クラフティア の歴史

更新:

1944年、電気工事業整備要綱による九州各社の統合で九州電気工事として福岡に発足。空調・管工事と水処理工事への参入、東証一部指定替えまでの沿革と経緯を執筆。

創業

1944年

母体

戦時電気工事業整備要綱で九州13社統合

創業地

福岡市

直近売上高(2026/3)

4,761億円

長期業績と転換点(1997/3〜2026/3)
売上高(億円純利益率(%)
Q なぜ1947年に九州配電との配電工事委託契約を結んだのか
A 戦時統制下で国策により生まれたクラフティア(旧 九州電気工事)には、自前で需要を掘り起こす営業基盤がなかった。そこで発注元の計画量を需要リスクなしに引き受ける道を選んだ。1947年6月、九州配電(現九州電力)と配電工事委託契約を締結し、電力会社一社の設備投資計画に受注を連動させる収益基盤を固めた。1951年の電気事業再編成で九州配電が九州電力へ移っても契約は引き継がれ、1953年に発電・変電・送電の工事を分社してからは、九州電力からの発注は配電線工事に絞られた
Q なぜ2013年に主力を首都圏の小口工事へ移したのか
A 九州電力の大口工事に張り付く受注は、電力一社の設備投資が国の公共事業費削減と重なって細ると、すぐに業績を直撃した。2007年3月期には26億円の当期純損失を計上し、設立以来初の連結赤字となった。2013年4月就任の営業畑・西村松次社長は、依存先を一社から多数へ広げる答えを選び、主力を首都圏・関西圏の中小規模の工事へ移した。折しも首都圏の電気設備工事需要が回復し、経常利益は2014年3月期の89億円から2019年3月期の399億円へ5期で4.5倍に伸びた
Q なぜ2025年に社名を九電工からクラフティアへ変えたのか
A 九州電力の設備投資計画に連動して工事を受注する従属型のままでは、稼ぎ頭が一社の都合に縛られ続ける。石橋和幸社長は、データセンターや蓄電池の開発案件に少額出資し、自社で工事需要を作りに行く受注モデルへ切り替える方針を示した。この自己定義の更新を社名で表すため、2024年12月の創立80周年を機に、2025年10月、社名を九電工からクラフティアへ変え、九州電力の工事会社という出自を示すブランドを外した

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1944年〜 電気工事業整備要綱による19社統合と、九州配電への専属で立ち上がった創業期

  1. 1944年 電気工事業整備要綱に基づく九州19社の三次統合と九州電気工事の設立 創業者の事業構想ではなく国策の業界一元化から出発した会社が、九州の同業19社をどう一つにまとめたか
  2. 1945年 九州電業社他3社を第2次統合
  3. 1945年 原田電気商会他3社を第3次統合
  4. 1945年 東京支社を開設
  5. 1947年 九州配電と配電工事委託契約を締結
  6. 1953年 建設工事部門を分離し九州電気建設工事を設立
  7. 1954年 昭電社を設立

国策が集めた19社と、創業者のいない出発

1944年12月、軍需省電力局の電気工事業整備要綱に基づき[1]、九州配電株式会社の下請として個別に配電線工事を請け負っていた[2]株式会社営電社ほか13社が統合し、資本金250万円[3]で九州電気工事株式会社が設立された。本社を福岡市に置き、小倉・大分・延岡・鹿児島・熊本・長崎・佐世保・佐賀に支店を配した[4]。発足直後の1945年2月には株式会社九州電業社ほか3社を第2次統合[5]し、同年3月には原田電気商会ほか3社を第3次統合して、設立から3か月で計19社を束ねた[6]。終戦から2か月後の1945年10月には東京支社を開設[7]し、九州の外に最初の拠点を置いた。

    • [1]1944年12月 軍需省電力局の電気工事業整備要綱に基づく統合
    • [2]統合前の各社は九州配電の下請として個別に配電線工事を請負
    • [4]本社を福岡市に置き、小倉・大分・延岡・鹿児島・熊本・長崎・佐世保・佐賀に支店を設置
  • クラフティア(旧 九州電気工事)有価証券報告書【沿革】
    • [3]株式会社営電社ほか13社が統合、資本金250万円で九州電気工事株式会社を設立
    • [5]1945年2月 株式会社九州電業社ほか3社を第2次統合
    • [6]1945年3月 原田電気商会ほか3社を第3次統合、設立3か月で計19社
    • [7]1945年10月 東京支社を開設

1947年6月、設立から2年半を経て九州配電株式会社と配電工事委託契約を締結[8]し、発注元との関係を契約の形に定めた。1951年の電気事業再編成で九州配電は九州電力株式会社へ移り[9]、契約は引き継がれた。九州電力からの発注には、当初、発電所・変電所の工事と送電線工事、配電線工事が含まれていた[10]。戦後の産業復興で電力需要が増えると、九州電力からの配電線工事の受注が伸び、官公庁や一般民間会社から受ける屋内配線工事も増え[11]た。1954年6月には資材調達を担う株式会社昭電社を設立[12]し、現在の株式会社Q-mastにあたる。

  • クラフティア(旧 九州電気工事)有価証券報告書【沿革】
    • [8]1947年6月 九州配電株式会社と配電工事委託契約を締結
    • [9]1951年 電気事業再編成で九州配電が九州電力株式会社へ移行
    • [12]1954年6月 株式会社昭電社(現 株式会社Q-mast)を設立
    • [10]九州電力からの受注工事には当初、発電所・変電所工事、送電線工事、配電線工事が含まれた
    • [11]戦後の産業復興による電力需要増で配電線工事の受注が増加し、官公庁・一般民間からの屋内配線工事も増加
    • [1]1944年12月 軍需省電力局の電気工事業整備要綱に基づく統合
    • [2]統合前の各社は九州配電の下請として個別に配電線工事を請負
    • [4]本社を福岡市に置き、小倉・大分・延岡・鹿児島・熊本・長崎・佐世保・佐賀に支店を設置
    • [10]九州電力からの受注工事には当初、発電所・変電所工事、送電線工事、配電線工事が含まれた
    • [11]戦後の産業復興による電力需要増で配電線工事の受注が増加し、官公庁・一般民間からの屋内配線工事も増加
  • クラフティア(旧 九州電気工事)有価証券報告書【沿革】
    • [3]株式会社営電社ほか13社が統合、資本金250万円で九州電気工事株式会社を設立
    • [5]1945年2月 株式会社九州電業社ほか3社を第2次統合
    • [6]1945年3月 原田電気商会ほか3社を第3次統合、設立3か月で計19社
    • [7]1945年10月 東京支社を開設
    • [8]1947年6月 九州配電株式会社と配電工事委託契約を締結
    • [9]1951年 電気事業再編成で九州配電が九州電力株式会社へ移行
    • [12]1954年6月 株式会社昭電社(現 株式会社Q-mast)を設立

