ベイカレント の歴史

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沿革

1998〜2026年 1998年に江口新氏が神奈川県藤沢市に設立したピーシーワークスが起源。2016年に東証マザーズへ上場し、阿部義之氏のもとで採用数と単価を同時に引き上げる成長モデルへ転換した。買収に依存せず採用で人員を積み上げた独立系のコンサルティング会社で、営業利益率は34.3%に達する。

沿革

1998年に江口新氏が神奈川県藤沢市に設立したピーシーワークスが起源。

2016年に東証マザーズへ上場し、阿部義之氏のもとで採用数と単価を同時に引き上げる成長モデルへ転換した。買収に依存せず採用で人員を積み上げた独立系のコンサルティング会社で、営業利益率は34.3%に達する。

1998年〜創業期藤沢のシステム受託から上流コンサルタントへ

  1. ピーシーワークスを設立
  2. ピーシーワークスに組織変更
  3. 本社を移転
  4. ベイカレント・コンサルティングに商号変更
ベイカレント売上高2006年2月期37.78億円

2007年〜転換期江口新の退任とバイロン・HDによる旧ベイカレント買収

  1. 創業者・江口新氏が社長を退任し萩平和巳が就任
  2. バイロン・HDを設立
  3. 旧ベイカレント・コンサルティング全株式取得
  4. 本社を移転
  5. 旧子会社を吸収合併しベイカレント・コンサルティングに商号変更
ベイカレント売上高2015年2月期140億円

2016年〜急成長期東京証券取引所マザーズ上場と持株会社体制への移行

  1. 東京証券取引所マザーズ上場
  2. 阿部義之が代表取締役社長に就任
  3. 競合フューチャーが人材引き抜きと営業秘密領得をめぐり提訴
  4. 東京証券取引所一部に指定替え
  5. プライム市場へ移行
  6. 本社を麻布台に移転
  7. 持株会社化の分割準備会社2社を設立
  8. 持株会社体制に移行しベイカレントに商号変更
  9. 北風大輔が代表取締役社長に就任
  10. 阿部義之が代表取締役会長兼社長に就任
  11. 人月単価を役職別に全顧客一律化
ベイカレント売上高2026年2月期1,483億円

系譜

前身は1998年設立のピーシーワークス。2006年にベイカレント・コンサルティングへ商号変更し、2014年に旧子会社を吸収合併した。2024年には持株会社体制に移行しベイカレントに商号変更。持株会社体制で事業ポートフォリオを管理する形へ移行した。

系譜

前身は1998年設立のピーシーワークス。

2006年にベイカレント・コンサルティングへ商号変更し、2014年に旧子会社を吸収合併した。2024年には持株会社体制に移行しベイカレントに商号変更。持株会社体制で事業ポートフォリオを管理する形へ移行した。

1998年 2006年 2014年 2016年 2024年 2026年 ピーシーワークス 1998年有限会社で創業 ベイカレント・コンサル 2006年改称 バイロン・HD 2014年MBOの受け皿 Sunrise Capital 2014年MBOを主導 ベイカレント・コンサル 2014年新法人が承継 東証マザーズ上場 2016年ファンド退出 ベイカレント 2024年持株会社化 コンサル/テクノロジー 2024年2社へ分割
長期業績の推移 1999〜2026年

業績

ベイカレント:歴代社長と長期業績の推移売上高(億円)純利益率(%)
2000年2月期〜2026年2月期

第1章 1998年〜 藤沢のシステム受託から上流コンサルタントへ年俸1,500万円の投資による高付加価値化

筆者考察y.sugiura, author

受託でシステムを作る商売では、人を増やせば売上は増えるが、一人あたりの単価に上限がある。ピーシーワークスは1999年の初台で年商4億円、2006年の新宿NSビル5階で55億円まで来たが、増やしたのは人と床であって単価ではない。上限を動かすなら、単価の高い仕事を取るか、それを取れる人を連れてくるかしかない。知名度のない独立系が後者を選べば、外資系ファームに集まった人材へ報酬か裁量を差し出すことになる。江口新氏は2007年1月の中途採用広告で、月給25万円のエンジニアと年俸1,500万円のコンサルタントを同じ紙面に並べた。加えて、案件を発案した者をそのままマネージャーに据えた。報酬と裁量を両方出したのは、破るべき上限が人の側にあると見たからである。

