ソフトバンクグループ の歴史

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創業 1981年
創業者 孫正義
創業地 福岡県福岡市
創業 1981年9月、24歳の孫正義氏が東京都千代田区四番町に日本ソフトバンクを設立し
1981年9月、24歳の孫正義氏が東京都千代田区四番町に日本ソフトバンクを設立した。パソコン用ソフトの流通には書籍取次にあたる卸機能がなく、ソフトハウスと小売店を1社で結ぶ卸売業として創業した。翌1982年に専門雑誌の出版へ多角化し、1990年7月にソフトバンクへ改称、1994年7月に店頭登録を果たした。公開で得た資金は本業ではなく買収と出資に充てられ、1996年1月には米ヤフーと合弁でヤフー株式会社を設立した。社債で賄う買収が続いた1997年には、売上高を超える有利子負債に株式市場が疑念を示した。
決断 投じる額はつねに手元資金を超え、返済は保有株の売却で賄ってきた。2001年9月に
投じる額はつねに手元資金を超え、返済は保有株の売却で賄ってきた。2001年9月にYahoo! BBでADSL市場へ参入したのち、2006年にはボーダフォン日本法人を約1.75兆円のLBOで取得し、通信事業者へ転じた。2013年には米スプリントを約1.8兆円で買収し、2016年には3.3兆円で英アームを買収した。翌2017年には10兆円規模のビジョン・ファンドを組成し、他人資本で投資先を広げた。2025年も、Tモバイル株とNVIDIA株の売却とアーム株担保の借入で、OpenAIへの出資を賄った。
現況 事業が稼ぐ利益より、投資の評価益のほうが桁で大きい。2026年3月期の連結売上高
事業が稼ぐ利益より、投資の評価益のほうが桁で大きい。2026年3月期の連結売上高7兆7987億円のうち7兆409億円は上場子会社ソフトバンク(9434)の国内通信である。一方で税引前利益は6兆1349億円、親会社の所有者に帰属する純利益は5兆22億円に達し、その差は投資先の評価益が作った。2025年3月にはOpenAIへの追加出資とスターゲート計画を決め、同月に米アンペアを65億ドルで買収した。株式を持つだけだった投資会社が、AI向け半導体の設計から計算基盤までを自前で抱える体制へ移った。
競合 競争相手は同業の通信会社から、規制当局と物言う株主へ替わった。米国3位のスプリン
競争相手は同業の通信会社から、規制当局と物言う株主へ替わった。米国3位のスプリントは、2020年4月にT-Mobile USとの合併で連結から外れた。同年3月には米エリオット・マネジメントが株価の割安を突き、ソフトバンクグループは4.5兆円の資産売却と2.5兆円の自社株買いを決めた。9月にはアームを米エヌビディアへ売却する契約を結んだが、英CMAと米FTCの反対を越えられず2022年2月に解消した。売却できなかったアームは2023年9月にナスダックへ単独上場し、OpenAIへの出資を支える借入の担保になった。
長期業績の推移 1982〜2026年
ソフトバンクグループ:長期業績の推移(売上高・利益率)売上高(億円)純利益率(%)
1997年3月期〜2026年3月期

第1章 1981年〜 卸機能の創出と出版への多角化ソフト卸の創設から月刊Oh! PCの収益化へ

1981年〜1年半の市場調査を経たパソコンソフト卸の創設

1981年9月、24歳の孫正義氏は東京都千代田区四番町に日本ソフトバンクを設立し、パーソナルコンピューター用パッケージソフトの流通業を始めた。創業の地は福岡市である。孫氏は米国カリフォルニア大学バークレー校の在学中、事業資金を稼ぐ商品の案を1日1件考える日課を課し、1年で約250件を書き溜めた。そのうちの1件だった電訳機の試作機を1978年8月にシャープ副社長の佐々木正氏へ持ち込み、3日後に技術譲渡契約を結んで1億円を得ている。売り込みでは米国から40社余りへ手紙を出し、本命と定めたシャープを最後に回した。業種の選定では、大きな資本を要しないこと、成長性が高いこと、社会的に有意義であることを条件に数業種を選び、社員2人を雇って市場と技術を1年半調べたうえで、パソコンソフトの流通へ絞り込んでいる。

  • 日経ビジネス(1995年2月13日)
    • [1]孫正義は1957年8月11日生まれ。1981年9月に日本ソフトバンクを設立し社長に就任(設立時24歳)
  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [2]1981年9月 日本ソフトバンク設立(東京都千代田区四番町)・パッケージソフト流通業を開始
  • ソフトバンク(ソフトバンクG)の歴史
    • [3]創業の地 福岡市
  • 日経ビジネス(1987年1月19日)
    • [4]カリフォルニア大学バークレー校在学中、1日1件の事業アイデアを課し1年で約250件を考案
    • [5]1978年8月 電訳機の試作機をシャープ副社長 佐々木正へ持ち込み、3日後に技術譲渡契約・1億円を取得
    • [6]米国から40社余りの日本企業へ手紙を出し、8社に絞って感触を確かめ、本命のシャープを最後に回した
    • [7]大資本不要・成長性・社会的意義等の条件で数業種を選び、社員2人を雇って市場と技術を1年半調査

当時のパソコンソフト市場には、メーカーから小売店へ商品を届ける卸機能を担う専業者がほとんど存在せず、利用者は複数のマイコンショップを探し回らなければ目当てのソフトに辿り着けなかった。孫氏は書店で本を買うようにソフトを届ける中間流通として事業を設計している。ソフトメーカーの多くは社員数人規模の小さな会社で、全国を回る営業人員を抱えていなかった。小売店の側もパソコン本体や家電の販売と兼業する店がほとんどだったため、品揃えの選定から陳列方法までを代わりに引き受ける卸の存在は双方から歓迎された。創業時の社員は孫氏を含め3人で、販売網もブランドも持たない状態からの出発だった。中間マージンを得るには、メーカーからの仕入れ値を今までより下げさせ、小売店への卸値は逆に上げる必要があり、双方を説き伏せて取引の慣行そのものを変えさせなければならなかった。日本で最初のパッケージソフト専業の流通会社であった。

  • 近代中小企業(1983年6月)
    • [8]ソフト卸売機能の不在(利用者は複数のマイコンショップを探し回る状態)
    • [9]書店で本を買うようにソフトを届ける卸売としての事業設計
  • 日経ビジネス(1987年1月19日)
    • [10]ソフトメーカーは小規模で全国営業の余力が無く、小売店もハード・家電と併営。品揃えと陳列法を担う卸は双方に歓迎された
    • [11]創業時の社員は孫正義を含め3人、販売網もブランド力も無い状態
    • [12]中間マージンを取るためメーカーから従来より安く仕入れ小売店へ高く卸す必要があり、双方を説得して商売の仕方を変えさせる参入だった
  • 証券 50(3)(588)(1998年1月)
    • [13]日本初のパーソナルコンピュータ用パッケージソフトの専業流通会社として発足

資金の調達は難航した。ソフトが担保にならないため創業時の流通業へ融資する銀行は無く、第一勧業銀行が相談に応じたものの行内の手続きが進まず、シャープの佐々木正氏らが個人的に保証する形でようやく実行に至っている。事業の側にも制約があった。創業当時すでに卸会社は2、3社あったが、そのすべてがパソコン関連雑誌の出版社の事業部門であり、日本ソフトバンクと取引したソフトメーカーは雑誌への広告掲載を拒まれた。広告を絶たれることはソフトメーカーにとって致命的で、放置すれば取引先ごと共倒れになる。流通に専念するかぎり、商品の供給元を競合の出版社に握られ続ける構造であった。

  • 日経ビジネス(1995年2月13日)
    • [14]ソフトは担保にならず融資が付かず、第一勧業銀行の行内手続きも進まないなか、シャープの佐々木正らの個人保証で融資が実行された
  • 日経ビジネス(1987年1月19日)
    • [15]創業当時の卸会社2〜3社はすべてパソコン関連出版社の事業部門で、日本ソフトバンクと取引したソフトメーカーは広告掲載を拒否された
    • [16]広告掲載の拒否はソフトメーカーにとって致命的で、放置すれば共倒れになると認識されていた
参考文献[1]-[16]
  • 日経ビジネス(1995年2月13日)
    • [1]孫正義は1957年8月11日生まれ。1981年9月に日本ソフトバンクを設立し社長に就任(設立時24歳)
    • [14]ソフトは担保にならず融資が付かず、第一勧業銀行の行内手続きも進まないなか、シャープの佐々木正らの個人保証で融資が実行された
  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [2]1981年9月 日本ソフトバンク設立(東京都千代田区四番町)・パッケージソフト流通業を開始
  • ソフトバンク(ソフトバンクG)の歴史
    • [3]創業の地 福岡市
  • 日経ビジネス(1987年1月19日)
    • [4]カリフォルニア大学バークレー校在学中、1日1件の事業アイデアを課し1年で約250件を考案
    • [5]1978年8月 電訳機の試作機をシャープ副社長 佐々木正へ持ち込み、3日後に技術譲渡契約・1億円を取得
    • [6]米国から40社余りの日本企業へ手紙を出し、8社に絞って感触を確かめ、本命のシャープを最後に回した
    • [7]大資本不要・成長性・社会的意義等の条件で数業種を選び、社員2人を雇って市場と技術を1年半調査
    • [10]ソフトメーカーは小規模で全国営業の余力が無く、小売店もハード・家電と併営。品揃えと陳列法を担う卸は双方に歓迎された
    • [11]創業時の社員は孫正義を含め3人、販売網もブランド力も無い状態
    • [12]中間マージンを取るためメーカーから従来より安く仕入れ小売店へ高く卸す必要があり、双方を説得して商売の仕方を変えさせる参入だった
    • [15]創業当時の卸会社2〜3社はすべてパソコン関連出版社の事業部門で、日本ソフトバンクと取引したソフトメーカーは広告掲載を拒否された
    • [16]広告掲載の拒否はソフトメーカーにとって致命的で、放置すれば共倒れになると認識されていた
  • 近代中小企業(1983年6月)
    • [8]ソフト卸売機能の不在(利用者は複数のマイコンショップを探し回る状態)
    • [9]書店で本を買うようにソフトを届ける卸売としての事業設計
  • 証券 50(3)(588)(1998年1月)
    • [13]日本初のパーソナルコンピュータ用パッケージソフトの専業流通会社として発足

1982年〜月刊Oh! PCへの宣伝投入と出版の柱化

1982年5月、日本ソフトバンクは月刊"Oh! PC"と月刊"Oh! MZ"を創刊し、出版事業へ参入した。出版の経験は社内に無く、孫正義氏自身がソフトの営業の傍ら編集長を務め、記事と広告を集めて2か月で創刊号を出すという急造の体制であった。ほかのパソコン雑誌がいずれも10万部以上を売るなかで"Oh! PC"の実売は1万部そこそこにとどまり、毎号返本の山を築いて赤字が続いた。ソフトの卸売は順調に伸びており、収益だけで判じれば撤退すべき事業であった。だが取引先のソフトメーカーからは、広告掲載の道を確保するために大規模な出版を続けてほしいと要請されており、撤退は最初から選べなかった。

  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [17]1982年5月 月刊「Oh! PC」「Oh! MZ」創刊・出版事業に参入
  • 日経ビジネス(1987年1月19日)
    • [18]出版の経験が無いまま孫正義自身がソフト営業の傍ら編集長を務め、記事・広告を集めて2か月で創刊号を発行した急造の体制
    • [19]他のパソコン雑誌が10万部以上を売るなか「Oh! PC」の実売は1万部程度で返本が続き赤字
    • [20]ソフトハウス側から大規模な出版の継続を要請されており、出版からの撤退は選べなかった

赤字の雑誌を立て直すために孫氏が選んだのは、さらに投資を重ねる道であり、その下準備として、毎号5,000〜6,000枚返ってくる読者はがきを一枚も漏らさず自分で読み、内容を分けて弱点に順位を付けた。記事を倍に増やし、表紙は専門家にデザインを任せ、テレビ広告も出すと決めたのは、知名度の低さが第一の弱点で、表紙の意匠と記事量の不足がそれに続くと分かったからである。赤字の雑誌に1億円近くを宣伝に使う計画は、ソフト部門が伸びている最中だったこともあって社内の強い反発を招き、孫氏の側近が業界団体の関係者のもとへ説得を頼みに行く騒ぎにまで発展した。広告費が最も安い2月を選び、6,000万円の半分をパソコンメーカーに負担させた。印刷した10万部は売り切れとなり、これを型に雑誌を増やして、出版はソフト流通と並ぶ収益の柱に育った。売上高は1982年12月期の23億円から1985年12月期の115億円へ、従業員は21人から210人へ増えた。

  • 日経ビジネス(1987年1月19日)
    • [21]毎号5,000〜6,000枚の読者アンケートはがきを全て読み、分類して弱点を順位化
    • [22]記事の倍増・表紙のプロデザイナーへの委託・テレビ広告の実施を決定
    • [23]弱点の1位は知名度の低さ、次いで表紙の意匠・記事量
    • [24]ソフト部門が伸びるなか赤字の雑誌へ1億円近い宣伝費を投じる計画に社内が猛反対し、側近が業界団体の関係者へ説得を依頼した
    • [25]広告費が最安の2月を選び、6,000万円のうち半分をパソコンメーカーが負担
    • [26]拡充後は印刷した10万部が売り切れとなった
    • [27]これを型に雑誌を増やし、出版部門がソフトと並ぶ経営の柱に成長
  • 知識 2(3)(51)
    • [28]売上高 1982年12月期23億円→1985年12月期115億円、従業員 21人→210人
参考文献[17]-[28]
  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [17]1982年5月 月刊「Oh! PC」「Oh! MZ」創刊・出版事業に参入
  • 日経ビジネス(1987年1月19日)
    • [18]出版の経験が無いまま孫正義自身がソフト営業の傍ら編集長を務め、記事・広告を集めて2か月で創刊号を発行した急造の体制
    • [19]他のパソコン雑誌が10万部以上を売るなか「Oh! PC」の実売は1万部程度で返本が続き赤字
    • [20]ソフトハウス側から大規模な出版の継続を要請されており、出版からの撤退は選べなかった
    • [21]毎号5,000〜6,000枚の読者アンケートはがきを全て読み、分類して弱点を順位化
    • [22]記事の倍増・表紙のプロデザイナーへの委託・テレビ広告の実施を決定
    • [23]弱点の1位は知名度の低さ、次いで表紙の意匠・記事量
    • [24]ソフト部門が伸びるなか赤字の雑誌へ1億円近い宣伝費を投じる計画に社内が猛反対し、側近が業界団体の関係者へ説得を依頼した
    • [25]広告費が最安の2月を選び、6,000万円のうち半分をパソコンメーカーが負担
    • [26]拡充後は印刷した10万部が売り切れとなった
    • [27]これを型に雑誌を増やし、出版部門がソフトと並ぶ経営の柱に成長
  • 知識 2(3)(51)
    • [28]売上高 1982年12月期23億円→1985年12月期115億円、従業員 21人→210人

1983年〜大森康彦の招聘による管理体制の整備

ステロイド離脱療法によって孫正義氏が回復するまでには、3年半の時間がかかった。発端は創業1年目の肝炎で、それ以後は体に無理がきかなくなった。都内の病院を渡り歩いて入院と退院を重ねるうち、経営は孫氏の手を離れかけた。見舞いの友人に見せた管理費のグラフでは、孫氏がいなかった時期に限って数字が一様に跳ね上がっていた。それでも病室にはパソコン、ファクシミリ、電話が持ち込まれ、孫氏は離れた場所から指示を送り続けた。読んだ本も3年で4,000冊に達し、分野は多岐にわたった。会社と距離を置いたこの期間に数値で経営をつかむ手法を覚えたと孫氏は後年振り返っており、第一線を離れていた時間が計数による経営の訓練を兼ねたといえる。

  • 日経ビジネス(1995年2月13日)
    • [29]ステロイド離脱療法で回復するまで3年半を要し、その後経営の第一線へ復帰
    • [30]創業1年目に肝炎を発病し、無理の利かない体になった
    • [32]病室にパソコン・ファクシミリ・電話を持ち込んで遠隔で経営し、3年で4,000冊を読破
    • [33]会社を離れて計数を分析する「計器飛行」を学んだとの本人の回想
  • 日経ビジネス(1987年1月19日)
    • [31]入院中に見舞い客へ見せた管理費のグラフは、孫正義が社にいない時期に上昇していた

1983年3月、孫氏は会長へ退き、大森康彦氏を社長に迎えた。紹介したのは創業時に融資の保証人となったシャープの佐々木正氏で、孫氏を補佐するベテラン経営者が必要という判断からであった。迎え入れた当時の孫氏は過労で肝臓を痛めて入退院を繰り返しており、大森氏が着任するまでの経営には緩んだところもあったとされる。野村證券からセコムへ移り副社長を務めていた大森氏は、経営体質の改善を進め、業界関係者の言葉を借りれば大ナタを振るっている。この間に退職者が相当数出て、孫氏と苦楽を共にした社員も少なくなかった。急拡大した会社を管理の利く組織へ作り替える過程で生じた摩擦であり、その余熱は1987年の時点でもくすぶっていたとされる。

  • 日経ビジネス(1995年2月13日)
    • [34]1983年3月 孫正義は会長となり、大森康彦が社長に就任
  • 日経ビジネス(1987年1月19日)
    • [35]孫を補佐するベテラン経営者が必要として、シャープの佐々木正が大森康彦を紹介
    • [36]大森康彦を迎えた頃の孫正義は過労で肝臓を痛めて入退院を繰り返しており、大森が来るまでの経営には緩みもあったとされた
    • [37]大森康彦は野村證券を経てセコム副社長を務めた
    • [38]大森康彦は経営体質の改善を推進し「大ナタを振るった」と業界関係者に評された
    • [39]体質改善の過程で退職者が相当数出て、創業以来の社員も少なくなかった
    • [40]摩擦の余熱は1987年時点でもくすぶっているとされた