発注元が絞った工事の範囲──1953年の建設部分離

発電所・変電所の工事は、配電線工事と異なり特殊な技術を要した[13]。電源開発が進むにつれ、九州電力ではこれらの分野をそれぞれ専業化する方針が出された[14]。1953年7月、九州電気工事は発電・変電・送電の工事を担っていた建設部を分離し[15]、九州電気建設工事株式会社を設立した。以後、九州電力から発注される工事は配電線工事部門だけとなり[16]、本体に残ったのは配電線工事と屋内配線工事である。分離した会社はのちに株式会社九建となり、持分法適用関連会社として残った[17]。設立時に250万円だった資本金は、1951年8月に1,000万円、1953年12月に2,000万円へ増えている[18]

    • [13]発変電所工事は配電線工事と異なり特殊な技術を要する
    • [14]電源開発の進展により九州電力が発変電所工事・送電線工事の専業化方針を打ち出した
    • [16]分離後、九州電力からの発注は配電線工事部門のみとなった
    • [18]資本金は設立時250万円、1951年8月に1,000万円、1953年12月に2,000万円
  • クラフティア(旧 九州電気工事)有価証券報告書【沿革】
    • [15]1953年7月 建設工事部門(発電・変電・送電)を分離し九州電気建設工事株式会社を設立
    • [17]九州電気建設工事は現 株式会社九建で持分法適用関連会社

九州電力向けの工事が配電線に限られる一方で、戦後の産業復興によって官公庁・一般民間からの屋内配線工事の受注は増えた[19]。1958年9月には、配電線工事の延長として九州電力から電柱等資材の運送受託を始めて[20]いる。配電線工事には特殊な技術と大きな危険が伴うため[21]、1962年6月に社員研修所を設けて新入社員の技術研修に充てた[22]。この研修所は、のちの九電工アカデミー、現在のクラフティアアカデミーにあたる[23]。1963年7月には株式会社大分電設を設立[24]し、県ごとに施工会社を置く体制の最初の1社とした。

    • [19]戦後の産業復興で官公庁・一般民間からの屋内配線工事の受注が増加
    • [20]1958年9月 九州電力から電柱等資材の運送受託を開始
    • [21]配電線工事には特殊な技術と多大の危険が伴うため新入社員の技術研修に注力
  • クラフティア(旧 九州電気工事)有価証券報告書【沿革】
    • [22]1962年6月 社員研修所を設置
    • [24]1963年7月 株式会社大分電設を設立(県別子会社網の第1号)
  • クラフティア 統合報告書 KRAFTIA REPORT 2025
    • [23]社員研修所は九電工アカデミーを経て現 クラフティアアカデミー
    • [13]発変電所工事は配電線工事と異なり特殊な技術を要する
    • [14]電源開発の進展により九州電力が発変電所工事・送電線工事の専業化方針を打ち出した
    • [16]分離後、九州電力からの発注は配電線工事部門のみとなった
    • [18]資本金は設立時250万円、1951年8月に1,000万円、1953年12月に2,000万円
    • [19]戦後の産業復興で官公庁・一般民間からの屋内配線工事の受注が増加
    • [20]1958年9月 九州電力から電柱等資材の運送受託を開始
    • [21]配電線工事には特殊な技術と多大の危険が伴うため新入社員の技術研修に注力
  • クラフティア(旧 九州電気工事)有価証券報告書【沿革】
    • [15]1953年7月 建設工事部門(発電・変電・送電)を分離し九州電気建設工事株式会社を設立
    • [17]九州電気建設工事は現 株式会社九建で持分法適用関連会社
    • [22]1962年6月 社員研修所を設置
    • [24]1963年7月 株式会社大分電設を設立(県別子会社網の第1号)
  • クラフティア 統合報告書 KRAFTIA REPORT 2025
    • [23]社員研修所は九電工アカデミーを経て現 クラフティアアカデミー

1964年〜 空調・管工事への参入と、上場4年での東証一部指定替え──業域と資本を同時に広げた25年

クラフティアの業績推移:単体

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 1964年 空調・管工事と水処理工事への参入による総合設備工事会社への転換 電力会社の配電工事を請け負う会社から、建物の設備一式を引き受ける会社へ——1964年から1970年代前半にかけての業域の組み替え
  2. 1965年 小倉電設を設立
  3. 1968年 大阪証券取引所市場第二部・福岡証券取引所市場に上場
  4. 1968年 南九州電設を設立
  5. 1971年 水処理工事の営業開始
  6. 1971年 東京証券取引所市場第二部に上場
  7. 1972年 大証二部・福証上場から4年での東証・大証一部指定替え 九州電力の工事会社が、地場の非上場企業から全国区の一部上場企業へ移った1968年から1972年までの4年間

建物の内側へ──空調・管工事の参入と品目構成の書き換え

1964年7月、空気調和・冷暖房・管工事の営業を開始[25]した。新築ビルの屋内配線工事を受けるのに合わせ、冷暖房や給排水の管工事も引き受ける[26]形で、それまで業域の外にあった建物の内部の設備が受注範囲に入っている。1965年2月には大阪支社(現・関西支店)を設置[27]し、九州・首都圏に続く三つ目の都市圏拠点を置いた。1971年7月には水処理工事、1981年8月には公共下水道工事の営業を始め[28]、電気と空調に続く分野を重ねた。管工事は1971年4月期の完成工事高の13.2%を占めたが、専門業種ではないため外注依存度は50%以上に達して[29]いる。

  • クラフティア(旧 九州電気工事)有価証券報告書【沿革】
    • [25]1964年7月 空気調和・冷暖房・管工事の営業を開始
    • [27]1965年2月 大阪支社(現 関西支店)を設置
    • [28]1971年7月 水処理工事、1981年8月 公共下水道工事の営業を開始
    • [26]新築ビルの屋内配線工事とともに冷暖房・給排水等の管工事も受注
    • [29]1971年4月期の管工事は完成工事高の13.2%、管工事部門の外注依存度は50%以上

電気工事の専業から設備一式へという移行は、品目別の売上構成に20年かけて表れ、1971年4月期の完成工事高は屋内配線工事が57.2%、配電線工事が28.7%を占め、電気工事だけで85.9%に達している[30]。1974年10月までの半期では内線工事が62%、配電線工事が23%、空調管工事が16%[31]になっている。1984年4月期の通期では、内線工事563億77百万円が45%、配電線工事386億87百万円が31%、空調管工事274億18百万円が22%を占めた[32]。空調管工事の比率は13年でおよそ9ポイント上が[33]った。