人をどう集めるかは、何を売るかより先に決まることがある。江口新氏が2007年前後に掲げた採用の基準は、経歴ではなく素養だった。中途で採るビジネス系の半数は総合商社や広告代理店などの異業種出身で、未経験者にはコンサルタントとは何かという段階から教えた。発案した者に案件を持たせる運営も併せれば、選んでいたのは知識ではなく、自分で仕事を作れるかどうかである。2006年12月、江口氏は社名をピーシーワークスからベイカレント・コンサルティングへ改め、経営課題の解決から入る会社だと外へ示した。ただし1998年に定めた事業目的の文言は据え置かれ、戦略の立案とシステムの構築は一つの事業本部に同居したままだった。上流の名を先に取り、中身を後から寄せる順番を、この会社は選んだ。

売上高(単体) 2000年2月期〜2006年2月期(億円)

4 00.2 7 01.2 13 02.2 17 03.2 25 04.2 33.5 05.2 37.78 06.2
  • 棒はすべて単体。連結の開示は無い。
  • 2000年2月期から2004年2月期は公式サイト「沿革」(2007年1月保存)が移転の年ごとに掲げた年商を決算期に読み替えた値。2005年2月期と2006年2月期は@type 2007年1月号の会社概要欄。
  • 1998年2月期と1999年2月期の売上は分からない。

1998年〜移転のたびに書き足した年商と、単価の上限を破るために示した年俸1,500万円

独立系SIerとして9期連続で増収する

ベイカレントの前身は、1998年3月に神奈川県藤沢市で設立された有限会社ピーシーワークスである。創業者の江口新氏は、経営・業務とITに関するコンサルティング、システムインテグレーション、アウトソーシングを事業目的に掲げた。実際に請け負ったのは大企業の情報システム構築で、独立系のSIerとして出発した。2000年6月に有限会社から株式会社ピーシーワークスへ組織を変更し、2002年3月には本社を東京都新宿区へ移した。顧客となる大企業の本社は東京都心に集まっており、案件を取るには営業の拠点を都心へ置く必要があった。売上高は2005年2月期に33億5,000万円へ達し、設立から9期連続の増収増益を無借金で続けた。

  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)【沿革】
    • [1]1998年3月に有限会社ピーシーワークスとして神奈川県藤沢市で設立された
    • [2]設立時の事業目的は経営・業務とITに関するコンサルティング、システムインテグレーション及びアウトソーシングであった
    • [4]2000年6月に有限会社ピーシーワークスが株式会社ピーシーワークスへ組織変更した
    • [5]2002年3月に本社を東京都新宿区へ移転した
  • ベイカレント・コンサルティング 求人情報(@type 掲載、2007年1月)
    • [3]ピーシーワークスは独立系ITコンサルティングファームを称し、大企業の情報システム構築を受託していた
    • [6]2005年2月期の売上高は33億5,000万円で前年比141%であった
    • [7]設立以来9期連続の増収増益を無借金経営で続けていた
移転のたびに年商を書き足す

江口氏は1963年に大阪で生まれ、早稲田大学を卒業して経営コンサルタント会社に勤めたのち、1998年にピーシーワークスを設立した。会社は年を追って事務所を移し、そのたびに年商が増えた。1999年に初台へ移って年商4億円、2000年に笹塚で7億円、2001年に代々木で13億円である。2002年に新宿NSビルへ入って17億円、2003年には同じビルの17階へフロアを広げて25億円、2006年には5階へさらに広げて55億円に届いた。創業から2007年の社名変更までの歩みは、移転先と年商だけを並べた8行の年表として掲げられた。

