エクシオグループ の歴史

更新:

1954年、電電公社系の通信建設会社・協和電設として設立。1991年の協和エクシオへの改称、2018年のシーキューブなど上場3社の一括子会社化までの沿革と経緯を執筆。

創業

1954年

母体

日本電信電話公社系

創業地

東京都

直近売上高(2026/3)

7,877億円

長期業績と転換点(1997/3〜2026/3)
売上高(億円純利益率(%)
Q なぜ1954年に協和電設は自力創業ではなく発注者ありきで設立されたのか
A 戦後の電話需要を国策で一気に整備するには工事の受け皿が足りず、発注者である電電公社の側が施工能力を確保する必要があったためである。1954年5月、日本電信電話公社の電気通信設備拡張計画に対応することを目的に、資本金3,100万円で協和電設株式会社が東京で設立された。設立直後の9月には共同工業株式会社(資本金1,300万円)と日本電話工業株式会社(資本金600万円)を吸収合併し、資本金は5,000万円に拡張された。出資したのは日本電気・住友電気工業・古河電気工業・沖電気工業といった電電公社へ交換機と電線を納めるメーカーで、1962年10月期の受注先別でも電電公社が98%を占めた
Q なぜ2018年に協和エクシオは上場通建3社を一括で子会社化したのか
A 発注者がNTTグループ1社に固定された請負構造を量で薄めるには、全国に複数の発注者を持つ地場大手を一度に取り込むのが最短だったためである。2018年10月、協和エクシオはシーキューブ株式会社、西部電気工業株式会社、日本電通株式会社という上場通信工事3社を一括で子会社化した。3社は中部・関西・九州をそれぞれ地盤とし、被統合会社7社のうち6社がNTT西日本地域を地盤とする電気通信工事10社同時の再編の一環だった。首都圏中心で発注者1社という構造に、全国規模の施工網が加わった。連結売上高はFY17の3,127億円からFY18の4,237億円へ約35%拡大し、規模も一段引き上がった。
Q なぜ2021年に「エクシオグループ」へ改称し資本効率へ目標を移したのか
A 地域子会社別の縦割りを顧客領域別へ組み替えてNTT偏重をほぼ均し終え、量的再編が一巡したため、次の経営課題が事業構成の量から資本効率へ移ったためである。2021年10月、協和エクシオは社名を「エクシオグループ株式会社」へ変更した。これに先立ち舩橋哲也前社長は2030年度に通信キャリア・都市インフラ・システムソリューションの各事業の売上高比率をそれぞれ3分の1ずつにしたいと述べていた。2026年3月期の売上構成比はシステムソリューション36%・通信キャリア32%・都市インフラ32%とほぼ均等になり、2025年6月就任の梶村啓吾社長は次期中計について「ROE目標を9%から2桁水準へ引き上げ予定」(ログミーFinance、2025年12月13日)と予告した

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1954年〜 電電公社の五カ年計画に合わせ、電線と通信機のメーカーが出資してつくった会社

エクシオグループの業績推移:単体

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 1954年 協和電設を設立
  2. 1954年 共同工業・日本電話工業を吸収合併
  3. 1963年 東京証券取引所市場第二部に上場
  4. 1972年 東京証券取引所市場第一部に指定
  5. 1973年 協和通信工業と合併
  6. 1975年 事業目的に設計・測量業務を追加
  7. 1982年 情報処理・関連機材販売賃貸を事業目的に追加

発注者の計画が先にあり、その受け皿として組成された会社

1954年5月、日本電信電話公社の電気通信設備拡張計画に対応することを目的として[1]、資本金3,100万円で協和電設株式会社が東京に設立された[2]。契機は、電電公社が1953年度を初年度とする第一次五カ年計画を実施した[3]結果、工事量が急増したことにある。これを請け負う工事業界の体制は十分でなく、強力な建設業者の出現が待望されていた[4]。協和電設はこの要望に応え、民間有力会社の出資によって創設された[5]会社である[6]。設立から4か月後の1954年9月には、当時の有力工事業者だった共同工業(資本金1,300万円)と日本電話工業(同600万円)を吸収合併し、資本金を5,000万円へ積み増した[7]。同社は電気通信施設の建設工事を請け負う建設大臣登録の建設業者であり[8]、発足と同時に電電公社から通信線路(通信土木を含む)・通信機械・伝送無線の各工事で一級資格業者の認定を受けた[9]

  • エクシオグループ 有価証券報告書【沿革】
    • [1]設立目的は日本電信電話公社の電気通信設備拡張計画への対応
    • [2]1954年5月 協和電設株式会社を東京で設立 資本金3,100万円
    • [7]1954年9月 共同工業(資本金1,300万円)・日本電話工業(同600万円)を吸収合併 資本金5,000万円
    • [3]電電公社の第一次五カ年計画 1953年度が初年度
    • [4]工事業界の体制が不十分で強力な建設業者の出現が待望されていた
    • [5]民間有力会社の出資によって創設
    • [9]発足と同時に電電公社から通信線路(通信土木を含む)・通信機械・伝送無線の各工事で一級資格業者の認定
    • [6]1954年5月 電電公社の第1次5カ年計画に伴う工事量増加に対処するため民間有力者の発起により設立
    • [8]電気通信施設の建設工事を請け負う建設大臣登録の建設業者

出資した「民間有力会社」の顔ぶれは上場前の大株主名簿に残っており、1962年10月末時点の上位株主は日本電気63,000株、住友電気工業45,360株、古河電気工業45,360株、藤倉電線35,280株、沖電気工業35,280株、富士通信機製造31,500株[10]で、以下に昭和電線電纜・大日電線・日本電線・日立製作所が続き[11]、電電公社へ交換機と電線を納めるメーカーが上位を占めた。株主数は264名にとどまり、うち関東地方の207名が株式の78.4%を保有[12]していた。同じ時点の従業員数は1,373名で、うち現業員が1,161名を数える[13]。取引銀行は富士銀行・住友銀行・三菱銀行・三井銀行の4行[14]だった。

    • [10]1962年10月末の大株主 日本電気63,000株・住友電気工業45,360株・古河電気工業45,360株・藤倉電線35,280株・沖電気工業35,280株・富士通信機製造31,500株
    • [11]昭和電線電纜・大日電線・日本電線・日立製作所も上位株主
    • [12]株主数264名・関東地方の207名が株式の78.4%を保有
    • [13]1962年10月末の従業員数1,373名 うち現業員1,161名
    • [14]取引銀行は富士銀行・住友銀行・三菱銀行・三井銀行

