電通総研 の歴史

創業

1975年

創業者

※電通+GEインフォメーション・サービス

創業地

東京都港区

直近売上高(2025/12)

1,649億円

長期業績と転換点(1999/3〜2025/12)
売上高(億円純利益率(%)
Q なぜ1975年に電通は自前技術ではなく米GEとの合弁で電通国際情報サービスを設立したのか
A 自前の技術ではなく、電通の広告主企業が抱える情報処理需要を外販事業として取り込むため、米国ゼネラル・エレクトリックの汎用ホストによるタイムシェアリングを日本に取り次ぐ輸入代理の形で発足した。1975年12月、電通とGEがほぼ折半の合弁で東京都中央区に電通国際情報サービス(ISID)を設立し、顧客も収益も電通グループとその広告主に寄りかかって開業した。海外拠点も日本企業の海外システム支援を担う電通系SIerとして築いた。
Q なぜ2008年のGE撤退を機に輸入代理から自前のSIerへ事業を組み替えたのか
A 輸入代理のままでは収益源が米国ホスト・サービスに縛られると見て、自前のSIerへ事業を組み替えたためである。2008年のリーマンショック後、GE本社が本業の金融以外から退き、米国ホスト由来の事業が外部譲渡で消えると、ISIDは電通単独の親会社体制へ移った。これを機に事業形態をLinux・Windowsのオープン系へ入れ替え、ERP導入・製造業向けPLM・金融機関向けリスク管理を主力に据え、高採算の総合SIerへ転換した
Q なぜ2024年に電通国際情報サービスから電通総研へ社名を改めたのか
A システムインテグレーション単体では複雑化する企業課題に応えきれないと判断し、研究・提言から実装までを一法人に束ねるためである。2024年1月、電通本体のシンクタンク機能とコンサル子会社ISIDビジネスコンサルティングを統合し、社名を電通総研へ改めた。同年4月にはUI・UXデザインのミツエーリンクスを完全子会社化し、シンクタンク・コンサルティング・SI・デザインの4機能を単一法人に揃え、電通グループのIT中核会社という位置付けを固めた

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1975年〜 電通グループ専属SIerとしての創業と東証一部上場

電通総研の業績推移:単体

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 1975年 電通と米 General Electric Company の合弁により電通国際情報サービスを設立
  2. 1986年 ロンドン支店を開設。(1991年1月廃止)
  3. 1987年 子会社 ISI-Dentsu of America, Inc.を設立
  4. 1989年 電通の社内情報システムについて、システム開発・運用業務の継続受注を開始
  5. 2000年 電通・米GEの二親会社体制から東証一部への株式公開へ 親会社の同意なしには増資もできない会社が、なぜ設立25年目に市場から資金を採る側へ回ったのか
  6. 2003年 GE由来の祖業を閉じ、電通単独親会社体制へ移った資本と事業の整理 米GEのネットワークを売る会社として生まれた会社が、そのネットワークを手放して何を残したのか
  7. 2006年 株式取得により、エステックを子会社化

電通とゼネラル・エレクトリックの合弁による設立

1975年12月、株式会社電通とアメリカのゼネラル・エレクトリック・カンパニー(GE)の情報サービス子会社General Electric Information Services(後のGEインフォメーション・サービス)との合弁により、東京都中央区に株式会社電通国際情報サービス(ISID、Information Services International-Dentsu)が設立された。電通の広告主企業に対する情報処理サービス需要を吸収する受け皿として、米国GEの汎用ホストコンピューターによるタイムシェアリングサービス(GEISCO、後のGEnie)の日本展開を担う合弁会社として発足した。設立時の資本構成は電通とGEの折半に近く、米国型のホスト・サービス事業を日本市場に持ち込むビジネスモデルで開業した。 [1][2][3]

  • 有価証券報告書
    • [1]1975年12月、電通とGEの合弁により東京都中央区に株式会社電通国際情報サービスを設立
    • [2]合弁相手はGEの情報サービス子会社GE Information Services(後のGEインフォメーション・サービス)
    • [3]設立時の資本構成が電通とGEの折半に近かったとの記述

