東京センチュリー の歴史

更新:

1969年、東京銀行系のセンチュリー・リーシング・システムとして設立。2003年の東証二部上場、リーマン破綻2週間後に決めた東京リースとの合併、NTTとの資本提携までの沿革と経緯を執筆。

創業

1969年

母体

東京銀行系

創業地

東京都

直近売上高(2026/3)

14,577億円

長期業績と転換点(1997/3〜2026/3)
売上高(億円純利益率(%)
Q なぜ1969年の設立で、特定の親会社を持たず商社・銀行・生保4社の共同出資という形をとったのか
A リースには物件を調達する力と借り手の信用を見極める与信の力の両方が要る。商社は物件と販路を、銀行は与信と資金を持つため、両者を1社で結べば単独の親会社では取れない案件を組成できた。1969年7月、設備投資が膨らむ高度成長期に伊藤忠商事・第一銀行・日本生命保険・朝日生命保険の4社が資本金500百万円でセンチュリー・リーシング・システムを設立した。設立から1980年代まで、伊藤忠の物件供給と第一勧業銀行の与信枠を組み合わせてリース債権を伸ばし、商社・銀行系リース会社としての地盤を築いた
Q なぜ2008年、リーマン破綻の直前に単独成長を捨てて東京リースと合併したのか
A 後発のリース会社が単独で規模を伸ばすには限界があり、メガバンク再編が系列リースの統合を後押ししていた。三井住友系・三菱UFJ系では2007年までに傘下2社の統合が済み、みずほ系だけが旧東銀系の東京リースと旧第一勧銀系のセンチュリー・リーシング・システムを別法人で残していた。2008年9月29日、両社は2009年4月の合併に基本合意し、国際金融市場の混乱のなかでグローバル競争力と事業規模を高める道を選んだ。発表の2週間前にあたる9月15日にリーマン・ブラザーズが破綻しており、浅田俊一氏は後に「その実現はまさに紙一重といえた」と振り返っている
Q なぜ2019年に3,200億円を投じてAviation Capital Groupを完全子会社化し、航空機という巨大アセットへ踏み込んだのか
A 新興国の旅客需要増とLCCの成長で民間航空機市場が拡大し、機体を保有せず借りるオペレーティングリースの利用率が高まると見込まれていた。合併で得た資本を元手に、商社系リースが単独では取れない1機数千万ドル規模の航空機ファイナンスを長期運用し、市場の成長を取り込む狙いである。2019年9月に発表され、同年12月6日に東京センチュリーは持分24.5%を追加取得してAviation Capital Groupを完全子会社化し、約30億ドル(約3,213億円)を投じた。連結総資産は単年で約1.5兆円増え、IT機器・航空機・不動産を束ねるグローバルアセット会社への業態転換を裏づけた

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1969年〜 商社・銀行・生保4社の共同出資で発足した社内ベンチャー

東京センチュリーの業績推移:単体

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 1969年 センチュリー・リーシング・システムを設立
  2. 1985年 自動車リース部門を分離しセンチュリー・オート・リースを設立
  3. 2003年 設立34年目の東京証券取引所第二部上場 商社・銀行・生保4社の合意で動いてきたリース会社が、自己資本比率2.9%のまま公開市場へ出た
  4. 2004年 東京証券取引所市場第一部銘柄に指定
  5. 2005年 自動車リース子会社をNTTとの50対50合弁へ組み替えた対等合併 100%子会社を手放し、管理台数15万台の合弁会社を選んだ2005年の判断
  6. 2005年 日本カーソリューションズが発足
  7. 2006年 中国上海市に盛世利租賃有限公司を設立

「4社の合意で生まれた会社」── 株主構成が決めた事業の型

1969年7月、伊藤忠商事・第一銀行(現みずほ銀行)・日本生命保険・朝日生命保険の4社が共同出資し[1]、資本金500百万円で[2]センチュリー・リーシング・システム株式会社が東京で設立[3]された。当時の日本のリース業界は1963年設立のオリエント・リース(現オリックス)など三井系・住友系を中心とする業界形成期にあり、伊藤忠商事と第一銀行という商社・銀行の組み合わせで新規参入する形態は、商社案件の物件供給と銀行系の与信機能を1社内で結合する設計だった。設立趣旨書には「リース業を通じて産業の合理化と近代化に寄与する」旨が記された。商社・銀行・生保の3業態が経営の枠組みを共同で決める設計は、後年まで同社の意思決定構造に残った。

