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三井ハイテックの歴史

半導体向けリードフレームに加え、自動車向けコアモーター第2の柱として育成中。三井財閥とは無関係。
1949
*1
三井工作所を創業
創業

安川電機に低賃金で勤務していた三井孝昭氏は、待遇改善のために独立し、1949年に三井工作所を創業。金型の製造販売に従事。福岡県北九州市八幡西区黒崎5丁目に拠点を構えた。

1950
*2
熱処理後総研削仕上げ金型1号機を開発

安川電機時代に習得した技術を生かし、モーター向けの金型生産に特化。日本における電気製品の普及が追い風となり発展

1957
*3
株式会社三井工作所を設立
会社設立

業容拡大のために株式会社に改組。資本金150万円

1958
*4
タングステン・カーバイト金型の開発

1億枚の打ち抜きに対応できるタングステン・カーバイドによる金型を開発。珪素鋼板からモーター鉄心の打ち抜きに成功。既に家電製品が普及していたアメリカ市場に着目し、モーターの鉄心部品を輸出により採用することで業容を拡大

1960
*5
小嶺工場(現本社・八幡事業所)を新設
1969
*7
ICリードフレームの製造販売を開始
1972
*9
シンガポールに現地法人ミツイ・マニュファクチュアリング・プライベート・リミテッドを設立
会社設立

1971年12月のニクソンショックによる円高ドル安を受けて、北米輸出向けのリードフレームの量産コストを下げるために東南アジアに進出した。

1973
*10
香港に現地法人ミツイ・マニュファクチャリング・リミテッドを設立
会社設立
1974
*11
モーター・コアの金型自動結束システムを開発

モーターコアの生産時における「計量・ひねり・積層・結束」の作業を自動化。世界各国で特許を取得。年間1億円の特許収入を確保した。

1975
*12
創業以来初の赤字転落
創業
業績低迷

1973年10月のオイルショックを受けて設備投資がストップ。三井ハイテックも打撃を受け、創業以来初となる赤字に転落した。

1979
*13
ICリードフレームのめっき事業を開始
1980
*14
米国カリフォルニア州に現地法人インターナショナル・リードフレーム・コーポレーションを設立
会社設立
1982
*15
本社工場を増設
1984
*16
商号を三井ハイテックに変更
1984
*17
福岡証券取引所に株式を上場
株式上場

1980年代までに三井ハイテックはリードフレームにおいて、トップシェアを握る企業に発展した。取引先の企業は、三菱電機、東芝、日立製作所、テキサスインスツルメンツ、モトローラ、フェアチャイルドなど、当時、世界を代表した半導体メーカーにリードフレームを納入した。

また、三井ハイテックは本社を九州に構えており、1980年代を通じて九州に半導体産業が集積して「シリコンアイランド」として発展する際に、リードフレームの供給を担うことで産業集積の一翼をに担うことになった。この経緯により、1980年代の三井ハイテックの売上高のうち、25%は九州地区向けの出荷で占められていた。

FY1984における売上高は290億円(前年比+70.8%)・営業利益48億円(利益率16.8%)を計上。業績も好調に推移した。

1985
*18
エッチング方式によるICリードフレームの量産を開始
1985
*19
東京証券取引所第2部に株式を上場
株式上場
1991
*20
東京証券取引所第1部に株式を上場
株式上場
1994
*21
中国に現地法人三井高科技(天津)有限公司を設立
会社設立
1994
*22
中国に現地法人三井高科技(上海)有限公司を設立
会社設立
1997
*23
ハイブリッドカー搭載用モーターコア打抜き用金型を開発
1997
*24
米国に現地法人エムエイチティ・アメリカ・ホールディングス・インコーポレイテッドを設立
会社設立
1998
*25
台湾高雄市に現地法人ミツイ・ハイテック(タイワン)カンパニー・リミテッドを設立
会社設立
1999
*26
タイに現地法人ミツイ・ハイテック(タイランド)カンパニー・リミテッドを設立
会社設立
2001
*27
北九州市八幡西区野面に金型事業所を新設
2002
*28
中国に現地法人三井高科技(広東)有限公司を設立
会社設立
2006
*29
ハイブリットカー向けマグネットモールドの量産開始
2009
*30
リーマンショックにより3期連続の赤字へ
業績低迷
2010
*31
三井康誠氏が代表取締役社長に就任

赤字経営に陥っていた三井ハイテックの経営改革に着手。赤字の原因となっていた半導体リードフレームに次ぐ事業として、既に育ちつつあった「車載向けコアモーター」への集中投資を開始

2012
*32
マグネットモールドを商標登録
2015
*33
ミツイ・ハイテック(カナダ)インコーポレイテッドを設立
会社設立

(北米の自動車メーカーに対するアプローチを開始したと推察される)

2018
*34
ドイツにフランクフルト駐在員事務所を開設

ドイツの自動車メーカーに対し、コアモーターの売り込みを本格化

2018
*35
岐阜事業所の新設。コアモーター量産へ

車載向けコアモーターの量産を図るため、岐阜県可児市に新工場を新設。生産準備に103億円の設備投資(FY2017)。電機部品事業の売上高79億円を大きく凌駕する投資であり、かなり思い切った決断

2022
*36
車載用コアモーターで世界シェア70%

コアモーターについて、三井ハイテックは「厚板を薄くした上で金型を打つ技術的な優位性」により、競合参入や内製化の脅威から防衛しているという。2022年時点で世界シェア60〜70%を確保