売上は発注者の予算に連動し、発足直後の1955年10月期の完工高6億2,000万円は、5年後の1960年10月期には20億5,000万円と3.3倍に達した[15]。資本金も1955年9月に8,000万円、1957年7月に1億2,000万円、1960年8月に1億6,800万円、1962年2月に2億5,200万円[16]と、工事量の増加に合わせて段階的に積み増されている。1962年10月期の完成工事高の内訳は通信土木41.9%・通信機械24.2%・通信線路23.8%・伝送無線10.1%[17]で、受注先別では電電公社が98%を占めた[18]。1962年9月末の電電公社の発注高200億円に対し、同社の受注は33億円で16.5%にあたり、業界1位の成績だった[19]

    • [15]完工高 1955年10月期6億2,000万円→1960年10月期20億5,000万円(3.3倍)
    • [16]資本金の変遷 1955年9月8,000万円・1957年7月1億2,000万円・1960年8月1億6,800万円・1962年2月2億5,200万円
    • [17]1962年10月期の完成工事高比率 通信土木41.9%・通信機械24.2%・通信線路23.8%・伝送無線10.1%
    • [18]受注先別で電電公社が98%
    • [19]1962年9月末 電電公社の発注高200億円に対し同社の受注33億円・16.5%で業界1位
  • エクシオグループ 有価証券報告書【沿革】
    • [1]設立目的は日本電信電話公社の電気通信設備拡張計画への対応
    • [2]1954年5月 協和電設株式会社を東京で設立 資本金3,100万円
    • [7]1954年9月 共同工業(資本金1,300万円)・日本電話工業(同600万円)を吸収合併 資本金5,000万円
    • [3]電電公社の第一次五カ年計画 1953年度が初年度
    • [4]工事業界の体制が不十分で強力な建設業者の出現が待望されていた
    • [5]民間有力会社の出資によって創設
    • [9]発足と同時に電電公社から通信線路(通信土木を含む)・通信機械・伝送無線の各工事で一級資格業者の認定
    • [15]完工高 1955年10月期6億2,000万円→1960年10月期20億5,000万円(3.3倍)
    • [6]1954年5月 電電公社の第1次5カ年計画に伴う工事量増加に対処するため民間有力者の発起により設立
    • [8]電気通信施設の建設工事を請け負う建設大臣登録の建設業者
    • [10]1962年10月末の大株主 日本電気63,000株・住友電気工業45,360株・古河電気工業45,360株・藤倉電線35,280株・沖電気工業35,280株・富士通信機製造31,500株
    • [11]昭和電線電纜・大日電線・日本電線・日立製作所も上位株主
    • [12]株主数264名・関東地方の207名が株式の78.4%を保有
    • [13]1962年10月末の従業員数1,373名 うち現業員1,161名
    • [14]取引銀行は富士銀行・住友銀行・三菱銀行・三井銀行
    • [16]資本金の変遷 1955年9月8,000万円・1957年7月1億2,000万円・1960年8月1億6,800万円・1962年2月2億5,200万円
    • [17]1962年10月期の完成工事高比率 通信土木41.9%・通信機械24.2%・通信線路23.8%・伝送無線10.1%
    • [18]受注先別で電電公社が98%
    • [19]1962年9月末 電電公社の発注高200億円に対し同社の受注33億円・16.5%で業界1位

電電公社98%のまま上場し、一部指定と定款拡張へ進んだ20年

1963年2月20日、協和電設は東京証券取引所市場第二部に上場[20]した。銘柄コードは1951、公開価格は1株1,500円で、上場株式数は70万株、資本金は上場に合わせて3億5,000万円へ増資された[21]。増資の使途は、工事量の増大に対処するための産業車輛・運搬機械等の増強[22]だった。上場前3期の1株当たり売上高は1960年10月期2,050.4円、1961年10月期3,343.7円、1962年10月期4,330.8円[23]と伸び、1株当たり税引後純利益も91.5円・173.4円・263.3円[24]と増えている。電電公社は1953年に第一次、1958年に第二次の五カ年計画を進め、1963年4月からは第三次五カ年計画の段階に入る予定で、その規模は第二次の約2.5倍にのぼった[25]

    • [20]1963年2月20日 東京証券取引所市場第二部に上場 銘柄コード1951
    • [21]公開価格1株1,500円・上場株式数70万株・資本金3億5,000万円
    • [22]増資の使途は産業車輛・運搬機械等の増強
    • [23]1株当たり売上高 1960年10月期2,050.4円・1961年10月期3,343.7円・1962年10月期4,330.8円
    • [24]1株当たり税引後純利益 91.5円・173.4円・263.3円
    • [25]電電公社の五カ年計画 1953年第一次・1958年第二次・1963年4月から第三次(規模は第二次の約2.5倍)

決算期は1963年から10月期を9月期へ改めた[26]。1967年9月期の完工高は131億2,100万円、受注高は141億6,000万円[27]で、5年前の1962年10月期と比べて完工高で約3倍、受注高で3.8倍に伸びている[28]。資本金は創立から13年で8億4,000万円、従業員は2,270名[29]に増えた。上場時に社長を務めたのは荒川大太郎氏[30]で、1968年時点では平山温氏が社長を務めた[31]。この年になっても民需は約3%にとどまり、残りはすべて電電公社を主体とする官公需要で占められ[32]、工事の部門別内訳は通信土木41%・通信線路26%・通信機械20%[33]だった。

    • [26]1963年から決算期を10月期から9月期へ変更
    • [27]1967年9月期 完工高131億2,100万円・受注高141億6,000万円
    • [28]1962年10月期比で完工高約3倍・受注高3.8倍
    • [29]創立13年で資本金8億4,000万円・従業員2,270名
    • [31]1968年時点の社長は平山温
    • [32]民需は約3%で残りは電電公社を主体とする官公需要
    • [33]工事の部門別内訳 通信土木41%・通信線路26%・通信機械20%
    • [30]上場時の社長は荒川大太郎

1972年2月、協和電設は東京証券取引所市場第一部に指定替えとなった[34]。1973年1月には協和通信工業と合併し[35]、実質的な創業は1954年でありながら、登記上の設立年月は合併会社の1946年12月へさかのぼる形へ変更された[36]。事業目的の追加も進み、1975年11月に「設計、測量」が[37]、1982年12月に「情報処理に関する業務及びこれに関連する機材、機器類の販売、賃貸、修理加工」が加えられた[38]。同じころ業界の構造にも手が入り、1980年代に旧電電公社は固定網と移動体の工事を複数の会社に発注していた形をやめて1社発注へ見直し、これに伴って移動体と固定系でそれぞれ再編が進んだ[39]