  • 東京センチュリー 有価証券報告書【沿革】
    • [1]出資は伊藤忠商事・第一銀行(現みずほ銀行)・日本生命保険・朝日生命保険の4社共同
    • [2]設立時の資本金は500百万円
    • [3]1969年7月 センチュリー・リーシング・システム株式会社を東京で設立

設立から1980年代までの同社は、伊藤忠商事の物件供給と第一勧業銀行の与信枠を活用してリース債権残高を伸ばし、商社・銀行系リース会社としての地盤を築いた。1985年4月には自動車リース部門を分離し[4]、伊藤忠商事・伊藤忠燃料・大成火災海上保険と共同でセンチュリー・オート・リース[5]株式会社を設立した。オートリースは商業設備リースと並ぶ第二の柱に育ち、2005年10月にはエヌ・ティ・ティ・オートリース[6]との対等合併によって日本カーソリューションズへ商号変更した。NTT系列との連携はこの時点から既に始まっており、2020年の資本業務提携はNTTとの最初の事業連携から15年をかけた関係の延長線上にある。

  • 東京センチュリー 有価証券報告書【沿革】
    • [4]1985年4月 自動車リース部門を分離しセンチュリー・オート・リース株式会社を設立
    • [5]センチュリー・オート・リースは伊藤忠商事・伊藤忠燃料・大成火災海上保険との共同設立
    • [6]2005年10月 センチュリー・オート・リースとエヌ・ティ・ティ・オートリースが合併し日本カーソリューションズに商号変更

2003年9月に東京証券取引所市場第二部に上場し[7]、翌2004年9月に第一部銘柄へ指定替えとなった[8]。上場で得た資金調達手段で2006年10月には伊藤忠(中国)集団との共同出資で上海に盛世利[9](中国)租賃有限公司を設立し、中国向けリース事業に参入した。リーマン・ショック直前の2008年3月期は売上高3,072億円・経常利益102億円・純利益65億円で推移し、リース業界8位前後の中堅企業として上場後の地歩を固めた。しかし2007年の三井住友ファイナンス&リース発足、三菱UFJリースとダイヤモンドリース統合という業界再編の波の中で、同社の単独成長路線は限界を見せ始めた。みずほ系で旧東銀系の東京リースと旧第一勧銀系のセンチュリー・リーシング・システムが別法人として残る構図は、業界順位の観点から早晩の決着を迫られた。

  • 東京センチュリー 有価証券報告書【沿革】
    • [7]2003年9月 東京証券取引所市場第二部に上場
    • [8]2004年9月 東京証券取引所市場第一部銘柄に指定
    • [9]2006年10月 伊藤忠(中国)集団との共同出資で上海に盛世利(中国)租賃有限公司を設立
  • 東京センチュリー 有価証券報告書【沿革】
    • [1]出資は伊藤忠商事・第一銀行(現みずほ銀行)・日本生命保険・朝日生命保険の4社共同
    • [2]設立時の資本金は500百万円
    • [3]1969年7月 センチュリー・リーシング・システム株式会社を東京で設立
    • [4]1985年4月 自動車リース部門を分離しセンチュリー・オート・リース株式会社を設立
    • [5]センチュリー・オート・リースは伊藤忠商事・伊藤忠燃料・大成火災海上保険との共同設立
    • [6]2005年10月 センチュリー・オート・リースとエヌ・ティ・ティ・オートリースが合併し日本カーソリューションズに商号変更
    • [7]2003年9月 東京証券取引所市場第二部に上場
    • [8]2004年9月 東京証券取引所市場第一部銘柄に指定
    • [9]2006年10月 伊藤忠(中国)集団との共同出資で上海に盛世利(中国)租賃有限公司を設立

リーマンショック前夜の合併判断 ── みずほ系メガリース誕生の地ならし

2000年代後半の日本のリース業界は、メガバンク再編と歩調を合わせる形で系列リース会社の統合圧力が強まった。三井住友銀行系リース会社の統合(2007年に三井住友ファイナンス&リース発足)、東京三菱UFJ系リース会社の動き(2007年に三菱UFJリースとダイヤモンドリースが統合)など、メガバンク傘下のリース2社統合が業界の潮流となっていた。みずほフィナンシャルグループの傘下では旧東京銀行系の東京リースと旧第一勧業銀行系のセンチュリー・リーシング・システムが別法人として残っており、業界順位を意識した統合議論が経営層の間で繰り返された。同様の動きは三井系・住友系・東京三菱UFJ系で既に決着しつつあった。

