2002年〜 北海道わけあり物産ECからオリゴ糖専売サイトへの軸足転換
北の達人コーポレーションの業績推移:単体
- 2002年 北海道・シーオー・ジェイピーを設立
- 2002年 本社を移転
- 2006年 本社を移転
- 2007年 わけあり物産ECからの撤退と、独自開発「カイテキオリゴ」を軸とするメーカー型D2Cへの転換 模倣される仕入れ販売型ECを離れ、木下勝寿社長はなぜ自社開発の単品D2Cへ転じたか
- 2009年 商号を北の達人コーポレーションに変更
- 2010年 本社を移転
- 2011年 北海道特産品販売サイトを売却
リクルート出身者の札幌起業と「わけあり特産品EC」
2002年5月、木下勝寿氏が大阪市淀川区[1]で『株式会社北海道・シーオー・ジェイピー』を設立[2]した(同年9月に本店を札幌へ移転)。創業者の木下氏はリクルート出身で[3]、新卒入社後にインターネット黎明期の事業企画に従事し、独立して北海道発のECに着目した経歴を持つ。創業時の事業構想は、北海道の規格外農産物・水産物を『わけあり特産品』としてEC販売するというものだった。北海道産メロン・カニ・じゃがいもなど、贈答品基準を満たさない規格外品を割安で消費者に届けるという商品設計で、SEO主体の集客と低コスト運営を両立させる事業構造だった。
- 有価証券報告書
- [1]設立は2002年5月・大阪市淀川区、札幌への本店移転は2002年9月
- [2]2002年5月 株式会社北海道・シーオー・ジェイピーを設立(木下勝寿が創業)
- [3]木下勝寿はリクルート出身(1992年入社)
2007年7月には『北海道わけあり市場』を本格開設し[4]、規格外特産品の取り扱いを拡大した。開設当初は『わけあり』という商品概念の珍しさと割安感から注目を集め、楽天系の通販アワードを受賞するなどメディア露出も得て売上を確保した。しかし『わけあり』コンセプトを掲げる類似EC事業者が次々に参入し、北海道産物の規格外品という限定されたカテゴリーで競争が激化した。差別化要因が乏しい商品カテゴリーでの集客競争は、SEO・広告費を押し上げて収益を圧迫した。
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- [4]2007年7月 北海道わけあり市場を本格開設
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- [1]設立は2002年5月・大阪市淀川区、札幌への本店移転は2002年9月
- [2]2002年5月 株式会社北海道・シーオー・ジェイピーを設立(木下勝寿が創業)
- [3]木下勝寿はリクルート出身(1992年入社)
- [4]2007年7月 北海道わけあり市場を本格開設
オリゴ糖「カイテキオリゴ」と単品集中の発見
2007年7月、北の達人は健康美容食品のECに参入し[5]、独自製品『カイテキオリゴ』を発売した。北海道産てんさいを原料とする食用オリゴ糖で[6]、便通改善を訴求する健康食品として企画された。『カイテキオリゴ』は北の達人が商品設計から関与する初の独自開発製品であり、仕入れ販売型ECから独自ブランドメーカーへの転換点となる製品である。SEO主体の集客手法は継承しつつ、商品カテゴリーを健康食品の独自開発製品へ絞り込んだ。
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- [5]2007年7月 カイテキオリゴ発売(健康美容食品EC参入)
- [6]カイテキオリゴは北海道産てんさい原料の食用オリゴ糖(独自開発製品)
2009年3月、商号を『株式会社北の達人コーポレーション』に変更[7]した。社名から『北海道』『シーオー・ジェイピー』というEC事業者を想起させる旧名称を外し、独自製品を持つメーカー型D2C事業者としての位置付けを明確化した社名変更である。同時に物産系3サイト(北海道・シーオー・ジェイピー、北海道わけあり市場、わけありグルメニュース)の運営も継続しつつ、収益の主軸はカイテキオリゴへ移行する構造へ変わった。
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- [7]2009年3月 商号を株式会社北の達人コーポレーションに変更
2011年2月には、健康食品事業への[8]集中を目的に北海道物産品販売3サイトを0.1億円で売却した。[9]FY2010に『事業譲渡益』として1,106万円を計上し[10]、わけあり物産ECからの完全撤退を完了させた。創業から9年を経て、北海道のローカル特産品ECから北海道産原料を使った独自開発健康食品のメーカー型D2Cへ、事業構造を入れ替える判断である。創業以来の『北海道』というブランド軸は維持しつつ、商品カテゴリーと事業モデルを組み替えた経緯だった。
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- [8]2011年2月 北海道物産品販売3サイトを売却(健康食品事業へシフト)
- [9]売却額 0.1億円
- [10]FY2010 事業譲渡益 1,106万円計上
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- [5]2007年7月 カイテキオリゴ発売(健康美容食品EC参入)
- [6]カイテキオリゴは北海道産てんさい原料の食用オリゴ糖(独自開発製品)
- [7]2009年3月 商号を株式会社北の達人コーポレーションに変更
- [8]2011年2月 北海道物産品販売3サイトを売却(健康食品事業へシフト)
- [9]売却額 0.1億円
- [10]FY2010 事業譲渡益 1,106万円計上
2012年札幌証券取引所アンビシャス市場への上場
2012年5月、北の達人は札幌証券取引所アンビシャス市場[11]に株式上場を果たした。創業から10年での上場であり[12]、取り扱い商品はわずか5つ(うちカイテキオリゴが売上の大半)という構成だった。[13]当時のIPO市場では、商品ラインナップが極端に絞られた『単品集中』型のD2C企業はまれであり、注目を集めた上場銘柄となった。札証アンビシャスはスタートアップ・新興企業向けの市場であり、ローカル拠点を持つ新興D2C事業者にとって資本市場との接点を確保する場となった。
- 有価証券報告書
- [11]2012年5月 札幌証券取引所アンビシャス市場に上場
- [12]創業2002年から上場2012年で10年
- [13]上場時の取り扱い商品数は5商品
上場後の北の達人は、カイテキオリゴ単品依存からの脱却を進めるため、新製品の『専売サイト』を積極的に開設する方針を採用した。専売サイトとは、1製品ごとに独立したランディングページとECサイトを構築し、商品ごとに最適化したマーケティングを展開する手法である。複数製品を1つのECサイトに並べる従来型と異なり、専売サイトは商品コンセプトに沿った訴求が可能で、SEOと広告の両面でコンバージョン率を高めやすい。『びっくりするほど良い商品ができた時にしか発売しない』という木下勝寿社長の商品開発哲学のもと[14]、新製品の出荷ペースは年1〜2本程度に絞られ、各製品が独立したヒット商品候補として育成される構造が出来上がった。
- DIMENSION NOTE(2021年12月16日)
- [14]木下社長の商品開発哲学「びっくりするほど良い商品ができた時にしか発売しない」
2014年2月期の売上高は17.8億円、営業利益3.88億円(営業利益率21.8%)に達した。商品ラインナップを絞り込んで1製品ごとの収益性を高める『単品集中』型のD2C事業モデルが、上場後2年で利益率20%台という収益構造として実体化した時期である。
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- [11]2012年5月 札幌証券取引所アンビシャス市場に上場
- [12]創業2002年から上場2012年で10年
- [13]上場時の取り扱い商品数は5商品
- DIMENSION NOTE(2021年12月16日)
- [14]木下社長の商品開発哲学「びっくりするほど良い商品ができた時にしか発売しない」