  • エクシオグループ 有価証券報告書【沿革】
    • [34]1972年2月 東京証券取引所市場第一部に指定
    • [35]1973年1月 協和通信工業と合併し登記上の設立年月が1946年12月へ変更
    • [36]登記上の設立年月は1946年12月
    • [37]1975年11月 事業目的に「設計、測量」を追加
    • [38]1982年12月 事業目的に「情報処理に関する業務及びこれに関連する機材、機器類の販売、賃貸、修理加工」を追加
  • 週刊東洋経済 2011年11月29日号
    • [39]1980年代に旧電電公社が固定網と移動体の工事を複数社発注から1社発注へ見直し、移動体と固定系でそれぞれ再編が進んだ
    • [20]1963年2月20日 東京証券取引所市場第二部に上場 銘柄コード1951
    • [21]公開価格1株1,500円・上場株式数70万株・資本金3億5,000万円
    • [22]増資の使途は産業車輛・運搬機械等の増強
    • [23]1株当たり売上高 1960年10月期2,050.4円・1961年10月期3,343.7円・1962年10月期4,330.8円
    • [24]1株当たり税引後純利益 91.5円・173.4円・263.3円
    • [25]電電公社の五カ年計画 1953年第一次・1958年第二次・1963年4月から第三次(規模は第二次の約2.5倍)
    • [30]上場時の社長は荒川大太郎
    • [26]1963年から決算期を10月期から9月期へ変更
    • [27]1967年9月期 完工高131億2,100万円・受注高141億6,000万円
    • [28]1962年10月期比で完工高約3倍・受注高3.8倍
    • [29]創立13年で資本金8億4,000万円・従業員2,270名
    • [31]1968年時点の社長は平山温
    • [32]民需は約3%で残りは電電公社を主体とする官公需要
    • [33]工事の部門別内訳 通信土木41%・通信線路26%・通信機械20%
  • エクシオグループ 有価証券報告書【沿革】
    • [34]1972年2月 東京証券取引所市場第一部に指定
    • [35]1973年1月 協和通信工業と合併し登記上の設立年月が1946年12月へ変更
    • [36]登記上の設立年月は1946年12月
    • [37]1975年11月 事業目的に「設計、測量」を追加
    • [38]1982年12月 事業目的に「情報処理に関する業務及びこれに関連する機材、機器類の販売、賃貸、修理加工」を追加
  • 週刊東洋経済 2011年11月29日号
    • [39]1980年代に旧電電公社が固定網と移動体の工事を複数社発注から1社発注へ見直し、移動体と固定系でそれぞれ再編が進んだ

1985年〜 NTT民営化から投資のピークアウトまで、依存を自覚しながら動けなかった四半世紀

エクシオグループの業績推移:連結

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 1987年 建築設備・環境保全・散水設備の建設保守を追加
  2. 1988年 調査・製造業務を事業目的に追加
  3. 1991年 協和エクシオに商号変更
  4. 1996年 不動産売買・賃貸借・仲介・管理業務を追加
  5. 1999年 本店を移転
  6. 2000年 警備業を事業目的に追加
  7. 2001年 昭和テクノス(資本金1481百万円)と合併

民営化のあと、増えたのは事業目的の行数だった

1985年4月、電電公社は民営化され日本電信電話株式会社(NTT)が発足[40]した。前後して協和電設は事業目的の追加を重ね、1987年12月に「空調、衛生給排水、消防等、建築設備の建設及び保守」「上下水道、産業廃水、産業廃棄物、脱臭施設等、環境保全設備の建設及び保守」「各種散水設備の建設及び保守」を加えた[41]。1988年12月には「調査、製造」が[42]、1996年6月には「不動産の売買、賃貸借、仲介及び管理」が[43]、2000年6月には「警備業」が続いた[44]。1999年3月には本店を東京都渋谷区へ移転[45]した。

  • エクシオグループ 有価証券報告書【沿革】
    • [40]1985年4月 電電公社が民営化され日本電信電話株式会社(NTT)が発足
    • [41]1987年12月 事業目的に建築設備・環境保全設備・各種散水設備の建設及び保守を追加
    • [42]1988年12月 事業目的に「調査、製造」を追加
    • [43]1996年6月 事業目的に不動産の売買・賃貸借・仲介・管理業務を追加
    • [44]2000年6月 事業目的に警備業を追加
    • [45]1999年3月 本店を東京都渋谷区へ移転

1991年5月、創業から37年使い続けた「協和電設」の商号を「株式会社協和エクシオ」へ改めた[46]。ただし収益の中身は動かず、1990年代を通じてNTTグループの設備投資は拡大を続け、1999年3月期に3兆0878億円のピークをつけている[47]。ピークの後は減少に転じ、かつて年間3兆円を超えた設備投資は2002年度に2兆円を割り込んだ[48]。連結の完成工事高も2002年3月期の2,033億円から2003年3月期には1,863億円へ減り、経常利益は90億円から47億円へ半減している。当期純利益も29億円から16億円へ落ちた。

  • エクシオグループ 有価証券報告書【沿革】
    • [46]1991年5月 協和電設から株式会社協和エクシオへ商号変更(創業から37年)
  • 週刊東洋経済 2011年11月29日号
    • [47]NTTグループの設備投資は1999年3月期の3兆0878億円がピーク
  • 週刊東洋経済 2003年9月13日号
    • [48]NTTの設備投資は2002年度に2兆円割れ

減収の途中にあたる2001年4月、協和エクシオは株式会社昭和テクノス(資本金1,481百万円)を合併し、資本金を6,888百万円へ拡大した[49]。合併に伴って「工事監理及びコンサルティング」「情報処理機器、電気通信機器、産業用・家庭用電気機器、建築資材、建設機械及び自動車の販売、賃貸及び修理」「損害保険代理業及び生命保険募集業」「駐車場の運営及び管理」が事業目的へ加えられた[50]。同年6月には「電気通信事業法に基づく電気通信事業」と「電気通信事業者の代理店業」も追加[51]された。

  • エクシオグループ 有価証券報告書【沿革】
    • [49]2001年4月 株式会社昭和テクノス(資本金1,481百万円)を合併し資本金6,888百万円へ拡大
    • [50]昭和テクノス合併に伴い工事監理及びコンサルティング・各種機器の販売賃貸修理・損害保険代理業及び生命保険募集業・駐車場の運営及び管理を事業目的に追加
    • [51]2001年6月 事業目的に「電気通信事業法に基づく電気通信事業」「電気通信事業者の代理店業」を追加
  • エクシオグループ 有価証券報告書【沿革】
    • [40]1985年4月 電電公社が民営化され日本電信電話株式会社(NTT)が発足
    • [41]1987年12月 事業目的に建築設備・環境保全設備・各種散水設備の建設及び保守を追加
    • [42]1988年12月 事業目的に「調査、製造」を追加
    • [43]1996年6月 事業目的に不動産の売買・賃貸借・仲介・管理業務を追加
    • [44]2000年6月 事業目的に警備業を追加
    • [45]1999年3月 本店を東京都渋谷区へ移転
    • [46]1991年5月 協和電設から株式会社協和エクシオへ商号変更(創業から37年)
    • [49]2001年4月 株式会社昭和テクノス(資本金1,481百万円)を合併し資本金6,888百万円へ拡大
    • [50]昭和テクノス合併に伴い工事監理及びコンサルティング・各種機器の販売賃貸修理・損害保険代理業及び生命保険募集業・駐車場の運営及び管理を事業目的に追加
    • [51]2001年6月 事業目的に「電気通信事業法に基づく電気通信事業」「電気通信事業者の代理店業」を追加
  • 週刊東洋経済 2011年11月29日号
    • [47]NTTグループの設備投資は1999年3月期の3兆0878億円がピーク
  • 週刊東洋経済 2003年9月13日号
    • [48]NTTの設備投資は2002年度に2兆円割れ