  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2007年5月時点)
    • [8]江口新氏は1963年に大阪で生まれ、早稲田大学卒業後に経営コンサルタント会社を経て1998年にピーシーワークスを設立した
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2007年5月時点)
    • [9]1999年に初台へ移転して年商4億円、2000年に笹塚へ移転して7億円、2001年に代々木へ移転して13億円となった
    • [10]1999年に初台へ移転して年商4億円、2000年に笹塚へ移転して7億円、2001年に代々木へ移転して13億円となった
    • [11]2002年に新宿NSビルへ移転して年商17億円、2003年に同ビル17階へフロアを拡大して25億円、2006年に5階へ拡大して55億円となった
    • [12]沿革は1998年の藤沢での創業から2007年の社名変更までを、移転先と年商を並べた8行の年表で示していた
年俸1,500万円で上流の人材を募る

システム構築の受託を積み上げる伸ばし方には、単価の上限がある。経営戦略の立案や業務プロセスの再設計といった上流の仕事は単価が高いが、そこで稼ぐには、戦略を語れるだけでなく顧客の課題を見つけて案件そのものを作れる人材が要る。そうした人材は外資系のコンサルティングファームに集まっており、知名度のない独立系の中堅が引き抜くには、報酬と裁量の両方を示さなければならなかった。2007年1月の中途採用広告は、ビジネスコンサルタントに年俸500万円から1,500万円、ITコンサルタントに500万円から1,300万円という幅の広い条件を示した。同じ広告にはアプリケーション開発エンジニアやインフラ系エンジニアの月給25万円から70万円も併記され、構築の技術者と上流のコンサルタントを同時に募っていた。

  • ベイカレント・コンサルティング 求人情報(@type 掲載、2007年1月)
    • [13]2007年1月の中途採用広告はビジネスコンサルタントの年俸を500万円から1,500万円と提示していた
    • [14]同広告はITコンサルタントの年俸を500万円から1,300万円と提示していた
    • [15]同広告はアプリケーション開発エンジニアとインフラ系エンジニアを月給25万円から70万円で募集していた
    • [16]同広告は6職種を同時に募集し、構築を担うエンジニアと上流を担うコンサルタントが併存していた
参考文献[1]-[16]
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)【沿革】
    • [1]1998年3月に有限会社ピーシーワークスとして神奈川県藤沢市で設立された
    • [2]設立時の事業目的は経営・業務とITに関するコンサルティング、システムインテグレーション及びアウトソーシングであった
    • [4]2000年6月に有限会社ピーシーワークスが株式会社ピーシーワークスへ組織変更した
    • [5]2002年3月に本社を東京都新宿区へ移転した
  • ベイカレント・コンサルティング 求人情報(@type 掲載、2007年1月)
    • [3]ピーシーワークスは独立系ITコンサルティングファームを称し、大企業の情報システム構築を受託していた
    • [6]2005年2月期の売上高は33億5,000万円で前年比141%であった
    • [7]設立以来9期連続の増収増益を無借金経営で続けていた
    • [13]2007年1月の中途採用広告はビジネスコンサルタントの年俸を500万円から1,500万円と提示していた
    • [14]同広告はITコンサルタントの年俸を500万円から1,300万円と提示していた
    • [15]同広告はアプリケーション開発エンジニアとインフラ系エンジニアを月給25万円から70万円で募集していた
    • [16]同広告は6職種を同時に募集し、構築を担うエンジニアと上流を担うコンサルタントが併存していた
    • [8]江口新氏は1963年に大阪で生まれ、早稲田大学卒業後に経営コンサルタント会社を経て1998年にピーシーワークスを設立した
    • [9]1999年に初台へ移転して年商4億円、2000年に笹塚へ移転して7億円、2001年に代々木へ移転して13億円となった
    • [10]1999年に初台へ移転して年商4億円、2000年に笹塚へ移転して7億円、2001年に代々木へ移転して13億円となった
    • [11]2002年に新宿NSビルへ移転して年商17億円、2003年に同ビル17階へフロアを拡大して25億円、2006年に5階へ拡大して55億円となった
    • [12]沿革は1998年の藤沢での創業から2007年の社名変更までを、移転先と年商を並べた8行の年表で示していた