2008年9月29日、東京リース株式会社とセンチュリー・リーシング・システム株式会社は2009年4月1日付で合併する基本合意を発表した[10]。合併後の社名は「東京センチュリーリース株式会社」、[11]存続会社はセンチュリー・リーシング・システム、新会社の会長には旧センチュリー側の新居尊夫社長[12]、社長には旧東京リースの浅田俊一社長が就任する人事だった[13]。発表の2週間前、2008年9月15日にはすでにリーマン・ブラザーズが破綻[14]しており、世界金融危機のただ中での合意発表だった。後年、浅田俊一会長は2009年春の合併発足時に全社員へ配った置き時計を執務室の机に残し、その後の成長の土台となる良い合併であった一方で、実現はリーマン直前のタイミングで紙一重だったと述懐している。

  • Bloomberg(2008年9月29日)
    • [10]2008年9月29日 東京リースとセンチュリー・リーシング・システムが2009年4月1日付合併の基本合意を発表
    • [14]リーマン・ブラザーズ破綻は2008年9月15日で、合併基本合意発表(2008年9月29日)の約2週間前
  • 東京センチュリー 有価証券報告書【沿革】
    • [11]合併後の社名は東京センチュリーリース株式会社・存続会社はセンチュリー・リーシング・システム
  • 東京センチュリー 有価証券報告書【役員の状況】
    • [12]新会社会長に旧センチュリー側の新居尊夫氏が就任(21_ceo:新居尊夫はFY06〜FY07の前社長)
    • [13]新会社社長に旧東京リースの浅田俊一氏が就任(21_ceo:浅田俊一はFY08〔2009年3月期〕から代表取締役社長)

リーマン破綻からわずか2週間後というタイミングで合併の基本合意が固まったことは、後の同社経営陣が「紙一重」と振り返るほど偶然に近かった。世界金融危機の進行で資金調達コストが急上昇し、リース業界全体で総資産圧縮の圧力が高まる中、もし合意が数カ月遅れていれば、株主間の優先順位調整と人事交渉が金融危機の余波で長期化した可能性が高い。逆に合意が成立した結果、2009年4月の合併施行までに[15]2社で重複していた営業拠点・システム基盤・人員配置の整理計画が前倒しで進み、合併直後から統合効果を取りに行く準備が整った。みずほ系メガリースという新しい枠組みの中で、両社の事業基盤を再構築する仕事の入口に同社は立った。

  • 東京センチュリー 有価証券報告書【沿革】
    • [15]2009年4月 東京リースとセンチュリー・リーシング・システムの合併施行
  • Bloomberg(2008年9月29日)
    • [10]2008年9月29日 東京リースとセンチュリー・リーシング・システムが2009年4月1日付合併の基本合意を発表
    • [14]リーマン・ブラザーズ破綻は2008年9月15日で、合併基本合意発表(2008年9月29日)の約2週間前
  • 東京センチュリー 有価証券報告書【沿革】
    • [11]合併後の社名は東京センチュリーリース株式会社・存続会社はセンチュリー・リーシング・システム
    • [15]2009年4月 東京リースとセンチュリー・リーシング・システムの合併施行
  • 東京センチュリー 有価証券報告書【役員の状況】
    • [12]新会社会長に旧センチュリー側の新居尊夫氏が就任(21_ceo:新居尊夫はFY06〜FY07の前社長)
    • [13]新会社社長に旧東京リースの浅田俊一氏が就任(21_ceo:浅田俊一はFY08〔2009年3月期〕から代表取締役社長)

2009年〜 東京リース合併で得たグローバルアセット会社への跳躍台

東京センチュリーの業績推移

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 2009年 リーマン破綻の2週間後に決めた東京リースとの合併 総資産1兆1,580億円の相手を、総資産8,459億円の会社が存続会社として迎えた
  2. 2010年 IHIファイナンスサポートの株式66.5%を取得し連結子会社化
  3. 2011年 PT. Century Tokyo Leasing Indonesiaを設立
  4. 2012年 京セラと太陽光発電事業会社である京セラTCLソーラーを設立
  5. 2013年 日本カーソリューションズと東京オートリースが合併
  6. 2016年 CSI Leasing Inc.を完全子会社化
  7. 2017年 Aviation Capital Group LLCの持分20%を取得し持分法適用関連会社化

