1969年〜 旧富士銀行系の芙蓉グループ総合リース会社として
- 1969年 丸紅飯田と富士銀行を軸とする芙蓉グループ6社の共同出資による総合リース会社の設立 銀行系か商社系か——参入が相次いだリース業黎明期に、芙蓉グループはなぜ二頭を母体に置いたか
- 1973年 千代田エンタープライズを設立
- 1987年 芙蓉オートリースを設立
- 1987年 横河レンタ・リースを設立
- 1988年 Fuyo General Lease(USA) Inc.を設立
- 2001年 安信リースと合併
- 2002年 安田リースと合併・芙蓉総合開発のリース金融事業を分割承継
芙蓉グループ6社が共同出資で設立した銀行系リース会社
1969年5月、丸紅飯田(現・丸紅)、富士銀行[1](現・みずほ銀行)を中心とする芙蓉グループ6社を株主として、資本金1億円で芙蓉総合リース[2]が東京都千代田区大手町二丁目4番地(新大手町ビル)に設立された。芙蓉グループは旧富士銀行の融資先企業を中核とする企業集団で、1964年に発足した「芙蓉懇談会」を母体に三菱・三井・住友各グループと並ぶ六大企業集団のひとつとして昭和30年代から形成されてきた。芙蓉総合リースは、このグループの法人需要に応えるリース・割賦金融機関として、丸紅・富士銀行・日本鋼管・昭和電工などのグループ各社を主要顧客に据える事業構造を出発点に持った。
- 芙蓉総合リース 有価証券報告書【沿革】
- [1]発起株主は丸紅飯田(現・丸紅)・富士銀行(現・みずほ銀行)を中心とする芙蓉グループ6社
- [2]1969年5月 芙蓉総合リースを設立(芙蓉グループ6社を株主、資本金1億円、本社=東京都千代田区大手町二丁目4番地・新大手町ビル)
1960年代後半の日本では、米国式のリース手法が法人設備投資の新しい資金調達手段として広がり始めていた。製造業や流通業が高度成長期の旺盛な設備投資需要を抱える一方、銀行融資中心の資金繰りは設備の所有・減価償却・修繕費の負担を企業に残した。芙蓉総合リースは富士銀行系の信用と丸紅の商社ネットワークから営業導線を引き、機械設備・情報機器・事務機器のリースを軸に法人取引を伸ばした。1970年9月には大手町ビルに移転し[3]、1973年5月には業務代行子会社の千代田エンタープライズ[4](現・FGLグループ・ビジネスサービス)を設立して、グループ周辺機能の内製化にも踏み込んだ。
- 芙蓉総合リース 公式沿革
- [3]1970年9月 大手町ビルに移転
- 芙蓉総合リース 有価証券報告書【沿革】
- [4]1973年5月 業務代行子会社の千代田エンタープライズ(現・FGLグループ・ビジネスサービス)を設立
1980年代後半は、日本のリース業界全体が事業多角化の局面に入った時期である。1987年1月、芙蓉総合リースは芙蓉オートリースを設立して自動車リース専業の子会社[5]を立ち上げ、同月には横河電機との共同出資で横河レンタ・リース(持分法適用会社)を設立した[6]。事業会社との合弁による領域分業はこの時期の業界に共通する動きで、富士銀行系の汎用リース会社として法人取引基盤を広げる一方、特定分野は事業会社との合弁子会社に担わせる二段構えの事業構造が芙蓉総合リースで固まった。1988年9月には米国現地法人Fuyo General Lease(USA) Inc.を設立し[7]、北米の日系企業向けリースを開始した。
- 芙蓉総合リース 有価証券報告書【沿革】
- [5]1987年1月 芙蓉オートリースを設立(自動車リース専業の子会社)
- [6]横河レンタ・リースは横河電機との共同出資で設立した持分法適用会社
- [7]1988年9月 米国現地法人Fuyo General Lease(USA) Inc.を設立し北米日系企業向けリースを開始
- 芙蓉総合リース 有価証券報告書【沿革】
- [1]発起株主は丸紅飯田(現・丸紅)・富士銀行(現・みずほ銀行)を中心とする芙蓉グループ6社