1980年代後半から1990年代前半にかけて、海外拠点の構築をした。1986年11月の英国ロンドン支店開設(1991年廃止)、1987年3月の米国子会社ISI-Dentsu of America, Inc.設立、1989年10月の香港支店開設、1990年8月のISI-Dentsu of Asia設立、1991年1月のISI-Dentsu of Europe設立、1992年4月のシンガポール拠点設立と、米州・欧州・アジアの3地域に拠点を設けた。当初の主要顧客は電通グループおよび電通の広告主企業で、海外進出する日本企業の情報システム支援を担う「電通系SIer」としての地位を築いた。1989年2月には電通本体の社内情報システム開発・運用業務の継続受注を開始し、電通グループへの依存度を高めた一方で、安定収益基盤を獲得した。 [4][5][6][7][8][9][10]

  • 有価証券報告書
    • [4]1986年11月 英国ロンドン支店を開設(1991年廃止)
    • [5]1987年3月 米国子会社 ISI-Dentsu of America, Inc. を設立
    • [6]1989年10月 香港支店を開設
    • [7]1990年8月 子会社 ISI-Dentsu of Asia, Ltd. を設立
    • [8]1991年1月 子会社 ISI-Dentsu of Europe, Ltd. を設立
    • [9]1992年4月 シンガポールに子会社 ISI-Dentsu Singapore Pte. Ltd. を設立
    • [10]1989年2月 電通本体の社内情報システム開発・運用業務の継続受注を開始
  • 有価証券報告書
    • [1]1975年12月、電通とGEの合弁により東京都中央区に株式会社電通国際情報サービスを設立
    • [2]合弁相手はGEの情報サービス子会社GE Information Services(後のGEインフォメーション・サービス)
    • [3]設立時の資本構成が電通とGEの折半に近かったとの記述
    • [4]1986年11月 英国ロンドン支店を開設(1991年廃止)
    • [5]1987年3月 米国子会社 ISI-Dentsu of America, Inc. を設立
    • [6]1989年10月 香港支店を開設
    • [7]1990年8月 子会社 ISI-Dentsu of Asia, Ltd. を設立
    • [8]1991年1月 子会社 ISI-Dentsu of Europe, Ltd. を設立
    • [9]1992年4月 シンガポールに子会社 ISI-Dentsu Singapore Pte. Ltd. を設立
    • [10]1989年2月 電通本体の社内情報システム開発・運用業務の継続受注を開始

東証一部上場とSIer業界での独立性確立

2000年11月、東京証券取引所市場第一部に上場した。ITバブル期の市場環境のもと、設立25年で公開市場での資本調達能力を獲得し、電通グループの完全子会社から上場企業として独立した経営体制へ移行した。上場後は電通とGE双方が大株主として残存する形で、上場企業としての透明性確保と二大株主の戦略的関与を両立する構造で運営した。2001年から2002年にかけて、株式取得による事業領域拡張を進めた。2001年3月のキスコソリューション子会社化、2001年6月のアイティアイディコンサルティング設立(米国International TechneGroupとの合弁)、2002年3月のエスアイアイディ子会社化、2002年5月の上海電通信息服務有限公司設立など、国内外でのM&Aと合弁設立を相次いで実施した。 [11][12][13][14][15][16]

  • 有価証券報告書
    • [11]2000年11月 東京証券取引所市場第一部に上場
    • [12]設立(1975年)から上場(2000年)まで設立25年
    • [13]2001年3月 株式会社キスコソリューションを子会社化
    • [14]2001年6月 米国International TechneGroupとの合弁で株式会社アイティアイディコンサルティングを設立
    • [15]2002年3月 株式会社エスアイアイディを子会社化
    • [16]2002年5月 中国に上海電通信息服務有限公司を設立

電通グループ依存からの脱却が進む一方で、SIer業界における立ち位置の確立が経営課題となった。同時期、NTTデータ・伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)・野村総合研究所・SCSK・TIS等の独立系SIerが業界を寡占化するなか、電通系SIerとしての強みは広告・マーケティング・コンテンツ業界向けの専門知識と、グローバル拠点網による海外展開支援の2点に集約された。2002年時点で電通国際情報サービスは、富士ソフトABC・TISと並びM&Aを軸に成長戦略を仕掛ける準大手独立系SIer「御三家」の一角とみなされており、2002年3月期の連結売上高724億円に対し2004年3月期は売上高1,200億円・経常利益120億円という年率約3割の高成長目標を掲げ、この目標はM&Aの実施を前提としていた。 [17][18]