1986年、孫氏は社長へ復帰し、大森康彦氏が会長へ回った。病が癒えれば交代することは当初から2人の間で決めてあり、その約束を実行したものである。日常の経営業務は孫氏へ全面的に委ねられた一方、大森氏は孫氏をなお経営者として未熟な面があると評していた。会社の規模はすでに、起業の着想や個人の秀才さでは処理しきれず、組織の運営と管理を要する段階へ入っていた。数業種を比べて市場を選び、読者アンケートを順位へ直して広告を打つという、情報を数値へ落としてから動く型は創業期から一貫していた。孫氏は1億円を手にした時点で50年の事業計画を立てており、『20代で名乗りをあげ、30代で軍資金1000億円をためる。40代でひと勝負かけ、50代で完成、60代に次の世代へ継承する』という構想を描いていた。卸売と出版の2本柱は、その最初の10年にあたる。

  • 日経ビジネス(1987年1月19日)
    • [41]1986年 孫正義が社長へ復帰し、大森康彦は会長へ
    • [42]孫の病気快復後に交代することは当初から両者で取り決められていた
    • [43]日常の経営業務は孫へ委ねる一方、大森康彦は孫を経営者として未熟な面があると評した
    • [44]会社の規模拡大により、起業の才覚とは別に組織運営と管理が必要になる段階に入っていた
  • 日経ビジネス(1995年2月13日)
    • [45]電訳機の対価1億円を得た時点で「ライフプラン50年計画」を策定
参考文献[29]-[45]
  • 日経ビジネス(1995年2月13日)
    • [29]ステロイド離脱療法で回復するまで3年半を要し、その後経営の第一線へ復帰
    • [30]創業1年目に肝炎を発病し、無理の利かない体になった
    • [32]病室にパソコン・ファクシミリ・電話を持ち込んで遠隔で経営し、3年で4,000冊を読破
    • [33]会社を離れて計数を分析する「計器飛行」を学んだとの本人の回想
    • [34]1983年3月 孫正義は会長となり、大森康彦が社長に就任
    • [45]電訳機の対価1億円を得た時点で「ライフプラン50年計画」を策定
  • 日経ビジネス(1987年1月19日)
    • [31]入院中に見舞い客へ見せた管理費のグラフは、孫正義が社にいない時期に上昇していた
    • [35]孫を補佐するベテラン経営者が必要として、シャープの佐々木正が大森康彦を紹介
    • [36]大森康彦を迎えた頃の孫正義は過労で肝臓を痛めて入退院を繰り返しており、大森が来るまでの経営には緩みもあったとされた
    • [37]大森康彦は野村證券を経てセコム副社長を務めた
    • [38]大森康彦は経営体質の改善を推進し「大ナタを振るった」と業界関係者に評された
    • [39]体質改善の過程で退職者が相当数出て、創業以来の社員も少なくなかった
    • [40]摩擦の余熱は1987年時点でもくすぶっているとされた
    • [41]1986年 孫正義が社長へ復帰し、大森康彦は会長へ
    • [42]孫の病気快復後に交代することは当初から両者で取り決められていた
    • [43]日常の経営業務は孫へ委ねる一方、大森康彦は孫を経営者として未熟な面があると評した
    • [44]会社の規模拡大により、起業の才覚とは別に組織運営と管理が必要になる段階に入っていた

第2章 1990年〜 流通業から投資会社への転換コムデックス買収から米ヤフー出資への資本再配置

1990年〜日次決算とインセンティブによる流通業の利益体質化

1990年7月、日本ソフトバンクは商号をソフトバンク株式会社へ改めた。1994年7月には株式を日本証券業協会へ登録し、店頭公開を果たしている。公開の時点でソフトウェア事業の販売加盟店は2万店、扱い品目は約5万種類に達し、パソコン用ソフトの流通で首位を占めていた。ただしメーカーではないため粗利益率は10数%にとどまる。孫正義氏はこの構造を、販路が広く品目が多いために売上や利益が突然落ちることは無く、市場の成長に正比例して伸びる形だと説明した。1992年の時点で加盟ディーラーは1万5,000店、主力のパソコンソフトは国内販売の50%以上を供給していた。単体売上高は1992年3月期の438億円から1993年3月期に516億円、1994年3月期には640億円へ伸びている。

  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [46]1990年7月 商号を「ソフトバンク株式会社」へ変更
    • [47]1994年7月 株式を日本証券業協会に登録(店頭公開)
  • 証券アナリストジャーナル(1994年8月5日)
    • [48]販売加盟店2万店・扱品目5万種類でパソコン用ソフト流通の首位
    • [49]メーカーではないため粗利益率は10数%程度
    • [50]販路の広さと品目の多さにより売上・利益が急落せず、市場の成長に正比例して伸びるとの本人の説明
  • コンピュートピア 26(313)
    • [51]1992年時点で加盟ディーラー1万5,000店、主力のパソコンソフトは国内販売の50%以上を供給
    • [52]1992年3月期 単体売上高438億円(前期比14%増)
  • 証券調査 (305)
    • [53]単体売上高 1993年3月期516億円・1994年3月期640億円

薄い利幅から利益を取り出すために、孫氏は経営の仕組みそのものを作った。1989年ごろから自ら開発した日次決算システムは、10人前後で構成する約60のチームのリーダーが毎日の業績をパソコンへ入力し、ネットワークで結んでチーム別の日次経常損益を算出するものである。運賃・家賃・金利の振り分けが難しく、1995年までに60回の改訂を重ねた。これと組み合わせたのがインセンティブ・プランで、売上高ではなく経常利益だけを評価の対象とし、利益を伸ばしたチームのリーダーへ報いる。年俸700万円ほどの30歳前後の社員に2,000万円から3,000万円が加わる例も少なくなかった。組織はチームリーダーの上に事業部長を置くだけで社長の下は3階層にとどまり、700人の社員は全員がパソコンを持って、孫氏は電子メールで指示を出していた。

  • 証券アナリストジャーナル(1994年8月5日)
    • [54]孫正義が自ら開発した「日次決算システム」。10人前後・約60チームのリーダーが日々の業績を入力し、チーム別の日次経常損益を算出
    • [56]インセンティブ・プランは売上高ではなく経常利益のみを評価対象とした
    • [57]年俸700万円程度の30歳前後の社員に2,000万〜3,000万円のインセンティブが付く例
  • 日経ビジネス(1995年2月13日)
    • [55]6年前(1989年ごろ)に開発を開始し、経費の配賦が難しく60回の改訂を重ねた
    • [58]チームリーダーの上に事業部長を置くだけで社長の下は3階層。社員700人が全員パソコンを持ち、孫正義は電子メールで指示を出した

ソフトバンクは店頭公開で得た資金を、卸売の販路ではなく他社の事業の取得へ振り向けた。1994年4月にNTTデータ通信とビデオ・オン・デマンド事業の共同出資会社を設立し、5月に監査法人トーマツとネットワーク関連ソフトの販売で提携、10月には日本シスコシステムズへ12%を出資している。11月には文教堂と組んで書店でのパソコンソフト販売を始め、同月パソナとパソコン人材研修の共同出資会社を設けた。孫氏はソフトバンクの事業全体をソフトのインフラ事業と位置づけ、卸売と出版は流通手段のひとつにすぎないと述べている。この時点で子会社・関連会社は14社を数え、連結の売上高と利益はいずれも単体を上回っていた。

  • 日経ビジネス(1995年2月13日)
    • [59]1994年 NTTデータ通信とVOD共同出資会社設立(4月)・監査法人トーマツと販売提携(5月)・日本シスコシステムズへ12%出資(10月)
    • [60]1994年11月 文教堂と書店でのパソコンソフト販売で提携、パソナとパソコン人材研修の共同出資会社を設立
    • [61]事業全体を「ソフトのインフラ事業」と位置づけ、ソフト卸売と出版は流通手段の一つとする本人の説明
  • 証券アナリストジャーナル(1994年8月5日)
    • [62]1994年時点で子会社・関連会社14社。連結決算は売上高・利益とも単体を上回る
参考文献[46]-[62]
  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [46]1990年7月 商号を「ソフトバンク株式会社」へ変更
    • [47]1994年7月 株式を日本証券業協会に登録(店頭公開)
  • 証券アナリストジャーナル(1994年8月5日)
    • [48]販売加盟店2万店・扱品目5万種類でパソコン用ソフト流通の首位
    • [49]メーカーではないため粗利益率は10数%程度
    • [50]販路の広さと品目の多さにより売上・利益が急落せず、市場の成長に正比例して伸びるとの本人の説明
    • [54]孫正義が自ら開発した「日次決算システム」。10人前後・約60チームのリーダーが日々の業績を入力し、チーム別の日次経常損益を算出
    • [56]インセンティブ・プランは売上高ではなく経常利益のみを評価対象とした
    • [57]年俸700万円程度の30歳前後の社員に2,000万〜3,000万円のインセンティブが付く例
    • [62]1994年時点で子会社・関連会社14社。連結決算は売上高・利益とも単体を上回る
  • コンピュートピア 26(313)
    • [51]1992年時点で加盟ディーラー1万5,000店、主力のパソコンソフトは国内販売の50%以上を供給
    • [52]1992年3月期 単体売上高438億円(前期比14%増)
  • 証券調査 (305)
    • [53]単体売上高 1993年3月期516億円・1994年3月期640億円
  • 日経ビジネス(1995年2月13日)
    • [55]6年前(1989年ごろ)に開発を開始し、経費の配賦が難しく60回の改訂を重ねた
    • [58]チームリーダーの上に事業部長を置くだけで社長の下は3階層。社員700人が全員パソコンを持ち、孫正義は電子メールで指示を出した
    • [59]1994年 NTTデータ通信とVOD共同出資会社設立(4月)・監査法人トーマツと販売提携(5月)・日本シスコシステムズへ12%出資(10月)
    • [60]1994年11月 文教堂と書店でのパソコンソフト販売で提携、パソナとパソコン人材研修の共同出資会社を設立
    • [61]事業全体を「ソフトのインフラ事業」と位置づけ、ソフト卸売と出版は流通手段の一つとする本人の説明

1994年〜社債2,200億円による情報インフラの取得

1994年12月から、ソフトバンクは米国の展示会事業コムデックスとIT出版社ジフ・デービスの買収へ動いた。当初狙ったのはジフ・デービス本体であったが、最終段階で米投資会社との取得競争に敗れ、同社の展示会開催部門だけを取得している。買収資金は社債でまかない、1995年2月27日の第1回無担保普通社債100億円を皮切りに、1996年11月までに12本・合計2,200億円を発行した。1996年8月には米キングストン・テクノロジーの買収を1,628億円で決め、一連の買収へ投じた金額は約5,000億円に達した。相次ぐ大型買収を借入で重ねた結果、有利子負債は売上高を超える規模へ膨らんでいる。連結売上高は1995年3月期の968億円から1996年3月期に1,711億円、1997年3月期には3,597億円へ伸びた。

  • 日経ビジネス(1996年8月26日)
    • [63]1994年12月 米コムデックス(展示会)とジフ・デービス(IT出版)の買収
    • [67]1996年8月 米キングストン・テクノロジーを1,628億円で買収。ジフ・デービス等を含む一連の買収の投入額は約5,000億円
    • [68]相次ぐ買収を社債による借入で重ねた結果、有利子負債が売上高を超える規模へ
  • 日経ビジネス(1995年2月13日)
    • [64]ジフ・デービス本体の買収は米投資会社との競争に敗れ、展示会開催部門のみを取得
  • ソフトバンクFactBook(1998)
    • [65]1995年2月27日 第1回無担保普通社債100億円(利率3.70%)
    • [66]1995年2月〜1996年11月に無担保普通社債12本・合計2,200億円を発行
  • 証券 50(3)(588)(1998年1月)
    • [69]連結売上高 1995年3月期968億円・1996年3月期1,711億円
  • ソフトバンク アニュアルレポート
    • [70]連結売上高 1997年3月期3,597億円

1996年1月11日、ソフトバンクは米ヤフーとの合弁で資本金2億円のヤフー株式会社を設立した。出資比率はソフトバンクが60%にあたる1億2,000万円、Yahoo Corporationが40%にあたる8,000万円で、代表取締役社長には孫正義氏自身が就任している。事業内容は日本国内における日本語対応の情報検索サービスの提供とミラー・サイトの運営で、ブランドと技術を米ヤフーから借り、資本と経営をソフトバンクが握る変則的な合弁であった。米ヤフーは、買収したジフ・デービスの情報網を通じて見つけた相手である。買った事業そのものが生む利益ではなく、そこから流れ込む情報と人脈に投資するという論理が、この時期に形を取った。

  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [71]1996年1月 ヤフー株式会社(現LINEヤフー)設立
    • [75]1996年1月、ジフ・デービスの情報網で発掘した米ヤフーと合弁でヤフー株式会社を設立
    • [76]買収先の事業価値より情報とネットワークに投資する論理が、のちの投資事業へ受け継がれた
  • ソフトバンク「米国ヤフー社との合弁会社設立に関する件」(1996年1月11日)
    • [72]出資比率 ソフトバンク60%(1.2億円)・Yahoo Corporation 40%(0.8億円)
    • [73]ヤフー株式会社の代表取締役社長に孫正義が就任
    • [74]事業内容は日本語対応の情報検索サービス提供とミラー・サイト運営

連続する買収に対しては財務体力の消耗を懸念する声が市場から上がり、1996年8月には相次ぐ買収に体力がもつのかという疑問が投げかけられた。1996年3月末の連結有利子負債は3,892億円で、同期の連結売上高1,711億円の倍を超えていた。孫正義氏は心配ないと応じ、買収は高い買物ではない、『浮利は追っていない』と反論している。事業会社というより投資会社ではないかという問いには、その指摘は光栄だと答え、欧米では優良企業ほど企業買収で事業を拡大していると述べた。1997年秋には買収した企業の業績悪化が表面化し、孫流の拡大路線に暗雲が差した。孫氏個人の会社を用いた買収の枠組みにも批判が集まったが、孫氏は『影の部分にも自分の責任はある』と述べつつ、買収は続けると明言した。同年11月の時点でも財務の工夫で当面を乗り切った状態で、買収先の業績悪化により予断を許さなかった。

  • 日経ビジネス(1996年8月26日)
    • [77]1996年8月 相次ぐ買収への財務不安が指摘された
    • [78]1996年3月末の連結有利子負債3,892億円は、同期の連結売上高1,711億円の倍以上
    • [79]孫正義の反論「心配ない」「高い買物ではない」「浮利は追っていない」
    • [80]「事業会社というより投資会社だ」との指摘に孫正義は「その指摘は光栄だ」と応じ、欧米では優良企業ほどM&Aで事業を拡大していると述べた
  • 日経ビジネス(1997年10月13日)
    • [81]1997年秋 買収企業の業績悪化で拡大路線に暗雲
    • [82]孫個人の会社を用いた買収スキームへの批判と「影の部分にも自分の責任はある」・買収継続の明言
  • 日経ビジネス(1997年11月17日)
    • [83]1997年11月 財務の工夫で当面を乗り切るも買収企業の業績悪化で予断を許さず
参考文献[63]-[83]
  • 日経ビジネス(1996年8月26日)
    • [63]1994年12月 米コムデックス(展示会)とジフ・デービス(IT出版)の買収
    • [67]1996年8月 米キングストン・テクノロジーを1,628億円で買収。ジフ・デービス等を含む一連の買収の投入額は約5,000億円
    • [68]相次ぐ買収を社債による借入で重ねた結果、有利子負債が売上高を超える規模へ
    • [77]1996年8月 相次ぐ買収への財務不安が指摘された
    • [78]1996年3月末の連結有利子負債3,892億円は、同期の連結売上高1,711億円の倍以上
    • [79]孫正義の反論「心配ない」「高い買物ではない」「浮利は追っていない」
    • [80]「事業会社というより投資会社だ」との指摘に孫正義は「その指摘は光栄だ」と応じ、欧米では優良企業ほどM&Aで事業を拡大していると述べた
  • 日経ビジネス(1995年2月13日)
    • [64]ジフ・デービス本体の買収は米投資会社との競争に敗れ、展示会開催部門のみを取得
  • ソフトバンクFactBook(1998)
    • [65]1995年2月27日 第1回無担保普通社債100億円(利率3.70%)
    • [66]1995年2月〜1996年11月に無担保普通社債12本・合計2,200億円を発行
  • 証券 50(3)(588)(1998年1月)
    • [69]連結売上高 1995年3月期968億円・1996年3月期1,711億円
  • ソフトバンク アニュアルレポート
    • [70]連結売上高 1997年3月期3,597億円
  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [71]1996年1月 ヤフー株式会社(現LINEヤフー)設立
    • [75]1996年1月、ジフ・デービスの情報網で発掘した米ヤフーと合弁でヤフー株式会社を設立
    • [76]買収先の事業価値より情報とネットワークに投資する論理が、のちの投資事業へ受け継がれた
  • ソフトバンク「米国ヤフー社との合弁会社設立に関する件」(1996年1月11日)
    • [72]出資比率 ソフトバンク60%(1.2億円)・Yahoo Corporation 40%(0.8億円)
    • [73]ヤフー株式会社の代表取締役社長に孫正義が就任
    • [74]事業内容は日本語対応の情報検索サービス提供とミラー・サイト運営
  • 日経ビジネス(1997年10月13日)
    • [81]1997年秋 買収企業の業績悪化で拡大路線に暗雲
    • [82]孫個人の会社を用いた買収スキームへの批判と「影の部分にも自分の責任はある」・買収継続の明言
  • 日経ビジネス(1997年11月17日)
    • [83]1997年11月 財務の工夫で当面を乗り切るも買収企業の業績悪化で予断を許さず

1998年〜東証一部上場とインターネットを軸にした持株会社化

ソフトバンクの上場時の発行済株式総数は1億241万9,683株で、うち孫正義氏が1997年3月末時点で43.3%を持っていた。株式が東京証券取引所市場第一部に上場されたのは1998年1月である。このとき会社が最重要の課題に据えたのは、パソコン用ソフト流通で首位を守ることではなかった。目標はデジタル情報産業で世界に圧倒的な第一位のインフラストラクチャー提供者になることだった。事業は流通・ネットワーク・メディア・テクノロジーサービス・展示会・インターネットの6分野に広がり、企業の買収や提携は、他を大きく引き離すシェアを手にするための方法のひとつとされた。1998年3月期の連結売上高は5,133億円に届いた。