    • [30]1971年4月期 完成工事高構成 屋内配線工事57.2%・配電線工事28.7%・電気工事計85.9%
  • 九州電気工事 会社年鑑(1976年版・単体、品目別売上高)
    • [31]1974年10月半期(単体)品目別売上 内線工事62%・配電線工事23%・空調管工事16%
  • 九州電気工事 会社年鑑(1986年版・単体、品目別売上高)
    • [32]1984年4月期(単体・通期)品目別売上 内線工事563億77百万円45%・配電線工事386億87百万円31%・空調管工事274億18百万円22%
    • [33]空調管工事の売上比は1971年4月期13.2%から1984年4月期22%へ約9ポイント上昇

施工は直営を原則とし、1971年4月末で5,246名の現業員を抱[34]えた。完成工事原価に占める外注費の比率は約27%で、社の得意とする電気工事部門に限れば20%にとどまり、同業他社と比べてきわめて低い[35]。現業員数は関東電気工事の7,157名に次いで多く、総資産に占める固定資産の割合32.7%は同業他社で最も高い[36]。1966年には福岡県知事から職業訓練法による事業内職業訓練の認定を受け、1971年8月に「九州電気工事高等職業訓練校」の名称が認可さ[37]れた。従業員には電気工事士3,859名を含め、延べ8,044名の国家試験合格有資格者[38]がいた。

    • [34]直営を原則とし1971年4月末の現業員は5,246名
    • [35]1971年4月期の外注費比率 約27%、電気工事部門の外注依存度20%は同業他社比できわめて低い
    • [36]現業員数は関東電気工事の7,157名に次ぐ規模、総資産に占める固定資産の割合32.7%は同業他社で最高
    • [37]1966年 福岡県知事から職業訓練法による事業内職業訓練の認定、1971年8月「九州電気工事高等職業訓練校」の名称認可
    • [38]電気工事士3,859名、国家試験合格有資格者は延べ8,044名
  • クラフティア(旧 九州電気工事)有価証券報告書【沿革】
    • [25]1964年7月 空気調和・冷暖房・管工事の営業を開始
    • [27]1965年2月 大阪支社(現 関西支店)を設置
    • [28]1971年7月 水処理工事、1981年8月 公共下水道工事の営業を開始
    • [26]新築ビルの屋内配線工事とともに冷暖房・給排水等の管工事も受注
    • [29]1971年4月期の管工事は完成工事高の13.2%、管工事部門の外注依存度は50%以上
    • [30]1971年4月期 完成工事高構成 屋内配線工事57.2%・配電線工事28.7%・電気工事計85.9%
    • [34]直営を原則とし1971年4月末の現業員は5,246名
    • [35]1971年4月期の外注費比率 約27%、電気工事部門の外注依存度20%は同業他社比できわめて低い
    • [36]現業員数は関東電気工事の7,157名に次ぐ規模、総資産に占める固定資産の割合32.7%は同業他社で最高
    • [37]1966年 福岡県知事から職業訓練法による事業内職業訓練の認定、1971年8月「九州電気工事高等職業訓練校」の名称認可
    • [38]電気工事士3,859名、国家試験合格有資格者は延べ8,044名
  • 九州電気工事 会社年鑑(1976年版・単体、品目別売上高)
    • [31]1974年10月半期(単体)品目別売上 内線工事62%・配電線工事23%・空調管工事16%
  • 九州電気工事 会社年鑑(1986年版・単体、品目別売上高)
    • [32]1984年4月期(単体・通期)品目別売上 内線工事563億77百万円45%・配電線工事386億87百万円31%・空調管工事274億18百万円22%
    • [33]空調管工事の売上比は1971年4月期13.2%から1984年4月期22%へ約9ポイント上昇

4年で一部へ──九州の地場企業が全国の資本市場に出た

1968年11月、設立から24年を経て大阪証券取引所市場第二部および福岡証券取引所市場へ上場し、資本金は5億円[39]になった。1971年11月には東京証券取引所市場第二部へ上場し、公募150万株を1株350円で発行して資本金を8億2,500万円へ積み増した[40]。翌1972年9月、東証二部上場から10か月・設立から28年で、東京証券取引所および大阪証券取引所の市場第一部へ指定替え上場し、資本金11億円となった[41]。初上場から一部指定替えまでは4年で[42]ある。上場の幹事は山一証券、野村証券、和光証券が務[43]めた。

  • クラフティア(旧 九州電気工事)有価証券報告書【沿革】
    • [39]1968年11月 大阪証券取引所市場第二部および福岡証券取引所市場へ上場、資本金5億円
    • [41]1972年9月 東京証券取引所および大阪証券取引所市場第一部へ指定替え上場、資本金11億円
    • [42]1968年11月の初上場から1972年9月の一部指定替えまで4年
    • [40]1971年11月 東京証券取引所市場第二部へ上場、公募150万株・1株350円、資本金8億2,500万円
    • [43]1971年11月の東証二部上場の幹事会員は山一証券・野村証券・和光証券

東証二部上場の時点で、九州電気工事は電気工事業の完成工事高で第9位、市場占有率2.8%を占めた[44]。首位は関東電気工事の550億65百万円で、同社の208億47百万円はその4割に届か[45]ない。親会社にあたる九州電力への依存度は29.7%にとどまり、関東電気工事51.7%・東海電気工事54.4%・近畿電気工事30.9%・中国電気工事18.4%[46]と並べると、中国電気工事に次いで低い。受注の63.0%は一般民間会社からで、主要な得意先には株式会社竹中工務店、清水建設株式会社、鹿島建設株式会社、株式会社大林組が並[47]んだ。

    • [44]電気工事業の完成工事高順位で第9位、市場占有率2.8%
    • [45]首位の関東電気工事は550億65百万円、九州電気工事は208億47百万円
    • [46]1971年4月期の九州電力への受注依存度29.7%、同業他社は関東51.7%・東海54.4%・近畿30.9%・中国18.4%
    • [47]1971年4月期の受注先は一般民間会社が63.0%、主要得意先は竹中工務店・清水建設・鹿島建設・大林組

事業所は福岡の本社のほか支社2か所・支店8か所・営業所と出張所125か所を数えた[48]が、東京と大阪に各1支社と1営業所、中国地方に4営業所を置いたほかはすべて九州にあり、1971年4月期の完成工事高は九州が91.2%、関東は4.4%だった[49]。収益性は同業他社を上回り、総資本経常利益率16.5%は同業他社平均11.2%を5.3ポイント、売上高経常利益率8.8%は6.3%を2.5ポイント上回っている[50]。給与体系には能率給制度を入れ、外注依存度の低い電気工事部門では工事の実行予算の合理化を進[51]めた。