光ファイバーという成長株と、そこで割に合わなかった採算

2003年6月、髙島征二氏が協和エクシオの社長に就任した[52]髙島征二氏(社長)はNTTで技術畑を歩み、光通信の技術開発にも携わった経歴を持ち、NTTのグループ会社社長などを経て2002年に協和エクシオ専務へ移った[53]。就任時点の協和エクシオは通信工事業界の2位で、NTTの光ファイバー工事ではすでにトップクラスにあった[54]髙島征二氏(社長)は「五年後には、若年層やビジネス層を中心に、アクセス回線の過半数が光ファイバーによるブロードバンドになっているだろう」(週刊東洋経済、2003年9月13日)[55]と見通しを述べ、光ファイバー工事の分野で首位を固める方針を掲げた。

  • 週刊東洋経済 2003年9月13日号
    • [52]2003年6月 髙島征二が協和エクシオ社長に就任
    • [53]髙島征二はNTTで技術畑を歩み光通信の技術開発に携わり、NTTのグループ会社社長を経て2002年に協和エクシオ専務へ
    • [54]2003年時点で協和エクシオは通信工事業界2位、NTTの光ファイバー工事ではトップクラス
    • [55]髙島社長は5年後にアクセス回線の過半数が光ファイバーのブロードバンドになると見通した

光ファイバーは成長分野でありながら採算は厳しく、独占だった電話と違ってBフレッツなどの光ファイバー・サービスには価格競争があり、NTTの工事会社に対する要求も厳しくなっている[56]。光ファイバーやインターネット関連の工事は技術的な難易度が高いうえ施工実績も少なく、工事の効率は高くなかった[57]髙島征二氏(社長)はこれに対し、施工実績を重ねて収益性を上げる方針と、工事会社ならではの地域密着体制を生かして中小企業向けを中心にIPネットワークソリューション事業を強化する方針[58]を示した。連結の完成工事高は2004年3月期の2,039億円から2007年3月期の3,035億円へ伸び、経常利益は91億円から211億円へ増えている。

  • 週刊東洋経済 2003年9月13日号
    • [56]独占だった電話と違いBフレッツなどの光ファイバー・サービスには価格競争があり、NTTの工事会社への要求も厳しい
    • [57]光ファイバー・インターネット関連の工事は技術的難易度が高く施工実績も少なく工事の効率が低い
    • [58]髙島社長は施工実績を重ねた収益性向上と、中小企業向け中心のIPネットワークソリューション事業強化を示した
  • 週刊東洋経済 2003年9月13日号
    • [52]2003年6月 髙島征二が協和エクシオ社長に就任
    • [53]髙島征二はNTTで技術畑を歩み光通信の技術開発に携わり、NTTのグループ会社社長を経て2002年に協和エクシオ専務へ
    • [54]2003年時点で協和エクシオは通信工事業界2位、NTTの光ファイバー工事ではトップクラス
    • [55]髙島社長は5年後にアクセス回線の過半数が光ファイバーのブロードバンドになると見通した
    • [56]独占だった電話と違いBフレッツなどの光ファイバー・サービスには価格競争があり、NTTの工事会社への要求も厳しい
    • [57]光ファイバー・インターネット関連の工事は技術的難易度が高く施工実績も少なく工事の効率が低い
    • [58]髙島社長は施工実績を重ねた収益性向上と、中小企業向け中心のIPネットワークソリューション事業強化を示した

投資の縮小と、社内公募制による「脱・キャリア」

受注の裾野を広げる手段として子会社化が始まり、2004年4月に大和電設工業を[59]、翌5月に和興エンジニアリングを傘下に収め[60]た。2004年6月には事業目的へ「労働者派遣事業及び有料職業紹介事業」を[61]、2006年6月には「放置車両確認事務」を加えた[62]。2010年5月には池野通建を[63]、2011年11月にはアイコムシステックを子会社化した[64]。その一方で発注者側の投資は縮み、ピーク時に3兆円を超えたNTTグループの設備投資は2011年3月期に1兆8701億円まで減っている[65]。連結売上高も2007年3月期の3,035億円から2012年3月期の2,731億円へ後退し、営業利益は204億円から89億円へ縮んだ。

  • エクシオグループ 有価証券報告書【沿革】
    • [59]2004年4月 大和電設工業を子会社化
    • [60]2004年5月 和興エンジニアリングを子会社化
    • [61]2004年6月 事業目的に「労働者派遣事業及び有料職業紹介事業」を追加
    • [62]2006年6月 事業目的に「放置車両確認事務」を追加
    • [63]2010年5月 池野通建を子会社化
    • [64]2011年11月 アイコムシステックを子会社化
  • 週刊東洋経済 2011年11月29日号
    • [65]NTTグループの設備投資は2011年3月期に1兆8701億円まで減少

2011年時点の通信工事業界は、スマートフォンの普及で通信各社が最高益を更新するなかでも薄利から抜け出せずにいた[66]。携帯電話の普及期と違って数千万円かかる鉄塔や数百万円単位の基地局の建設自体が少なくなり、多くが既存基地局での機器の取り換えや固定網への通信量の振り分けで、工事の規模は数十万円にとどまっている[67]。協和エクシオはこのなかで「脱・キャリア」を志向し、社内公募制を実施してNTT向けの人員を民間事業会社向けに振り向け始めた[68]。業界では2010年に大明・コミューチュア・東電通が統合してミライト・ホールディングスが誕生し、コムシスホールディングス、協和エクシオに次ぐ3位に躍進している[69]。NTT向け工事会社は2000年代に東日本で集約が進んで大手3社が生まれた一方、西日本はほぼ無風のまま残された[70]