2007年〜経歴ではなく素養で採る選抜と、発案者がマネージャーになる案件の立て方

経歴を外して素養で採る

2007年1月の取材で江口新氏が成長の鍵として挙げたのは、優秀な人材に出会えたことと人を大切にしてきたことであった。組織として目指す姿には、意欲のある者が自ら望む仕事に取り組める会社を据えた。この時期の経営は、人をどう集めるかを軸に回っていた。採用の物差しは、知識や経験ではなく素養に置いた。翌月の時点では、言語能力を土台に行動力と思考力を持つコンサルタントを採って育てることも重んじられた。経歴で既存ファームの出身者を選ぶのでなく、自ら案件を起こせる素質を見込んで採用し、社内で育成するやり方であった。江口氏が人材の基準として挙げた言葉はハイブリッドで、育成の目標は技術力とビジネス・コンサルティング力の両面を備えることに置かれた。

  • 日本オラクル ORACLE MASTER 取得事例(2007年1月)
    • [17]江口社長は2007年1月の記事で、優秀な人材との出会いと人を大切にする経営が成長の鍵になっていると語った
    • [18]江口社長は同記事で、やりたい人がやりたいことをやる、やりたいから仕事に加わる会社にしたいと語った
  • ベイカレント・コンサルティング 掲載記事「顧客との良好なリレーションには個々のコンサルタントの素養が重要」(type 2007年2月号、2007年2月)
    • [19]江口社長は社員の採用に際し知識や経験よりも素養を重視する方針を取ると述べた
    • [20]江口社長は言語能力を軸とした行動力と思考力のあるコンサルタントの採用と育成を重視すると述べた
    • [21]江口社長は知識や経験より素養を重視し、採用後に育てる方針を取ると述べた
  • 日本オラクル ORACLE MASTER 取得事例(2007年1月)
    • [22]江口社長は人材に対するキーワードをハイブリッドとし、技術力とビジネス・コンサルティング力の両面を兼ね備える人材を育成の目標に置いた
異業種から採って社内で育てる

採用の間口は業界の外へ広げた。業界経験のない者を採る場合は第2新卒から28歳程度までの範囲にとどめ、コミュニケーション能力・問題解決能力・論理的思考力・協調性の4つで資質を見極めた。中途で入るビジネス系コンサルタントの半数は総合商社や広告代理店、外資系金融機関など他業種の出身で、IT系ではコンサルティングファーム出身が4割、SIer出身が6割を占めた。採用責任者の南部光良氏は『この業界は狭いので、異業種から人材を入れないと業界は広がりません』と語り、社内をコンサルタントの道場にする下地づくりを考えていた。経験を持たずに入った新人には、コンサルタントの仕事とはどういうものかという入口から教え、過去の事例を共有する研修と、それをもとに別の解き方を考える訓練を重ねた。

  • TALENT IMAGE「高度化がカギ」コンサルティング(掲載記事、2007年4月)
    • [23]業界未経験者を採用する場合は第2新卒から28歳くらいまでの若手であることを条件とした
    • [24]コンサルタントとしての資質はコミュニケーション能力、問題解決能力、論理的思考力、協調性の4つで判断された
    • [25]中途採用のビジネス系コンサルタントは異業種出身が半数を占め、IT系コンサルタントはコンサルティングファーム出身が4割、SIer出身が6割であった
    • [26]採用責任者の南部光良氏は異業種から人材を入れなければ業界は広がらないとして、コンサルタント道場としての素地を作る考えを示した
    • [27]未経験の新入社員にはコンサルタントとは何かという段階から教え、過去の事例を共有する研修と過去の事例から別の解決策を考えるトレーニングを行った
発案した者に案件を立てさせる