    • [48]事業所は本社のほか支社2か所・支店8か所・営業所と出張所125か所
    • [49]1971年4月期の地域別完成工事高は九州91.2%・関東4.4%
    • [50]1971年4月期の総資本経常利益率16.5%(同業他社平均11.2%)、売上高経常利益率8.8%(同6.3%)
    • [51]給与体系への能率給制度導入と電気工事部門での実行予算の合理化
  • クラフティア(旧 九州電気工事)有価証券報告書【沿革】
    • [39]1968年11月 大阪証券取引所市場第二部および福岡証券取引所市場へ上場、資本金5億円
    • [41]1972年9月 東京証券取引所および大阪証券取引所市場第一部へ指定替え上場、資本金11億円
    • [42]1968年11月の初上場から1972年9月の一部指定替えまで4年
    • [40]1971年11月 東京証券取引所市場第二部へ上場、公募150万株・1株350円、資本金8億2,500万円
    • [43]1971年11月の東証二部上場の幹事会員は山一証券・野村証券・和光証券
    • [44]電気工事業の完成工事高順位で第9位、市場占有率2.8%
    • [45]首位の関東電気工事は550億65百万円、九州電気工事は208億47百万円
    • [46]1971年4月期の九州電力への受注依存度29.7%、同業他社は関東51.7%・東海54.4%・近畿30.9%・中国18.4%
    • [47]1971年4月期の受注先は一般民間会社が63.0%、主要得意先は竹中工務店・清水建設・鹿島建設・大林組
    • [48]事業所は本社のほか支社2か所・支店8か所・営業所と出張所125か所
    • [49]1971年4月期の地域別完成工事高は九州91.2%・関東4.4%
    • [50]1971年4月期の総資本経常利益率16.5%(同業他社平均11.2%)、売上高経常利益率8.8%(同6.3%)
    • [51]給与体系への能率給制度導入と電気工事部門での実行予算の合理化

県別子会社網と住宅・海外──拡張の輪郭

1963年7月の株式会社大分電設を最初に、1965年5月の小倉電設、1967年10月の長営電設、1968年11月の南九州電設、1970年4月の有明電設、1971年4月の熊栄電設、1981年9月の福岡電設[52]と、九州各県に地域子会社を置いた。1971年12月には株式会社明光社の株式を取得[53]して首都圏に子会社を持ち、1972年2月には九州電工ホーム株式会社を設立して住宅事業へ入っている[54]。1973年6月には建設業法の改正に伴い建設大臣許可を受け[55]、1976年4月に本社を福岡市南区那の川一丁目へ新築移転した[56]

  • クラフティア(旧 九州電気工事)有価証券報告書【沿革】
    • [52]1965年5月 小倉電設、1967年10月 長営電設、1968年11月 南九州電設、1970年4月 有明電設、1971年4月 熊栄電設、1981年9月 福岡電設を設立
    • [53]1971年12月 株式会社明光社の株式を取得
    • [54]1972年2月 九州電工ホーム株式会社(現 株式会社九電工ホーム)を設立
    • [55]1973年6月 建設業法改正に伴い建設大臣許可を取得
    • [56]1976年4月 本社を福岡市南区那の川一丁目へ新築移転

1984年10月、グループの総合設備機能を集めた九興総合設備株式会社を設立[57]した。1985年5月には台湾で合弁会社「九連環境開發股份有限公司」を設立し、初めて海外に出て[58]いる。1987年3月には第1回無担保転換社債100億円を発行[59]し、九州の工事会社が全国の資本市場から直接資金を集めた。単体売上高は1973年4月期の386億円から1976年4月期679億円、1981年4月期1,051億円、1984年4月期1,242億円と伸び[60]、経常利益は同じ期に26億円、54億円、79億円、60億円で推移している[61]

  • クラフティア(旧 九州電気工事)有価証券報告書【沿革】
    • [57]1984年10月 九興総合設備株式会社を設立
    • [58]1985年5月 台湾で合弁会社「九連環境開發股份有限公司」を設立(初の海外進出)
    • [59]1987年3月 第1回無担保転換社債100億円を発行
  • 九州電気工事 会社年鑑(1976年版・1986年版、単体業績)
    • [60]単体売上高 1973年4月期386億円・1976年4月期679億円・1981年4月期1,051億円・1984年4月期1,242億円
    • [61]単体経常利益 1973年4月期26億円・1976年4月期54億円・1981年4月期79億円・1984年4月期60億円
  • クラフティア(旧 九州電気工事)有価証券報告書【沿革】
    • [52]1965年5月 小倉電設、1967年10月 長営電設、1968年11月 南九州電設、1970年4月 有明電設、1971年4月 熊栄電設、1981年9月 福岡電設を設立
    • [53]1971年12月 株式会社明光社の株式を取得
    • [54]1972年2月 九州電工ホーム株式会社(現 株式会社九電工ホーム)を設立
    • [55]1973年6月 建設業法改正に伴い建設大臣許可を取得
    • [56]1976年4月 本社を福岡市南区那の川一丁目へ新築移転
    • [57]1984年10月 九興総合設備株式会社を設立
    • [58]1985年5月 台湾で合弁会社「九連環境開發股份有限公司」を設立(初の海外進出)
    • [59]1987年3月 第1回無担保転換社債100億円を発行
  • 九州電気工事 会社年鑑(1976年版・1986年版、単体業績)
    • [60]単体売上高 1973年4月期386億円・1976年4月期679億円・1981年4月期1,051億円・1984年4月期1,242億円
    • [61]単体経常利益 1973年4月期26億円・1976年4月期54億円・1981年4月期79億円・1984年4月期60億円

1989年〜 「九電工」への改称と、九州の需要に規模が縛られた停滞の24年

クラフティアの業績推移:連結

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 1989年 九電工に商号変更
  2. 1999年 技術研究所を新設
  3. 2004年 大阪証券取引所市場第一部の上場廃止
  4. 2008年 東京本社設置

社名から「電気工事」を外した1989年12月

1989年12月、株式会社九電工へ商号を変更[62]した。配電線工事や電気工事にとどまらず、空調・衛生工事や水処理、住宅、海外の環境事業まで業容が広がったことを社名に映した変更[63]である。1984年4月期の品目別売上では空調管工事が22%を占め、九州電力向けが大半を占める配電線工事の比率は31%まで下がって[64]いた。設立から45年での改称であり、その5年後の1994年には創立50周年を迎えて[65]いる。1999年3月には技術研究所を設け[66]、現在の技術開発部技術開発課につながる社内の研究機能を置いた。

  • クラフティア(旧 九電工)有価証券報告書【沿革】
    • [62]1989年12月 株式会社九電工へ商号変更
    • [66]1999年3月 技術研究所(現 技術開発部技術開発課)を設置
  • クラフティア 統合報告書 KRAFTIA REPORT 2025
    • [63]商号変更は配電線工事・電気工事にとどまらない業容拡大を受けたもの
    • [65]1944年12月の設立から1989年12月の商号変更まで45年、1994年に創立50周年
  • 九州電気工事 会社年鑑(1986年版・単体、品目別売上高)
    • [64]1984年4月期の品目別売上比 空調管工事22%・配電線工事31%

