928
積水ハウス
売上高40,585億円営業利益3,313億円
1960年に積水化学工業のハウス事業部を母体として資本金1億円で発足した積水ハウスは、プレハブが安物と見なされた時代に高級化路線を採用し、直接販売・責任施工方式を導入して親会社依存の体質から脱却した。1963年に社長へ就任した田鍋健は、自社ローンや売り建て方式など需要を自ら創り出す経営を徹底し、業界最長級となる15年連続増収増益を達成した。1970年に東証・大証二部へ上場、翌71年に一部指定替えを実施して財務基盤を強化し、1991年1月期には住宅業界で初めて売上高1兆円に到達して業界首位となった。田鍋が整えた垂直統合モデルは、その後60年にわたり積水ハウスの事業構造を規定し、ストック型事業や海外展開の土台ともなった。 2008年のリーマンショックで創業以来初の赤字に転落した経験から、請負型ビジネスへの依存を見直し、賃貸管理・リフォームなどストック型事業の比重を高めた。不動産フィー事業と賃貸住宅事業は売上・セグメント利益ともほぼ倍増し、景気変動への耐性が増した。2017年以降は米国戸建住宅ビルダーの買収に着手し、2024年にはMDC Holdingsを約49.4億米ドル(約7,200億円)で取得、連結売上高は4兆585億円に達し、国際事業比率は前期の16%から31%へ倍増した。国内で磨いた住宅技術を米国に移植する「テクノロジー・トランスファー」戦略が次の成長を左右する。かつて田鍋健が国内で成功させたプレハブ高級化路線を米国市場で再現できるかが、経営の焦点となっている。
営業利益販管費売上原価営業利益率FY05〜FY24

建設6調査済

食品・飲料11調査済

繊維6調査済

化学・素材21調査済

医薬品・医療機器12調査済

鉄鋼・非鉄15調査済

機械・重工21調査済

総合電機・OA18調査済

半導体12調査済

自動車・部品18調査済

精密機器9調査済

電力・インフラ5調査済

海運・物流8調査済

IT・通信17調査済

総合商社8調査済

小売9調査済

金融19調査済

鉄道・不動産16調査済

サービス6調査済

娯楽6調査済

外食2調査済

アパレル・日用品8調査済