- [2]1969年5月 芙蓉総合リースを設立(芙蓉グループ6社を株主、資本金1億円、本社=東京都千代田区大手町二丁目4番地・新大手町ビル)
- [4]1973年5月 業務代行子会社の千代田エンタープライズ(現・FGLグループ・ビジネスサービス)を設立
- [5]1987年1月 芙蓉オートリースを設立(自動車リース専業の子会社)
- [6]横河レンタ・リースは横河電機との共同出資で設立した持分法適用会社
- [7]1988年9月 米国現地法人Fuyo General Lease(USA) Inc.を設立し北米日系企業向けリースを開始
- 芙蓉総合リース 公式沿革
- [3]1970年9月 大手町ビルに移転
バブル崩壊後の銀行業界再編と芙蓉系リース3社統合
1990年代の日本のリース業界は、バブル崩壊後の不良債権問題と地価下落で経営環境が一変した。芙蓉総合リースの主要株主である富士銀行は不動産融資の不良債権処理に追われ、リース業界全体でも親銀行の与信枠に依存した成長モデルが揺らいだ。1993年11月、芙蓉総合リースは本社を千代田区神田三崎町(ニチレイビル)へ移転し[8]、業容拡張に対応する体制整備を進めた。1994年3月には芙蓉建機レンタル(現・アクア・アート[9])、1996年4月には芙蓉リース販売を設立し[10]、リース満了物件の再販・建機レンタル分野に手を広げた。物件売却益と中古物件再販という収益源は、後の2015年3月期(FY14)以降のセグメント開示でリース及び割賦事業の主柱として表れる構造の原型となる。
- 芙蓉総合リース 公式沿革
- [8]1993年11月 本社を千代田区神田三崎町(ニチレイビル)へ移転
- [9]1994年3月 芙蓉建機レンタル(現・アクア・アート)を設立
- [10]1996年4月 芙蓉リース販売を設立
1999年7月、芙蓉総合リースはアイルランドにFGL Aircraft Ireland Limitedを設立し、航空機リース事業に参入した[11]。アイルランドは航空機リース会社の集積地で、税制・専門人材・取引ネットワークの面で世界最大のクラスター市場である。設立当初の事業規模は小さかったが、芙蓉総合リースが2010年代に航空機リースを長期重資産事業の柱に育てる基盤となった。同時期の1999年には、ニチイ学館との合弁で日本信用リース(後に2022年に吸収合併)を設立し[12]、医療・福祉機関向けリースの最初の事例も整えた。
- 芙蓉総合リース 有価証券報告書【沿革】
- [11]1999年7月 アイルランドにFGL Aircraft Ireland Limitedを設立し航空機リース事業に参入
- 芙蓉総合リース 公式沿革
- [12]1999年 ニチイ学館との合弁で日本信用リースを設立(後に2022年に吸収合併)
2000年9月、第一勧業銀行・富士銀行・日本興業銀行の3[13]行が経営統合してみずほフィナンシャルグループが発足し、3行系列の事業会社の整理統合が業界横断で進んだ。みずほFG発足を受け、芙蓉総合リースは2001年4月に旧安田信託銀行系の安信リースを[14]、2002年4月に旧安田生命系の安田リースを相次いで吸収合併し[15]、芙蓉総合開発のリース金融事業部門も分割承継した。みずほ系芙蓉グループのリース機能を1社に集約する再編で、合併後の芙蓉総合リースは芙蓉系リース3社統合の受け皿となった。営業基盤と顧客接点の拡充が一気に進み、2006年3月期(FY05)の単体売上高は3,704億円、経常利益183億円という上場前の事業規模が形成された。
- 芙蓉総合リース 有価証券報告書【沿革】
- [13]2000年9月 第一勧業銀行・富士銀行・日本興業銀行の3行が経営統合してみずほフィナンシャルグループが発足
- [14]2001年4月 旧安田信託銀行系の安信リースを吸収合併
- [15]2002年4月 旧安田生命系の安田リースを吸収合併し、芙蓉総合開発のリース金融事業を分割承継
- 芙蓉総合リース 公式沿革
