CF | 2010/2 | 2011/2 | 2012/2 | 2013/2 | 2014/2 | 2015/2 | 2016/2 | 2017/2 | 2018/2 | 2019/2 | 2020/2 | 2021/2 | 2022/2 | 2023/2 |
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営業CF | 0.8 | 0 | 0.8 | 1.6 | 2.9 | 2.8 | 0 | 6.3 | 10.3 | 11.9 | 21.4 | 6.8 | 17.5 | 1.1 |
投資CF | -0.3 | -0.1 | 1.2 | -0.8 | -0.3 | -0.6 | -0.3 | -0.1 | 0 | -1.8 | -1 | -6 | 1.9 | -1.4 |
財務CF | 0 | 0 | -0.2 | 3 | -1.5 | 0.7 | -1.8 | 1.9 | -2.8 | -8.2 | -6.4 | -5.5 | -3.6 | -3.6 |
リクルート出身の木下氏が創業。北海道のわけあり特産品を扱うECで売上を確保
北の達人の創業者は、木下勝寿氏である。学生時代にベンチャー企業「リョーマ(1992年経営破綻)」でプロモーション企画に従事していたが、1992年に新卒でリクルートに入社した。
その後、1998年にリクルートを退職して起業家に転身。1社目の会社を起業したが、軌道に乗らなかった。2度目のチャレンジとして2000年に「北海道・シーオー・ジェイピー(現:北の達人コーポレーション)」を設立して再起を図った。
以後、2023年の現在に至るまで木下氏は北の達人コーポレーションの社長を歴任。創業経営者として、同社の経営を軌道にのせた。
2000年に木下勝寿氏は「北海道・シーオー・ジェイピー」を設立し、北海道の特産品をEC(ネット通販)で販売するビジネスに参入した。取り扱い品目は「カニ」「メロン」といった高額な特産品であった。
特産品通販サイトにおける最大の特色は、取得したドメインであった。hokkaidou.co.jpのドメインをいち早く取得したことで、ドメイン評価の面で優位に立った。当時の顧客の流入経路は、ヤフージャパンなどのディレクトリ検索であり、ドメインがわかりやすいことが評価につながったと推察される。
ただし、ドメイン評価による優位は数年で終わりを迎えた。また、2000年代を通じて楽天などのECプラットフォームにおける商品販売が定着すると、ドメインを持っていることの優位性が喪失した。
北海道・シーオー・ジェイピーでは、銀行からの借入ではなく、自己資金によりビジネスを運営した。
特産品の通販では「(1)顧客から注文、(2)業者に発注、(3)顧客に出荷、(4)顧客から代引等で入金、(5)業者に翌月払い」というキャッシュフローであり、手元に現金がなくても事業を拡大することが可能であったと推察される。
規格外の特産品を扱う通販サイトを開設。開設当初は珍しさと安さから注目を浴びて売上を確保したが、各種アワードを受賞して注目されると競争が激化した。
健康食品に特化するため物産系3サイト(北海道しーおーじぇいぴー、北海道わけあり市場、わけありグルメニュース)を売却。FY2010に北の達人は「事業譲渡益」として1106万円を計上した。
株式上場を達成。上場時点の取り扱い商品数は5つ(うちカイテキオリゴが売上の中心)のみであり注目を集めた
スキンケアブランドを開発。発売直後から年商7億円の大型商品に育つ
ヒット商品に成長。2019年までの累計で42億円の売上(年間推定10〜20億円)
SNS向け(Twitter、Facebook, Instagramなど)への広告で積極投資。さらにweb広告の運用を自社で行うことで代理店への支払手数料を削減
人材確保のため給与のベースアップを実施。上場時点の平均給与357万円から、FY2018時点の平均給与546万円へ拡大
被告がアフィリエイト広告の商品比較時きじで虚偽事実を記載。被害者の北の達人が提訴して勝訴
競合の「はぐくみプラス」社が提供する「はぐくみオリゴ」について、北の達人が提供する「カイテキオリゴ」との比較広告で虚偽事実を記載されたとして2018年に提訴。当初の賠償請求額は1億円としたが、2020年に請求額を11億円に修正した。
2022年の判決で知的財産高等裁判所は「不正競争防止法5条2項」に基づき、はぐくみプラス社に対して6830万円の賠償命令を下した。また、この判決に対して、上告手続きはされなかったため、判決が確定した。
FY2022に北の達人は勝訴したことを受けて「受取損害賠償金」を特別利益として8226万円を計上した。
ヒット商品に成長。年商数十億円規模の大型製品と推定
web広告をめぐる競争激化。新規顧客の獲得に苦戦して売上成長がストップ
新規顧客の獲得率が悪化した原因を「広告効率の追求し過ぎにより、同一クリエイティブが露出し、顧客に飽きられてしまった」と分析。そこで、クリエイティブのパターンが増えることを許容する広告出稿に切り替えることで、新規顧客の獲得増加を目論む