  • 証券 50(3)(588)(1998年1月)
    • [84]上場時の発行済株式総数102,419,683株。1997年3月31日現在の孫正義の持株比率43.3%
    • [86]上場時の最重要テーマは「デジタル情報産業において世界で圧倒的ナンバーワンのインフラストラクチャーのプロバイダとなること」
    • [87]事業領域は流通・ネットワーク・メディア・テクノロジーサービス・展示会・インターネットの6分野。企業買収・提携はシェア確保の手段の一つと位置づけ
  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [85]1998年1月 東京証券取引所市場第一部へ上場
  • ソフトバンク アニュアルレポート
    • [88]連結売上高 1998年3月期5,133億円

1999年10月、ソフトバンクは純粋持株会社へ移行し、事業会社の株式を保有して統括する形へ組織を改めた。1999年3月期の連結売上高は5,281億円、当期純利益は375億円で、前期の103億円から3.6倍に増えている。この利益の伸びは商品を売って得たものではなく、保有する株式の価値の変動に左右される性格を強めていた。1981年に日本で最初のパッケージソフト専業流通会社として出発した会社は、1990年代の終わりに、商品の流通ではなく資本の配分を主たる仕事とする組織へ姿を変えた。創業から18年、店頭公開からは5年での転換であり、上場時に掲げた6分野のインフラ提供者という目標は、事業を営むことではなく事業を持つことによって追われることになる。

  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [89]1999年10月 純粋持株会社へ移行
  • ソフトバンク アニュアルレポート
    • [90]連結売上高 1999年3月期5,281億円・当期純利益375億円
    • [91]連結当期純利益 1998年3月期103億円
  • 証券 50(3)(588)(1998年1月)
    • [92]日本初のパーソナルコンピュータ用パッケージソフトの専業流通会社として発足
参考文献[84]-[92]
  • 証券 50(3)(588)(1998年1月)
    • [84]上場時の発行済株式総数102,419,683株。1997年3月31日現在の孫正義の持株比率43.3%
    • [86]上場時の最重要テーマは「デジタル情報産業において世界で圧倒的ナンバーワンのインフラストラクチャーのプロバイダとなること」
    • [87]事業領域は流通・ネットワーク・メディア・テクノロジーサービス・展示会・インターネットの6分野。企業買収・提携はシェア確保の手段の一つと位置づけ
    • [92]日本初のパーソナルコンピュータ用パッケージソフトの専業流通会社として発足
  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [85]1998年1月 東京証券取引所市場第一部へ上場
    • [89]1999年10月 純粋持株会社へ移行
  • ソフトバンク アニュアルレポート
    • [88]連結売上高 1998年3月期5,133億円
    • [90]連結売上高 1999年3月期5,281億円・当期純利益375億円
    • [91]連結当期純利益 1998年3月期103億円

第3章 2000年〜 ブロードバンド参入とボーダフォン日本法人の買収による通信事業化

2000年〜投資先400社からYahoo! BBの営業赤字919億円へ

2000年3月期、ソフトバンクはインターネット産業へ経営資源を寄せ、純粋持株会社・事業統括会社・事業会社の3層構造を敷いた。米国で芽を出した事業モデルを合弁で各国へ移す手法を会社は「タイムマシーン経営」と名づけ、ファンドの投資先を含むグループは400社を超えた。2000年9月にはオリックスや東京海上火災保険と組み、日本債券信用銀行の48.9%を持つ最大株主となっている。ところが同じ2000年春に米ナスダック市場の調整が始まり、日本のネット関連株と事業環境にも波及した。会社自身も、事業モデルに難のある新興ネット企業は淘汰が進んでいると株主へ認めた。投資先の数で存在感を示す経営は、保有株式の値が崩れた時点で支えを失ったとみられる。

  • ソフトバンク アニュアルレポート 2000
    • [93]2000年3月期、インターネット産業への集中を進め、純粋持株会社・事業統括会社・事業会社の3層の組織構造を導入
    • [94]米国で発掘したビジネスモデルを全世界でインキュベーションする「タイムマシーン経営」。ファンドの投資先を含めグループは400社超
  • ソフトバンク 平成13年3月期 事業報告書
    • [95]2000年9月、オリックス・東京海上火災保険などとコンソーシアムを組み日本債券信用銀行(2001年1月にあおぞら銀行へ改称)の株式を取得、48.9%を出資する最大株主に
    • [96]2000年春以降の米ナスダック市場の調整が、日本のインターネット関連株と事業環境に影響
    • [97]ここ数年に立ち上がったインターネットビジネスのうち事業モデルに問題があるものなどは整理淘汰が進んでいるとの会社の認識

次の収益源として、ソフトバンクは2001年6月にヤフーと組んでADSLの常時接続サービスへの参入を決め、同年9月に商用サービスを始めた。社長の孫正義氏は、日本でネットの普及が遅れた原因を通信速度の遅さ・料金の高さ・常時接続の欠如に求めた。そのうえで、規制緩和と2005年までに4,000万世帯をブロードバンド化する政府目標によって、環境は好転すると見込んだ。人口あたりの普及率で韓国が短期間に米国を抜いたことも、日本で急拡大が起こりうる根拠に挙げている。孫氏はジフ・デービス買収のころのネットへの懐疑を引き、同じ転換がブロードバンドで起こるとして経営資源を集めた。出資を主業としてきた会社が、回線と設備を自ら抱える事業会社へ転じる判断であった。

  • ソフトバンク アニュアルレポート 2001
    • [98]2001年6月、ヤフーをパートナーとしてADSL技術を活用した高速インターネット常時接続サービス事業に参入
    • [100]通信速度の遅さと利用料金の高さ、常時接続の欠如が日本のインターネット普及を遅らせてきたとの孫正義の認識
    • [101]2000年以降の規制緩和と、2005年までに4,000万世帯をブロードバンド化する政府目標で事業環境は改善に向かうとの見通し
    • [102]ブロードバンドの人口当たり普及率で韓国が短期間で米国を追い越したとの指摘
  • ソフトバンク 平成14年3月期 事業報告書(2002年6月)
    • [99]2001年9月にYahoo! BBの商用サービスを開始
    • [103]約6年前のジフ・デービス買収当時はインターネットへの懐疑が強かったが、今度はブロードバンドで同じことが起ころうとしているとして、経営資源をブロードバンドへ集中

参入の代償は連結損益にすぐ表れ、営業損益は2001年3月期の164億円の黒字から、2003年3月期には919億円の赤字へ転じた。当期純損失も2002年3月期887億円、2003年3月期999億円、2004年3月期1,070億円と3期続いた。会社はブロードバンド・インフラ事業を除けば営業損益は黒字だと示し、赤字の出どころを一つの事業の先行投資に限って説明した。投資の中身は、未使用の光ファイバーを借りて全国に張ったIPの基幹網で、敷設工事を省いて料金を低く抑える設計であった。同事業の営業赤字は2003年度に800億円を超えており、利益より先に回線数を取りにいく順序が意図して選ばれていた。

  • ソフトバンク 平成19年3月期決算説明会資料(2007年5月8日)
    • [104]連結営業損益 2001年3月期164億円・2002年3月期△239億円・2003年3月期△919億円
  • ソフトバンク アニュアルレポート
    • [105]連結当期純損失 2002年3月期887億円・2003年3月期999億円・2004年3月期1,070億円
  • ソフトバンク 平成15年3月期 事業報告書(2003年6月)
    • [106]業績ハイライトで「ブロードバンド・インフラ事業の先行投資による赤字計上」「ブロードバンド・インフラ事業を除いた営業損益は黒字」と説明
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2003
    • [107]ダークファイバーを利用したIPバックボーンネットワークを構築し、敷設工事の費用を節減して関連サービスの料金を低く抑えた
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2006
    • [108]ブロードバンド・インフラ事業は2003年度に800億円を超える営業赤字を記録
参考文献[93]-[108]
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2000
    • [93]2000年3月期、インターネット産業への集中を進め、純粋持株会社・事業統括会社・事業会社の3層の組織構造を導入
    • [94]米国で発掘したビジネスモデルを全世界でインキュベーションする「タイムマシーン経営」。ファンドの投資先を含めグループは400社超
  • ソフトバンク 平成13年3月期 事業報告書
    • [95]2000年9月、オリックス・東京海上火災保険などとコンソーシアムを組み日本債券信用銀行(2001年1月にあおぞら銀行へ改称)の株式を取得、48.9%を出資する最大株主に
    • [96]2000年春以降の米ナスダック市場の調整が、日本のインターネット関連株と事業環境に影響
    • [97]ここ数年に立ち上がったインターネットビジネスのうち事業モデルに問題があるものなどは整理淘汰が進んでいるとの会社の認識
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2001
    • [98]2001年6月、ヤフーをパートナーとしてADSL技術を活用した高速インターネット常時接続サービス事業に参入
    • [100]通信速度の遅さと利用料金の高さ、常時接続の欠如が日本のインターネット普及を遅らせてきたとの孫正義の認識
    • [101]2000年以降の規制緩和と、2005年までに4,000万世帯をブロードバンド化する政府目標で事業環境は改善に向かうとの見通し
    • [102]ブロードバンドの人口当たり普及率で韓国が短期間で米国を追い越したとの指摘
  • ソフトバンク 平成14年3月期 事業報告書(2002年6月)
    • [99]2001年9月にYahoo! BBの商用サービスを開始
    • [103]約6年前のジフ・デービス買収当時はインターネットへの懐疑が強かったが、今度はブロードバンドで同じことが起ころうとしているとして、経営資源をブロードバンドへ集中
  • ソフトバンク 平成19年3月期決算説明会資料(2007年5月8日)
    • [104]連結営業損益 2001年3月期164億円・2002年3月期△239億円・2003年3月期△919億円
  • ソフトバンク アニュアルレポート
    • [105]連結当期純損失 2002年3月期887億円・2003年3月期999億円・2004年3月期1,070億円
  • ソフトバンク 平成15年3月期 事業報告書(2003年6月)
    • [106]業績ハイライトで「ブロードバンド・インフラ事業の先行投資による赤字計上」「ブロードバンド・インフラ事業を除いた営業損益は黒字」と説明
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2003
    • [107]ダークファイバーを利用したIPバックボーンネットワークを構築し、敷設工事の費用を節減して関連サービスの料金を低く抑えた
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2006
    • [108]ブロードバンド・インフラ事業は2003年度に800億円を超える営業赤字を記録

2004年〜日本テレコムとホークスの取得、ボーダフォン日本法人1.75兆円のLBO

ADSLの次に向かったのは法人と固定電話であった。2004年7月30日、ソフトバンクは日本テレコムの発行済普通株式の100%を取得し、それまで個人中心だったインフラ事業に法人部門を加えた。この連結で連結総資産は5,408億円増えて約2兆円となった。2005年2月にはケーブル・アンド・ワイヤレス・アイディーシーも買い、グループ通信3社の回線数は約1,100万に届いた。一方のYahoo! BBは、2004年度第4四半期にサービス開始から3年半余りで営業黒字へ達している。2005年5月の決算説明会で会社は、ADSLを投資回収期、2004年12月に始めた直収型固定電話「おとくライン」を先行投資段階と位置づけた。回収に入った事業の資金で次の赤字事業を支える循環が、この時点で組まれたといえる。

  • ソフトバンク 平成17年3月期 事業報告書
    • [109]2004年7月30日付で日本テレコムの発行済普通株式を100%取得
    • [110]日本テレコムなどの買収で、個人中心だったインフラ事業の法人部門を強化
    • [112]2005年2月にケーブル・アンド・ワイヤレス・アイディーシーを買収し、グループ通信3社の回線数は約1,100万規模に
    • [113]Yahoo! BB ADSL事業は平成16年度第4四半期に、サービス開始から3年半余りで営業損益の黒字化を達成
  • ソフトバンク 平成17年3月期第2四半期決算説明会資料(2004年11月10日)
    • [111]日本テレコムの連結による連結総資産の増加5,408億円、ソフトバンク連結総資産は約2兆円
  • ソフトバンク 平成17年3月期決算説明会資料(2005年5月10日)
    • [114]2005年3月期の財務総括で「ADSL事業:投資回収期へ」「おとくライン:先行投資段階」。おとくラインは2004年12月に提供開始

2004年10月18日、ソフトバンクは福岡ダイエーホークスの買収希望を表明し、取得に伴って連結調整勘定が40億5,400万円増えた。孫氏は野球をブロードバンドの主力コンテンツと位置づけた。球団を持つ狙いについては、新規参入で終わらせず『球界の歴史を変える、そこで何か1つ貢献できればというのが我々の思いですね』と語っている。球団の試合は、パソコン向け動画配信の実験サービスにも専用チャンネルとして載せた。この間に損益は好転し、2006年3月期の連結売上高は1兆1,086億円と初めて1兆円を超え、営業利益は創業来最高の622億円となった。当期純損益も前期の598億円の損失から575億円の黒字へ転じている。黒字化の翌期を待たずに、会社はさらに大きな買収へ進んだ。

  • ソフトバンク 平成17年3月期 中間事業報告書(2004年11月)
    • [115]2004年10月18日、ソフトバンクが福岡ダイエーホークスの買収希望を表明
  • ソフトバンク 平成17年3月期 事業報告書
    • [116]福岡ダイエーホークスの買収に伴い連結調整勘定が4,054百万円増加
    • [117]孫正義は野球をブロードバンドのキラーコンテンツと位置づけた
    • [118]やる以上は単なる新規参入ではなく、球界の歴史を変えることに貢献したいとの孫正義の発言
  • ソフトバンク 平成18年3月期 中間事業報告書
    • [119]インターネット動画サービス「TV Bank(仮称)」の実証実験に「福岡ソフトバンクホークスチャンネル」を用意
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2006
    • [120]2005年度の連結売上高1兆1,086億円(前年度比32%増)で1兆円を突破、営業利益は創業来最高の622億円
    • [121]当期純損益は2004年度の598億円の損失から575億円の黒字へ

2006年3月17日、ソフトバンクはボーダフォン株式会社の株式97.7%を子会社経由で取得する最終契約を結んだ。相手は2006年2月時点で1,514万回線を持つ携帯電話会社であった。株式価値は約1.75兆円で、うち1.1兆〜1.2兆円を買収先の資産を担保とするLBOの銀行借入でまかなった。借入は親会社の信用に頼らないノンリコース型で、返済原資は年3,000億円規模のボーダフォンのEBITDAに限った。孫氏は固定のブロードバンドで得た技術とノウハウを携帯へ移すと述べた。ADSL参入を振り返っては『ブロードバンド・インフラ事業を開始したときは、まさにゼロからの出発でした』とし、今度は実績と経験があると違いを示した。移動体通信の顧客基盤を借入で一挙に買う判断は、その経験への自信を前提にしていた。

  • ソフトバンク 説明会資料「~To the Next Stage~ 更なる成長に向けた携帯事業への取り組み」(2006年3月17日)
    • [122]2006年3月17日、全額出資子会社によるボーダフォン株式会社普通株式97.7%取得の最終契約を締結
    • [123]ボーダフォン株式会社の加入者数1,514万回線(2006年2月現在)
    • [124]株式価値約1.75兆円。資金調達のうち銀行借入(LBO:買収先の資産などを担保とする借入)1.1〜1.2兆円
    • [125]LBOによるノンリコースローンで親会社の信用力に依存せず、返済原資をボーダフォンのEBITDA(年間3,000億円規模)に分離
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2006
    • [126]固定ブロードバンドで培った技術・ノウハウ・サービス・コンテンツを固定からモバイルへ、日本から世界へ広げるとの孫正義の説明
    • [127]ブロードバンド・インフラ事業の開始時はゼロからの出発だったが、今度は実績と経験、成功につなげた自信があるとの孫正義の説明
参考文献[109]-[127]
  • ソフトバンク 平成17年3月期 事業報告書
    • [109]2004年7月30日付で日本テレコムの発行済普通株式を100%取得
    • [110]日本テレコムなどの買収で、個人中心だったインフラ事業の法人部門を強化
    • [112]2005年2月にケーブル・アンド・ワイヤレス・アイディーシーを買収し、グループ通信3社の回線数は約1,100万規模に
    • [113]Yahoo! BB ADSL事業は平成16年度第4四半期に、サービス開始から3年半余りで営業損益の黒字化を達成
    • [116]福岡ダイエーホークスの買収に伴い連結調整勘定が4,054百万円増加
    • [117]孫正義は野球をブロードバンドのキラーコンテンツと位置づけた
    • [118]やる以上は単なる新規参入ではなく、球界の歴史を変えることに貢献したいとの孫正義の発言
  • ソフトバンク 平成17年3月期第2四半期決算説明会資料(2004年11月10日)
    • [111]日本テレコムの連結による連結総資産の増加5,408億円、ソフトバンク連結総資産は約2兆円
  • ソフトバンク 平成17年3月期決算説明会資料(2005年5月10日)
    • [114]2005年3月期の財務総括で「ADSL事業:投資回収期へ」「おとくライン:先行投資段階」。おとくラインは2004年12月に提供開始
  • ソフトバンク 平成17年3月期 中間事業報告書(2004年11月)
    • [115]2004年10月18日、ソフトバンクが福岡ダイエーホークスの買収希望を表明
  • ソフトバンク 平成18年3月期 中間事業報告書
    • [119]インターネット動画サービス「TV Bank(仮称)」の実証実験に「福岡ソフトバンクホークスチャンネル」を用意
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2006
    • [120]2005年度の連結売上高1兆1,086億円(前年度比32%増)で1兆円を突破、営業利益は創業来最高の622億円
    • [121]当期純損益は2004年度の598億円の損失から575億円の黒字へ
    • [126]固定ブロードバンドで培った技術・ノウハウ・サービス・コンテンツを固定からモバイルへ、日本から世界へ広げるとの孫正義の説明
    • [127]ブロードバンド・インフラ事業の開始時はゼロからの出発だったが、今度は実績と経験、成功につなげた自信があるとの孫正義の説明
  • ソフトバンク 説明会資料「~To the Next Stage~ 更なる成長に向けた携帯事業への取り組み」(2006年3月17日)
    • [122]2006年3月17日、全額出資子会社によるボーダフォン株式会社普通株式97.7%取得の最終契約を締結
    • [123]ボーダフォン株式会社の加入者数1,514万回線(2006年2月現在)
    • [124]株式価値約1.75兆円。資金調達のうち銀行借入(LBO:買収先の資産などを担保とする借入)1.1〜1.2兆円
    • [125]LBOによるノンリコースローンで親会社の信用力に依存せず、返済原資をボーダフォンのEBITDA(年間3,000億円規模)に分離