国の公共事業費の削減と電力会社の設備投資抑制が重なった1990年代後半から2000年代前半、九電工は赤字ではないものの利益水準の低い企業として、TOTOや安川電機とともに福岡の苦戦する主要企業に数えられている[67]。連結売上高は2002年3月期の2,374億円から2013年3月期の2,393億円まで、12期を通じて2,226億円から2,518億円の幅にとどまった。経常利益も2002年3月期の54億円、2007年3月期の34億円、2011年3月期の79億円と振れている。2012年3月期の経常利益33億円は、この12期で最も低い。

  • 週刊東洋経済 2000年2月5日号
    • [67]2000年時点で九電工は赤字ではないが利益水準が低い企業として福岡の苦戦企業に並べられた

2013年の時点でも九州電力向けの依存度は2割程度で、送変電工事は1953年に分離した別会社が担っていた[68]。太陽光発電関連工事の受注が伸びる一方、九州電力向けの配電線工事は縮んで[69]いる。九州財界では、九州電力・西部ガス・九州旅客鉄道・西日本鉄道・福岡銀行・西日本シティ銀行とともに、通称を七社会という「互友会」の7社に数えられた[70]。2002年3月期から2013年3月期までの12期で連結売上高が2,600億円を超えた期はなく、2004年6月には大阪証券取引所市場第一部の上場を廃止している[71]

  • 週刊東洋経済 2013年9月20日号
    • [68]2013年時点の九州電力向け依存度は2割程度、送変電工事は別会社
    • [69]2013年時点で九州電力向け配電線工事は縮小、太陽光発電関連工事の受注が好調
  • 週刊東洋経済 2017年10月28日号
    • [70]九州財界の「互友会」(通称 七社会)は九電・九電工・西部ガス・JR九州・西日本鉄道・福岡銀行・西日本シティ銀行の7社
  • クラフティア(旧 九電工)有価証券報告書【沿革】
    • [71]2004年6月 大阪証券取引所市場第一部の上場廃止
  • クラフティア(旧 九電工)有価証券報告書【沿革】
    • [62]1989年12月 株式会社九電工へ商号変更
    • [66]1999年3月 技術研究所(現 技術開発部技術開発課)を設置
    • [71]2004年6月 大阪証券取引所市場第一部の上場廃止
  • クラフティア 統合報告書 KRAFTIA REPORT 2025
    • [63]商号変更は配電線工事・電気工事にとどまらない業容拡大を受けたもの
    • [65]1944年12月の設立から1989年12月の商号変更まで45年、1994年に創立50周年
  • 九州電気工事 会社年鑑(1986年版・単体、品目別売上高)
    • [64]1984年4月期の品目別売上比 空調管工事22%・配電線工事31%
  • 週刊東洋経済 2000年2月5日号
    • [67]2000年時点で九電工は赤字ではないが利益水準が低い企業として福岡の苦戦企業に並べられた
  • 週刊東洋経済 2013年9月20日号
    • [68]2013年時点の九州電力向け依存度は2割程度、送変電工事は別会社
    • [69]2013年時点で九州電力向け配電線工事は縮小、太陽光発電関連工事の受注が好調
  • 週刊東洋経済 2017年10月28日号
    • [70]九州財界の「互友会」(通称 七社会)は九電・九電工・西部ガス・JR九州・西日本鉄道・福岡銀行・西日本シティ銀行の7社

設立以来初の連結赤字と、二人の社長が担った11期

2007年3月期、親会社株主に帰属する当期純損益は26億円の損失となり、設立以来初めての連結赤字を計上した。同期の売上高2,518億円は2002年3月期以降で最も大きく、営業利益29億円・経常利益34億円を確保しながら、純損益だけが赤字に振れた。社長は2002年3月期から2006年3月期まで河部浩幸氏、2007年3月期から2012年3月期まで橋田紘一氏が務めた[72]。二人の在任は合わせて11期におよび、この間の連結売上高は、1981年4月期に単体で計上した1,051億円の2倍余りにとどまった[73]

  • クラフティア(旧 九電工)有価証券報告書【役員の状況】
    • [72]河部浩幸氏は2002年3月期から2006年3月期、橋田紘一氏は2007年3月期から2012年3月期まで代表取締役社長
  • 九州電気工事 会社年鑑(1986年版・単体業績)
    • [73]1981年4月期の単体売上高1,051億円に対し2000年代の連結売上高は2倍余り

2008年6月に執行役員制度を導入し、同年7月には1945年開設の東京支社を東京本社へ改めて[74]いる。東京本社の設置は、首都圏での経営基盤を強めるための組織変更にあたる[75]。2012年3月には研修施設として九電工アカデミーを新築し[76]、1962年の社員研修所から続く社内育成の場を建て替えた。同年施行のFIT法をきっかけに、メガソーラーを中心とする再生可能エネルギー分野への本格的な進出も始まって[77]いる。1953年に発電・変電・送電の工事を手放して以来、発電そのものに関わる事業を持つのは59年ぶり[78]であった。2013年3月期の連結売上高は2,393億円、経常利益は57億円である。

  • クラフティア 統合報告書 KRAFTIA REPORT 2025
    • [74]2008年6月 執行役員制度を導入、2008年7月 東京本社を設置
    • [75]東京本社の設置は首都圏での経営基盤を強固にするための組織変更
    • [76]2012年3月 研修施設「九電工アカデミー」(現 クラフティアアカデミー)を新築
    • [77]2012年のFIT法施行を機にメガソーラーを中心とした再エネ分野へ本格進出
  • クラフティア(旧 九州電気工事)有価証券報告書【沿革】
    • [78]1953年7月の建設部分離から2012年の再エネ進出まで59年
  • クラフティア(旧 九電工)有価証券報告書【役員の状況】
    • [72]河部浩幸氏は2002年3月期から2006年3月期、橋田紘一氏は2007年3月期から2012年3月期まで代表取締役社長
  • 九州電気工事 会社年鑑(1986年版・単体業績)
    • [73]1981年4月期の単体売上高1,051億円に対し2000年代の連結売上高は2倍余り
  • クラフティア 統合報告書 KRAFTIA REPORT 2025
    • [74]2008年6月 執行役員制度を導入、2008年7月 東京本社を設置
    • [75]東京本社の設置は首都圏での経営基盤を強固にするための組織変更
    • [76]2012年3月 研修施設「九電工アカデミー」(現 クラフティアアカデミー)を新築
    • [77]2012年のFIT法施行を機にメガソーラーを中心とした再エネ分野へ本格進出
  • クラフティア(旧 九州電気工事)有価証券報告書【沿革】
    • [78]1953年7月の建設部分離から2012年の再エネ進出まで59年

2013年〜 小口受注への転回から社名変更まで──九州電力色を外し、需要の側へ出資した13年

クラフティアの業績推移:連結

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 2013年 シンガポールASIA PROJECTS ENGINEERING PTE. LTD.の株式の一部を取得
  2. 2015年 第2回無担保転換社債型新株予約権付社債100億円の発行
  3. 2018年 エルゴテックの株式の一部を取得
  4. 2021年 セントラル総合開発と資本業務提携契約を締結
  5. 2021年 中央理化工業の株式取得
  6. 2022年 東京証券取引所プライム市場へ移行
  7. 2022年 監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行

