ZOZOの歴史

輸入レコードのカタログ通販からファッションECに転換。在庫確保のための物流倉庫の自社設置により成長
updated: 2022-02-28
1998

有限会社スタートトゥデイを設立。輸入CDのカタログ販売を開始

バンドマンであった前澤友作は、趣味でやっていた輸入CDの販売を本格化させるために、東京都江戸川区に有限会社として「スタートトゥデイ(出資金300万円)」を設立した。

前澤氏にとって、自分に好きな輸入CDが既存のCDショップに売っていなかったことから、個人で輸入販売することをビジネスにした。

創業当時は前澤友作のバンド関係の友人の合計3名でCDのカタログ通販を作成するスモールビジネスを行い、月商は500万円程度だったという。

2000

インターネット通販事業に専念

創業者である前澤氏は、ビジネスに本格的に専念するために、バンド活動を中止した。

事業面では、インタネットが普及する趨勢を見て、前澤氏は紙によるカタログ販売(月間流通2万部)を中止し、インターネットによるCDの販売に移行した。

また、新規事業としてファッションECサイトに参入。アパレルの取り扱いを開始してECサイト「EPROZE」を立ち上げてネット上のセレクトショップをオープンした。

当時は、インターネット通販とファッションの相性は悪いと考えられていたが、輸入CDとファッションの顧客層が同じ(流行に敏感な若者)であり、相乗効果があるとしてファッション分野に新規参入した。

なお、ネット通販サイトの開始にあたって、前澤友作がデータベースのテーブル設計に携わっており、システム開発を行なった。

2001

本社を千葉県美浜区に移転

2001年にZOZOは本社を千葉県美浜区に移転し、在庫で手狭になっていた小岩の事務所から移転した。美浜区に移転した理由は、創業メンバーの大半が千葉県出身であったことや、創業支援を行なっていた「幕張VCサポートセンター」の紹介が決め手となった。

美浜区の本社は、幕張の「ワールド・ビジネス・ガーデン」の16階に設けられ、企業としての体裁を整えた。

なお、千葉県の美浜に拠点を構えたことによって、ZOZOは物流の内製化と改善改良において、独自性を発揮したといえる。千葉県の幕張周辺には物流倉庫が点在しており、ZOZOの本社から物流拠点に頻繁に通える距離であったため、物流の改善改良を行いやすい環境にあった。

従って、千葉県における事業展開は、物流にフォーカスできたという点で、のちのZOZOの急成長に寄与した。

2002

有限会社から株式会社に移行

2002年には有限会社から株式会社に移行して、資本金1500万円で「スタートトゥデイ」を設立した。資本関係は不明だが、ベンチャーキャピタルからの支援ではなく、前澤氏の個人資本が大半であったと思われる。

このため、上場直前の2006年まで、ZOZOはベンチャーキャピタルからの支援ではなく、会社の営業キャッシュフローを黒字にすることで、成長資金を調達した。このため、2000年から2006年にわたって、ZOZOの資本金は1500万円のまま推移している。

2004

ZOZOTOWNを開設したが、店舗集めに苦戦

ファッション分野の取り扱い品目を拡大するために、従来のwebのサイトを大幅なリニューアルを決定。2004年12月にセレクトショップを集積したECサイト「ZOZOTOWN」のサービスを開始し、自社で展開した17のセレクトショップのブランドを廃止した。

ただし、立ち上げ当初は、他社のブランドの誘致に苦戦しており、外部のブランドは3つしか取り扱うことができなかったという。

2005

ユナイテッドアローズと取引開始

前澤氏は、ZOZOTOWNに店舗を誘致するために、セレクトショップを運営するユナイテッドアローズとの交渉をしていた。

この過程で、ユナイテッドアローズの創業者である重松理は、前澤友作と直接会った際に前澤氏がファッション好きであることを高く評価し、ZOZOTOWNに出店することを決断した。

当時、著名なセレクトショップが無名のネット企業に出店することは前代未聞であったが、ZOZOTOWNのファッションECサイトとしての格を高める布石となった。この結果、ZOZOTOWNは取扱量を増大させ、ユーザー数を拡大した。

2006

物流拠点ZOZOBASEを新設

【物流倉庫への投資】

ZOZOTOWNの運営にあたって、物流機能を強化するために、本社の隣に物流拠点ZOZOBASE(1000坪)を新設した。従来は本社ビル内を使って在庫を保管していたが、在庫数が膨大になったため、物流倉庫への投資を決めた。