2006年〜iPhone 3Gの販売と純有利子負債2兆3,870億円からの削減

2007年5月の決算説明会で会社は買収前の懸念に対し、1.45兆円の借り換え完了、前年の約1.8倍の営業利益、約4倍の年間純増数を示した。2007年3月期の連結売上高は2兆5,442億円、営業利益は2,710億円に伸びた。国内携帯電話の純増数に占めるシェアは、2005年度の3.5%から2006年度に14.2%へ上がった。孫氏はこの伸びを『決してボーダフォンの経営数値が単純に上乗せされただけではありません』と説明した。3Gの基地局は買収前の2倍以上となる46,000局まで増やす計画を立て、端末の割賦販売で端末代を通信料から切り離した。買った顧客基盤の上に、設備と料金の差別化を重ねる手順であった。

  • ソフトバンク 平成19年3月期決算説明会資料(2007年5月8日)
    • [128]買収前の懸念(資金・収益性・ユーザー・ブランド力)に対し、1.45兆円のリファイナンス完了、営業利益前年の約1.8倍、年間純増数前年の約4倍と説明
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2007
    • [129]2006年度の連結売上高2兆5,442億円、営業利益2,710億円
    • [130]国内携帯電話契約数の純増分に占めるシェアは2005年度3.5%から2006年度14.2%へ
    • [131]業績伸長はボーダフォンの経営数値の単純な上乗せではないとの孫正義の説明
    • [132]3G携帯電話の基地局を買収前の2006年3月末から2倍以上にあたる46,000局まで、2007年度上期中に開局する見込み
    • [133]携帯電話端末の割賦販売制度を導入し、端末料金を他の料金から切り離した

2008年7月、ソフトバンクモバイルはアップル社製の「iPhone 3G」を日本で発売した。前年の2007年度には純増数で首位に立ち、有利子負債のEBITDA倍率は2004年度末の19.4倍から4.0倍へ下がっていた。2009年度の連結営業利益は4,658億円で5期続けて最高益となり、会社はiPhoneによる市場開拓を増益の要因に挙げた。同年度には3,908億円のフリー・キャッシュ・フローを生み、純有利子負債を4,384億円減らした。孫氏は純有利子負債を2011年度末までに2008年度末の半分に、2014年度末にはゼロにする目標を掲げた。成長の旗を降ろさずに返済の期限を自ら区切ったのは、LBOへの疑念に数字で答えるためであったのだろう。

  • ソフトバンク アニュアルレポート 2008
    • [134]2008年7月、ソフトバンクモバイルがアップル社製「iPhone 3G」の日本での発売を開始
    • [135]2007年度の携帯電話純増数No.1。有利子負債/EBITDA倍率は2004年度末19.4倍から2007年度末4.0倍へ
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2010
    • [136]2009年度の連結営業利益4,658億円(前年度比29.7%増)で5期連続の営業最高益。iPhoneなどが新しい市場を開拓し携帯電話契約数が増加
    • [137]2009年度のフリー・キャッシュ・フロー3,908億円、純有利子負債を2008年度末比4,384億円削減
    • [138]2009〜2011年度累計でフリー・キャッシュ・フロー1兆円以上を創出し、純有利子負債を2011年度末までに2008年度末比で半減、2014年度末までにゼロとする目標

純有利子負債は、ボーダフォン買収時の2兆3,870億円から2010年12月末に1兆4,299億円まで減った。2011年7月、ソフトバンクモバイルの金利約5%の借入6,539億円を、本体の無担保・金利約1.4%の借入5,500億円へ移す案を示した。東日本大震災では翌朝に3,786局の基地局が止まり、4月14日にほぼ震災前の範囲までサービスを戻した。孫氏は株主へ、『ソフトバンクグループのネットワークの災害時の耐久性・信頼性が必ずしも十分なものではなかった』と認めた。同じ7月の説明会で孫氏は、2006年3月の買収会見での『通信会社になったとか、言わないでいただきたい』という発言を示し直した。流通から携帯電話までの全事業は、インターネットで首位に立つための手段とされた。通信会社の規模を得た後も、会社は自らをインターネットの会社と定義した。

  • ソフトバンク 平成23年3月期第3四半期決算説明会資料(2011年2月3日)
    • [139]純有利子負債はボーダフォン日本法人買収時の2兆3,870億円から2010年12月末1兆4,299億円へ、約9,600億円削減
  • ソフトバンク 平成24年3月期第1四半期決算説明会資料(2011年7月28日)
    • [140]携帯事業買収資金のリファイナンス。ソフトバンクモバイルの事業証券化による借入は2011年6月末残高6,539億円・金利(加重平均)約5%・移動体通信事業の保有資産等を担保
    • [141]リファイナンス後の借入主体はソフトバンク、シンジケートローン5,500億円、当初金利約1.4%、担保なし
    • [144]2011年7月の決算説明会で、2006年3月のボーダフォンジャパン買収記者会見での発言を示した
    • [145]流通・出版・ポータル・ブロードバンド・固定通信・携帯電話のすべての事業はインターネットNo.1のためと位置づけた
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2011
    • [142]東日本大震災の翌日(3月12日)朝に3,786局の基地局が不通となり、4月14日には震災前とほぼ同等のサービスエリアを回復
    • [143]震災で通信がつながりにくい状況が発生したことを株主・投資家へ詫び、ネットワークの災害時の耐久性・信頼性が十分でなかったと認めた孫正義のメッセージ
参考文献[128]-[145]
  • ソフトバンク 平成19年3月期決算説明会資料(2007年5月8日)
    • [128]買収前の懸念(資金・収益性・ユーザー・ブランド力)に対し、1.45兆円のリファイナンス完了、営業利益前年の約1.8倍、年間純増数前年の約4倍と説明
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2007
    • [129]2006年度の連結売上高2兆5,442億円、営業利益2,710億円
    • [130]国内携帯電話契約数の純増分に占めるシェアは2005年度3.5%から2006年度14.2%へ
    • [131]業績伸長はボーダフォンの経営数値の単純な上乗せではないとの孫正義の説明
    • [132]3G携帯電話の基地局を買収前の2006年3月末から2倍以上にあたる46,000局まで、2007年度上期中に開局する見込み
    • [133]携帯電話端末の割賦販売制度を導入し、端末料金を他の料金から切り離した
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2008
    • [134]2008年7月、ソフトバンクモバイルがアップル社製「iPhone 3G」の日本での発売を開始
    • [135]2007年度の携帯電話純増数No.1。有利子負債/EBITDA倍率は2004年度末19.4倍から2007年度末4.0倍へ
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2010
    • [136]2009年度の連結営業利益4,658億円(前年度比29.7%増)で5期連続の営業最高益。iPhoneなどが新しい市場を開拓し携帯電話契約数が増加
    • [137]2009年度のフリー・キャッシュ・フロー3,908億円、純有利子負債を2008年度末比4,384億円削減
    • [138]2009〜2011年度累計でフリー・キャッシュ・フロー1兆円以上を創出し、純有利子負債を2011年度末までに2008年度末比で半減、2014年度末までにゼロとする目標
  • ソフトバンク 平成23年3月期第3四半期決算説明会資料(2011年2月3日)
    • [139]純有利子負債はボーダフォン日本法人買収時の2兆3,870億円から2010年12月末1兆4,299億円へ、約9,600億円削減
  • ソフトバンク 平成24年3月期第1四半期決算説明会資料(2011年7月28日)
    • [140]携帯事業買収資金のリファイナンス。ソフトバンクモバイルの事業証券化による借入は2011年6月末残高6,539億円・金利(加重平均)約5%・移動体通信事業の保有資産等を担保
    • [141]リファイナンス後の借入主体はソフトバンク、シンジケートローン5,500億円、当初金利約1.4%、担保なし
    • [144]2011年7月の決算説明会で、2006年3月のボーダフォンジャパン買収記者会見での発言を示した
    • [145]流通・出版・ポータル・ブロードバンド・固定通信・携帯電話のすべての事業はインターネットNo.1のためと位置づけた
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2011
    • [142]東日本大震災の翌日(3月12日)朝に3,786局の基地局が不通となり、4月14日には震災前とほぼ同等のサービスエリアを回復
    • [143]震災で通信がつながりにくい状況が発生したことを株主・投資家へ詫び、ネットワークの災害時の耐久性・信頼性が十分でなかったと認めた孫正義のメッセージ

第4章 2012年〜 スプリント買収とアリババ上場、ソフトバンクグループへの改称とアーム買収

2012年〜イー・アクセスの1.7GHz帯とスプリント216億米ドルの取得

2012年2月、ソフトバンクは2016年度に連結営業利益1兆円を上げるという目標を掲げた。直前の2011年度は営業利益6,752億円で、売上高・営業利益・当期純利益のすべてが過去最高を更新していた。代表取締役社長の孫正義氏は、こうした成長の源泉を、先に高い目標を置いてそこから打つ手を割り出す経営にあると位置づけた。目標の裏づけは財務の立て直しにあり、2008年度末に1.9兆円あった純有利子負債は2011年度末に5,472億円まで減り、3年で半減させるという公約を大きく超えた。同じ3年間のフリー・キャッシュ・フローは累計1.3兆円で、1兆円の目標を上回っていた。ボーダフォン日本法人の買収で負った借入の返済にめどが付いたことが、次の大型投資へ踏み出す余地を生んだと推察される。

  • ソフトバンク アニュアルレポート2012「社長メッセージ」
    • [146]2012年2月に「2016年度に連結営業利益1兆円」の目標を掲げた
    • [147]2011年度 営業利益6,752億円。売上高・営業利益・当期純利益いずれも過去最高
    • [148]成長力の源泉は時代を先読みし高い目標から逆算して戦略を打つ「逆算の経営」にあるとの社長の説明
    • [149]純有利子負債 2008年度末1.9兆円→2011年度末5,472億円(71.8%減)
  • ソフトバンク 決算説明会資料(2012年4月26日)
    • [150]純有利子負債の半減目標(2011年度末)を大幅に超過
    • [151]フリー・キャッシュ・フロー 2009〜2011年度の累計1.3兆円(3年累計1兆円の目標を超過)

2012年度、ソフトバンクはイー・アクセスとスプリントの買収を相次いで決めた。イー・アクセスはデータ通信に強く1.7GHz帯の周波数を持ち、ネットワーク分野を中心に総額約3,600億円のシナジーを見込んだ。スプリントとは2012年10月15日に合併契約を結んだ。孫氏は米国を選んだ理由として、経済規模が世界一で携帯市場の規模と伸びが大きいこと、スマートフォンとLTEの普及で日本と条件が近いことを挙げた。手続きの途中で米DISHが対抗提案を出すと、ソフトバンクは2013年4月の説明会で、シナジーを織り込んだ1株当たり価値は自社案の7.65ドルに対しDISH案が6.31ドルにとどまると反論した。2013年6月11日には投資総額を約201億米ドルから約216億米ドルへ引き上げることで合意した。

  • ソフトバンク アニュアルレポート2013「社長インタビュー」
    • [152]2012年度にイー・アクセスとSprint Nextel Corporationの買収を決断
    • [153]イー・アクセスはデータ通信に強みを持ち1.7GHz帯を保有。シナジー総額約3,600億円、最も期待するのはネットワーク分野
    • [155]米国を選んだ理由は世界一の経済大国で市場規模と成長力が大きく、スマートフォン・LTEの普及で日本市場と共通性があるため
  • ソフトバンク 有価証券報告書 第33期(2013年3月期)【経営上の重要な契約等】
    • [154]2012年10月15日 スプリントとの合併契約を締結
    • [157]2013年6月11日 投資総額を約201億米ドルから約216億米ドルへ増額する変更に合意
  • ソフトバンク 説明会資料「Sprint買収について」(2013年4月30日)
    • [156]シナジー後の1株当たり価値 ソフトバンク案7.65ドル、DISH提案6.31ドル(+21%)とする会社試算

2013年7月10日、ソフトバンクはスプリントの支配を獲得し、完全希薄化ベースで株式の約78%を持つ親会社となった。取得原価は2兆1,886億円で、そのうち現金が1兆8,751億円を占めた。買収に伴い、IFRSで見た純有利子負債は2012年度末の2兆2,578億円から2013年度末の7兆593億円へ膨らんだ。格付け各社は買収の発表を受け、格下げの方向で見直しに入っていた。それでも孫氏は『転落の一途を辿っていたボーダフォン日本法人を買収したときよりも、今回のほうが成功の自信があります。』と語り、端末と通信機器の共同調達などで2014年度から2017年度まで年平均20億米ドルのコスト削減を見込んだ。日本で成功した再建の手順を、競争相手の違う市場へ持ち込めるという前提に立った買収であった。

  • ソフトバンク 有価証券報告書 第34期(2014年3月期)連結財務諸表注記【企業結合】
    • [158]2013年7月10日 スプリントの支配を獲得。取得した持分比率は完全希薄化ベースで約78%
    • [159]取得原価2兆1,886億円(現金1兆8,751億円と転換社債の転換分3,135億円)
  • ソフトバンク アニュアルレポート2014「主要財務データ」
    • [160]純有利子負債(IFRS) 2012年度末2兆2,578億円→2013年度末7兆593億円
  • ソフトバンク アニュアルレポート2013「主要財務データ」
    • [161]信用格付けはスプリント買収発表を受け各社が格下げ方向で見直し中(2013年6月末)
  • ソフトバンク アニュアルレポート2013「社長インタビュー」
    • [162]端末・通信機器の調達のスケールメリットとノウハウ共有で2014〜2017年度に平均年間20億米ドルのコスト削減を見込む
参考文献[146]-[162]
  • ソフトバンク アニュアルレポート2012「社長メッセージ」
    • [146]2012年2月に「2016年度に連結営業利益1兆円」の目標を掲げた
    • [147]2011年度 営業利益6,752億円。売上高・営業利益・当期純利益いずれも過去最高
    • [148]成長力の源泉は時代を先読みし高い目標から逆算して戦略を打つ「逆算の経営」にあるとの社長の説明
    • [149]純有利子負債 2008年度末1.9兆円→2011年度末5,472億円(71.8%減)
  • ソフトバンク 決算説明会資料(2012年4月26日)
    • [150]純有利子負債の半減目標(2011年度末)を大幅に超過
    • [151]フリー・キャッシュ・フロー 2009〜2011年度の累計1.3兆円(3年累計1兆円の目標を超過)
  • ソフトバンク アニュアルレポート2013「社長インタビュー」
    • [152]2012年度にイー・アクセスとSprint Nextel Corporationの買収を決断
    • [153]イー・アクセスはデータ通信に強みを持ち1.7GHz帯を保有。シナジー総額約3,600億円、最も期待するのはネットワーク分野
    • [155]米国を選んだ理由は世界一の経済大国で市場規模と成長力が大きく、スマートフォン・LTEの普及で日本市場と共通性があるため
    • [162]端末・通信機器の調達のスケールメリットとノウハウ共有で2014〜2017年度に平均年間20億米ドルのコスト削減を見込む
  • ソフトバンク 有価証券報告書 第33期(2013年3月期)【経営上の重要な契約等】
    • [154]2012年10月15日 スプリントとの合併契約を締結
    • [157]2013年6月11日 投資総額を約201億米ドルから約216億米ドルへ増額する変更に合意
  • ソフトバンク 説明会資料「Sprint買収について」(2013年4月30日)
    • [156]シナジー後の1株当たり価値 ソフトバンク案7.65ドル、DISH提案6.31ドル(+21%)とする会社試算
  • ソフトバンク 有価証券報告書 第34期(2014年3月期)連結財務諸表注記【企業結合】
    • [158]2013年7月10日 スプリントの支配を獲得。取得した持分比率は完全希薄化ベースで約78%
    • [159]取得原価2兆1,886億円(現金1兆8,751億円と転換社債の転換分3,135億円)
  • ソフトバンク アニュアルレポート2014「主要財務データ」
    • [160]純有利子負債(IFRS) 2012年度末2兆2,578億円→2013年度末7兆593億円
  • ソフトバンク アニュアルレポート2013「主要財務データ」
    • [161]信用格付けはスプリント買収発表を受け各社が格下げ方向で見直し中(2013年6月末)

2013年〜ガンホー・スーパーセルの子会社化とアリババのニューヨーク上場

スプリントの取得と同じ2013年度に、ソフトバンクはガンホー・オンライン・エンターテイメントとフィンランドのスーパーセルを相次いで子会社化し、サービスの柱としてモバイルゲームを強めた。2013年のiOSとGoogle Playを合わせた売上順位では、ガンホーの「パズル&ドラゴンズ」が1位、スーパーセルの「Clash of Clans」と「Hay Day」が3位と4位を占め、会社別でも両社が1位と2位に並んだ。ガンホーはそれまで持分法適用関連会社で、孫氏は子会社化に伴う既存持分の再測定で約1,500億円の利益が出ると説明していた。2013年度の決算では、ガンホーとウィルコムの子会社化による一時益2,539億円を計上した。ゲームへの出資は、事業の育成と同時に持分の評価替えで利益を押し上げる効果も持った。

  • ソフトバンク アニュアルレポート2014「モバイルゲーム戦略」
    • [163]2013年度にガンホーとスーパーセルを相次いで子会社化。総合的なエコシステムの構成要素のなかで特に重要なモバイルゲームを強化するため
    • [164]2013年のiOSとGoogle Playの売上ランキングでパズル&ドラゴンズ1位、Clash of Clans 3位、Hay Day 4位。会社別でガンホー1位・スーパーセル2位(App Annie調べ)
  • ソフトバンク アニュアルレポート2013「社長インタビュー」
    • [165]持分法適用関連会社だったガンホーの連結子会社化に伴う既存持分の再測定で約1,500億円を利益計上する見通し
  • ソフトバンク アニュアルレポート2014「主要財務データ」
    • [166]2013年度 ガンホー、ウィルコムの子会社化に伴う一時益2,539億円を計上