  • 週刊東洋経済 2011年11月29日号
    • [66]2011年 スマートフォン普及で通信各社が最高益を更新する一方、通信工事業界は薄利から抜け出せなかった
    • [67]基地局工事の規模は数十万円に縮小(鉄塔は数千万円・基地局は数百万円単位)
    • [68]協和エクシオは「脱・キャリア」を志向し社内公募制でNTT向け人員を民間事業会社向けへ振り向けた
    • [69]2010年 大明・コミューチュア・東電通が統合しミライト・ホールディングスが誕生、業界3位に
  • 週刊東洋経済 2018年6月2日号
    • [70]NTT向け工事会社は2000年代に東日本で集約が進み大手3社が誕生、西日本はほぼ無風
  • エクシオグループ 有価証券報告書【沿革】
    • [59]2004年4月 大和電設工業を子会社化
    • [60]2004年5月 和興エンジニアリングを子会社化
    • [61]2004年6月 事業目的に「労働者派遣事業及び有料職業紹介事業」を追加
    • [62]2006年6月 事業目的に「放置車両確認事務」を追加
    • [63]2010年5月 池野通建を子会社化
    • [64]2011年11月 アイコムシステックを子会社化
  • 週刊東洋経済 2011年11月29日号
    • [65]NTTグループの設備投資は2011年3月期に1兆8701億円まで減少
    • [66]2011年 スマートフォン普及で通信各社が最高益を更新する一方、通信工事業界は薄利から抜け出せなかった
    • [67]基地局工事の規模は数十万円に縮小(鉄塔は数千万円・基地局は数百万円単位)
    • [68]協和エクシオは「脱・キャリア」を志向し社内公募制でNTT向け人員を民間事業会社向けへ振り向けた
    • [69]2010年 大明・コミューチュア・東電通が統合しミライト・ホールディングスが誕生、業界3位に
  • 週刊東洋経済 2018年6月2日号
    • [70]NTT向け工事会社は2000年代に東日本で集約が進み大手3社が誕生、西日本はほぼ無風

2012年〜 上意下達の再編 ── 発注者の号令のもとで全国施工網ができた9年間

エクシオグループの業績推移:連結

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 2015年 和興エンジニアリングと池野通建が合併
  2. 2018年 通信工事3社の同時子会社化とエクシオグループへの改称・再編 地域割拠だった通信工事業界を、株式交換による一括統合と顧客カテゴリ別再編でどう塗り替えたか
  3. 2019年 EXEO GLOBAL Pte Ltd経由でDeClout Pte Ltdを子会社化
  4. 2020年 輸出入業務・古物売買業を事業目的に追加

発注平準化で戻った採算と、動かなかった依存度

2013年6月、小園文典氏が協和エクシオの社長に就任した[71]小園文典氏(社長)は2012年6月に副社長として転入し、1年で社長へ昇格[72]した。業績は底から反転し、連結売上高は2012年3月期の2,731億円から2014年3月期の3,185億円へ、営業利益は89億円から207億円へ戻した。2013年6月には事業目的へ「発電事業及び売電事業」と「貨物利用運送事業」を加え[73]、2015年7月には和興エンジニアリングと池野通建を合併させて株式会社エクシオテックへ再編した[74]

  • エクシオグループ 有価証券報告書【役員の状況】
    • [71]2013年6月 小園文典が協和エクシオ社長に就任
    • [72]小園文典は2012年6月に副社長就任、2013年6月に社長昇格
  • エクシオグループ 有価証券報告書【沿革】
    • [73]2013年6月 事業目的に「発電事業及び売電事業」「貨物利用運送事業」を追加
    • [74]2015年7月 和興エンジニアリングと池野通建が合併し株式会社エクシオテックへ再編

業績を左右したのは依然としてNTTグループからの工事で、NTT固定系の工事高が前期比11%減少した2015年3月期は、全体の営業利益も11%減[75]っている。翌2016年3月期は非NTTが大幅減収となったものの、ドコモを含むNTT系が微減にとどまったため営業利益は横ばい[76]を保った。一般にNTTグループの工事のほうが採算はよいとされ、その理由は通信工事会社の「慣れ」[77]にある。電線と交換機が光ファイバーとルーターに変わってもNTTと工事会社の付き合いは長く、この種の工事でこの規模なら原価はこれくらいとすぐに分かるため、原価管理がしやすい[78]

  • 週刊東洋経済 2018年10月20日号
    • [75]NTT固定系の工事高が前期比11%減少した2015年3月期は全体の営業利益も11%減
    • [76]2016年3月期は非NTTが大幅減収でもNTT系が微減にとどまり営業利益は横ばい
    • [77]NTTグループの工事は採算がよく、その理由は通信工事会社の「慣れ」による原価管理のしやすさ
    • [78]電線・交換機が光ファイバー・ルーターに変わってもNTTとの付き合いは長く原価がすぐ分かるため原価管理がしやすい

2010年代半ばからはNTTの発注平準化も追い風になった[79]。NTTの工事は従来下期に偏っており、協和エクシオの第1四半期の営業利益は3億円というときもあったが、2018年6月期には38億円まで平準化が進んでいる[80]。工事の平準化は閑散期の稼働率向上と繁忙期の負荷軽減をもたらし、通期での費用減[81]につながった。連結営業利益は2017年3月期の208億円、2018年3月期の256億円と伸び、統合前としては最も高い水準に達している。

  • 週刊東洋経済 2018年10月20日号
    • [79]2010年代半ばからNTTの発注平準化という順風が吹いた
    • [80]NTT工事は従来下期偏重で第1四半期の営業利益は3億円のときもあったが2018年6月期は38億円
    • [81]工事の平準化は閑散期の稼働率向上と繁忙期の負荷軽減をもたらし通期での費用減になる
  • エクシオグループ 有価証券報告書【役員の状況】
    • [71]2013年6月 小園文典が協和エクシオ社長に就任
    • [72]小園文典は2012年6月に副社長就任、2013年6月に社長昇格
  • エクシオグループ 有価証券報告書【沿革】
    • [73]2013年6月 事業目的に「発電事業及び売電事業」「貨物利用運送事業」を追加
    • [74]2015年7月 和興エンジニアリングと池野通建が合併し株式会社エクシオテックへ再編
  • 週刊東洋経済 2018年10月20日号
    • [75]NTT固定系の工事高が前期比11%減少した2015年3月期は全体の営業利益も11%減
    • [76]2016年3月期は非NTTが大幅減収でもNTT系が微減にとどまり営業利益は横ばい
    • [77]NTTグループの工事は採算がよく、その理由は通信工事会社の「慣れ」による原価管理のしやすさ
    • [78]電線・交換機が光ファイバー・ルーターに変わってもNTTとの付き合いは長く原価がすぐ分かるため原価管理がしやすい
    • [79]2010年代半ばからNTTの発注平準化という順風が吹いた
    • [80]NTT工事は従来下期偏重で第1四半期の営業利益は3億円のときもあったが2018年6月期は38億円
    • [81]工事の平準化は閑散期の稼働率向上と繁忙期の負荷軽減をもたらし通期での費用減になる