入荷から最短1日以内に商品撮影・採寸(他社基準をZOZOTOWN基準に変換する作業)・データ入力・サイト掲載を完了し、注文があった場合に出荷できる体制を実現した。

【社内教育】

2006年の時点でZOZOは物流を重要視し、経理など物流にも関係がない社員に対しても(=全社員に)、物流倉庫における商品の配送業務を経験させる教育プログラムを実施していた。

2007

クレカ決済でGMOと提携(年不詳)

2007年の時点でZOZOは、クレジット決済に関してはGMOペイメントゲートウェイ、代引きに関してはヤマトHD系子会社にそれぞれ委託することで決済の仕組みを作り上げていた。

なお、2021年時点においても、ZOZOのクレジット決済とコンビニ決済は「GMOペイメントゲートウェイ」が代行しており、ZOZOはGMOに対しては年間39億円を手数料を含めて支払っている(GMOペイメントゲートウェイの有価証券報告書・FY2020)。

このため、ZOZOは決済サービスの提供において、特定の代行会社に対して依存しているというリスクを抱えている。

2007

東証マザーズに株式上場。前澤氏は株式の過半数を保持

2007年にZOZOは東証マザーズへの上場の条件である株主数を増やすために、ベンチャーキャピタル(ジャフコ、伊藤忠系など)や、恩人となった取引先(ユナイテッとアローズ重松氏)に対して、第三者割当増資を実施した。

そして、2007年にZOZOは東証マザーズへの株式上場を果たした。

なお、上場後も前澤氏が株式の過半数(67%)を保持し続けており、市場への売り出しは限定的となった。

前澤氏が上場時点で株式を放出しなかったため、2018年に前澤氏がZOZOの取締役から退任する際に、資本政策上の大きな問題となった。(この問題は、Zホールディングスに株式を取得させることで解決している)

2012

東証一部に株式上場。商品取扱高で月商100億円を突破

ZOZOは業容を拡大し、2012年に商品取扱高で月商100億円を突破した。

業容の拡大を受けて、2012年にZOZOは東証第1部に昇格した。

2012

「アパレルネット通販で一人勝ち」

2012年にZOZOは東証一部に株式を上場し、急成長企業として注目を集めた。

この時点で、アパレル系ECサイトは国内に複数存在していたが、順調にユーザー数を確保(2007年時点で277万ユーザー)したZOZOTOWNが圧倒的な優勢なりつつあった。

ユーザーは若い女性が中心であり、通販サイトにおける使いやすいUI/UXや、品質が担保された商品社員、統一的なサイズ表記、確実な在庫表示といった細かい使い勝手が評価された。

このため、経済メディアの週刊東洋経済は「リアルな強さで独り勝ち」(2011/2/19)として評価するなど、ZOZOに対する知名度や注目度が高まりつつあった。

2013

習志野市に物流センターを新設。プロロジスから賃借

2013年にZOZOは商品の取扱量を増加させるために、プロロジス社の「プロロジスパーク4習志野4」(3万坪)の建物フロアの全ての賃借を決定した。

物流センターの賃借による新設により、ZOZOは商品取扱高の拡大を目指した。

2018

商号をZOZOに変更

商号をスタートトゥデイからZOZOに変更し、ブランド名と社名を一致させた。

2018

システムのリプレイスを開始

2018年時点において、ZOZOのシステムは完全な内製化ではなく、外部の複数のベンダーに委託しており、AWSアカウントのコスト増加といったボトルネックになっていた。

また、データ分析基盤が整備されておらず解析が難しいといったことが問題視された。

そこで、2020年にZOZOはエンジニアの組織改革を実施。中途採用を積極化することでエンジニアリングの内製化の体制を整えつつ、ベンダーを整理。また分析基盤にはBigQueryを導入し、するなど、技術的な負債を解消することを目論んだ。

2019

ZホールディングスがTOBにより50.1%のZOZO株を取得

ヤフージャパンとLINEを主体とするZホールディングがZOZOの買収を決断。なお、2010年からZOZOはヤフーショッピングの連携でヤフージャパンと業務提携しており取引関係にあった。

ZOZOの創業者である前澤友作は社長兼CEOを退任して経営の一線から退き、後任には澤田宏太郎が社長兼CEOに就任した。

売上高の推移

売上高の推移

業績推移