2007年〜 共同株式移転による発足と、5年後750億円という設計
- 2007年三越と伊勢丹が経営統合に合意
- 2008年三越伊勢丹ホールディングスを設立し東証上場
三越伊勢丹ホールディングスの業績推移:単体
出所:有価証券報告書等
業界再編のなかで選ばれた共同持株会社
2000年代の日本の百貨店業界は、大手同士の統合が続く段階に入った。2003年にそごうと西武百貨店が合併してミレニアムリテイリングを結成し、のちにセブン&アイ・ホールディングスの傘下へ入った。2007年9月には大丸と松坂屋がJ.フロントリテイリングとして統合し、売上高で業界首位に立った。総合スーパー・専門店チェーン・ECの台頭で百貨店の市場シェアは縮小を続け、再編の対象は地方中堅だけでなく三越や伊勢丹のような大手にも及んだ。三越と伊勢丹の統合は、この波の中に置かれた案件にあたる。 [1][2]
- 週刊東洋経済 2008年4月12日号「百貨店三越伊勢丹HDが誕生 統合効果は2年後から」
- [1]2003年にそごうと西武百貨店が合併してミレニアムリテイリングを結成し、のちにセブン&アイ・ホールディングスの傘下に入った。2007年9月に大丸と松坂屋がJ.フロントリテイリングとして統合した
- [2]J.フロントリテイリングでは統合初年度から松坂屋の利益率に改善が見られ、統合効果が顕在化していた
三越と伊勢丹の経営統合は2007年8月に発表され、両社の臨時株主総会の承認を経て、2008年4月1日に共同株式移転で持株会社の三越伊勢丹ホールディングスが設立された。三越と伊勢丹はともにその完全子会社となり、同日に東京証券取引所へ上場した。三越の格式と全国の店舗網、伊勢丹の編集力と新宿本店の集客力という、経営風土の異なる両社の資産を一つの持株会社に束ねる形である。初代社長には三越出身の石塚邦雄氏が就き、会長には伊勢丹出身の武藤信一氏が就いた。越後屋(1673年)に始まる三越と、伊勢屋丹治呉服店(1886年)に始まる伊勢丹の統合前の歩みは、それぞれの単独史として別に扱う。 [3][4]
- 有価証券報告書(三越伊勢丹ホールディングス)【沿革】
- [3]2007年8月に株式移転による共同持株会社の設立で合意し、11月の臨時株主総会で承認、2008年4月1日に両社が株式移転の方法により当社を設立して東京証券取引所に上場した
- 週刊東洋経済 2008年4月12日号「百貨店三越伊勢丹HDが誕生 統合効果は2年後から」
- [4]2008年4月の発足時、三越伊勢丹ホールディングスの社長は石塚邦雄、会長は武藤信一だった
- 週刊東洋経済 2008年4月12日号「百貨店三越伊勢丹HDが誕生 統合効果は2年後から」
- [1]2003年にそごうと西武百貨店が合併してミレニアムリテイリングを結成し、のちにセブン&アイ・ホールディングスの傘下に入った。2007年9月に大丸と松坂屋がJ.フロントリテイリングとして統合した
- [2]J.フロントリテイリングでは統合初年度から松坂屋の利益率に改善が見られ、統合効果が顕在化していた
- [4]2008年4月の発足時、三越伊勢丹ホールディングスの社長は石塚邦雄、会長は武藤信一だった
- 有価証券報告書(三越伊勢丹ホールディングス)【沿革】
- [3]2007年8月に株式移転による共同持株会社の設立で合意し、11月の臨時株主総会で承認、2008年4月1日に両社が株式移転の方法により当社を設立して東京証券取引所に上場した
5年後に営業利益750億円という目標と、システム一本化の工程
統合発表時に掲げた新会社の営業利益目標は、5年後に750億円だった。内訳は伊勢丹450億円、三越300億円である。統合の柱である情報システムなどの一本化が完了するのは2010年度で、それまでは課題の洗い出しと基盤固めに充てるとした。新会社の初年度の営業利益計画は340億円で、統合費用の増加により実質減益を見込み、2007年度の両社見通し合計の82%にとどまる水準に置かれている。統合したその年から数字が良くなる設計ではなく、2年をかけて土台を作る計画だった。統合したその年から数字が良くなる設計ではなく、2年をかけて土台を作る計画だった。三越が伊勢丹の情報システムと調達力を借りて売れ筋の品切れを解消するという筋書きは、システムが繋がるまで動き出さない。 [5]
- 週刊東洋経済 2008年4月12日号「百貨店三越伊勢丹HDが誕生 統合効果は2年後から」
- [5]統合発表時に掲げた新会社の営業利益目標は5年後に750億円(伊勢丹450億円・三越300億円)。情報システムなどの一本化の完了は2010年度で、新会社の初年度営業利益計画は340億円、2007年度の両社見通し合計の82%にとどまった
統合の準備期間中も、両社の収益力の差は開いた。三越の2007年度の営業利益は期初計画の154億円から2度の下方修正を経て、前年比32%減の85億円で着地する見通しとなった。衣料品の不振に苦しみながらも業績を伸ばしてきた伊勢丹との格差はいっそう広がっている。前年9月に発足したJ.フロントリテイリングが初年度から統合効果を出していたことと比べると、三越伊勢丹ホールディングスの計画は慎重に見える。武藤信一会長は「挽回できる。大丈夫」と述べ、消費低迷は当面続くとしながら目標の達成を強調した。 [6][7]
- 週刊東洋経済 2008年4月12日号「百貨店三越伊勢丹HDが誕生 統合効果は2年後から」
- [6]三越の2007年度の営業利益は期初計画の154億円から2度の下方修正を経て前年比32%減の85億円で着地する見通しとなり、両社の収益力の格差はいっそう拡大した
- [7]「挽回できる。大丈夫」(武藤信一会長。統合発表時に掲げた5年後750億円の営業利益目標を修正していない理由について)
- 週刊東洋経済 2008年4月12日号「百貨店三越伊勢丹HDが誕生 統合効果は2年後から」
- [5]統合発表時に掲げた新会社の営業利益目標は5年後に750億円(伊勢丹450億円・三越300億円)。情報システムなどの一本化の完了は2010年度で、新会社の初年度営業利益計画は340億円、2007年度の両社見通し合計の82%にとどまった
- [6]三越の2007年度の営業利益は期初計画の154億円から2度の下方修正を経て前年比32%減の85億円で着地する見通しとなり、両社の収益力の格差はいっそう拡大した
- [7]「挽回できる。大丈夫」(武藤信一会長。統合発表時に掲げた5年後750億円の営業利益目標を修正していない理由について)