2012年3月期末の時点で、ソフトバンクはAlibaba Group Holding Limitedの議決権の31.9%を持ち、持分法適用関連会社としていた。孫氏は、ライフサイクルの短いサービスの分野で成功する少数の企業を早く見つけて育てる役割を投資に与え、傘下のTaobao Marketplaceの取扱高が1兆元に達して米国のアマゾンやイーベイを上回った点を挙げていた。2014年9月、アリババはニューヨーク証券取引所に上場した。2014年度の親会社の所有者に帰属する当期純利益は前年度比28.5%増の6,684億円となり、翌2015年度の減益について会社は、前年度にアリババ上場の一時益があったためと説明した。通信の外で持つ株式の値動きが、連結の損益を大きく動かす構図がここで表に出た。

  • ソフトバンク アニュアルレポート2012「社長メッセージ」
    • [167]Alibaba Group Holding Limited 議決権所有割合31.9%、主な持分法適用関連会社
  • ソフトバンク アニュアルレポート2013「社長インタビュー」
    • [168]コンテンツ・サービスの世界はライフサイクルが早く成功するのはわずか。ポートフォリオを組み替えながら原石をいち早く発掘し育てるとの社長の説明
    • [169]Taobao Marketplaceの取扱高は1兆元に達し米国のアマゾンやイーベイを大きく上回る
  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [170]2014年9月 アリババがニューヨーク証券取引所に上場
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート2015「社長メッセージ」
    • [171]2014年度 親会社の所有者に帰属する当期純利益6,684億円(前年度比28.5%増)
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート2016「社長メッセージ」
    • [172]2015年度の純利益4,742億円(29.1%減)は前年度にアリババ上場に伴う一時益を計上していたため

スプリントの連結で2013年度の売上高は前年度比108.2%増の6兆6,667億円となったが、営業利益率は25.0%から16.3%へ下がり、会社はその主な要因をスプリントの子会社化に求めた。立て直しに向け、ソフトバンクは2014年8月、携帯端末流通のブライトスターを創業したマルセロ・クラウレ氏をスプリントのPresident and CEOに任命した。クラウレ氏は乗り換え客の料金を半額にする施策と経費の削減を進め、2015年度の営業費用を前年度より13億米ドル減らした。スプリントは2015年度に過去9年で初めて営業黒字を計上し、ポストペイド携帯電話の純増も3年ぶりに達成した。黒字化まで支配の獲得から2年半以上を要し、買収時の自信との隔たりは小さくなかった。

  • ソフトバンク アニュアルレポート2014「主要財務データ」
    • [173]2013年度 売上高6兆6,667億円(前年度比108.2%増)。営業利益率25.0%→16.3%、主にスプリントの子会社化の影響
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート2015「社長メッセージ」
    • [174]2014年8月 ブライトスター創業者マルセロ・クラウレをスプリントの新しいPresident and CEOに任命
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート2016「スプリント事業戦略」
    • [175]乗り換え顧客の月額料金を他社の半分にする「Cut Your Bill in Half」等の施策。2015年度にサービス原価と販売費及び一般管理費を13億米ドル削減
    • [176]2015年度に過去9年で初めて営業利益の黒字化、ポストペイド携帯電話契約の純増を過去3年で初めて達成
参考文献[163]-[176]
  • ソフトバンク アニュアルレポート2014「モバイルゲーム戦略」
    • [163]2013年度にガンホーとスーパーセルを相次いで子会社化。総合的なエコシステムの構成要素のなかで特に重要なモバイルゲームを強化するため
    • [164]2013年のiOSとGoogle Playの売上ランキングでパズル&ドラゴンズ1位、Clash of Clans 3位、Hay Day 4位。会社別でガンホー1位・スーパーセル2位(App Annie調べ)
  • ソフトバンク アニュアルレポート2013「社長インタビュー」
    • [165]持分法適用関連会社だったガンホーの連結子会社化に伴う既存持分の再測定で約1,500億円を利益計上する見通し
    • [168]コンテンツ・サービスの世界はライフサイクルが早く成功するのはわずか。ポートフォリオを組み替えながら原石をいち早く発掘し育てるとの社長の説明
    • [169]Taobao Marketplaceの取扱高は1兆元に達し米国のアマゾンやイーベイを大きく上回る
  • ソフトバンク アニュアルレポート2014「主要財務データ」
    • [166]2013年度 ガンホー、ウィルコムの子会社化に伴う一時益2,539億円を計上
    • [173]2013年度 売上高6兆6,667億円(前年度比108.2%増)。営業利益率25.0%→16.3%、主にスプリントの子会社化の影響
  • ソフトバンク アニュアルレポート2012「社長メッセージ」
    • [167]Alibaba Group Holding Limited 議決権所有割合31.9%、主な持分法適用関連会社
  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [170]2014年9月 アリババがニューヨーク証券取引所に上場
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート2015「社長メッセージ」
    • [171]2014年度 親会社の所有者に帰属する当期純利益6,684億円(前年度比28.5%増)
    • [174]2014年8月 ブライトスター創業者マルセロ・クラウレをスプリントの新しいPresident and CEOに任命
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート2016「社長メッセージ」
    • [172]2015年度の純利益4,742億円(29.1%減)は前年度にアリババ上場に伴う一時益を計上していたため
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート2016「スプリント事業戦略」
    • [175]乗り換え顧客の月額料金を他社の半分にする「Cut Your Bill in Half」等の施策。2015年度にサービス原価と販売費及び一般管理費を13億米ドル削減
    • [176]2015年度に過去9年で初めて営業利益の黒字化、ポストペイド携帯電話契約の純増を過去3年で初めて達成

2014年〜ニケシュ・アローラの招聘と退任、ソフトバンクグループへの改称と3.3兆円のアーム買収

2014年9月、孫氏はGoogleで最高事業責任者を務めたニケシュ・アローラ氏をソフトバンクに迎え、のちに代表取締役副社長に据えた。孫氏は招いた理由を、テクノロジー企業に共通する問題として『多くのテクノロジー企業には共通の問題点があります。それは、テクノロジーやビジネスモデルの陳腐化、創業者への過度な依存などにより、30年周期で事業の衰退局面に直面するという問題点です。』と述べ、既存事業の変革に加えて起業家を支える仕組みが要るとした。アローラ氏も自らの役割を『私の最終目標は、当社の数百年先の未来のために、孫さんの天賦の才を“瓶詰め”にする方法を探ることです。』と説明した。2015年7月には商号をソフトバンクグループ株式会社へ改め、純粋持株会社としての位置づけを明確にした。創業者の勘に頼らない投資の仕組みを外から招いた経営者に作らせ、社名もそれに合わせたのである。

  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート2015「社長メッセージ」
    • [177]2014年9月からニケシュ・アローラが参画。Google Inc.で最高事業責任者として経営を取り仕切った経験を持ち、新しく代表取締役副社長に就任
    • [178]多くのテクノロジー企業は陳腐化と創業者への過度な依存で30年周期の衰退局面に直面するため、既存事業の変革と起業家を支援する包括的な仕組みが必要との社長の説明
    • [181]持ち株会社の社名を「ソフトバンクグループ(株)」とし純粋持ち株会社としての位置付けを明確にした
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート2015「代表取締役副社長インタビュー」
    • [179]孫の天賦の才を「瓶詰め」にし、孫やアローラがいなくても投資を成功させられる仕組みと文化を構築するとの本人の説明
  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [180]2015年7月 ソフトバンクグループ株式会社に商号変更

2016年6月、アローラ氏は任期満了を迎えて代表取締役副社長の職を離れた。孫氏は60歳となる2017年8月に同氏へ経営を託すつもりだったが、考えを改めた理由を『情報産業で本格的な変革が始まろうとしている今日、自身が成さなくてはいけないことがまだまだたくさん残されていることに気付かされました。』と語り、この先5年から10年は最低でも自分が経営の先頭に立つと述べた。売却の対象はアリババ株の一部、ガンホー株の大半、スーパーセル株の全量で、決定は同じ2016年度に入ってからの財務戦略の一環だった。スーパーセルとガンホーは、いずれも2013年度に子会社となって日の浅い会社だった。後継者の擁立とゲーム事業の保有という、2年前に打った二つの手がほぼ同時に巻き戻された。

  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート2016「社長メッセージ」
    • [182]ニケシュ・アローラは2016年6月の任期満了に伴い代表取締役副社長を退任
    • [183]60歳になる誕生日(2017年8月)にニケシュ・アローラへ経営を引き継いでもらう考えであった
    • [184]少なくとも今後5年から10年は自身が引き続き当社を牽引するとの社長の表明
    • [185]2016年度に入り財務戦略の一環として、アリババ株式の一部・ガンホー株式の大部分・スーパーセル株式の全ての売却を決定
  • ソフトバンク アニュアルレポート2014「モバイルゲーム戦略」
    • [186]2013年度にガンホーとスーパーセルを子会社化

2016年7月18日、ソフトバンクグループは英ARMホールディングスの全株式を総額約240億ポンドで買い付ける条件に合意し、9月5日に支配を獲得した。取得原価は3兆3,670億円で、スプリントの2兆1,886億円を上回った。アームの設計技術はスマートフォン用メインチップの95%以上に採用され、2016年度にはその技術を含むチップが177億個出荷された。孫氏は取得に至る思いを『このテクノロジー業界の秘宝を喉から手が出るほど欲しいと10年以上も思い続けてきましたが、ようやく2016年9月に同社を買収することができました。』と振り返った。2016年度の営業利益は1.0兆円となり、2012年に掲げた目標に年限どおり届いた。ゲーム株の売却と前後してアームを買ったことで、グループの資産の重心は半導体の設計へ移ったとみられる。

  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書 第37期(2017年3月期)連結財務諸表注記【企業結合】
    • [187]2016年7月18日 ARMの全株式を総額約240億ポンドで買い付ける条件に合意、2016年9月5日に支配を獲得
    • [188]ARMの取得原価3兆3,670億円
  • ソフトバンク 有価証券報告書 第34期(2014年3月期)連結財務諸表注記【企業結合】
    • [189]スプリントの取得原価2兆1,886億円
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート2017「社長メッセージ」
    • [190]アームの技術はスマートフォン用メインチップの95%以上に採用。2016年度にアームの技術を含むチップ177億個が出荷
    • [191]10年以上欲しいと思い続け、2016年9月にようやく買収できたとの社長の説明
    • [192]2016年度 営業利益1.0兆円(前年度比12.9%増)
参考文献[177]-[192]
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート2015「社長メッセージ」
    • [177]2014年9月からニケシュ・アローラが参画。Google Inc.で最高事業責任者として経営を取り仕切った経験を持ち、新しく代表取締役副社長に就任
    • [178]多くのテクノロジー企業は陳腐化と創業者への過度な依存で30年周期の衰退局面に直面するため、既存事業の変革と起業家を支援する包括的な仕組みが必要との社長の説明
    • [181]持ち株会社の社名を「ソフトバンクグループ(株)」とし純粋持ち株会社としての位置付けを明確にした
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート2015「代表取締役副社長インタビュー」
    • [179]孫の天賦の才を「瓶詰め」にし、孫やアローラがいなくても投資を成功させられる仕組みと文化を構築するとの本人の説明
  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [180]2015年7月 ソフトバンクグループ株式会社に商号変更
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート2016「社長メッセージ」
    • [182]ニケシュ・アローラは2016年6月の任期満了に伴い代表取締役副社長を退任
    • [183]60歳になる誕生日(2017年8月)にニケシュ・アローラへ経営を引き継いでもらう考えであった
    • [184]少なくとも今後5年から10年は自身が引き続き当社を牽引するとの社長の表明
    • [185]2016年度に入り財務戦略の一環として、アリババ株式の一部・ガンホー株式の大部分・スーパーセル株式の全ての売却を決定
  • ソフトバンク アニュアルレポート2014「モバイルゲーム戦略」
    • [186]2013年度にガンホーとスーパーセルを子会社化
  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書 第37期(2017年3月期)連結財務諸表注記【企業結合】
    • [187]2016年7月18日 ARMの全株式を総額約240億ポンドで買い付ける条件に合意、2016年9月5日に支配を獲得
    • [188]ARMの取得原価3兆3,670億円
  • ソフトバンク 有価証券報告書 第34期(2014年3月期)連結財務諸表注記【企業結合】
    • [189]スプリントの取得原価2兆1,886億円
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート2017「社長メッセージ」
    • [190]アームの技術はスマートフォン用メインチップの95%以上に採用。2016年度にアームの技術を含むチップ177億個が出荷
    • [191]10年以上欲しいと思い続け、2016年9月にようやく買収できたとの社長の説明
    • [192]2016年度 営業利益1.0兆円(前年度比12.9%増)

第5章 2017年〜 ビジョン・ファンドの始動とエリオットの要求、4.5兆円の資産売却930億ドルのファンド組成からWeWorkの評価損、4.5兆円の資金化とアーム売却契約へ

2017年〜930億ドルのビジョン・ファンド組成とソフトバンク上場による2兆円の回収

2017年5月20日、ソフトバンクグループはソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)の初回クロージングを終えた。集めた出資コミットメントは930億ドル超(10.4兆円)で、うち自社の拠出は280億ドル(3.1兆円)にとどまった。残りはサウジアラビアの公共投資ファンド(PIF)、アブダビのムバダラ開発公社、アップルなどが約束した。2016年の1年間に世界のベンチャー・キャピタルが調達した総額は640億ドルで、SVFは単独でその額を上回った。翌年、孫正義会長兼社長は設立の理由を『従来式の一歩一歩手順を踏んでいくようなやり方では、とても間に合わない』と語った。外部資金を主軸に据えたのは、自己資本だけでは届かない投資の規模と速度を手に入れるためだったとみられる。

  • ソフトバンクグループ プレスリリース「ソフトバンク・ビジョン・ファンド、初回クロージングを完了」(2017年5月20日)
    • [193]2017年5月 ソフトバンク・ビジョン・ファンドの初回クロージングを完了
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート 2017「社長メッセージ」
    • [194]出資コミットメント930億ドル超(10.4兆円)、うちソフトバンクグループ分280億ドル(3.1兆円)(2017年5月20日現在)
    • [195]リミテッド・パートナーはPIF、ムバダラ開発公社、アップル、フォックスコン、クアルコム、シャープなど
    • [196]2016年の1年間に世界のベンチャー・キャピタルが調達した資金総額は640億ドル(約7兆円)
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第1四半期 決算説明会(2018年8月6日)
    • [197]AI革命に対し、社内の馴染みのある分野だけを手順を踏んで進めるやり方では間に合わないためSVFを作ったとの説明

孫氏はSVFを投資会社への転身とは位置づけず、出資先の持株比率を20%から40%程度に抑えて多数の企業と結ぶ群戦略の手段とした。2017年6月には、スプリント、SVF、アームの各責任者3名を取締役に迎えた。PIFで投資を統括するヤシル・アルルマヤン氏も社外取締役に加わった。ファンドの発表直後、市場にはベンチャー企業の評価額が高くなりすぎ、投資額も大きすぎるとの見方があった。過去18年間に44%前後あった投資のIRRを大きく下回るという予想である。2018年11月の説明会で孫氏は、SVFを加えたことで利益の加速が始まったと反論した。投資家の懸念と経営者の自負は、この時点で正面から食い違っていた。

  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第1四半期 決算説明会(2018年8月6日)
    • [198]SVFは単なる投資会社への転換ではなく、出資先の持株比率を20%から40%程度とする群戦略の方法論との説明
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート 2017「社長メッセージ」
    • [199]2017年6月 マルセロ・クラウレ、ラジーブ・ミスラ、サイモン・シガースの3名が取締役に就任
    • [200]PIFで投資を統括するヤシル・アルルマヤンが社外取締役に就任
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第2四半期 決算説明会(2018年11月5日)
    • [201]SVF発表時、ベンチャー企業の価値が高くなりすぎ、投資金額も大きすぎるとの見方があった
    • [202]過去18年間のソフトバンクの投資のIRRは44%程度で、これを大きく下回るとの予想があった
    • [203]SVFを事業に加えたことで「SoftBank 2.0」にふさわしい利益の加速が始まったとの説明

2018年12月、国内通信子会社のソフトバンクが東京証券取引所市場第一部に上場した。ソフトバンクグループが得た調達資金は2.0兆円で、成長投資7,000億円、負債返済7,000億円、自社株買い6,000億円に振り分けた。公開価格は1株1,500円であったが、上場後の株価はこれを下回って推移した。2019年2月の説明会では、子会社の株主を犠牲にして親会社の自社株買いの資金を作ったのではないかとの質問が出た。孫氏は、価格は証券会社や子会社の経営陣と協議して決めたと答えた。そのうえで、純利益約4,000億円に対しフリー・キャッシュ・フローが5,000億円を超えるとして、配当性向85%の持続性を説いた。通信事業が生む現金を投資の原資へ回す資本の流れが、ここで形を持ったといえる。

  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [204]2018年12月 ソフトバンク株式会社が東京証券取引所市場第一部に上場
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第3四半期 決算説明会資料(2019年2月6日)
    • [205]SBKK上場の調達資金2.0兆円の使途は投資予定資金7,000億円・負債返済7,000億円・自社株買付6,000億円
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第3四半期 決算説明会 質疑応答(2019年2月6日)
    • [206]ソフトバンク株式会社の公開価格は1,500円で、公開後は公開価格を下回って推移
    • [207]子会社株主の犠牲の上に親会社の自社株買い資金を得たのではないかとの質問
    • [208]公開価格は証券会社・ソフトバンク経営陣と十分に話し合って決めたとの回答
    • [209]子会社の純利益約4,000億円に対しフリー・キャッシュ・フローは5,000億円超、配当性向85%
参考文献[193]-[209]
  • ソフトバンクグループ プレスリリース「ソフトバンク・ビジョン・ファンド、初回クロージングを完了」(2017年5月20日)
    • [193]2017年5月 ソフトバンク・ビジョン・ファンドの初回クロージングを完了
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート 2017「社長メッセージ」
    • [194]出資コミットメント930億ドル超(10.4兆円)、うちソフトバンクグループ分280億ドル(3.1兆円)(2017年5月20日現在)
    • [195]リミテッド・パートナーはPIF、ムバダラ開発公社、アップル、フォックスコン、クアルコム、シャープなど
    • [196]2016年の1年間に世界のベンチャー・キャピタルが調達した資金総額は640億ドル(約7兆円)
    • [199]2017年6月 マルセロ・クラウレ、ラジーブ・ミスラ、サイモン・シガースの3名が取締役に就任
    • [200]PIFで投資を統括するヤシル・アルルマヤンが社外取締役に就任
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第1四半期 決算説明会(2018年8月6日)
    • [197]AI革命に対し、社内の馴染みのある分野だけを手順を踏んで進めるやり方では間に合わないためSVFを作ったとの説明
    • [198]SVFは単なる投資会社への転換ではなく、出資先の持株比率を20%から40%程度とする群戦略の方法論との説明
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第2四半期 決算説明会(2018年11月5日)
    • [201]SVF発表時、ベンチャー企業の価値が高くなりすぎ、投資金額も大きすぎるとの見方があった
    • [202]過去18年間のソフトバンクの投資のIRRは44%程度で、これを大きく下回るとの予想があった
    • [203]SVFを事業に加えたことで「SoftBank 2.0」にふさわしい利益の加速が始まったとの説明
  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [204]2018年12月 ソフトバンク株式会社が東京証券取引所市場第一部に上場
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第3四半期 決算説明会資料(2019年2月6日)
    • [205]SBKK上場の調達資金2.0兆円の使途は投資予定資金7,000億円・負債返済7,000億円・自社株買付6,000億円
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第3四半期 決算説明会 質疑応答(2019年2月6日)
    • [206]ソフトバンク株式会社の公開価格は1,500円で、公開後は公開価格を下回って推移
    • [207]子会社株主の犠牲の上に親会社の自社株買い資金を得たのではないかとの質問
    • [208]公開価格は証券会社・ソフトバンク経営陣と十分に話し合って決めたとの回答
    • [209]子会社の純利益約4,000億円に対しフリー・キャッシュ・フローは5,000億円超、配当性向85%