電気通信工事10社が同時期に統合を発表した2018年

2018年4月下旬から5月上旬にかけて、コムシスホールディングス・協和エクシオ・ミライト・ホールディングスの大手を含む電気通信工事10社が、相次いで経営統合を発表[82]した。被統合会社7社のうち6社がNTT西日本地域を地盤としており[83]、2000年代の東日本の集約で手つかずに残っていた地域が一斉に動いた。各社は統合理由について「将来を考えると、規模を大きくして効率化を進め、非NTT向けも推進する必要がある」(週刊東洋経済、2018年6月2日)[84]と口をそろえている。もっとも各社は工事の採算向上を狙って2年ほど前から三つの共同企業体を形成しており、今回の統合で各共同企業体がそのままグループになった[85]。NTTの工事は長年の経験から原価管理が容易で採算割れはまずなく、利益面でのNTT依存度は売上高以上[86]とされる。

  • 週刊東洋経済 2018年6月2日号
    • [82]2018年4月下旬〜5月上旬 電気通信工事10社が相次いで経営統合を発表
    • [83]被統合会社7社のうち6社がNTT西日本地域を地盤
    • [84]各社は統合理由を「規模を大きくして効率化を進め、非NTT向けも推進する必要がある」と説明
    • [85]各社は2年ほど前から三つの共同企業体を形成しており、統合で各共同企業体がそのままグループになった
    • [86]NTTの工事は原価管理が容易で採算割れはまずなく、利益面でのNTT依存度は売上高以上

協和エクシオが対象としたのは、シーキューブ・西部電気工業・日本電通の上場3社である[87]。2018年5月9日に株式交換による同業3社の買収を発表し[88]、10月に完全子会社化を完了した。シーキューブは中部、日本電通は関西、西部電気工業は九州をそれぞれ地盤とし[89]、いずれも各地域でNTT西日本向け工事を担ってきた地場の通信建設会社にあたり、首都圏を中心としてきた協和エクシオはこの3社の取り込みで全国を覆う施工網を得た。

  • エクシオグループ 有価証券報告書【沿革】
    • [87]2018年10月 シーキューブ・西部電気工業・日本電通の上場3社を完全子会社化
  • 日本経済新聞(2018年5月9日)
    • [88]2018年5月9日 株式交換による同業3社の買収を発表
  • 週刊東洋経済 2018年6月2日号
    • [89]3社の地盤はシーキューブ=中部・日本電通=関西・西部電気工業=九州で、いずれもNTT西日本向け工事を担う

統合の効果は翌期の決算に表れ、連結売上高は2018年3月期の3,127億円から2019年3月期の4,237億円へ35%増え、営業利益は256億円から317億円へ伸びている。総資産は2,613億円から4,165億円へ、自己資本は1,759億円から2,643億円へ拡大し、のれんは6億円から102億円へ、有利子負債は10億円から177億円へ増えた。従業員数は8,331名から13,151名へ、1年で4,820名増えている。統合発表時点の会社予想営業利益は275億円だったが、実績はこれを42億円上回った[90]

  • 週刊東洋経済 2018年10月20日号
    • [90]統合発表時点の会社予想営業利益275億円に対し実績317億円
  • 週刊東洋経済 2018年6月2日号
    • [82]2018年4月下旬〜5月上旬 電気通信工事10社が相次いで経営統合を発表
    • [83]被統合会社7社のうち6社がNTT西日本地域を地盤
    • [84]各社は統合理由を「規模を大きくして効率化を進め、非NTT向けも推進する必要がある」と説明
    • [85]各社は2年ほど前から三つの共同企業体を形成しており、統合で各共同企業体がそのままグループになった
    • [86]NTTの工事は原価管理が容易で採算割れはまずなく、利益面でのNTT依存度は売上高以上
    • [89]3社の地盤はシーキューブ=中部・日本電通=関西・西部電気工業=九州で、いずれもNTT西日本向け工事を担う
  • エクシオグループ 有価証券報告書【沿革】
    • [87]2018年10月 シーキューブ・西部電気工業・日本電通の上場3社を完全子会社化
  • 日本経済新聞(2018年5月9日)
    • [88]2018年5月9日 株式交換による同業3社の買収を発表
  • 週刊東洋経済 2018年10月20日号
    • [90]統合発表時点の会社予想営業利益275億円に対し実績317億円

海外への一歩と、3年で83%増えた売上高

2019年3月、協和エクシオの子会社であるEXEO GLOBAL Pte. Ltd.が、シンガポールのDeClout Pte. Ltd.(現EXEO Global Asset Holdings Pte. Ltd.)を子会社化した[91]。2019年6月には舩橋哲也氏が社長に就任した。舩橋社長はNTTコミュニケーションズを経て2018年6月に副社長へ転入し[92]、1年で社長へ昇格した。NTTグループ出身者が副社長として転入して1〜2年で社長へ上がる形は、小園文典氏、舩橋氏、のちの梶村啓吾氏と3代続いた[93]。2020年6月には事業目的へ「輸出入業務」と「古物売買業」が加えられた[94]

  • エクシオグループ 有価証券報告書【沿革】
    • [91]2019年3月 EXEO GLOBAL Pte. Ltd.がシンガポールのDeClout Pte. Ltd.(現EXEO Global Asset Holdings Pte. Ltd.)を子会社化
    • [94]2020年6月 事業目的に「輸出入業務」「古物売買業」を追加
  • エクシオグループ 有価証券報告書【役員の状況】
    • [92]舩橋哲也は2018年6月に副社長就任、2019年6月に社長昇格
    • [93]NTTグループ出身の副社長が1〜2年で社長へ昇格する形は小園文典・舩橋哲也・梶村啓吾と3代続いた

規模の拡大はそのまま数字に出て、連結売上高は2020年3月期に5,246億円、2021年3月期に5,733億円となり、2018年3月期の3,127億円から3年で83%増えている。営業利益は2021年3月期に366億円で、統合前の256億円を43%上回った。従業員数も2021年3月期に14,374名となり、統合前の8,331名から6,043名増えた。この3年間の開示は、協和エクシオグループ・シーキューブグループ・日本電通グループ・西部電気工業グループという地域別セグメントの並列である。

  • エクシオグループ 有価証券報告書【沿革】
    • [91]2019年3月 EXEO GLOBAL Pte. Ltd.がシンガポールのDeClout Pte. Ltd.(現EXEO Global Asset Holdings Pte. Ltd.)を子会社化
    • [94]2020年6月 事業目的に「輸出入業務」「古物売買業」を追加
  • エクシオグループ 有価証券報告書【役員の状況】
    • [92]舩橋哲也は2018年6月に副社長就任、2019年6月に社長昇格
    • [93]NTTグループ出身の副社長が1〜2年で社長へ昇格する形は小園文典・舩橋哲也・梶村啓吾と3代続いた