  • 週刊東洋経済(2002年9月7日)
    • [17]2002年当時、電通国際情報サービスは富士ソフトABC・TISと並ぶ独立系SIer「M&Aの御三家」の一角とされていた
    • [18]2002年3月期連結売上高724億円、2004年3月期目標は売上高1200億円・経常利益120億円(年率約3割成長、M&A前提)

M&Aは「経営上問題があるがテクノロジーが欲しい場合はマイナー出資で経営参加し、次いで20%以上の持ち分法適用、うまくいけば50%超のマジョリティ取得」という3段階の方針を踏み、コンサルティングとアプリケーション開発の強化に重点を置いた。背景には、大型案件の主契約企業(プライム・コントラクター)の地位をNTTデータ等の巨大メーカー系が押さえ、動員可能なエンジニア数も大手の10分の1程度にとどまり、下請け(サブコントラクター)に甘んじかねないという危機感があった。2004年5月には本社所在地を東京都港区に移転し、IT業界のクラスタが集積する港区拠点での営業強化をした。2005年11月のISID South East Asia(Thailand)、2006年3月のエステック子会社化、2009年3月のISIDアドバンストアウトソーシング設立と、業務領域の拡張が続いた。 [19][20][21][22][23][24]

  • 週刊東洋経済(2002年9月7日)
    • [19]M&A方針はマイナー出資→持分法適用(20%以上)→マジョリティ取得(50%超)の3段階、コンサルティング・アプリケーション開発の強化に重点
    • [20]大型案件のプライム・コントラクター地位はNTTデータ等が押さえ、動員可能エンジニア数は大手の10分の1程度にとどまり、下請け(サブコントラクター)に甘んじる危機感が積極策の背景にあった
  • 有価証券報告書
    • [21]2004年5月 本社所在地を東京都港区に移転
    • [22]2005年11月 タイに ISID South East Asia(Thailand) を設立
    • [23]2006年3月 株式会社エステックを子会社化
    • [24]2009年3月 子会社 株式会社ISIDアドバンストアウトソーシングを設立
  • 有価証券報告書
    • [11]2000年11月 東京証券取引所市場第一部に上場
    • [12]設立(1975年)から上場(2000年)まで設立25年
    • [13]2001年3月 株式会社キスコソリューションを子会社化
    • [14]2001年6月 米国International TechneGroupとの合弁で株式会社アイティアイディコンサルティングを設立
    • [15]2002年3月 株式会社エスアイアイディを子会社化
    • [16]2002年5月 中国に上海電通信息服務有限公司を設立
    • [21]2004年5月 本社所在地を東京都港区に移転
    • [22]2005年11月 タイに ISID South East Asia(Thailand) を設立
    • [23]2006年3月 株式会社エステックを子会社化
    • [24]2009年3月 子会社 株式会社ISIDアドバンストアウトソーシングを設立
  • 週刊東洋経済(2002年9月7日)
    • [17]2002年当時、電通国際情報サービスは富士ソフトABC・TISと並ぶ独立系SIer「M&Aの御三家」の一角とされていた
    • [18]2002年3月期連結売上高724億円、2004年3月期目標は売上高1200億円・経常利益120億円(年率約3割成長、M&A前提)
    • [19]M&A方針はマイナー出資→持分法適用(20%以上)→マジョリティ取得(50%超)の3段階、コンサルティング・アプリケーション開発の強化に重点
    • [20]大型案件のプライム・コントラクター地位はNTTデータ等が押さえ、動員可能エンジニア数は大手の10分の1程度にとどまり、下請け(サブコントラクター)に甘んじる危機感が積極策の背景にあった

2008年〜 親会社GE撤退とリーマン後のソリューション事業拡大期

電通総研の業績推移

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 2011年 第三者割当増資引受けにより、クウジットを関連会社化
  2. 2015年 2015年12月期より、決算日を12月31日に変更
  3. 2018年 フラウンホーファー研究機構との合弁で Two Pillars GmbH を設立
  4. 2019年 株式取得により、スマートHDを関連会社化
  5. 2019年 三菱地所との合弁で FINOLAB を設立

GE撤退と電通単独親会社体制への移行

2008年のリーマンショック以降、GE本社は本業の金融事業以外の事業撤退をした。GEインフォメーション・サービス事業は外部譲渡が進み、ISIDの株主構成においてもGEの保有比率は低下した。最終的に電通単独の親会社体制となり、社名「電通国際情報サービス」のうち「Dentsu」の含意が経営実態と一致した。米国GE系の汎用ホストサービスから始まった事業形態は、Linux/Windowsベースのオープン系SIへ切り替わり、欧米のERP(SAP・Oracle)導入支援、製造業向けPLM(Product Lifecycle Management)導入支援、金融機関向けリスク管理システム導入支援を主軸とする総合SIerへの転換が進んだ。 [25]