2007年1月の時点で、社員は618名いた。その現場では、職位の上下よりも誰が案を出したかが重んじられた。2007年5月の企業レポートによれば、案を出した者自身がマネージャーとしてプロジェクトを起こすのがベイカレント流で、若手社員も会社の伸びに合わせて存分に力を振るえるという。経営者の目線を若いうちに養える場を求めて将来の起業を目指す人が入ってくるとも、同社を離れて数十億円規模の企業を継いだ社員がすでにいるとも記事は伝えており、自由裁量で人を集める運営は、育てた人材を外へ送り出すことまで織り込んだ仕組みだった。

  • ベイカレント・コンサルティング 求人情報(@type 掲載、2007年1月)
    • [28]2007年1月時点の社員数は618名であった
  • コンサルタント 活躍の条件(掲載記事、2007年5月)
    • [29]発案者がマネージャーとなってプロジェクトを立ち上げる運営が定着していた
    • [30]2007年5月の記事は、発案者がマネージャーとなりプロジェクトを立ち上げる運営をベイカレント流と記録している
    • [31]同記事は、会社の成長ベクトルに沿って若手社員が自由に活躍できると記している
    • [32]同記事は、早くから経営側の視点を身につける環境を求めて将来の起業を志す社員が集まると記している
    • [33]2007年時点で、同社を巣立って数十億円の企業を継いだ社員の存在が記録されていた
参考文献[17]-[33]
  • 日本オラクル ORACLE MASTER 取得事例(2007年1月)
    • [17]江口社長は2007年1月の記事で、優秀な人材との出会いと人を大切にする経営が成長の鍵になっていると語った
    • [18]江口社長は同記事で、やりたい人がやりたいことをやる、やりたいから仕事に加わる会社にしたいと語った
  • ベイカレント・コンサルティング 掲載記事「顧客との良好なリレーションには個々のコンサルタントの素養が重要」(type 2007年2月号、2007年2月)
    • [19]江口社長は社員の採用に際し知識や経験よりも素養を重視する方針を取ると述べた
    • [20]江口社長は言語能力を軸とした行動力と思考力のあるコンサルタントの採用と育成を重視すると述べた
    • [21]江口社長は知識や経験より素養を重視し、採用後に育てる方針を取ると述べた
    • [22]江口社長は人材に対するキーワードをハイブリッドとし、技術力とビジネス・コンサルティング力の両面を兼ね備える人材を育成の目標に置いた
    • [23]業界未経験者を採用する場合は第2新卒から28歳くらいまでの若手であることを条件とした
    • [24]コンサルタントとしての資質はコミュニケーション能力、問題解決能力、論理的思考力、協調性の4つで判断された
    • [25]中途採用のビジネス系コンサルタントは異業種出身が半数を占め、IT系コンサルタントはコンサルティングファーム出身が4割、SIer出身が6割であった
    • [26]採用責任者の南部光良氏は異業種から人材を入れなければ業界は広がらないとして、コンサルタント道場としての素地を作る考えを示した
    • [27]未経験の新入社員にはコンサルタントとは何かという段階から教え、過去の事例を共有する研修と過去の事例から別の解決策を考えるトレーニングを行った
  • ベイカレント・コンサルティング 求人情報(@type 掲載、2007年1月)
    • [28]2007年1月時点の社員数は618名であった
  • コンサルタント 活躍の条件(掲載記事、2007年5月)
    • [29]発案者がマネージャーとなってプロジェクトを立ち上げる運営が定着していた
    • [30]2007年5月の記事は、発案者がマネージャーとなりプロジェクトを立ち上げる運営をベイカレント流と記録している
    • [31]同記事は、会社の成長ベクトルに沿って若手社員が自由に活躍できると記している
    • [32]同記事は、早くから経営側の視点を身につける環境を求めて将来の起業を志す社員が集まると記している
    • [33]2007年時点で、同社を巣立って数十億円の企業を継いだ社員の存在が記録されていた