業界最速のシステム統合 ── 旧2社の重なりを2年で解いた

2009年4月、東京リースとセンチュリー・リーシング・システムの合併が実行され、社名は東京センチュリーリース株式会社に変わった[16]。合併直後の連結総資産は2012年3月期(FY11)に2兆2,603億円に達し、業界順位は4位前後へ浮上した。合併の財務効果は2年で表れ、経常利益は合併前の2010年3月期334億円から2012年3月期462億円へ38%増加し、2014年3月期には551億円となった。みずほフィナンシャルグループ・伊藤忠商事という旧2社共通の大株主が経営陣の調整に関与し、重複した管理機能の整理と取引先のグループ内集約を初年度から進めた。合併発表時に浅田俊一社長が掲げた「業界最速のシステム統合」は2011年3月に完了し、合併発表から2年半で旧2社の基幹システムを1本化した。

  • 東京センチュリー 有価証券報告書【沿革】
    • [16]2009年4月 合併実行・社名を東京センチュリーリース株式会社へ変更

2010年7月にはIHIファイナンスサポートの株式66.5%を取得[17]して連結子会社化し、産業機械リース分野へ進出した。続く2011年2月にインドネシアにPT. Century Tokyo[18] Leasing Indonesia(現PT. Tokyo Century Indonesia)を設立、2012年9月には京セラ株式会社と京セラTCLソーラー合同会社を設立して太陽光発電事業に参入[19]した。再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)が2012年7月から始まった直後の動きで、メガソーラー建設を担う合弁設立は、2022年に新セグメントとして開示される環境インフラ事業の最初の合弁案件だった。合併で得た資本基盤と取引先ネットワークを使い、商社系リース会社が単独では取れなかった100億円超のグリーンアセット案件を取り込む構えが整った。

  • 東京センチュリー 有価証券報告書【沿革】
    • [17]2010年7月 IHIファイナンスサポートの株式66.5%を取得し連結子会社化
    • [18]2011年2月 インドネシアにPT. Century Tokyo Leasing Indonesia(現PT. Tokyo Century Indonesia)を設立
    • [19]2012年9月 京セラ株式会社と京セラTCLソーラー合同会社を設立し太陽光発電事業に参入
  • 東京センチュリー 有価証券報告書【沿革】
    • [16]2009年4月 合併実行・社名を東京センチュリーリース株式会社へ変更
    • [17]2010年7月 IHIファイナンスサポートの株式66.5%を取得し連結子会社化
    • [18]2011年2月 インドネシアにPT. Century Tokyo Leasing Indonesia(現PT. Tokyo Century Indonesia)を設立
    • [19]2012年9月 京セラ株式会社と京セラTCLソーラー合同会社を設立し太陽光発電事業に参入

「ITは財務と並ぶ経営の生命線」── 浅田社長が引いた変革の軌道

合併発足直後の経営の特徴は、社長自身がITとシステム統合を経営テーマとして掲げたことだった。浅田俊一社長は「ITは財務と並ぶ経営[20]の生命線」(CiNii Research インタビュー記事)と語り、自ら統合プロジェクトの陣頭指揮を取った。この姿勢は2013年6月のニッポンレンタカーサービス株式会社[21]の追加株式取得・連結子会社化、同10月の日本カーソリューションズと東京オートリースの合併[22]など、立て続けに実施したオート事業再編の判断にも反映された。日本カーソリューションズは持株比率59.5%の連結子会社[23]となり、ニッポンレンタカーは法人車両管理・レンタカー・カーシェアを束ねる国内オート事業の主軸へ位置付けられた。

  • 東京センチュリー 有価証券報告書【役員の状況】
    • [20]浅田俊一氏は合併直後の社長(21_ceo:浅田俊一はFY08〜FY18 代表取締役社長)
  • 東京センチュリー 有価証券報告書【沿革】
    • [21]2013年6月 ニッポンレンタカーサービスの株式を追加取得し連結子会社化
    • [22]2013年10月 日本カーソリューションズと東京オートリースが合併
    • [23]日本カーソリューションズは持株比率59.5%の連結子会社