2019年〜WeWorkの評価損47億ドルと2020年3月期の営業損失1.4兆円

2019年11月6日の決算説明会は、7〜9月期の大幅な赤字の説明から始まった。前年上期に黒字をけん引したSVFが逆回転し、前年の営業利益と同じ規模の営業赤字を計上した。最大の要因はWeWorkで、SVFから30億ドル、本体から追加で45億ドルを投じていた。本体はこの四半期に47億ドルの評価損を営業外損失として計上した。孫氏は冒頭で、投資戦略はすべて失敗だとする報道にも正しい面があると認めた。そのうえで『これは私自身の投資判断がいろんな意味でまずかったと大いに反省しています』と述べた。赤字の額より先に自らの判断の誤りを認めることで、投資家の信認をつなぎとめる狙いがあったのだろう。

  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 第2四半期 決算説明会(2019年11月6日)
    • [210]四半期決算としては創業以来とみられる大赤字との冒頭説明
    • [211]SVFが前年の営業利益と同等額の営業赤字を計上
    • [212]WeWorkへSVFから30億ドル、SBGから追加45億ドルを投資
    • [213]WeWorkに関し47億ドルの評価損をSBGの営業外損失として計上
    • [214]投資戦略はすべて失敗との報道について、ある面では正しいとの認識
    • [215]WeWork問題について自身の投資判断の誤りを認め反省を表明

質疑では、創業者を見て投資先を選ぶはずの孫氏が、なぜWeWork創業者のアダム・ニューマン氏を見誤ったのかが問われた。孫氏は長所の価値を高く見過ぎたと認め、『マイナス部分の多くについては目をつぶってしまった』と答えた。反省点として挙げたのは評価額の高さとガバナンスの2つである。前者には、新たな財務支援で本体の株式取得価格をおよそ4分の1に下げて対処した。後者では、1株10票の議決権が上場後に20票へ増える仕組みを、取締役1枠しか持たないまま止められなかった。支援後は取締役10枠のうち5枠をソフトバンクグループとSVFが押さえ、ニューマン氏の権利を剥奪した。SVFのIRRが40%超から20%前後へ半減したことも、孫氏はこの場で認めた。

  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 第2四半期 決算発表 質疑応答(2019年11月6日)
    • [216]創業者を見て投資するという方針に対し、アダム・ニューマンを見誤ったのかとの質問
    • [217]長所の価値を高く見過ぎ、マイナス部分に目をつぶったとの回答
    • [218]反省点は価値を高く見過ぎたこととガバナンス問題の2点
    • [219]財務パッケージでSBGの株式調達価格を約4分の1に下げた
    • [220]1対10の投票権が上場後1対20に増えることを取締役会が認め、1名枠のSBGは食い止められなかった
    • [221]財務パッケージで取締役10名のうち5名をSBGとSVFが押さえ、ニューマンの権利を剥奪
    • [222]SVFのIRRは40%超から20%前後へ半減

2020年5月18日に公表した2020年3月期決算で、連結の営業損失は1,364,633百万円となった。主因は、SVFなどのファンドが抱える投資の未実現評価損失1.9兆円であった。親会社の所有者に帰属する当期損失は961,576百万円である。2019年10月に始動した2号ファンド(SVF2)には、予定していた外部の出資者が集まらなかった。2020年2月時点で孫氏は、本体の自己資金で投資を続けていると説明した。5月の質疑では、投資先88社のうち15社ほどは倒産し、別の15社ほどが価値の9割を生むとの見通しを示した。他人資本をてこにする設計は、評価損が重なった局面で出資者の側から揺らいだといえる。

  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2020年5月18日)
    • [223]2020年3月期 連結営業利益△1,364,633百万円
    • [224]SVFが期末に保有する投資の未実現評価損失(純額)1.9兆円
    • [225]2020年3月期 親会社の所有者に帰属する当期利益△961,576百万円
  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [226]2019年10月 ソフトバンク・ビジョン・ファンド2が活動を開始
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 第3四半期 決算説明会 質疑応答(2020年2月12日)
    • [227]SVF2はWeWork問題等で予定していた投資家に心配をかけ、SBG自らの資金で投資を継続しているとの説明
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算説明会 質疑応答(2020年5月18日)
    • [228]投資先88社のうち15社ほどは倒産し、15社ほどが投資価値の90%を生み出すとの見通し
参考文献[210]-[228]
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 第2四半期 決算説明会(2019年11月6日)
    • [210]四半期決算としては創業以来とみられる大赤字との冒頭説明
    • [211]SVFが前年の営業利益と同等額の営業赤字を計上
    • [212]WeWorkへSVFから30億ドル、SBGから追加45億ドルを投資
    • [213]WeWorkに関し47億ドルの評価損をSBGの営業外損失として計上
    • [214]投資戦略はすべて失敗との報道について、ある面では正しいとの認識
    • [215]WeWork問題について自身の投資判断の誤りを認め反省を表明
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 第2四半期 決算発表 質疑応答(2019年11月6日)
    • [216]創業者を見て投資するという方針に対し、アダム・ニューマンを見誤ったのかとの質問
    • [217]長所の価値を高く見過ぎ、マイナス部分に目をつぶったとの回答
    • [218]反省点は価値を高く見過ぎたこととガバナンス問題の2点
    • [219]財務パッケージでSBGの株式調達価格を約4分の1に下げた
    • [220]1対10の投票権が上場後1対20に増えることを取締役会が認め、1名枠のSBGは食い止められなかった
    • [221]財務パッケージで取締役10名のうち5名をSBGとSVFが押さえ、ニューマンの権利を剥奪
    • [222]SVFのIRRは40%超から20%前後へ半減
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2020年5月18日)
    • [223]2020年3月期 連結営業利益△1,364,633百万円
    • [224]SVFが期末に保有する投資の未実現評価損失(純額)1.9兆円
    • [225]2020年3月期 親会社の所有者に帰属する当期利益△961,576百万円
  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [226]2019年10月 ソフトバンク・ビジョン・ファンド2が活動を開始
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 第3四半期 決算説明会 質疑応答(2020年2月12日)
    • [227]SVF2はWeWork問題等で予定していた投資家に心配をかけ、SBG自らの資金で投資を継続しているとの説明
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算説明会 質疑応答(2020年5月18日)
    • [228]投資先88社のうち15社ほどは倒産し、15社ほどが投資価値の90%を生み出すとの見通し

2020年〜エリオットの要求、4.5兆円の資金化とエヌビディアへのアーム売却契約

2020年2月の質疑では、米投資ファンドのエリオット・マネジメントが求める2兆円の自社株買いと社外取締役の増員が問われた。孫氏は、エリオットの経営陣と会ったのは10日から2週間ほど前だと明かした。資金に余裕が出れば自社株買いをするという考えは自身の方針と一致するとし、6月の定時株主総会で社外役員を増やす準備も始めていると答えた。3月には新型コロナウイルスの感染拡大が世界の経済を揺さぶった。3月23日、ソフトバンクグループは保有資産から最大4.5兆円を資金化し、自社株買いと負債の削減に充てる計画を公表した。自社株買いは先行分の5,000億円を含めて2.5兆円の規模となった。

  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 第3四半期 決算説明会 質疑応答(2020年2月12日)
    • [229]エリオットの要求は自社株買い2兆円、社外取締役の増員、SVFの情報開示の改善の3点との質問
    • [230]エリオットの経営陣と直接会ったのは10日から2週間ほど前
    • [231]資金の余裕が出たら自社株買いをするのは基本的な考えと一致し、6月の定時株主総会で社外役員を増やすべく社内で検討を始めている
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算説明会(2020年5月18日)
    • [232]厳しい世界の経済状況、コロナショックのもとでの資金化の方針
    • [234]4.5兆円を資金化し2.5兆円の自社株買いを行う方針。最初の5,000億円を実施中
  • ソフトバンクグループ プレスリリース「SoftBank Announces JPY 4.5 trillion (USD 41 billion) Program to Repurchase Shares and Reduce Debt」(2020年3月23日)
    • [233]2020年3月23日 最大4.5兆円(410億ドル)の自社株買いと負債削減のためのプログラムを発表

財務の目安とする純有利子負債と保有株式価値の比率(LTV)は、内規で平常時25%未満としているところ、5月時点で14%まで下がっていた。資金化の第一弾はアリババ株を用いた先渡契約・フロア契約・カラー契約で、これにより1.25兆円を調達し、孫氏によれば2〜3週間のうちにアリババ株価をほぼ動かさずに現金へ換えられたという。4月1日にスプリントとTモバイルの合併が完了すると、Tモバイル株やソフトバンク株の一部も売っていった。過去の危機と比べてどうかと問われた孫氏の答えは『今回は余裕で崖の下を覗いているという状況じゃないかなと思います』であった。8月11日の説明会では、1年で4.5兆円という計画に対し、4.5カ月で4.3兆円を資金化したと報告した。

  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算説明会(2020年5月18日)
    • [235]LTVは平常時25%未満・異常時35%を内規とし、前回16%から14%へ
    • [236]第1弾としてアリババ株式を活用した先渡契約・フロア契約・カラー契約で合計1.25兆円を調達
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算説明会 質疑応答(2020年5月18日)
    • [237]2〜3週間で1.25兆円を市場にほとんど影響を与えずに現金化
    • [239]過去の危機との比較についての回答
  • ソフトバンクグループ 2021年3月期 第1四半期 決算説明会(2020年8月11日)
    • [238]2020年4月1日 スプリントとTモバイルの合併が完了。Tモバイル株の売却、SBKK株の一部売却を実施
    • [240]1年間で4.5兆円の資金化計画に対し、4.5カ月で4.3兆円を資金化(進捗95%)

2020年9月14日、ソフトバンクグループは子会社アームの全株式を米エヌビディアへ売却する契約を発表した。11月の質疑で孫氏は、アーム売却を含め約10兆円の資金化にめどが立ったとし、守りと攻めを同時に進めると語った。2021年3月期の親会社の所有者に帰属する当期利益は4兆9,879億円に達し、1年前の赤字から反転した。孫氏自身も、一時益と株高が重なった利益だという見方を否定しなかった。2021年のアニュアルレポートで孫氏は、自社を情報革命の資本家と定義し直した。最重要の指標とした時価純資産(NAV)は、3月末で26兆円であった。『投資家にとって最も重要なゴールはお金を作ることですが、資本家にとって最も重要なゴールは未来を創ることです』という一文は、純利益で測られることを退ける投資持株会社の自己規定であった。

  • ソフトバンクグループ プレスリリース「当社子会社Arm Limited 全株式の売却に関するお知らせ」(2020年9月14日)
    • [241]子会社Arm Limitedの全株式をNVIDIAへ売却する契約(最大400億ドル)を発表
  • ソフトバンクグループ 2021年3月期 第2四半期 決算説明会 質疑応答(2020年11月9日)
    • [242]エヌビディアへのアーム売却を含め約10兆円の資金化の目処が立ち、十分な守りを固めながら同時に攻めにいくとの説明
  • ソフトバンクグループ 2021年3月期 決算説明会(2021年5月12日)
    • [243]2021年3月期 親会社の所有者に帰属する当期利益4.99兆円
    • [244]純利益にはスプリントの一時益、世界的な株高、大型の新規上場が含まれるとの見方への言及
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート 2021「トップメッセージ」
    • [245]ソフトバンクグループを「情報革命の資本家」と定義し、最も重要な指標をNAV(時価純資産)とした
    • [246]NAV 26兆円(2021年3月末現在)
参考文献[229]-[246]
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 第3四半期 決算説明会 質疑応答(2020年2月12日)
    • [229]エリオットの要求は自社株買い2兆円、社外取締役の増員、SVFの情報開示の改善の3点との質問
    • [230]エリオットの経営陣と直接会ったのは10日から2週間ほど前
    • [231]資金の余裕が出たら自社株買いをするのは基本的な考えと一致し、6月の定時株主総会で社外役員を増やすべく社内で検討を始めている
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算説明会(2020年5月18日)
    • [232]厳しい世界の経済状況、コロナショックのもとでの資金化の方針
    • [234]4.5兆円を資金化し2.5兆円の自社株買いを行う方針。最初の5,000億円を実施中
    • [235]LTVは平常時25%未満・異常時35%を内規とし、前回16%から14%へ
    • [236]第1弾としてアリババ株式を活用した先渡契約・フロア契約・カラー契約で合計1.25兆円を調達
  • ソフトバンクグループ プレスリリース「SoftBank Announces JPY 4.5 trillion (USD 41 billion) Program to Repurchase Shares and Reduce Debt」(2020年3月23日)
    • [233]2020年3月23日 最大4.5兆円(410億ドル)の自社株買いと負債削減のためのプログラムを発表
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算説明会 質疑応答(2020年5月18日)
    • [237]2〜3週間で1.25兆円を市場にほとんど影響を与えずに現金化
    • [239]過去の危機との比較についての回答
  • ソフトバンクグループ 2021年3月期 第1四半期 決算説明会(2020年8月11日)
    • [238]2020年4月1日 スプリントとTモバイルの合併が完了。Tモバイル株の売却、SBKK株の一部売却を実施
    • [240]1年間で4.5兆円の資金化計画に対し、4.5カ月で4.3兆円を資金化(進捗95%)
  • ソフトバンクグループ プレスリリース「当社子会社Arm Limited 全株式の売却に関するお知らせ」(2020年9月14日)
    • [241]子会社Arm Limitedの全株式をNVIDIAへ売却する契約(最大400億ドル)を発表
  • ソフトバンクグループ 2021年3月期 第2四半期 決算説明会 質疑応答(2020年11月9日)
    • [242]エヌビディアへのアーム売却を含め約10兆円の資金化の目処が立ち、十分な守りを固めながら同時に攻めにいくとの説明
  • ソフトバンクグループ 2021年3月期 決算説明会(2021年5月12日)
    • [243]2021年3月期 親会社の所有者に帰属する当期利益4.99兆円
    • [244]純利益にはスプリントの一時益、世界的な株高、大型の新規上場が含まれるとの見方への言及
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート 2021「トップメッセージ」
    • [245]ソフトバンクグループを「情報革命の資本家」と定義し、最も重要な指標をNAV(時価純資産)とした
    • [246]NAV 26兆円(2021年3月末現在)

第6章 2022年〜 アーム売却の破談と巨額損失、アームのナスダック上場とStargate Projectエヌビディアへのアーム売却中止からOpenAIへの646億ドル出資への転回

2022年〜エヌビディアへの売却中止と2期で2兆6,781億円の最終損失、アリババ株の資金化

孫正義氏(代表取締役会長兼社長執行役員)は6月の株主総会で、アームの売却契約を結んだころを振り返った。コロナ禍で資金が細り、売るほかに手はないと考えていたという。アームの全株式をエヌビディアへ譲渡するその取り決めは2022年2月8日に解消が発表され、ソフトバンクグループはアームを上場させる方向へ切り替えて、2022年度の上場を目標に据えた。アームではレネ・ハース氏がCEO、インダー・シン氏がCFOとなる新体制が始まった。米国や欧州などの当局は、半導体で存在感を増すエヌビディアがアームを握れば強くなりすぎるとして承認しなかった。孫氏はそのうえで、『言い訳抜きに許認可が下りなくて良かったな、アームが手元に戻ってきて良かったと正直に思っています』と語った。阻まれた売却を中核資産の回復と語り直した点が、以後の打ち手の起点であったとみられる。

  • ソフトバンクグループ 第42回定時株主総会(2022年6月24日)
    • [247]売却契約の当時はコロナが始まり資金が無く、エヌビディアに売るほかないと考えていたとの孫正義の回顧
    • [250]売却中止の合意と併せ、レネ・ハースCEO・インダー・シンCFOを中心とするアームの新経営体制を発表
    • [251]米国・欧州など主要国が、エヌビディアがアームまで手にすれば強すぎるとして買収に反対し、許認可が下りなかった
    • [252]許認可が下りずアームが手元に戻ったことを良かったとする孫正義の発言
  • ソフトバンクグループ 2022年3月期第3四半期 決算説明会資料(2022年2月8日)
    • [248]2022年2月8日 アームの全株式のエヌビディアへの売却契約を解消し、アームの株式上場の準備に入ると発表
    • [249]アームは2022年度の上場を目指す

2022年3月期の純損失は1兆7,080億円に達した。続く2022年4〜6月期の赤字は約3兆円に上り、前の四半期と合わせて約5兆円に達した。孫氏は8月の決算説明会で、大きな赤字が2四半期続くのは創業以来初めてだと認め、前年度の利益が帳消しになったと説明した。4〜6月期の損失はSVFの約2.3兆円に為替差損8,200億円が重なったもので、時価総額約9兆円に対して3分の1の規模であった。孫氏は新規投資を絞る理由に全滅の危険を挙げ、『全滅だけは絶対に避けなければいけないと思っています』と述べた。LTVは14.5%まで下がり、手元の現金は2年分の社債償還額の倍を超えていた。同年のCFOメッセージも、当面は守りに徹すると掲げた。