小口受注への転回と、5期で46%増えた売上高

2013年4月、西村松次氏が代表取締役社長に就任[79]した。1971年4月の入社で、佐賀支店長・福岡支店長を経て営業本部長・東京本社統括本部長を務めた営業畑の生え抜き[80]である。就任後の日刊工業新聞の取材では、電気工事業の課題を需要の低迷と厳しい価格競争、電力会社の設備投資抑制と整理し、小口受注へ顧客に密着する戦略を経営の重点方針に掲げた[81]。九州電力からの数億円規模の大口工事に受注を預ける形から、首都圏・関西圏の中小規模の工事へ主力を移す方針[82]である。資材調達では新会社Q-mastを設立し、資材購入費を前年比1割減とする目標[83]を置いた。

  • クラフティア(旧 九電工)有価証券報告書【役員の状況】
    • [79]2013年4月 西村松次氏が代表取締役社長に就任
    • [80]西村松次氏は1971年4月入社、佐賀支店長・福岡支店長・営業本部長・東京本社統括本部長を歴任
  • 日刊工業新聞 2013年8月21日
    • [81]西村松次氏は電気工事業の課題を需要低迷・価格競争・電力会社の設備投資抑制と整理し、小口受注へ顧客に密着する戦略を重点方針に掲げた
    • [82]九州電力の大口工事から首都圏・関西圏の中小規模工事へ主力を移す方針
    • [83]新会社Q-mastの設立と資材購入費の前年比1割減目標

首都圏の電気設備工事の需要が戻ると業績は反転し、連結売上高は2014年3月期の2,793億円から2019年3月期の4,081億円へ、5期で46%増えた。経常利益は同じ期間に89億円から399億円へ4.5倍、親会社株主に帰属する当期純利益は37億円から267億円へ7.2倍になっている。営業利益率も2.5%から9.0%へ上がった。2016年8月の時点では、営業利益率の上昇が続く銘柄のうち7位に入り、首都圏のビル関連の受注が好調で工事採算が改善したこと、東京五輪の関連工事が追い風になったこと[84]が理由に挙げられた。

  • 週刊東洋経済 2016年8月13日号
    • [84]2016年 営業利益率の上昇が続く銘柄で7位、首都圏のビル関連受注好調と工事採算の改善、東京五輪関連工事が要因

2013年5月、シンガポールのASIA PROJECTS ENGINEERING PTE. LTD.の株式の一部を取得[85]し、1985年の台湾合弁から28年ぶりに海外へ出た[86]。2015年3月には第2回無担保転換社債型新株予約権付社債100億円を発行[87]している。2018年3月には神奈川県のエルゴテック株式会社の株式の一部を取得[88]し、首都圏の電気工事会社をグループに入れた。2021年6月にはセントラル総合開発株式会社と資本業務提携契約を結び、同年9月に東京都の中央理化工業株式会社の株式を取得して連結子会社として[89]いる。

  • クラフティア(旧 九電工)有価証券報告書【沿革】
    • [85]2013年5月 シンガポールのASIA PROJECTS ENGINEERING PTE. LTD.の株式の一部を取得
    • [86]1985年5月の台湾合弁から2013年5月のシンガポール株式取得まで28年
    • [87]2015年3月 第2回無担保転換社債型新株予約権付社債100億円を発行
    • [88]2018年3月 神奈川県のエルゴテック株式会社の株式の一部を取得
    • [89]2021年6月 セントラル総合開発株式会社と資本業務提携契約を締結、2021年9月 中央理化工業株式会社を連結子会社化
  • クラフティア(旧 九電工)有価証券報告書【役員の状況】
    • [79]2013年4月 西村松次氏が代表取締役社長に就任
    • [80]西村松次氏は1971年4月入社、佐賀支店長・福岡支店長・営業本部長・東京本社統括本部長を歴任
  • 日刊工業新聞 2013年8月21日
    • [81]西村松次氏は電気工事業の課題を需要低迷・価格競争・電力会社の設備投資抑制と整理し、小口受注へ顧客に密着する戦略を重点方針に掲げた
    • [82]九州電力の大口工事から首都圏・関西圏の中小規模工事へ主力を移す方針
    • [83]新会社Q-mastの設立と資材購入費の前年比1割減目標
  • 週刊東洋経済 2016年8月13日号
    • [84]2016年 営業利益率の上昇が続く銘柄で7位、首都圏のビル関連受注好調と工事採算の改善、東京五輪関連工事が要因
  • クラフティア(旧 九電工)有価証券報告書【沿革】
    • [85]2013年5月 シンガポールのASIA PROJECTS ENGINEERING PTE. LTD.の株式の一部を取得
    • [86]1985年5月の台湾合弁から2013年5月のシンガポール株式取得まで28年
    • [87]2015年3月 第2回無担保転換社債型新株予約権付社債100億円を発行
    • [88]2018年3月 神奈川県のエルゴテック株式会社の株式の一部を取得
    • [89]2021年6月 セントラル総合開発株式会社と資本業務提携契約を締結、2021年9月 中央理化工業株式会社を連結子会社化

宇久島メガソーラー──10年動かない国内最大の案件

2014年、ドイツの太陽光発電事業者と京セラ、九電工、オリックス、みずほ銀行の5社が、長崎県佐世保市の宇久島で日本最大のメガソーラーを稼働させることに基本合意[90]した。当時の予定は発電規模430メガワット、総投資額約1,500億円で、島面積の4分の1にあたる約630万平方メートルにパネルを敷き、約60キロメートルの海底ケーブル[91]で九州本島の送電網につなぎ、発電した電気を九州電力へ売る計画だった。宇久島は五島列島の最北にあり、ピーク時に1万人を超えた人口は2014年で2,000人強に減って[92]いた。

  • 週刊東洋経済 2014年12月5日号
    • [90]2014年 独太陽光発電事業者・京セラ・九電工・オリックス・みずほ銀行の5社が宇久島メガソーラーで基本合意
    • [91]当初計画は発電規模430メガワット・総投資額約1,500億円・約630万平方メートル・海底ケーブル約60キロメートル
    • [92]宇久島は五島列島最北、人口はピーク時1万人超から2014年時点で2,000人強

合意から3か月後の2014年9月25日、九州電力は固定価格買取制度への申し込みが殺到したとして、再生可能エネルギーの受け入れ回答を保留すると発表した[93]。北海道電力・東北電力・四国電力も追随し、宇久島の計画も接続の申し込みへの回答が保留さ[94]れた。2017年には事業主体として宇久島みらいエネルギー合同会社が設立され[95]、クラフティアは出資と建設工事の請負を兼ねる立場に入った。計画は発電能力480メガワット、パネル設置面積約280ヘクタール、総投資額約2,000億円へ膨らみ、海底ケーブルも約64キロメートルになっている[96]