2015年3月には米国の大手独立系リース会社CSI Leasing, Inc.の株式35%を取得[24]して持分法適用関連会社とし、翌2016年6月に追加取得して完全子会社化した[25]。CSI Leasingは米国IT機器リース市場で大手の独立系企業で、後年の国際事業の収益エンジンとなった。さらに2017年12月には米国大手航空機リース会社Aviation Capital Group LLCの持分20%を約500億円で取得し[26]、持分法適用関連会社とした。航空機リース市場は1機あたり数千万ドルから1億ドル規模のアセットを長期運用する事業領域で、当時のリース業界で航空機分野に踏み込んでいた邦銀系・商社系は限定的だった。CSIとACGの2社で「IT機器の国際展開」と「航空機ファイナンス」の2軸が形成された。

  • 東京センチュリー 有価証券報告書【沿革】
    • [24]2015年3月 CSI Leasing, Inc.の株式35%を取得し持分法適用関連会社化
    • [25]2016年6月 CSI Leasing, Inc.を追加取得し完全子会社化
    • [26]2017年12月 Aviation Capital Group LLCの持分20%を取得し持分法適用関連会社化

2016年10月、合併から7年半を経て商号を「東京センチュリー株式会社」に変更した[27]。社名から「リース」を外す決定は、IT機器・オート・航空機・不動産・環境エネルギーを束ねる総合アセットビジネス会社への自己定義の更新を意味した。2018年3月期の連結売上高は1兆122億円・経常利益790億円・純利益513億円となり、合併直後の2012年3月期対比で売上は1.4倍、純利益は2.0倍に拡大した。社名変更時の事業構成は、賃貸・割賦事業が売上の93%を占める旧来型リース構造から、IT機器・オート・国際・スペシャルティへの分散構造に置き換わる過程にあった。

  • 東京センチュリー 有価証券報告書【沿革】
    • [27]2016年10月 商号を東京センチュリー株式会社へ変更
  • 東京センチュリー 有価証券報告書【役員の状況】
    • [20]浅田俊一氏は合併直後の社長(21_ceo:浅田俊一はFY08〜FY18 代表取締役社長)
  • 東京センチュリー 有価証券報告書【沿革】
    • [21]2013年6月 ニッポンレンタカーサービスの株式を追加取得し連結子会社化
    • [22]2013年10月 日本カーソリューションズと東京オートリースが合併
    • [23]日本カーソリューションズは持株比率59.5%の連結子会社
    • [24]2015年3月 CSI Leasing, Inc.の株式35%を取得し持分法適用関連会社化
    • [25]2016年6月 CSI Leasing, Inc.を追加取得し完全子会社化
    • [26]2017年12月 Aviation Capital Group LLCの持分20%を取得し持分法適用関連会社化
    • [27]2016年10月 商号を東京センチュリー株式会社へ変更

セグメント再編 ── 4事業分野体制で「総合アセット会社」を可視化

2018年4月にスタートした第三次中期経営計画の発表に合わせ、2019年3月期(FY18)から従来の「賃貸・割賦事業」「ファイナンス事業」「その他」の3区分を、「国内リース」「国内オート」「スペシャルティ」「国際」の4事業分野へ再編した。国内リースは情報通信機器・産業機械・商業設備を束ねる旧来型リース、国内オートは日本カーソリューションズ・ニッポンレンタカーを中核とするオートモビリティ、スペシャルティは船舶・航空機・不動産を対象とするグローバルアセット、国際は米州・アジアの現地リース会社を束ねる海外事業として整理した。商号変更と並行したセグメント再編で、外部投資家が同社の事業構造を理解しやすい情報開示に切り替わった。

セグメント再編後の2019年3月期決算では、スペシャルティ事業のセグメント利益が389億円とグループ最大の収益源となった。国内リース277億円・国内オート198億円・国際73億円を上回り、ACGを中心とする航空機ファイナンスが利益貢献度で頭一つ抜けた事実は、旧来型リース会社からアセットファイナンス事業会社への業態転換を数字で裏付けた。2018年7月には神鋼不動産株式会社の株式70%を取得して連結子会社化(現TC神鋼不動産)し[28]、不動産アセット運用の機能を内製化した。商社・銀行系リース会社という出自から、10年で航空機・船舶・不動産・海外IT機器を束ねるグローバルアセット会社へ事業の見え方を切り替えた帰結が、2019年3月期の事業分野別開示にあらわれた。