  • 有価証券報告書
    • [25]GE撤退により最終的に電通単独の親会社体制となった

2009年10月のキスコソリューション後身ブレイニーワークスの吸収合併、ISIDアシスト(現電通総研アシスト)子会社化、2011年7月のクウジット関連会社化(第三者割当増資)、2013年2月のISIDビジネスコンサルティング設立、2013年4月のPT. ISID Indonesia設立、2014年5月のISIDエンジニアリング設立と、グループ会社の整理統合が継続した。連結業績はFY12(2013年3月期)連結売上高728億円・経常利益43億円・親会社株主帰属純利益26億円から、FY14(2015年3月期)売上782億円・経常利益49億円・純利益21億円と、リーマン後の景気回復局面で堅調に推移した。 [26][27][28][29][30][31]

  • 有価証券報告書
    • [26]2009年10月 キスコソリューション後身ブレイニーワークスを吸収合併
    • [27]ISIDアシスト(現電通総研アシスト)子会社化
    • [28]2011年7月 クウジットを第三者割当増資引受けにより関連会社化
    • [29]2013年2月 子会社 株式会社ISIDビジネスコンサルティングを設立
    • [30]2013年4月 インドネシアに子会社 PT. ISID Indonesia を設立
    • [31]2014年5月 子会社 株式会社ISIDエンジニアリングを設立
  • 有価証券報告書
    • [25]GE撤退により最終的に電通単独の親会社体制となった
    • [26]2009年10月 キスコソリューション後身ブレイニーワークスを吸収合併
    • [27]ISIDアシスト(現電通総研アシスト)子会社化
    • [28]2011年7月 クウジットを第三者割当増資引受けにより関連会社化
    • [29]2013年2月 子会社 株式会社ISIDビジネスコンサルティングを設立
    • [30]2013年4月 インドネシアに子会社 PT. ISID Indonesia を設立
    • [31]2014年5月 子会社 株式会社ISIDエンジニアリングを設立

決算期変更と中堅SIerとしての成長軌道

2015年4月、決算日を3月31日から12月31日に変更した。親会社の電通本体は依然3月決算を継続したが、ISIDは米欧系SIer・コンサル業界の標準である12月決算に揃え、グローバル比較対象企業との財務分析の互換性を得た。決算期変更に伴い9ヶ月変則決算となったFY15(2015年12月期)は売上568億円となり、続く継続事業年度ベースではFY16(2016年12月期)売上798億円・営業利益65億円・経常利益67億円・純利益46億円へ拡大した。営業利益率はFY15の3.7%(変則期)からFY16の8.1%へ改善し、SIer業界における高採算事業構造を整えた。 [32]

  • 有価証券報告書
    • [32]2015年4月 決算日を3月31日から12月31日に変更(2015年12月期より)

FY16以降は売上・利益ともに連続増勢が続き、FY17(2017年12月期)売上834億円・営業利益55億円・純利益44億円、FY18(2018年12月期)売上910億円・営業利益82億円・純利益52億円、FY19(2019年12月期)売上1,007億円・営業利益101億円・純利益62億円と、3年で売上26%増・営業利益55%増の高成長をした。事業構造は金融ソリューション・製造ソリューション・ビジネスソリューション・コミュニケーションIT・X(クロス)イノベーションの5セグメント体制で運営され、各事業の専門性に応じた組織分割でセグメント間の独立性を確保した。2018年6月の独フラウンホーファー研究機構との合弁Two Pillars GmbH設立(2023年1月子会社化)、2019年4月のインドネシアPT. Ebiz Cipta Solusi子会社化、2019年5月のスマートホールディングス関連会社化、2019年7月の三菱地所との合弁FINOLAB設立、セブン銀行との合弁ACSiON設立と、合弁・関連会社設立による事業領域拡張が続いた。 [33][34][35][36]