  • 週刊東洋経済 2014年12月5日号
    • [93]2014年9月25日 九州電力がFITへの申し込み殺到を理由に再エネ受け入れ回答を保留すると発表
    • [94]北海道電力・東北電力・四国電力も追随し、宇久島の計画も接続申し込みへの回答が保留された
  • クラフティア 統合報告書 KRAFTIA REPORT 2025
    • [95]2017年 宇久島みらいエネルギー合同会社を設立、同社は出資と建設工事の請負を兼ねる
    • [96]発電能力480メガワット・パネル設置面積約280ヘクタール・総投資額約2,000億円・海底ケーブル約64キロメートル

2024年度の時点でも工事の進捗は遅れ、関係自治体からの許認可を取得した段階にとどま[97]った。2026年の見通しでは、運転開始が最も遅い場合で2029年度にず[98]れる。事業区域の約20%は営農型太陽光発電とし、パネルの下で畜産飼料の牧草を育てて島内の畜産農家へ安く供給する計画で、年間発電量51.5万メガワット時は一般家庭およそ17万3,000世帯分にあ[99]たる。工事そのものは採算が低く、2026年3月期はこの案件をこなしながら粗利率を保[100]った。基本合意から11年を経て、運転開始はなお先に[101]ある。

  • クラフティア 統合報告書 KRAFTIA REPORT 2025
    • [97]2024年度も宇久島メガソーラー発電所工事の進捗が遅れ、関係自治体からの許認可を取得した段階
    • [99]事業区域の約20%が営農型太陽光発電、年間発電量51.5万MWhは一般家庭約17万3,000世帯相当
    • [101]2014年の基本合意から2025年まで11年を経て運転開始に至らず
  • 週刊東洋経済 2026年7月4日号
    • [98]2026年時点の見通しで運転開始は最悪2029年度にずれる
    • [100]低採算の宇久島工事をこなしながら2026年3月期の粗利率を維持
  • 週刊東洋経済 2014年12月5日号
    • [90]2014年 独太陽光発電事業者・京セラ・九電工・オリックス・みずほ銀行の5社が宇久島メガソーラーで基本合意
    • [91]当初計画は発電規模430メガワット・総投資額約1,500億円・約630万平方メートル・海底ケーブル約60キロメートル
    • [92]宇久島は五島列島最北、人口はピーク時1万人超から2014年時点で2,000人強
    • [93]2014年9月25日 九州電力がFITへの申し込み殺到を理由に再エネ受け入れ回答を保留すると発表
    • [94]北海道電力・東北電力・四国電力も追随し、宇久島の計画も接続申し込みへの回答が保留された
  • クラフティア 統合報告書 KRAFTIA REPORT 2025
    • [95]2017年 宇久島みらいエネルギー合同会社を設立、同社は出資と建設工事の請負を兼ねる
    • [96]発電能力480メガワット・パネル設置面積約280ヘクタール・総投資額約2,000億円・海底ケーブル約64キロメートル
    • [97]2024年度も宇久島メガソーラー発電所工事の進捗が遅れ、関係自治体からの許認可を取得した段階
    • [99]事業区域の約20%が営農型太陽光発電、年間発電量51.5万MWhは一般家庭約17万3,000世帯相当
    • [101]2014年の基本合意から2025年まで11年を経て運転開始に至らず
  • 週刊東洋経済 2026年7月4日号
    • [98]2026年時点の見通しで運転開始は最悪2029年度にずれる
    • [100]低採算の宇久島工事をこなしながら2026年3月期の粗利率を維持

創立80周年とクラフティア──出資して受注する形へ

2020年6月、佐藤尚文氏が代表取締役社長に就任[102]した。1971年4月に九州電力へ入社して代表取締役副社長まで務め、2018年6月に九州電力を退任して同月に九電工へ入り、取締役会長を経ての就任[103]である。2023年2月、佐藤尚文社長は、コロナ禍の状況に明るい兆しが見え、事業環境が変化するなかで世代交代の時期は今が最良と判断したとして、在任2年10か月で後任を指名した[104]。2023年4月、石橋和幸氏が代表取締役社長執行役員に就任した。人事労務を出身とし、営業統括を担当した管理畑の生え抜きである[105]。就任にあたっては、業容と業績の拡大を続けながら建設業界が直面する2024年問題に取り組み、社員一人一人が希望を持てる魅力ある会社を目指す方針[106]を掲げた。

  • クラフティア(旧 九電工)有価証券報告書【役員の状況】
    • [102]2020年6月 佐藤尚文氏が代表取締役社長に就任
    • [103]佐藤尚文氏は1971年4月に九州電力へ入社し代表取締役副社長を務め、2018年6月に退任して同月に九電工へ入社、取締役会長を経て社長就任
    • [105]2023年4月 石橋和幸氏が代表取締役社長執行役員に就任、人事労務出身・営業統括担当の生え抜き
  • 九電工 適時開示「代表取締役の異動に関するお知らせ」2023年2月24日
    • [104]2023年2月 佐藤尚文社長が世代交代の時期は今が最良と判断して後任を指名
  • ふくおか経済 2023年3月7日
    • [106]石橋和幸氏の所信表明は業容・業績の拡大と2024年問題への取り組み、社員一人一人が希望を持てる魅力ある会社

コロナ禍と建設投資の停滞で、連結売上高は2019年3月期の4,081億円から2022年3月期の3,766億円へ後退したが、経常利益は399億円から368億円を保っている。2021年7月、グリーンイノベーション事業本部を新設[107]した。2022年4月には東京証券取引所の市場区分見直しで市場第一部からプライム市場へ移り、同年6月に監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行して[108]いる。2024年12月、創立80周年を迎[109]えた。2025年4月に2029年度までの中期経営計画を公表し、5月に本社を福岡市中央区天神のONE FUKUOKA BLDG.へ移し、10月に株式会社クラフティアへ社名を変更[110]した。新社名の検討では、4,000件を超える社内アンケートと次世代社員の意見交換会[111]を経ている。

  • クラフティア 統合報告書 KRAFTIA REPORT 2025
    • [107]2021年7月 グリーンイノベーション事業本部を新設
    • [110]2025年4月 中期経営計画(FY2025-FY2029)公表、2025年5月 本社をONE FUKUOKA BLDG.へ移転、2025年10月 株式会社クラフティアへ社名変更
    • [111]新社名の検討で4,000件を超える社内アンケートと次世代社員による意見交換会を実施
  • クラフティア(旧 九電工)有価証券報告書【沿革】
    • [108]2022年4月 東証市場第一部からプライム市場へ移行、2022年6月 監査等委員会設置会社へ移行
    • [109]2024年12月 創立80周年