  • 東京センチュリー 有価証券報告書【沿革】
    • [28]2018年7月 神鋼不動産株式会社の株式70%を取得し連結子会社化(現TC神鋼不動産)
  • 東京センチュリー 有価証券報告書【沿革】
    • [28]2018年7月 神鋼不動産株式会社の株式70%を取得し連結子会社化(現TC神鋼不動産)

2019年〜 ACG3200億円の代償と回復、NTTを株主に迎えた次の10年

東京センチュリーの業績推移:連結

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 2019年 Aviation Capital Group LLCを完全子会社化
  2. 2020年 日本電信電話と資本業務提携契約を締結し第三者割当増資を実施
  3. 2020年 NTT・TCリースの株式50%を取得し持分法適用関連会社化
  4. 2022年 東銀リースの株式25%を取得し持分法適用関連会社化
  5. 2023年 TRYを完全子会社化しEPC Japanに商号変更

3200億円の完全子会社化 ── 単年で総資産が1.5兆円増えた決断

2019年12月6日、東京センチュリーはAviation Capital Group LLCの残り持分[29]を約3,213億円(29億8,300万米ドル)で追加取得し、完全子会社化を完了した。2017年12月の20%取得から2年でフル取得に踏み切ったこの判断で、ACGは保有・管理機体316機(2019年6月時点)を抱える完全子会社となり、東京センチュリーの連結総資産は2019年3月期(FY18)の4兆865億円から2020年3月期(FY19)の5兆6,086億円へ単年で1兆5,221億円増加した。総資産の37%増は同社史上最大の単年成長率で、有利子負債残高も1兆3,778億円から1兆8,665億円へ4,887億円増えた。リース業界における3,000億円規模のクロスボーダーM&Aは過去にも例がなく、邦銀系リース会社の中で航空機分野での先頭走者の地位を確立する判断だった。

  • 東京センチュリー 有価証券報告書【沿革】
    • [29]2019年12月 Aviation Capital Group LLCの残り持分を追加取得し完全子会社化

3,200億円という投資規模の代償として、自己資本比率は低下した。2019年3月期(FY18)の10.5%(自己資本4,283億円/総資産4兆865億円)から2020年3月期(FY19)の9.9%へ落ち、財務基盤の補強が次の経営課題となった。買収から2カ月後の2020年2月6日、東京センチュリーは日本電信電話株式会社(NTT[30])との資本業務提携を発表し、総額約938億円の第三者割当増資を実施した。NTTが約700億円分を引き受けて第3位の株主(持株比率約10%)となり、残りを筆頭株主の伊藤忠商事が引き受けた。NTT・伊藤忠から株主資本を取り込み、格付け維持と次の成長投資余力を確保する手段だった。資本提携の第一弾として、2020年7月にはNTTファイナンスのリース・グローバル事業を分社化したNTT・TCリース株式会社が発足し[31]、東京センチュリーは50%出資の持分法適用関連会社として連携を始めた。

  • 東京センチュリー 有価証券報告書【沿革】
    • [30]2020年2月 日本電信電話株式会社(NTT)との資本業務提携契約締結・第三者割当増資を実施
    • [31]2020年7月 NTTファイナンスのリース・グローバル事業を分社化したNTT・TCリース株式会社が発足し50%出資の持分法適用関連会社として連携開始
  • 東京センチュリー 有価証券報告書【沿革】
    • [29]2019年12月 Aviation Capital Group LLCの残り持分を追加取得し完全子会社化
    • [30]2020年2月 日本電信電話株式会社(NTT)との資本業務提携契約締結・第三者割当増資を実施
    • [31]2020年7月 NTTファイナンスのリース・グローバル事業を分社化したNTT・TCリース株式会社が発足し50%出資の持分法適用関連会社として連携開始

コロナとロシア ── 2年連続の特別損失と純利益48億円への急落

2020年初頭の新型コロナウイルス感染拡大は、ACG買収直後の同社に向け二重の試練となった。航空機リース事業はエアラインの旅客需要急減でリース料減免要請と機体回収困難に直面し、レンタカー事業(ニッポンレンタカーサービス)は緊急事態宣言下の予約激減で稼働率が前年同月比50%台まで落ち込んだ。野上誠社長は2020年5月の決算説明会[32]で「5月のレンタカーの予約状況は前年対比50%まで低下し、東日本大震災の時の落ち込みを上回っているなど、私が今まで経験してきた中でも一番厳しい状況であると認識しています」(決算説明会 FY19)と述べた。2020年3月期(FY19)の純利益563億円から2021年3月期(FY20)の491億円へ12%減少し、当初目標だった経常利益1,300億円(新・第四次中期経営計画)の達成スケジュールは後ろにずれた。