2021年〜 祖業の殻を破る ── 3分の1ずつという目標と、それを追い越した売上高

エクシオグループの業績推移:連結

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 2021年 エクシオグループに商号変更
  2. 2022年 東京証券取引所プライム市場移行・ICT事業統合
  3. 2024年 エクシオ・デジタルソリューションズなど3社が合併

エクシオグループへの改称と、顧客カテゴリ別の3セグメント

2021年10月、協和エクシオは社名を「エクシオグループ株式会社」へ変更した[95]。1954年に創業した母体の「協和電設」に由来する文字を、67年を経て社名から取り去った[96]。エクシオにはラテン語で「殻を破る」という意味があるとされ、舩橋哲也社長は海外展開を図るうえでも名前が通じやすくなると説明[97]した。1991年の「協和エクシオ」への改称が「電設」を外す変更だったのに対し、2021年の変更は「協和」を外すもの[98]だった。

  • エクシオグループ 有価証券報告書【沿革】
    • [95]2021年10月 社名を「エクシオグループ株式会社」へ変更
    • [98]1991年の改称で「電設」が、2021年の改称で「協和」が社名から外れた
  • 週刊東洋経済 2022年3月12日号
    • [96]1954年創業の母体「協和電設」に由来する文字を社名から取り去った
    • [97]エクシオはラテン語で「殻を破る」の意味とされ、舩橋社長は海外展開で名前が通じやすくなると説明

社名変更と並行して事業セグメントも組み替えられ、2021年3月期まで地域別だった区分を解体して2022年3月期からは顧客カテゴリ別の「通信キャリア」「都市インフラ」「システムソリューション」の3区分へ統一した。舩橋社長は2021年7月に「電気・土木などの技術を生かした『都市インフラ』、ソフトウェア開発のケーパビリティが発揮できる『システムソリューション』の事業を拡大し、2030年度には、通信キャリア、都市インフラ、システムソリューションの各事業の売上高比率をそれぞれ3分の1ずつにしたい」(bcm.co.jp、2021年7月)[99]と語り、3事業の均等構成を長期の目標に置いた。

通信キャリア向けの依存度を下げる理由を、舩橋社長は「通信キャリア各社は、料金値下げなどのインパクトもあって、従来と同じような投資を続けることはない」(週刊東洋経済、2022年3月12日)[100]と説明した。4G時代のキャリア各社は通信エリアの広さを競ってそれぞれが基地局などの通信設備を保有していたが、5Gでは通信を使ったサービスが競争の主戦場となり、基地局などを複数のキャリアへ貸し出す「通信インフラシェアリング」の業態も現れている[101]。中期経営計画では2026年3月期にキャリア向けの売上構成比を40%(2021年3月期は47%)とし、都市インフラとシステムソリューションをそれぞれ30%(同26%、27%)へ引き上げる目標を掲げた[102]

  • 週刊東洋経済 2022年3月12日号
    • [100]舩橋社長は通信キャリア各社が料金値下げの影響で従来と同じ投資を続けないと述べた
    • [101]4Gではキャリア各社が通信エリアの広さを競い個別に設備を保有、5Gではサービスが主戦場となり通信インフラシェアリングの業態も出現
    • [102]中期経営計画は2026年3月期にキャリア向け構成比40%(2021年3月期47%)、都市インフラ・システムソリューション各30%(同26%・27%)
  • エクシオグループ 有価証券報告書【沿革】
    • [95]2021年10月 社名を「エクシオグループ株式会社」へ変更
    • [98]1991年の改称で「電設」が、2021年の改称で「協和」が社名から外れた
  • 週刊東洋経済 2022年3月12日号
    • [96]1954年創業の母体「協和電設」に由来する文字を社名から取り去った
    • [97]エクシオはラテン語で「殻を破る」の意味とされ、舩橋社長は海外展開で名前が通じやすくなると説明
    • [100]舩橋社長は通信キャリア各社が料金値下げの影響で従来と同じ投資を続けないと述べた
    • [101]4Gではキャリア各社が通信エリアの広さを競い個別に設備を保有、5Gではサービスが主戦場となり通信インフラシェアリングの業態も出現
    • [102]中期経営計画は2026年3月期にキャリア向け構成比40%(2021年3月期47%)、都市インフラ・システムソリューション各30%(同26%・27%)
    • [99]舩橋社長は2021年7月に3事業の売上高比率を2030年度に各3分の1にしたいと述べた

非通信への投資 ── M&Aとデータセンター

非通信分野のてこ入れ策として選ばれたのはM&Aで、2021年以降にM&Aや出資を10件近く実施し、静岡県の水道管工事会社や三菱グループの電設工事会社を傘下に収めた[103]。海外ではインドネシアの通信インフラシェア企業などへ出資[104]した。舩橋社長は「M&Aをしなければ(中計の売上高目標などに)スピードが追いつかない。確固たる技術や経験などの優位性を持つ会社とのM&Aを考えたい」(週刊東洋経済、2022年3月12日)[105]と述べている。再生可能エネルギーでは2021年末に100億円のグリーンボンドを発行し、その資金で2024年春にも栃木・福島の両県でバイオマス発電へ参入する準備を進めた[106]

  • 週刊東洋経済 2022年3月12日号
    • [103]2021年以降にM&Aや出資を10件近く実施、静岡県の水道管工事会社・三菱グループの電設工事会社を傘下に
    • [104]インドネシアの通信インフラシェア企業などへ出資
    • [105]舩橋社長はM&Aなしでは中計の売上高目標にスピードが追いつかないと述べた
    • [106]2021年末に100億円のグリーンボンドを発行し、2024年春に栃木・福島でバイオマス発電へ参入準備

受け皿となる組織の統合も続き、2022年4月、東京証券取引所の市場区分見直しでエクシオグループは東証一部からプライム市場へ移行[107]した。同月にアイコムシステックとアクレスコを統合してエクシオ・デジタルソリューションズを発足[108]させた。2024年10月にはエクシオ・デジタルソリューションズ・エクシオ・コアイノベーション・メディックスの3社を合併させ[109]、ICT事業の統括をさらに集約した。グループ会社は150社近くに広がり[110]、監査部の独立などによるガバナンス強化が並行して進められている。

  • エクシオグループ 有価証券報告書【沿革】
    • [107]2022年4月 東証一部からプライム市場へ移行
    • [108]2022年4月 アイコムシステックとアクレスコを統合しエクシオ・デジタルソリューションズを発足
    • [109]2024年10月 エクシオ・デジタルソリューションズ・エクシオ・コアイノベーション・メディックスの3社が合併
    • [110]グループ会社は150社近く