  • ソフトバンクグループ 第42回定時株主総会(2022年6月24日)
    • [253]2021年度(2022年3月期)の純損失1兆7,080億円
  • ソフトバンクグループ 2023年3月期第1四半期 決算説明会 孫正義 説明(2022年8月8日)
    • [254]2022年4〜6月期の赤字は約3兆円、前四半期の約2兆円と合わせ約5兆円
    • [255]創業以来初めて2四半期連続で大きな赤字を出し、前年の約5兆円の利益に相当する部分を吐き出したとの孫正義の説明
    • [256]税引き後でSVF約2.3兆円の赤字、為替差損8,200億円。時価総額約9兆円の会社が3カ月で3兆円の赤字
    • [257]SVF2の新規投資を徹底的に厳選して減らし、大きなビジョンを一方的に追い求めると全滅の危険があるとの孫正義の説明
    • [258]LTVは14.5%に改善、手元現金は今後2年分の社債償還額の倍以上
  • ソフトバンクグループ ソフトバンクグループレポート2022
    • [259]CFOメッセージの見出し「当面は『守りに徹する』」

守りの財源となったのは、2000年に出資したアリババの株式であった。取締役専務執行役員CFOの後藤芳光氏は2022年11月、アリババ株のマージンローンを返済し、デリバティブ取引へ切り替えたと明かした。売却を先物で確定させながら、資金調達も続けられる点を理由に挙げている。2023年5月には、残る株式もほぼすべてを1〜2年後に決済する先渡取引に充てたと説明した。2023年3月期は先渡売買契約の現物決済で、持株会社投資事業が4兆5,606億円の投資利益を計上した。それでもSVF事業の損失が響き、純損失は9,701億円となった。3月末のLTVは11%、手元流動性は5.1兆円で、2年分の社債償還資金1.5兆円を大きく上回った。20年余り抱えた含み益資産を、守りの原資へ振り替えた2年間であった。

  • ソフトバンクグループ ソフトバンクグループレポート2022
    • [260]2000年 アリババに出資
  • ソフトバンクグループ 2023年3月期第2四半期 投資家コール質疑応答録(2022年11月11日)
    • [261]アリババ株のマージンローンを終了し、デリバティブ取引によるファイナンスに切り替えたとの後藤芳光の回答
    • [262]株価を見つつ売却を先物として確定させながら、ファイナンスを継続できるデリバティブ取引の方が戦略上適しているとの後藤芳光の説明
  • ソフトバンクグループ 2023年3月期決算 質疑応答録(2023年5月11日)
    • [263]保有していたアリババ株の残りもほぼ全てファイナンスに活用し、1年後または2年後に決済するフォワード取引となっているとの後藤芳光の回答
  • ソフトバンクグループ 第43回定時株主総会(2023年6月21日)
    • [264]2022年度 アリババ株式先渡売買契約の早期現物決済などにより持株会社投資事業で4兆5,606億円の投資利益
    • [265]2022年度 SVF事業で損失を計上し、純損失9,701億円
    • [266]2023年3月末のLTV 11%、手元流動性5.1兆円、今後2年分の社債償還資金1.5兆円
参考文献[247]-[266]
  • ソフトバンクグループ 第42回定時株主総会(2022年6月24日)
    • [247]売却契約の当時はコロナが始まり資金が無く、エヌビディアに売るほかないと考えていたとの孫正義の回顧
    • [250]売却中止の合意と併せ、レネ・ハースCEO・インダー・シンCFOを中心とするアームの新経営体制を発表
    • [251]米国・欧州など主要国が、エヌビディアがアームまで手にすれば強すぎるとして買収に反対し、許認可が下りなかった
    • [252]許認可が下りずアームが手元に戻ったことを良かったとする孫正義の発言
    • [253]2021年度(2022年3月期)の純損失1兆7,080億円
  • ソフトバンクグループ 2022年3月期第3四半期 決算説明会資料(2022年2月8日)
    • [248]2022年2月8日 アームの全株式のエヌビディアへの売却契約を解消し、アームの株式上場の準備に入ると発表
    • [249]アームは2022年度の上場を目指す
  • ソフトバンクグループ 2023年3月期第1四半期 決算説明会 孫正義 説明(2022年8月8日)
    • [254]2022年4〜6月期の赤字は約3兆円、前四半期の約2兆円と合わせ約5兆円
    • [255]創業以来初めて2四半期連続で大きな赤字を出し、前年の約5兆円の利益に相当する部分を吐き出したとの孫正義の説明
    • [256]税引き後でSVF約2.3兆円の赤字、為替差損8,200億円。時価総額約9兆円の会社が3カ月で3兆円の赤字
    • [257]SVF2の新規投資を徹底的に厳選して減らし、大きなビジョンを一方的に追い求めると全滅の危険があるとの孫正義の説明
    • [258]LTVは14.5%に改善、手元現金は今後2年分の社債償還額の倍以上
  • ソフトバンクグループ ソフトバンクグループレポート2022
    • [259]CFOメッセージの見出し「当面は『守りに徹する』」
    • [260]2000年 アリババに出資
  • ソフトバンクグループ 2023年3月期第2四半期 投資家コール質疑応答録(2022年11月11日)
    • [261]アリババ株のマージンローンを終了し、デリバティブ取引によるファイナンスに切り替えたとの後藤芳光の回答
    • [262]株価を見つつ売却を先物として確定させながら、ファイナンスを継続できるデリバティブ取引の方が戦略上適しているとの後藤芳光の説明
  • ソフトバンクグループ 2023年3月期決算 質疑応答録(2023年5月11日)
    • [263]保有していたアリババ株の残りもほぼ全てファイナンスに活用し、1年後または2年後に決済するフォワード取引となっているとの後藤芳光の回答
  • ソフトバンクグループ 第43回定時株主総会(2023年6月21日)
    • [264]2022年度 アリババ株式先渡売買契約の早期現物決済などにより持株会社投資事業で4兆5,606億円の投資利益
    • [265]2022年度 SVF事業で損失を計上し、純損失9,701億円
    • [266]2023年3月末のLTV 11%、手元流動性5.1兆円、今後2年分の社債償還資金1.5兆円

2023年〜アームのナスダック上場とSVF1からの25%買い取り、ASIの宣言

孫氏はここ2年ほど、決算発表や顧客への対応を後藤氏らに預け、自らはアームの仕事に絞って取り組んでいた。2023年6月の株主総会では会社側が、2022年度は他に先駆けて守りを固め、資金化と負債削減を進めて投資を大きく絞ったと振り返り、2023年度は財務方針を崩さずに、守りにも攻めにも動ける財務運営へ移ると述べた。孫氏も同じ場で、アームの力を軸にAI関連の発明に没頭していることを明かし、深夜にしたためた発明ノートを写真で送れば、3交代制の社長室が土日を問わず5分以内に手続きへ移る体制を取っていたと語った。大赤字を恥じて表に出ないという見方を否定したうえで、孫氏は『そろそろ反転攻勢の時期がやってきそうだ』と語った。2期続いた守りの局面に区切りを付ける合図として置かれた発言であったと推察される。

  • ソフトバンクグループ 第44回定時株主総会(2024年6月21日)
    • [267]2年ほど前からアーム1本に専念し、決算発表や顧客対応を後藤芳光らに任せたとの孫正義の説明
  • ソフトバンクグループ 第43回定時株主総会(2023年6月21日)
    • [268]2022年度は市場環境の大きな変化を受けていち早く守りを徹底する姿勢に転換し、資金化・負債削減・投資の大幅抑制を実施
    • [269]2023年度も財務方針を堅持しつつ、守りと攻めの両面に対応できるよう柔軟かつ機動的な財務運営を行う
    • [270]アームの力を中核として、AIが人類の未来に与える影響の根源となる発明・発案を行っているとの孫正義の説明
    • [271]夜中に発明ノートに書いて写真を送ると、3シフト制の社長室が5分以内に手続に入る体制を土日も夜中も敷いている
    • [272]大赤字を出して恥ずかしくて引っ込んでいるとの説を否定し、反転攻勢の時期が近いと述べた孫正義の発言

アームは2023年9月、米国のNasdaq Global Select Marketに上場した。会社側はこれを半導体業界で史上最大規模の上場と位置づけている。ソフトバンクグループはSVF1からアーム株式の25%分を買い取っており、対価は4回に分けて払い、残る3回を2年のうちに払う取り決めであった。上場で保有株式に占める上場株の比率は6割を超えた。後藤氏はこれを格付機関にとって好材料のはずだとし、格上げに動かない判断を不合理だと批判した。アームの2023年度の売上高は32億ドルと過去最高に達した。2024年3月期の純損失は2,276億円まで縮まり、3月末のLTVは8.4%であった。

  • ソフトバンクグループ 第44回定時株主総会(2024年6月21日)
    • [273]2023年9月 アームが米国Nasdaq Global Select Marketに上場
    • [274]半導体業界史上最大規模の上場
    • [278]アームの2023年度売上高は史上最高の32億米ドル
    • [279]2023年度(2024年3月期)の純損失2,276億円
    • [280]2024年3月末のLTV 8.4%
  • ソフトバンクグループ 2024年3月期第2四半期 投資家向け説明会質疑応答録(2023年11月9日)
    • [275]SBGがSVF1からアーム株式の25%分を買い取り、支払いは4回に分割、向こう2年間で残り3回
  • ソフトバンクグループ 2024年3月期第2四半期 Global Conference Call 質疑応答録(2023年11月9日)
    • [276]アームの上場により上場株比率は6割を超えた
    • [277]上場株比率の上昇は格付機関にとってポジティブなデータのはずだが、格上げに動こうとしない格付機関の考え方は合理的でないとの後藤芳光の回答

2024年6月の株主総会で孫氏は、株主価値が1年で20兆円増えた理由をアームの一語で説明した。2016年に3.3兆円で買った際には、4割のプレミアムを払い過ぎだとの批判を浴びていた会社である。同じ場で孫氏は、グループの使命を人類の進化と定め、その中身をASI(人工超知能)の実現だと表明した。この使命を決めたのは2023年6月11日で、公表までの1年をその問いだけに費やしたという。同年の統合報告書のトップメッセージでは、本業を変えたことは一度も無く、技術の進化に合わせて手段を変えてきたにすぎないと位置づけ直している。投資会社としての看板を、ASIという一つの目的へ束ね直した宣言であり、次の年の資本配分の向きはここで決まったとみられる。

  • ソフトバンクグループ 第44回定時株主総会(2024年6月21日)
    • [281]株主価値が1年間で20兆円増えた理由は一言で言うとアームとの孫正義の説明
    • [282]アームを3.3兆円で買収した際、40%のプレミアムを払い、払い過ぎとの批判を受けた
    • [283]ソフトバンクグループの使命は人類の進化であり、その手段はASIの実現との孫正義の表明
    • [284]ASIの実現を使命と決意したのは2023年6月11日で、1年間この1点だけを考え続けたとの孫正義の説明
  • ソフトバンクグループ ソフトバンクグループレポート2024 トップメッセージ
    • [285]本業を変えたことは一度もなく、テクノロジーの進化に伴って手段を進化させてきたに過ぎず、新たな手段がASIの実現との孫正義の説明
参考文献[267]-[285]
  • ソフトバンクグループ 第44回定時株主総会(2024年6月21日)
    • [267]2年ほど前からアーム1本に専念し、決算発表や顧客対応を後藤芳光らに任せたとの孫正義の説明
    • [273]2023年9月 アームが米国Nasdaq Global Select Marketに上場
    • [274]半導体業界史上最大規模の上場
    • [278]アームの2023年度売上高は史上最高の32億米ドル
    • [279]2023年度(2024年3月期)の純損失2,276億円
    • [280]2024年3月末のLTV 8.4%
    • [281]株主価値が1年間で20兆円増えた理由は一言で言うとアームとの孫正義の説明
    • [282]アームを3.3兆円で買収した際、40%のプレミアムを払い、払い過ぎとの批判を受けた
    • [283]ソフトバンクグループの使命は人類の進化であり、その手段はASIの実現との孫正義の表明
    • [284]ASIの実現を使命と決意したのは2023年6月11日で、1年間この1点だけを考え続けたとの孫正義の説明
  • ソフトバンクグループ 第43回定時株主総会(2023年6月21日)
    • [268]2022年度は市場環境の大きな変化を受けていち早く守りを徹底する姿勢に転換し、資金化・負債削減・投資の大幅抑制を実施
    • [269]2023年度も財務方針を堅持しつつ、守りと攻めの両面に対応できるよう柔軟かつ機動的な財務運営を行う
    • [270]アームの力を中核として、AIが人類の未来に与える影響の根源となる発明・発案を行っているとの孫正義の説明
    • [271]夜中に発明ノートに書いて写真を送ると、3シフト制の社長室が5分以内に手続に入る体制を土日も夜中も敷いている
    • [272]大赤字を出して恥ずかしくて引っ込んでいるとの説を否定し、反転攻勢の時期が近いと述べた孫正義の発言
  • ソフトバンクグループ 2024年3月期第2四半期 投資家向け説明会質疑応答録(2023年11月9日)
    • [275]SBGがSVF1からアーム株式の25%分を買い取り、支払いは4回に分割、向こう2年間で残り3回
  • ソフトバンクグループ 2024年3月期第2四半期 Global Conference Call 質疑応答録(2023年11月9日)
    • [276]アームの上場により上場株比率は6割を超えた
    • [277]上場株比率の上昇は格付機関にとってポジティブなデータのはずだが、格上げに動こうとしない格付機関の考え方は合理的でないとの後藤芳光の回答
  • ソフトバンクグループ ソフトバンクグループレポート2024 トップメッセージ
    • [285]本業を変えたことは一度もなく、テクノロジーの進化に伴って手段を進化させてきたに過ぎず、新たな手段がASIの実現との孫正義の説明

2025年〜Stargate Projectの5,000億ドル計画とOpenAIへの646億ドル出資、保有株の入れ替え

2025年1月21日、米国のホワイトハウスでStargate Projectが発表された。米国内にAIインフラを築く計画で、ソフトバンクグループとOpenAIを軸に、OracleとアブダビのMGXを加えた4社で始まった。後藤氏は2月の決算説明会で、孫氏がChairmanを務め、運営と技術はOpenAI、財務はソフトバンクグループが主導すると説明した。投資は4年間で5,000億ドルを計画し、まず1,000億ドルから着手するとした。資金は自らの資産や現金で積み上げず、案件ごとに貸し手と出資者を募って賄う方針も示した。同日の電話会議では、出資比率は協議中で未開示としつつ、ソフトバンクグループとOpenAIの2社が中心になると答えた。自己資金を細らせない設計は、LTVの上限を前提に組まれたと考えられる。

  • ソフトバンクグループ 2025年3月期第3四半期 決算説明会(2025年2月12日)
    • [286]2025年1月21日 米国ホワイトハウスでStargate Projectを発表
    • [287]SBGとOpenAIの2社がリードパートナーとなり、OracleとアブダビのMGXを加えた4社(初期投資者)でスタート
    • [288]Chairmanは孫正義、運営面・技術面はOpenAI、財務はSBGが主導するとの後藤芳光の説明
    • [289]今後4年間で5,000億米ドルの投資を計画し、まず1,000億米ドルの投資を開始
    • [290]自らのアセットや現金を積み上げて使うのではなく、プロジェクトを組んでレンダーとエクイティ投資家とともに進めるとの後藤芳光の説明
  • ソフトバンクグループ 2025年3月期第3四半期 Global Conference Call 質疑応答録(2025年2月12日)
    • [291]Stargateのエクイティ出資割合は議論中で未開示、SBGとOpenAIの2社が中心になるとの後藤芳光の回答

2025年3月31日、ソフトバンクグループはOpenAIへ最大400億ドル、5兆9,808億円を追加出資することで最終合意した。うち100億ドルは外部投資家へ割り当てる予定で、実質の出資額は最大300億ドルとなる見込みであった。目的は、ASIの実現を使命とするなかで、AGIに最も近いとみられるOpenAIを最重要の相手に据えることにあった。同じ3月には、データセンター向け半導体の設計企業である米Ampere Computingの65億ドルでの買収も発表している。孫氏は6月の株主総会で、10年後の会社の姿として『ASIの世界最大、世界No.1のプラットフォーマーになりたい』と語った。2025年3月期の純利益は1兆1,533億円で、4年ぶりに黒字へ戻っていた。

  • ソフトバンクグループ「OpenAI への追加出資に関するお知らせ」(2025年4月1日)
    • [292]2025年3月31日(米国時間)OpenAI Globalに最大400億米ドル(5兆9,808億円)を追加出資することで最終合意
    • [293]400億米ドルのうち100億米ドルを外部投資家にシンジケーションする予定で、実質的な出資額は最大300億米ドルの見込み
    • [294]ASIの実現を使命に掲げる中、AGIの実現に最も近いと見られるOpenAIを最重要パートナーと位置づける
  • ソフトバンクグループ 第45回定時株主総会(2025年6月27日)
    • [295]2025年3月 米国のAmpere Computingの買収を発表
    • [297]10年後に何をした会社かと言われたとき、ASIの世界No.1のプラットフォーマーになりたいとの孫正義の発言
    • [298]2024年度(2025年3月期)の純利益1兆1,533億円、4年ぶりの黒字
  • ソフトバンクグループ 2026年3月期第2四半期 決算短信(2025年11月11日)
    • [296]2025年3月に発表した米国の半導体設計企業Ampereの買収対価65億米ドル

払い込みの資金は保有株の売却と借入で賄い、2025年6月から9月にTモバイル株4,020万株を91.7億ドルで売った。10月にはNVIDIA株3,210万株を58.3億ドルで全て手放した。OpenAIへの初回払い込みでは85億ドルをブリッジローンで借り、11月にはアーム株担保のローン枠を200億ドルへ広げた。後藤氏は同月、すべて借入で賄えばLTVが悪化すると説明し、『既存の資産を売却して新たな投資に振り向けることも重要なテーマです』と語った。OpenAIへの累計投資額は2026年10月に646億ドルとなる見込みである。2026年3月期の純利益は5兆23億円と過去最高に達した。かつてのアームの売却先の株を売り、AIモデルの会社へ資金を移した点に、4年間の転回が表れていた。