  • 東京センチュリー 有価証券報告書【役員の状況】
    • [32]2020年5月決算説明会での発言者は野上誠社長(21_ceo上、浅田俊一はFY18〔2019年3月期〕まで社長で2020年4月に代表取締役会長へ、FY19〜FY20は野上誠が代表取締役社長)

2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻は、ACG保有機体のうちロシア航空会社にリース中の8機(簿価約3.8億ドル)の回収困難という第二の試練となった。2022年3月期(FY21)にACGで約460億円の減損損失(特別損失)が計上され、2023年3月期(FY22)はロシア向けエクスポージャー全体の処理で特別損失759億円を計上した。FY22の純利益は前期比約91%減の48億円まで急落し、商号変更後で最低水準の決算となった。馬場高一社長は2024年5月のインタビューで[33]、コロナ禍などの外部要因を跳ね返す盤石な事業ポートフォリオの再構築の必要性を強調し、コロナとロシアの連続的な外部ショックが中期経営計画の修正と事業ポートフォリオ見直しの起点になったと振り返った。

2023年3月期(FY22)のセグメント別実績は、スペシャルティ事業がロシア減損を反映してセグメント利益▲191億円・国際事業も営業投資有価証券減損173億円計上で▲59億円となり、4事業分野のうち2分野が赤字に転じた。一方で国内リース229億円・オートモビリティ121億円・環境インフラ2億円は黒字を維持し、4事業分野体制の分散効果でグループ全体の純利益が黒字を保てた構図だった。2023年3月期(FY22)に「環境インフラ事業」を新セグメントとして分離開示し、4事業分野体制から5事業分野体制へ移行したのも同期の判断で、再生可能エネルギー事業の収益貢献を可視化する必要が経営陣の意識として固まった。

  • 東京センチュリー 有価証券報告書【役員の状況】
    • [32]2020年5月決算説明会での発言者は野上誠社長(21_ceo上、浅田俊一はFY18〔2019年3月期〕まで社長で2020年4月に代表取締役会長へ、FY19〜FY20は野上誠が代表取締役社長)
    • [33]馬場高一氏は2024年5月時点の社長(21_ceo:馬場高一はFY21〜FY23 代表取締役社長)

V字回復と中期経営計画2027の発足

2024年3月期(FY23)には特別損失の剥落と各事業の構造改革効果でV字回復が始まった。純利益は2023年3月期(FY22)の48億円から2024年3月期(FY23)の721億円へ前期比+674億円と急回復し、2025年3月期(FY24)には852億円・過去最高益を更新した。2024年3月期(FY23)の経常利益1,173億円は前期比+111億円、2025年3月期(FY24)の経常利益1,322億円は前期比+150億円と2年連続で2桁成長を記録した。回復の主要因はACGの航空機リース事業の収益正常化で、コロナ禍で停滞していたリース料収入と機体売却益の双方が回復した。CSI Leasingを中核とする国際事業も2桁成長を継続し、ACGとCSIの2子会社で米州を軸とする収益基盤が完成した。

2023年5月、東京センチュリーは2023〜2027年度の5カ年計画「中期経営計画[34]2027」を発表し、馬場高一社長が基本方針[35]「TC Transformation(TCX)」を提示した。馬場社長は計画発表時のインタビューで、VUCAの時代には変化に対応するだけでなく自ら先んじて変化を作り出さない限り窮地に立たされるとの認識を示した。TCXは4つの変革(PX=ポートフォリオ、HRX=人材・組織、DX=デジタル、GX=グリーン)で構成され、2027年度の当期純利益1,000億円・ROE9.0%以上を目標に据えた。これまでの3カ年から5カ年計画へ期間を延長したのは、航空機リース事業の業績回復トレンドと不動産再開発プロジェクトの完成時期(2028年頃)への橋渡しを意識した設計だった。

    • [34]2023年5月 中期経営計画2027(2023〜2027年度の5カ年計画)を発表・馬場高一社長がTC Transformation(TCX)を提示
  • 東京センチュリー 有価証券報告書【役員の状況】
    • [35]馬場高一氏は計画発表時の社長(21_ceo:馬場高一はFY21〜FY23 代表取締役社長)