石橋和幸社長は2025年8月の取材で、データセンターや蓄電池について、開発案件へ少額を出資することで工事を安定して受注できる体制を作る方針を示した[112]。連結売上高は2023年3月期の3,958億円から2025年3月期に4,740億円、2026年3月期に4,761億円へ伸び、経常利益も355億円から444億円、582億円になった[113]。2013年3月期の2,393億円から13期で2倍近くである。中期経営計画は2029年度に連結経常利益600億円、ROIC10%以上、中計期間の投資総額2,000億円[114]を掲げ、2025年3月期に10,828人だった連結従業員を2029年度に12,000人へ増やす目標と、45歳平均年収1,000万円も置いた[115]。1944年に九州配電の下請13社を束ねて生まれた会社は、2044年の創立100周年を次の区切りに置いている[116]

  • 日本経済新聞 2025年8月29日
    • [112]石橋和幸社長は2025年8月にデータセンター・蓄電池の開発案件へ少額出資して工事を安定受注する体制を作る方針を示した
  • 週刊東洋経済 2026年7月4日号
    • [113]2026年3月期の連結売上高4,761億円・経常利益582億円
  • クラフティア 統合報告書 KRAFTIA REPORT 2025
    • [114]中期経営計画の2029年度目標は連結経常利益600億円・ROIC10%以上・投資総額2,000億円
    • [115]2025年3月期の連結従業員10,828人、2029年度の非財務目標は連結従業員12,000人・45歳平均年収1,000万円
    • [116]2044年に創立100周年
  • クラフティア(旧 九電工)有価証券報告書【役員の状況】
    • [102]2020年6月 佐藤尚文氏が代表取締役社長に就任
    • [103]佐藤尚文氏は1971年4月に九州電力へ入社し代表取締役副社長を務め、2018年6月に退任して同月に九電工へ入社、取締役会長を経て社長就任
    • [105]2023年4月 石橋和幸氏が代表取締役社長執行役員に就任、人事労務出身・営業統括担当の生え抜き
  • 九電工 適時開示「代表取締役の異動に関するお知らせ」2023年2月24日
    • [104]2023年2月 佐藤尚文社長が世代交代の時期は今が最良と判断して後任を指名
  • ふくおか経済 2023年3月7日
    • [106]石橋和幸氏の所信表明は業容・業績の拡大と2024年問題への取り組み、社員一人一人が希望を持てる魅力ある会社
  • クラフティア 統合報告書 KRAFTIA REPORT 2025
    • [107]2021年7月 グリーンイノベーション事業本部を新設
    • [110]2025年4月 中期経営計画(FY2025-FY2029)公表、2025年5月 本社をONE FUKUOKA BLDG.へ移転、2025年10月 株式会社クラフティアへ社名変更
    • [111]新社名の検討で4,000件を超える社内アンケートと次世代社員による意見交換会を実施
    • [114]中期経営計画の2029年度目標は連結経常利益600億円・ROIC10%以上・投資総額2,000億円
    • [115]2025年3月期の連結従業員10,828人、2029年度の非財務目標は連結従業員12,000人・45歳平均年収1,000万円
    • [116]2044年に創立100周年
  • クラフティア(旧 九電工)有価証券報告書【沿革】
    • [108]2022年4月 東証市場第一部からプライム市場へ移行、2022年6月 監査等委員会設置会社へ移行
    • [109]2024年12月 創立80周年
  • 日本経済新聞 2025年8月29日
    • [112]石橋和幸社長は2025年8月にデータセンター・蓄電池の開発案件へ少額出資して工事を安定受注する体制を作る方針を示した
  • 週刊東洋経済 2026年7月4日号
    • [113]2026年3月期の連結売上高4,761億円・経常利益582億円

クラフティアの沿革1944〜2022年における主な出来事を抜粋

年月社長・CEO出来事重要度
電気工事業整備要綱に基づく九州19社の三次統合と九州電気工事の設立創業者の事業構想ではなく国策の業界一元化から出発した会社が、九州の同業19社をどう一つにまとめたか 詳細を読む★★★
九州電業社他3社を第2次統合★★
原田電気商会他3社を第3次統合
東京支社を開設
九州配電と配電工事委託契約を締結★★
建設工事部門を分離し九州電気建設工事を設立
昭電社を設立
大分電設を設立
空調・管工事と水処理工事への参入による総合設備工事会社への転換電力会社の配電工事を請け負う会社から、建物の設備一式を引き受ける会社へ——1964年から1970年代前半にかけての業域の組み替え 詳細を読む★★★
小倉電設を設立
大阪証券取引所市場第二部・福岡証券取引所市場に上場
南九州電設を設立
水処理工事の営業開始★★
東京証券取引所市場第二部に上場
明光社の株式取得
九州電工ホームを設立
大証二部・福証上場から4年での東証・大証一部指定替え九州電力の工事会社が、地場の非上場企業から全国区の一部上場企業へ移った1968年から1972年までの4年間 詳細を読む★★★
公共下水道工事の営業開始
福岡電設を設立
合弁会社九連環境開發股份有限公司を設立
第一回無担保転換社債100億円の発行
九電工に商号変更
技術研究所を新設
河部浩幸大阪証券取引所市場第一部の上場廃止
橋田紘一東京本社設置
西村松次シンガポールASIA PROJECTS ENGINEERING PTE. LTD.の株式の一部を取得
西村松次第2回無担保転換社債型新株予約権付社債100億円の発行
西村松次エルゴテックの株式の一部を取得
佐藤尚文セントラル総合開発と資本業務提携契約を締結★★
佐藤尚文中央理化工業の株式取得
佐藤尚文東京証券取引所プライム市場へ移行
佐藤尚文監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行
出典・参考
  • 証券 1971年11月号
  • クラフティア(旧 九州電気工事)有価証券報告書【沿革】
  • クラフティア 統合報告書 KRAFTIA REPORT 2025
  • 九州電気工事 会社年鑑(1976年版・単体、品目別売上高)
  • 九州電気工事 会社年鑑(1986年版・単体、品目別売上高)
  • 九州電気工事 会社年鑑(1976年版・1986年版、単体業績)
  • クラフティア(旧 九電工)有価証券報告書【沿革】
  • 週刊東洋経済 2000年2月5日号
  • 週刊東洋経済 2013年9月20日号
  • 週刊東洋経済 2017年10月28日号
  • クラフティア(旧 九電工)有価証券報告書【役員の状況】
  • 九州電気工事 会社年鑑(1986年版・単体業績)
  • 日刊工業新聞 2013年8月21日
  • 週刊東洋経済 2016年8月13日号
  • 週刊東洋経済 2014年12月5日号
  • 週刊東洋経済 2026年7月4日号
  • 九電工 適時開示「代表取締役の異動に関するお知らせ」2023年2月24日
  • ふくおか経済 2023年3月7日
  • 電気新聞 2025年1月
  • 日本経済新聞 2025年8月29日

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