  • ソフトバンクグループ 2026年3月期第2四半期 決算短信(2025年11月11日)
    • [299]2025年6月から9月にかけてTモバイル株式40.2百万株を91.7億米ドルで売却
    • [300]2025年10月 NVIDIA株32.1百万株を58.3億米ドルで全売却
    • [301]OpenAI Globalへの追加出資(ファーストクロージング)に際し、85億米ドルをブリッジローンで借入
    • [302]2025年11月 アーム株式を利用したマージンローンの借入枠を135億米ドルから200億米ドルへ増額
  • ソフトバンクグループ 2026年3月期第2四半期 Global Conference Call 質疑応答録(2025年11月11日)
    • [303]LTV25%を維持するため、必要資金を全てデットで調達するとLTVは悪化し、資産の入れ替えが重要なテーマとの後藤芳光の回答
  • ソフトバンクグループ 第46回定時株主総会(2026年6月24日)
    • [304]OpenAIへの追加出資により、2026年10月には累計投資額が646億米ドルになる見込み
    • [305]2025年度(2026年3月期)の純利益5兆23億円で過去最高
参考文献[286]-[305]
  • ソフトバンクグループ 2025年3月期第3四半期 決算説明会(2025年2月12日)
    • [286]2025年1月21日 米国ホワイトハウスでStargate Projectを発表
    • [287]SBGとOpenAIの2社がリードパートナーとなり、OracleとアブダビのMGXを加えた4社(初期投資者)でスタート
    • [288]Chairmanは孫正義、運営面・技術面はOpenAI、財務はSBGが主導するとの後藤芳光の説明
    • [289]今後4年間で5,000億米ドルの投資を計画し、まず1,000億米ドルの投資を開始
    • [290]自らのアセットや現金を積み上げて使うのではなく、プロジェクトを組んでレンダーとエクイティ投資家とともに進めるとの後藤芳光の説明
  • ソフトバンクグループ 2025年3月期第3四半期 Global Conference Call 質疑応答録(2025年2月12日)
    • [291]Stargateのエクイティ出資割合は議論中で未開示、SBGとOpenAIの2社が中心になるとの後藤芳光の回答
  • ソフトバンクグループ「OpenAI への追加出資に関するお知らせ」(2025年4月1日)
    • [292]2025年3月31日(米国時間)OpenAI Globalに最大400億米ドル(5兆9,808億円)を追加出資することで最終合意
    • [293]400億米ドルのうち100億米ドルを外部投資家にシンジケーションする予定で、実質的な出資額は最大300億米ドルの見込み
    • [294]ASIの実現を使命に掲げる中、AGIの実現に最も近いと見られるOpenAIを最重要パートナーと位置づける
  • ソフトバンクグループ 第45回定時株主総会(2025年6月27日)
    • [295]2025年3月 米国のAmpere Computingの買収を発表
    • [297]10年後に何をした会社かと言われたとき、ASIの世界No.1のプラットフォーマーになりたいとの孫正義の発言
    • [298]2024年度(2025年3月期)の純利益1兆1,533億円、4年ぶりの黒字
  • ソフトバンクグループ 2026年3月期第2四半期 決算短信(2025年11月11日)
    • [296]2025年3月に発表した米国の半導体設計企業Ampereの買収対価65億米ドル
    • [299]2025年6月から9月にかけてTモバイル株式40.2百万株を91.7億米ドルで売却
    • [300]2025年10月 NVIDIA株32.1百万株を58.3億米ドルで全売却
    • [301]OpenAI Globalへの追加出資(ファーストクロージング)に際し、85億米ドルをブリッジローンで借入
    • [302]2025年11月 アーム株式を利用したマージンローンの借入枠を135億米ドルから200億米ドルへ増額
  • ソフトバンクグループ 2026年3月期第2四半期 Global Conference Call 質疑応答録(2025年11月11日)
    • [303]LTV25%を維持するため、必要資金を全てデットで調達するとLTVは悪化し、資産の入れ替えが重要なテーマとの後藤芳光の回答
  • ソフトバンクグループ 第46回定時株主総会(2026年6月24日)
    • [304]OpenAIへの追加出資により、2026年10月には累計投資額が646億米ドルになる見込み
    • [305]2025年度(2026年3月期)の純利益5兆23億円で過去最高

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歴史年表 1981〜2025年

ソフトバンクグループの沿革1981〜2025年における主な出来事を抜粋

時代年月社長・CEO出来事重要度
1981〜1989年卸機能の創出と出版への多角化孫正義日本ソフトバンクの創業

1981年9月、米国留学から帰った孫正義氏が福岡市で株式会社日本ソフトバンクを設立し、パソコン用パッケージソフトの卸売業に乗り出した経営判断。書籍取次に相当する卸機能の空白を突き、ソフトハウス・小売店・ユーザを1社で結ぶ流通を設計した。

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★★★
孫正義月刊「Oh! PC」・月刊「Oh! MZ」を創刊★★
大森康彦大森康彦氏が社長に就任★★
大森康彦売上高115億円を計上★
孫正義孫正義氏が社長に復帰★★
1990〜1999年流通業から投資会社への転換孫正義ソフトバンクに商号変更★★
孫正義日本証券業協会に株式を店頭登録★★
孫正義第1回無担保普通社債を発行★
孫正義米国企業との共同出資による国内法人の設立と日本での事業展開

1996年1月、ソフトバンクが米ヤフーとの合弁で日本法人"ヤフー株式会社"を設立し、日本の検索ポータルに最先発で参入した経営判断。ソフトバンク60%・米ヤフー40%の出資で日本法人を握り、同年4月には米ヤフー本体へ35%・100億円を追加出資して創業者を上回る筆頭株主となった。社員数名のベンチャーへの出資が、のちにグループ最大級の含み資産へ育った。

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★★
孫正義キングストンテクノロジーを買収★
孫正義相次ぐ買収による急膨張と、それに向けられた市場の視線

1994年の株式公開を機に、ソフトバンクがソフトウェア流通・出版から企業買収と投資へ軸を移し、米ジフ・デービスやコムデックスなどを相次いで買収した経営判断。1996〜1997年には、売上を超える有利子負債を抱えた連続買収に市場の懸念が高まったが、孫正義氏は『買収はやり続ける』と拡大の継続を明言した。

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★★
孫正義東京証券取引所市場第一部に上場★
孫正義純粋持株会社に移行★★
2000〜2011年ブロードバンド参入とボーダフォン日本法人の買収による通信事業化孫正義ネットバブル崩壊下の資産圧縮と銀行取得

2000年、米ナスダック発のネットバブル崩壊のなかで、ソフトバンクが保有する投資先株式を選別して売却し、有利子負債の圧縮と事業の整理を進めた経営判断。同じ2000年には、批判を受けながら破綻・国有化されていた日本債券信用銀行(のちのあおぞら銀行)を買収し、金融へ関与した。

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★★
孫正義Alibaba.com Corporationに出資し関連会社化★★
孫正義日本債券信用銀行を買収★★
孫正義自前の通信インフラ事業への参入と、それが招いた経営の危機

2001年、ソフトバンクが"Yahoo!BB"ブランドでADSLに参入し、モデムの無料配布などの莫大な先行投資でシェアを取りにいった経営判断。参入直後の2002年度はブロードバンド事業が売上を超える巨額の赤字を計上し、事業売却=解体しかないとまで報じられたが、孫正義氏は投資を続け、参入5年目に黒字転換した。

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★★★
孫正義ブロードバンド事業で営業損失179億円を計上★
孫正義ブロードバンド事業の営業損失が962億円に拡大★
孫正義固定・携帯通信への布石

2004年7月、ソフトバンクが固定通信事業者の日本テレコムを約3,400億円で買収した経営判断。法人向け固定通信の顧客基盤600万ユーザーと光ファイバー事業を確保し、Yahoo!BBで築いた先行投資型の消費者事業モデルを法人・通信領域へ広げるとともに、携帯電話への参入をにらんだ足場とした。

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★★
孫正義球団保有への進出

2004年秋、ソフトバンクが福岡ダイエーホークスの買収に名乗りを上げ、球団の興行権を丸ごと買い取る形で交渉を進めた経営判断。当初は本命視されなかったが交渉をまとめ、2005年に福岡ソフトバンクホークスとして球団を保有した。消費者向けブランドYahoo!BBの知名度づくりに、プロ野球という露出装置を組み込む一手であった。

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★★
孫正義ブロードバンド事業が黒字転換★
孫正義ボーダフォンの日本法人を子会社化★★★
孫正義「ソフトバンク新30年ビジョン」を発表★★
孫正義携帯基地局の整備・増強に2500億円を投資★
2012〜2016年スプリント買収とアリババ上場、ソフトバンクグループへの改称とアーム買収孫正義営業利益6752億円を計上★
孫正義スプリント株の70%取得を発表★★
孫正義スプリントの買収総額を216億ドルへ引き上げ★
孫正義大型買収を足がかりとした北米携帯市場への進出と海外展開の本格化

ソフトバンクが2012年10月15日にスプリントとの合併契約を締結し、2013年7月10日に支配を獲得した買収。投資総額は約216億米ドルで、取得原価は2兆1,886億円、取得した持分は完全希薄化ベースで約78%であった。国内キャリアから北米の巨大市場へ進出した経営判断である。

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★★★
孫正義アリババがニューヨーク証券取引所に上場★
孫正義国内通信4社が合併★
孫正義ソフトバンクグループに商号変更★★
孫正義アリババ株の一部を売却★★
孫正義アームの買収を発表★★
孫正義IoT・AI時代を見据えた3.3兆円という過去最大規模の投資

2016年7月18日、ソフトバンクグループがARMホールディングスの発行済株式および発行予定株式の全部を総額約240億ポンド(約3.3兆円)の現金で買い付ける条件に合意し、同年9月5日に支配を獲得して完全子会社とした経営判断。連結上の取得原価は3兆3,670億円で、同社にとって過去最大規模の買収であった。

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★★★
2017〜2021年ビジョン・ファンドの始動とエリオットの要求、4.5兆円の資産売却孫正義巨大ファンドによる投資会社への転身

2017年5月、ソフトバンクグループが運用総額986億ドル(約10兆円)のソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF1)を組成し、サウジアラビアのPIFを中心とする外部資金でUber・WeWorkなど大型ベンチャーへ1社数十億ドルを投じた経営判断。自己資金331億ドルに対し外部資金655億ドルをてこにする構造で、事業会社から投資会社への傾斜を決定づけた。

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★★★
孫正義ソフトバンクが東京証券取引所市場第一部に上場★★
孫正義ソフトバンク・ビジョン・ファンド2が活動を開始★★
孫正義エリオット・マネジメントが自社株買いを要求★★
孫正義株価が1日で17%強下落★
孫正義4.5兆円資産売却・2.5兆円自社株買い

2020年3月、ソフトバンクグループが最大4.5兆円(410億ドル)の保有資産を売却・資金化し、最大2兆円の追加自社株買いと有利子負債の圧縮に充てると発表した経営判断。同月13日に公表した5,000億円分と合わせ、自社株買いは計2.5兆円規模となった。この発表は、物言う株主エリオット・マネジメントが大規模な株主還元とガバナンス改善を求めた直後に置かれた。

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★★
孫正義親会社の所有者に帰属する純損失9615億円を計上★★
孫正義スプリントが子会社から除外★★
孫正義米——最大400億ドルの契約と、規制が壊した世紀のディール

2020年9月14日、ソフトバンクグループが、2016年に約3.3兆円で買収した英半導体設計アームの全株式を、米エヌビディアへ最大400億ドル(約4.2兆円)で売却する契約を発表した経営判断。英国・中国・EU・米国の規制当局の承認を得られず、2022年2月8日に契約解消(破談)となった。

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★★
孫正義自社株買い1.5兆円を実施★
孫正義本社を移転★
孫正義親会社の所有者に帰属する純利益4兆9880億円を計上★★
孫正義米連邦取引委員会がアーム買収の差し止めを求めて提訴★★
2022〜2026年アーム売却の破談と巨額損失、アームのナスダック上場とStargate Project孫正義アームの売却契約の解消で合意★★
孫正義親会社の所有者に帰属する純損失1兆7080億円を計上★★
孫正義プライム市場に移行★
孫正義アリババが関連会社から除外★★
孫正義親会社の所有者に帰属する純損失9701億円を計上★
孫正義アームがナスダックに上場★★
孫正義親会社の所有者に帰属する純損失2276億円を計上★
孫正義エリオット・マネジメントが再び自社株買いを要求★
孫正義アームの時価総額が約25兆円に到達★
孫正義AIインフラ「スターゲート」

2025年1月、ソフトバンクグループが米国のAIインフラに今後4年で5000億ドルを投じる新会社Stargateの設立に加わり、3月にはOpenAIへ最大400億ドル(約5.98兆円、実質最大300億ドル)の追加出資で合意した投資判断。段階的に払い込みを進め、2026年2月にはさらに300億ドルの追加出資で合意し、累計646億ドル・持分約13%まで積み増した。

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★★
孫正義米国の半導体設計会社を65億ドルで取り込む事業基盤の強化

2025年3月、ソフトバンクグループが100%子会社を通じて、Armコンピュートプラットフォームに基づくAIコンピューティング特化の半導体設計企業である米Ampere Computingの全持分を総額65億米ドルで取得することに合意した経営判断。主な売主はCarlyle、Oracle、Armで、2025年11月25日に買収取引が完了し、Ampereは完全子会社となった。

詳細を読む
★★
孫正義親会社の所有者に帰属する純利益1兆1533億円を計上★
出典・参考 87件
出典・参考
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2000
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2001
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2003
  • ソフトバンク 平成17年3月期第2四半期決算説明会資料(2004年11月10日)
  • ソフトバンク 平成17年3月期決算説明会資料(2005年5月10日)
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2006
  • ソフトバンク 平成19年3月期決算説明会資料(2007年5月8日)
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2007
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2008
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2010
  • ソフトバンク 平成23年3月期第3四半期決算説明会資料(2011年2月3日)
  • ソフトバンク 平成24年3月期第1四半期決算説明会資料(2011年7月28日)
  • ソフトバンク アニュアルレポート 2011
  • ソフトバンク アニュアルレポート2012「社長メッセージ」
  • ソフトバンク 決算説明会資料(2012年4月26日)
  • ソフトバンク アニュアルレポート2013「社長インタビュー」
  • ソフトバンク 有価証券報告書 第33期(2013年3月期)【経営上の重要な契約等】
  • ソフトバンク アニュアルレポート2013「主要財務データ」
  • ソフトバンク 有価証券報告書 第34期(2014年3月期)連結財務諸表注記【企業結合】
  • ソフトバンク アニュアルレポート2014「主要財務データ」
  • ソフトバンク アニュアルレポート2014「モバイルゲーム戦略」
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート2015「社長メッセージ」
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート2015「代表取締役副社長インタビュー」
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート2016「社長メッセージ」
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート2016「スプリント事業戦略」
  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書 第37期(2017年3月期)連結財務諸表注記【企業結合】
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート2017「社長メッセージ」
  • ソフトバンクグループ プレスリリース「ソフトバンク・ビジョン・ファンド、初回クロージングを完了」(2017年5月20日)
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート 2017「社長メッセージ」
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第1四半期 決算説明会(2018年8月6日)
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第2四半期 決算説明会(2018年11月5日)
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第3四半期 決算説明会資料(2019年2月6日)
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第3四半期 決算説明会 質疑応答(2019年2月6日)
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 第2四半期 決算説明会(2019年11月6日)
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2020年5月18日)
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 第3四半期 決算説明会 質疑応答(2020年2月12日)
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算説明会 質疑応答(2020年5月18日)
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算説明会(2020年5月18日)
  • ソフトバンクグループ プレスリリース「SoftBank Announces JPY 4.5 trillion (USD 41 billion) Program to Repurchase Shares and Reduce Debt」(2020年3月23日)
  • ソフトバンクグループ プレスリリース「当社子会社Arm Limited 全株式の売却に関するお知らせ」(2020年9月14日)
  • ソフトバンクグループ 2021年3月期 第1四半期 決算説明会(2020年8月11日)
  • ソフトバンクグループ 2021年3月期 第2四半期 決算説明会 質疑応答(2020年11月9日)
  • ソフトバンクグループ 2021年3月期 決算説明会(2021年5月12日)
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート 2021「トップメッセージ」
  • ソフトバンクグループ 2022年3月期第3四半期 決算説明会資料(2022年2月8日)
  • ソフトバンクグループ 2023年3月期第1四半期 決算説明会 孫正義 説明(2022年8月8日)
  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
  • ソフトバンクグループ 2025年3月期第3四半期 決算説明会(2025年2月12日)
  • ソフトバンクグループ 2026年3月期第2四半期 決算短信(2025年11月11日)
  • ソフトバンク アニュアルレポート
  • 日経ビジネス(1987年1月19日)
  • 証券アナリストジャーナル(1994年8月5日)
  • 日経ビジネス(1995年2月13日)
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  • 日経ビジネス(1997年10月13日)
  • 日経ビジネス(1997年11月17日)
  • 近代中小企業(1983年6月)
  • ソフトバンク「米国ヤフー社との合弁会社設立に関する件」(1996年1月11日)
  • 証券 50(3)(588)(1998年1月)
  • ソフトバンクFactBook(1998)
  • ソフトバンク 平成14年3月期 事業報告書(2002年6月)
  • ソフトバンク 平成15年3月期 事業報告書(2003年6月)
  • ソフトバンク 平成17年3月期 中間事業報告書(2004年11月)
  • ソフトバンク 説明会資料「~To the Next Stage~ 更なる成長に向けた携帯事業への取り組み」(2006年3月17日)
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  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 第2四半期 決算発表 質疑応答(2019年11月6日)
  • ソフトバンクグループ 第42回定時株主総会(2022年6月24日)
  • ソフトバンクグループ ソフトバンクグループレポート2022
  • ソフトバンクグループ 2023年3月期第2四半期 投資家コール質疑応答録(2022年11月11日)
  • ソフトバンクグループ 2023年3月期決算 質疑応答録(2023年5月11日)
  • ソフトバンクグループ 第43回定時株主総会(2023年6月21日)
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