2025年4月、馬場社長の任期満了に伴い、みずほ銀行前頭取の藤原弘治氏が第11代社長に就任した[36]。みずほフィナンシャルグループから直接トップ人事を迎えた人選で、1969年の第一銀行出資以来続く「みずほ系企業」としての性格を再確認する判断となり、東京リース合併時の浅田俊一社長(旧東京リース=旧東銀系)から数えて旧みずほ系出身の社長が4代続いた。ZAITENはみずほ内紛再燃の象徴として東京センチュリー藤原社長誕生の衝撃[37]を報じ、大株主みずほの人事介入の側面に光を当てた。一方、藤原社長自身は就任後、金融とサービスと事業を融合した独自のビジネスモデルを構築する方針を社長メッセージとして表明した。1969年に商社・銀行・生保4社の合意で発足した同社は[38]、56年後にみずほ銀行頭取出身者をトップに迎え、株主構成由来の経営の型を次の10年へ引き継いだ。

  • 東京センチュリー 有価証券報告書【役員の状況】
    • [36]藤原弘治氏が社長に就任(21_ceo:藤原弘治はFY24〔2025年3月期〕から代表取締役社長)
    • [37]ZAITENが『みずほ内紛再燃の象徴 東京センチュリー藤原社長誕生の衝撃』を報じた
  • 東京センチュリー 有価証券報告書【沿革】
    • [38]1969年に商社・銀行・生保4社の合意で発足(=設立年と整合)
    • [34]2023年5月 中期経営計画2027(2023〜2027年度の5カ年計画)を発表・馬場高一社長がTC Transformation(TCX)を提示
  • 東京センチュリー 有価証券報告書【役員の状況】
    • [35]馬場高一氏は計画発表時の社長(21_ceo:馬場高一はFY21〜FY23 代表取締役社長)
    • [36]藤原弘治氏が社長に就任(21_ceo:藤原弘治はFY24〔2025年3月期〕から代表取締役社長)
    • [37]ZAITENが『みずほ内紛再燃の象徴 東京センチュリー藤原社長誕生の衝撃』を報じた
  • 東京センチュリー 有価証券報告書【沿革】
    • [38]1969年に商社・銀行・生保4社の合意で発足(=設立年と整合)

東京センチュリーの沿革1969〜2023年における主な出来事を抜粋

年月社長・CEO出来事重要度
センチュリー・リーシング・システムを設立
自動車リース部門を分離しセンチュリー・オート・リースを設立
福田光昭設立34年目の東京証券取引所第二部上場商社・銀行・生保4社の合意で動いてきたリース会社が、自己資本比率2.9%のまま公開市場へ出た 詳細を読む★★★
福田光昭東京証券取引所市場第一部銘柄に指定
福田光昭自動車リース子会社をNTTとの50対50合弁へ組み替えた対等合併100%子会社を手放し、管理台数15万台の合弁会社を選んだ2005年の判断 詳細を読む★★★
福田光昭日本カーソリューションズが発足
新居尊夫中国上海市に盛世利租賃有限公司を設立
浅田俊一リーマン破綻の2週間後に決めた東京リースとの合併総資産1兆1,580億円の相手を、総資産8,459億円の会社が存続会社として迎えた 詳細を読む★★★
浅田俊一IHIファイナンスサポートの株式66.5%を取得し連結子会社化
浅田俊一PT. Century Tokyo Leasing Indonesiaを設立
浅田俊一京セラと太陽光発電事業会社である京セラTCLソーラーを設立★★
浅田俊一GA Telesis LLCへの出資を行い持分法適用関連会社化
浅田俊一ニッポンレンタカーサービスを子会社化
浅田俊一日本カーソリューションズと東京オートリースが合併★★
浅田俊一CSI Leasing, Inc.の株式35%を取得し持分法適用関連会社化
浅田俊一CSI Leasing Inc.を完全子会社化★★
浅田俊一Aviation Capital Group LLCの持分20%を取得し持分法適用関連会社化★★
浅田俊一神鋼不動産の株式70%を取得し連結子会社化
浅田俊一Aviation Capital Group LLCを完全子会社化★★
野上誠日本電信電話と資本業務提携契約を締結し第三者割当増資を実施★★
野上誠NTT・TCリースの株式50%を取得し持分法適用関連会社化
馬場高一東銀リースの株式25%を取得し持分法適用関連会社化
馬場高一TRYを完全子会社化しEPC Japanに商号変更
出典・参考

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