- [8]1993年11月 本社を千代田区神田三崎町(ニチレイビル)へ移転
- [9]1994年3月 芙蓉建機レンタル(現・アクア・アート)を設立
- [10]1996年4月 芙蓉リース販売を設立
- [12]1999年 ニチイ学館との合弁で日本信用リースを設立(後に2022年に吸収合併)
- 芙蓉総合リース 有価証券報告書【沿革】
- [11]1999年7月 アイルランドにFGL Aircraft Ireland Limitedを設立し航空機リース事業に参入
- [13]2000年9月 第一勧業銀行・富士銀行・日本興業銀行の3行が経営統合してみずほフィナンシャルグループが発足
- [14]2001年4月 旧安田信託銀行系の安信リースを吸収合併
- [15]2002年4月 旧安田生命系の安田リースを吸収合併し、芙蓉総合開発のリース金融事業を分割承継
銀行系リースから上場リース会社への準備期間
合併で営業基盤を拡張した芙蓉総合リースは、上場による独立性確保と資本市場からの資金調達多様化を経営課題に据えた。芙蓉総合リースのリース・割賦事業は、物件購入時に多額の借入が必要となる資産集約型ビジネスで、主要株主であるみずほ銀行からの借入だけでは資金調達手段が単一に偏る構造を抱えた。資本市場での社債発行や公募増資を通じて調達を多様化することが、業界中堅から上位への成長条件となった。1990年代後半までにオリックスが多角化先進企業として他社を引き離し、三菱UFJリース・日立キャピタル・東京リースなど競合各社も上場済みで、芙蓉総合リースは上場リース会社という業界標準から遅れていた。
2002年4月の安田リース合併後、芙蓉総合リースは新光証券を主幹事[16]に上場準備に入り、社内のコンプライアンス・開示体制・財務管理を上場基準に合わせる改革を続けた。リース業界の標準的な会計慣行であるJGAAPベースでのリース債権・割賦債権の評価、関連会社・連結子会社のガバナンス整備、与信管理の高度化が並行して進んだ。1980年代後半から1990年代に多角化したグループ会社の再編も上場準備の一環で実施された。芙蓉総合リースは富士銀行系の銀行系リース会社という旧来の位置づけを残しつつ、市場規律に従う上場企業への移行を準備した。
- 芙蓉総合リース 有価証券報告書【沿革】
- [16]2002年4月の安田リース合併後、新光証券を主幹事に上場準備に入った
2004年12月、芙蓉総合リースは東京証券取引所市場第一部に上場した。公募価格2,200円、上場日は12月7日で、上場時に資本金は1億2,500万円から105億円へ拡張された。[17][18][19]みずほ銀行・丸紅をはじめとする芙蓉グループ各社の安定株主構造は維持しつつ、流通株式の確保で機関投資家・個人投資家による株式保有が広がった。上場により銀行系リース会社という業界内の位置づけは形式上保ちつつ、株式市場からの資金調達と経営の透明化を備えた上場リース会社としての出発点を得た。創業から35年を経て[20]、芙蓉総合リースは芙蓉グループ内の事業会社から独立した上場金融サービス会社へと法人格の位置づけを移した。
- 芙蓉総合リース 有価証券報告書【沿革】
- [17]2004年12月 東京証券取引所市場第一部に上場(上場日12月7日)
- [19]上場時に資本金は1億2,500万円から105億円へ増資
- [20]創業(1969年)から35年を経て上場(2004年)に至った
- みんかぶ 8424 新規上場情報
- [18]上場の公募価格は2,200円
- 芙蓉総合リース 有価証券報告書【沿革】
- [16]2002年4月の安田リース合併後、新光証券を主幹事に上場準備に入った
- [17]2004年12月 東京証券取引所市場第一部に上場(上場日12月7日)
- [19]上場時に資本金は1億2,500万円から105億円へ増資
- [20]創業(1969年)から35年を経て上場(2004年)に至った
- みんかぶ 8424 新規上場情報
- [18]上場の公募価格は2,200円