  • 有価証券報告書
    • [33]2018年6月 独フラウンホーファー研究機構との合弁Two Pillars GmbH設立(2023年1月子会社化)
    • [34]2019年4月 インドネシアPT. Ebiz Cipta Solusiを子会社化
    • [35]2019年5月 スマートホールディングスを関連会社化
    • [36]2019年7月 三菱地所との合弁FINOLAB設立・セブン銀行との合弁ACSiON設立
  • 有価証券報告書
    • [32]2015年4月 決算日を3月31日から12月31日に変更(2015年12月期より)
    • [33]2018年6月 独フラウンホーファー研究機構との合弁Two Pillars GmbH設立(2023年1月子会社化)
    • [34]2019年4月 インドネシアPT. Ebiz Cipta Solusiを子会社化
    • [35]2019年5月 スマートホールディングスを関連会社化
    • [36]2019年7月 三菱地所との合弁FINOLAB設立・セブン銀行との合弁ACSiON設立

2020年〜 プライム移行と「電通総研」改称によるブランド刷新

電通総研の業績推移:連結

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 2020年 子会社 ISIDブライトを設立
  2. 2023年 監査役設置会社から監査等委員会設置会社に移行
  3. 2024年 電通本体のシンクタンク「電通総研」を譲り受け、コンサル子会社2社と統合して商号を変える システム開発会社が、なぜ電通グループの研究機関の名前を自社の商号として引き受けたのか
  4. 2024年 株式取得により、ミツエーリンクスを子会社化

コロナ特需による高成長加速と東証プライム市場移行

2020年からのコロナ禍は、企業のDX投資需要を急拡大させた。連結業績はFY20(2020年12月期)売上1,087億円・営業利益122億円・純利益74億円、FY21(2021年12月期)売上1,121億円・営業利益137億円・純利益89億円、FY22(2022年12月期)売上1,291億円・営業利益186億円・純利益126億円と、コロナ前のFY19から3年で売上28%増・営業利益84%増・純利益102%増の急成長をした。DX投資の主要受け皿として、ERP導入・クラウド移行・データ分析基盤構築・新規デジタルサービス開発の4領域で受注が拡大し、SIer業界全体のなかでも上位の成長率を記録した。

2022年4月、東京証券取引所プライム市場への移行を実施した。同年4月の市場区分再編で、東証一部上場企業は流通株式時価総額・流通株式比率・売買代金等の基準でプライム・スタンダード・グロースの3区分に振り分けられた。ISIDはプライム市場の上場維持基準を満たし、最上位市場での上場継続を選択した。2023年3月には監査役設置会社から監査等委員会設置会社へ移行し、コーポレートガバナンス改革をした。FY23(2023年12月期)売上1,426億円・営業利益210億円・純利益146億円、FY24(2024年12月期)売上1,526億円・営業利益210億円・純利益151億円と、コロナ後の景気減速局面でも堅調な成長基盤を維持した。 [37][38]

  • 有価証券報告書
    • [37]2022年4月 東京証券取引所プライム市場へ移行
    • [38]2023年3月 監査役設置会社から監査等委員会設置会社へ移行
  • 有価証券報告書
    • [37]2022年4月 東京証券取引所プライム市場へ移行
    • [38]2023年3月 監査役設置会社から監査等委員会設置会社へ移行

「電通総研」改称とグループ内研究機関化

2024年1月、株式会社電通国際情報サービスから株式会社電通総研へ商号を変更した。改称の背景には、電通グループの研究開発機能を統合する役割の付与がある。電通グループ本体に存在した電通総研(リサーチ機関)と、ISIDのIT・コンサルティング事業を一体化させ、新「電通総研」として研究機能・コンサルティング機能・IT実装機能の3層を統合する設計が選ばれた。統合対象の電通総研(旧)は、1997年に福川伸次社長のもと日韓中のビジネスリーダー意識調査を韓国・中国の研究機関と実施した社会・経済分野のシンクタンクだった。同年1月には子会社ISIDビジネスコンサルティングを吸収合併し、グループ内重複の解消もした。2024年4月には株式取得によりWebサイト制作大手の株式会社ミツエーリンクスを子会社化し、デジタルマーケティング・UI/UX領域の専門能力を内製化した。 [39][40][41][42][43]

  • 有価証券報告書
    • [39]2024年1月 株式会社電通国際情報サービスから株式会社電通総研へ商号変更
    • [40]電通本体のリサーチ機関「電通総研」とISIDのIT・コンサル事業を一体化したとの記述
    • [42]同年1月 子会社ISIDビジネスコンサルティングを吸収合併
    • [43]2024年4月 株式取得によりミツエーリンクスを子会社化
  • 週刊東洋経済(1997年1月11日)
    • [41]電通総研(旧・電通グループ本体のリサーチ機関)は1997年に福川伸次社長のもと日韓中のビジネスリーダー意識調査を韓国・中国の研究機関と実施した社会・経済分野のシンクタンクだった