2006年〜社名による上流の標榜と、1998年から動かない事業目的と単一本部

社名を上流へ掛け替える

2006年12月、株式会社ピーシーワークスは株式会社ベイカレント・コンサルティングへ商号を変更し、2007年1月1日から新しい社名で営業を開始した。社名には、社員の叡智が結集するBay(湾)から、クライアントを成功へ導くCurrent(流れ)を生み出すという意味を持たせた。掲げ直した事業内容は、経営戦略の立案からBPR、ITシステムの導入、保守運用までを一貫して手がけるコンサルティングサービスである。構築の下請けではなく経営課題の解決から入る会社であることを、社名で対外的に示した。

  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)【沿革】
    • [34]2006年12月に株式会社ピーシーワークスから株式会社ベイカレント・コンサルティングへ商号変更した
  • ベイカレント・コンサルティング 求人情報(@type 掲載、2007年1月)
    • [35]新社名の運用は2007年1月1日から始まった
    • [36]社名は社員の叡智が結集するBay(湾)から、クライアントを成功へと導くCurrent(流れ)を生み出すことに由来する
    • [37]事業内容は経営戦略立案からBPR、ITシステム導入、保守運用までの一貫したコンサルティングサービスと掲げられた
    • [38]商号変更にあわせ、経営課題の解決から一貫して手がけるコンサルティングサービスを掲げた
3本の川と認証で品質を説明する

社名の後半のCurrentは、クライアントを成功へ導く流れを表す。前半のBayは一流の知恵が集まる湾のことである。そこへ注ぐ3本の川が、Strategy、Business Process、ITの3つのサービスにあたる。江口氏はClient First、Be Excellent、Flexibleの3つを方針に掲げた。競争で優位に立てる理由としては、課題を解くための戦略づくりから、その戦略を形にするITシステムの構築・運用・保守といったアウトソーシング領域までを一手に引き受けられる点を挙げた。品質の裏づけとしては、2005年7月のISMS・BS7799と、2006年7月のISO/IEC 27001:2005の認証取得を示した。

  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「ベイカレントコンサルティングとは」(2007年5月時点)
    • [39]社名のBayは一流の知恵が集う湾を指し、Strategy・Business Process・ITの3つのサービスを湾に流れ込む3本の川に見立て、Currentはクライアントを成功へ導く流れを意味した
    • [40]社名のBayは一流の知恵が集う湾を指し、Strategy・Business Process・ITの3つのサービスを湾に流れ込む3本の川に見立て、Currentはクライアントを成功へ導く流れを意味した
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2007年5月時点)
    • [41]江口社長は当社の方針としてClient First、Be Excellent、Flexibleの3つを掲げた
    • [42]江口社長は競争優位を、戦略の立案からITシステムの構築・運用・保守などのアウトソーシング領域まで一貫して提供できることに置いた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト トップページ(2007年1月時点)
    • [43]2005年7月にISMS・BS7799認証を、2006年7月にISO/IEC 27001:2005認証を取得した
事業目的も本部も1998年のまま据え置く

2007年3月時点の会社概要は、事業内容欄に経営とITに関するコンサルティング、システムインテグレーション及びアウトソーシングを並べた。1998年の設立時に定めた事業目的とほぼ同じ文言であった。組織も代表取締役の下にコンサルティング&IT事業本部を一本だけ置く構えで、戦略の立案とシステムの構築が同じ本部に同居した。会社の輪郭を示す数字は、資本金1億円、決算期2月、主要取引銀行は三菱東京UFJ銀行であり、本社は新宿NSビル5階に置かれた。従業員は新社名での営業を始めた2007年1月の618名から、同年5月には742名へ増えた。社名を先に上流へ掛け替え、事業の中身を後から寄せていくことが、次の段階に残された仕事であった。