システムソリューション事業を押し上げたのはデータセンター建設の需要で、連結売上高は2022年3月期の5,948億円から2025年3月期の6,708億円へ伸び、営業利益424億円・経常利益435億円・当期純利益268億円となり、このうち営業利益は過去最高を更新した。ただし途中の2023年3月期は売上高6,276億円に対して営業利益が326億円へ落ち、前期比で98億円減っている。2024年3月期も売上高6,141億円・営業利益341億円で、増収と増益がそろうまでには2年を要した。

  • 週刊東洋経済 2022年3月12日号
    • [103]2021年以降にM&Aや出資を10件近く実施、静岡県の水道管工事会社・三菱グループの電設工事会社を傘下に
    • [104]インドネシアの通信インフラシェア企業などへ出資
    • [105]舩橋社長はM&Aなしでは中計の売上高目標にスピードが追いつかないと述べた
    • [106]2021年末に100億円のグリーンボンドを発行し、2024年春に栃木・福島でバイオマス発電へ参入準備
  • エクシオグループ 有価証券報告書【沿革】
    • [107]2022年4月 東証一部からプライム市場へ移行
    • [108]2022年4月 アイコムシステックとアクレスコを統合しエクシオ・デジタルソリューションズを発足
    • [109]2024年10月 エクシオ・デジタルソリューションズ・エクシオ・コアイノベーション・メディックスの3社が合併
    • [110]グループ会社は150社近く

梶村社長の就任と、目標を追い越した2026年3月期

2025年6月の代表取締役の交代では、2019年6月から6年間社長を務めた舩橋哲也氏が代表取締役会長へ移り、代表取締役副社長だった梶村啓吾氏が社長へ昇格[111]した。梶村啓吾氏(社長)はNTTコミュニケーションズのネットワーク事業部統合カスタマサービス部長を経て2024年6月にエクシオグループ副社長へ就任し[112]、1年で社長となった。2025年11月7日の第2四半期決算説明会で梶村啓吾氏(社長)は決算を「大変順調です」と総括し、「利益改善施策の効果が表れてきている」(ログミーFinance、2025年11月7日)と述べて[113]、現中期経営計画の営業利益目標470億円[114]の達成が視野に入っているとの認識を示した。

  • エクシオ公式IR(2025年5月23日)
    • [111]2025年6月 舩橋哲也が代表取締役会長へ、代表取締役副社長の梶村啓吾が社長へ昇格
  • エクシオグループ 有価証券報告書【役員の状況】
    • [112]梶村啓吾はNTTコミュニケーションズ ネットワーク事業部統合カスタマサービス部長を経て2024年6月に副社長就任
    • [113]2025年11月7日の第2四半期決算説明会で梶村社長が決算を「大変順調です」と総括し利益改善施策の効果が表れてきていると述べた
    • [114]現中期経営計画の営業利益目標470億円

2025年12月の個人投資家向けIRセミナーでは、データセンター事業を中心に売上の中計目標を前倒しで達成したと発表し[115]、次期中期経営計画について「ROE目標を9%から2桁水準へ引き上げ予定」(ログミーFinance、2025年12月13日)と予告した[116]。2025年3月期の自己資本3,211億円に対する当期純利益268億円は、ROEにして約8.4%にとどまる。同期の総資産は6,425億円で自己資本比率は50%にあたり、連続的なM&Aを反映して有利子負債は1,092億円、のれんは151億円まで積み上がった。3社統合直後の2019年3月期に177億円だった有利子負債は、6年で6.2倍になっている。

    • [115]データセンター事業を中心に売上の中計目標を前倒しで達成
    • [116]2025年12月13日のIRセミナーで梶村社長が次期中計のROE目標を9%から2桁水準へ引き上げると予告

2026年3月期の連結売上高は7,877億円となり、中期経営計画が同期に掲げた6,300億円を1,577億円上回った。営業利益は520億円で目標の470億円を超え、経常利益527億円・当期純利益310億円となり、営業利益と経常利益は過去最高を更新した。セグメント別の売上高はシステムソリューションの2,836億円が最大で、通信キャリア2,557億円、都市インフラ2,485億円が続き、構成比は36%・32%・32%となった。従業員数は17,751名で、3社統合前の2018年3月期の8,331名から2.1倍に増えている。1954年の創業以来ほぼ一貫して売上の柱だった通信キャリア向けの工事は、2026年3月期に最大の事業ではなくなった。

  • エクシオ公式IR(2025年5月23日)
    • [111]2025年6月 舩橋哲也が代表取締役会長へ、代表取締役副社長の梶村啓吾が社長へ昇格
  • エクシオグループ 有価証券報告書【役員の状況】
    • [112]梶村啓吾はNTTコミュニケーションズ ネットワーク事業部統合カスタマサービス部長を経て2024年6月に副社長就任
    • [113]2025年11月7日の第2四半期決算説明会で梶村社長が決算を「大変順調です」と総括し利益改善施策の効果が表れてきていると述べた
    • [114]現中期経営計画の営業利益目標470億円
    • [115]データセンター事業を中心に売上の中計目標を前倒しで達成
    • [116]2025年12月13日のIRセミナーで梶村社長が次期中計のROE目標を9%から2桁水準へ引き上げると予告

エクシオグループの沿革1954〜2024年における主な出来事を抜粋

年月社長・CEO出来事重要度
協和電設を設立
共同工業・日本電話工業を吸収合併★★
東京証券取引所市場第二部に上場
東京証券取引所市場第一部に指定
協和通信工業と合併
事業目的に設計・測量業務を追加
情報処理・関連機材販売賃貸を事業目的に追加
建築設備・環境保全・散水設備の建設保守を追加★★
調査・製造業務を事業目的に追加
協和エクシオに商号変更
不動産売買・賃貸借・仲介・管理業務を追加
本店を移転
警備業を事業目的に追加
昭和テクノス(資本金1481百万円)と合併★★
電気通信事業・電気通信代理店業を事業目的に追加
髙島征二大和電設工業を子会社化
髙島征二和興エンジニアリングを子会社化
石川國雄池野通建を子会社化
石川國雄アイコムシステックを子会社化
小園文典和興エンジニアリングと池野通建が合併
小園文典通信工事3社の同時子会社化とエクシオグループへの改称・再編地域割拠だった通信工事業界を、株式交換による一括統合と顧客カテゴリ別再編でどう塗り替えたか 詳細を読む★★★
舩橋哲也EXEO GLOBAL Pte Ltd経由でDeClout Pte Ltdを子会社化★★
舩橋哲也輸出入業務・古物売買業を事業目的に追加
舩橋哲也エクシオグループに商号変更
舩橋哲也東京証券取引所プライム市場移行・ICT事業統合
舩橋哲也エクシオ・デジタルソリューションズなど3社が合併
出典・参考

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