FY25(2025年12月期)連結売上高は1,648億円、営業利益228億円、経常利益236億円、親会社株主帰属純利益163億円と、改称後初年度として過去最高益を更新した。松本千里社長(電通プロパー出身)の前任である岩本浩久社長(2023年就任、電通総研生え抜き)体制のもと、電通グループ内のIT機能の中核会社としての地位が確立し、独立系SIer業界における中堅プレイヤー(売上1,500〜2,000億円規模、営業利益率12〜15%水準)としてのポジションが定着している。次代の経営課題としては、電通グループのコンサルティング機能との一体化推進、AI・データ分析領域での競争力強化、そして1975年創業以来築いてきた米州・欧州・アジア各拠点の海外事業の収益化が挙げられる。 [44][45]

  • 有価証券報告書
    • [44]岩本浩久社長はFY23就任・電通総研生え抜き
    • [45]1975年創業(米州・欧州・アジア拠点の海外事業)
  • 有価証券報告書
    • [39]2024年1月 株式会社電通国際情報サービスから株式会社電通総研へ商号変更
    • [40]電通本体のリサーチ機関「電通総研」とISIDのIT・コンサル事業を一体化したとの記述
    • [42]同年1月 子会社ISIDビジネスコンサルティングを吸収合併
    • [43]2024年4月 株式取得によりミツエーリンクスを子会社化
    • [44]岩本浩久社長はFY23就任・電通総研生え抜き
    • [45]1975年創業(米州・欧州・アジア拠点の海外事業)
  • 週刊東洋経済(1997年1月11日)
    • [41]電通総研(旧・電通グループ本体のリサーチ機関)は1997年に福川伸次社長のもと日韓中のビジネスリーダー意識調査を韓国・中国の研究機関と実施した社会・経済分野のシンクタンクだった

電通総研の沿革1975〜2024年における主な出来事を抜粋

年月社長・CEO出来事重要度
電通と米 General Electric Company の合弁により電通国際情報サービスを設立★★
ロンドン支店を開設。(1991年1月廃止)
子会社 ISI-Dentsu of America, Inc.を設立
本社所在地を移転
電通の社内情報システムについて、システム開発・運用業務の継続受注を開始★★
香港支店を開設。(1990年8月廃止)
子会社 ISI-Dentsu of Asia, Ltd.を設立
子会社 ISI-Dentsu of Europe, Ltd.を設立
子会社 電通国際システムを設立。(1997年7月電通国際情報サービスに吸収合併)
子会社 ISI-Dentsu Singapore Pte. Ltd. を設立
電通・米GEの二親会社体制から東証一部への株式公開へ親会社の同意なしには増資もできない会社が、なぜ設立25年目に市場から資金を採る側へ回ったのか 詳細を読む★★★
International TechneGroup との合弁でアイティアイディコンサルティングを設立
子会社 上海電通信息服務有限公司(現 電通総研(上海)信息諮詢有限公司)を設立
GE由来の祖業を閉じ、電通単独親会社体制へ移った資本と事業の整理米GEのネットワークを売る会社として生まれた会社が、そのネットワークを手放して何を残したのか 詳細を読む★★★
水野紘一株式取得により、エステックを子会社化★★
釜井節生第三者割当増資引受けにより、クウジットを関連会社化
釜井節生2015年12月期より、決算日を12月31日に変更
名和亮一フラウンホーファー研究機構との合弁で Two Pillars GmbH を設立
名和亮一株式取得により、スマートHDを関連会社化
名和亮一三菱地所との合弁で FINOLAB を設立
名和亮一子会社 ISIDブライトを設立
岩本浩久監査役設置会社から監査等委員会設置会社に移行
岩本浩久電通本体のシンクタンク「電通総研」を譲り受け、コンサル子会社2社と統合して商号を変えるシステム開発会社が、なぜ電通グループの研究機関の名前を自社の商号として引き受けたのか 詳細を読む★★★
岩本浩久株式取得により、ミツエーリンクスを子会社化★★
出典・参考
  • 有価証券報告書
  • 週刊東洋経済(2002年9月7日)
  • 週刊東洋経済(1997年1月11日)

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