  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2007年3月時点)
    • [44]2007年3月4日時点の会社概要は事業内容欄に経営とITに関するコンサルティング、システムインテグレーション及びアウトソーシングを掲げていた
    • [47]2007年3月4日時点の会社概要は資本金1億円、決算期2月、主要取引銀行を三菱東京UFJ銀行と記していた
    • [48]所在地は東京都新宿区西新宿2-4-1 新宿NSビル5Fであった
    • [49]2007年3月4日時点の会社概要は従業員を618名(2007年1月現在)と記していた
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)【沿革】
    • [45]設立時の事業目的は経営・業務とITに関するコンサルティング、システムインテグレーション及びアウトソーシングであった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「組織図」(2007年10月時点)
    • [46]組織図は株主総会・取締役会・代表取締役・社長室を縦に置き、代表取締役の下にコンサルティング&IT事業本部を単一の事業本部として配していた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2007年5月時点)
    • [50]2007年5月20日時点の会社概要は従業員を742名(2007年5月現在)と記していた
参考文献[34]-[50]
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)【沿革】
    • [34]2006年12月に株式会社ピーシーワークスから株式会社ベイカレント・コンサルティングへ商号変更した
    • [45]設立時の事業目的は経営・業務とITに関するコンサルティング、システムインテグレーション及びアウトソーシングであった
  • ベイカレント・コンサルティング 求人情報(@type 掲載、2007年1月)
    • [35]新社名の運用は2007年1月1日から始まった
    • [36]社名は社員の叡智が結集するBay(湾)から、クライアントを成功へと導くCurrent(流れ)を生み出すことに由来する
    • [37]事業内容は経営戦略立案からBPR、ITシステム導入、保守運用までの一貫したコンサルティングサービスと掲げられた
    • [38]商号変更にあわせ、経営課題の解決から一貫して手がけるコンサルティングサービスを掲げた
    • [39]社名のBayは一流の知恵が集う湾を指し、Strategy・Business Process・ITの3つのサービスを湾に流れ込む3本の川に見立て、Currentはクライアントを成功へ導く流れを意味した
    • [40]社名のBayは一流の知恵が集う湾を指し、Strategy・Business Process・ITの3つのサービスを湾に流れ込む3本の川に見立て、Currentはクライアントを成功へ導く流れを意味した
    • [41]江口社長は当社の方針としてClient First、Be Excellent、Flexibleの3つを掲げた
    • [42]江口社長は競争優位を、戦略の立案からITシステムの構築・運用・保守などのアウトソーシング領域まで一貫して提供できることに置いた
    • [43]2005年7月にISMS・BS7799認証を、2006年7月にISO/IEC 27001:2005認証を取得した
    • [44]2007年3月4日時点の会社概要は事業内容欄に経営とITに関するコンサルティング、システムインテグレーション及びアウトソーシングを掲げていた
    • [47]2007年3月4日時点の会社概要は資本金1億円、決算期2月、主要取引銀行を三菱東京UFJ銀行と記していた
    • [48]所在地は東京都新宿区西新宿2-4-1 新宿NSビル5Fであった
    • [49]2007年3月4日時点の会社概要は従業員を618名(2007年1月現在)と記していた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「組織図」(2007年10月時点)
    • [46]組織図は株主総会・取締役会・代表取締役・社長室を縦に置き、代表取締役の下にコンサルティング&IT事業本部を単一の事業本部として配していた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2007年5月時点)
    • [50]2007年5月20日時点の会社概要は従業員を742名(2007年5月現在)と記していた

第2章 2007年〜 江口新の退任とバイロン・HDによる旧ベイカレント買収2014年の経常赤字による210億円のMBO

筆者考察y.sugiura, author

伸びた数字を実績として掲げてきた会社は、伸びが鈍ったときにその掲示をどうするかを先に迫られる。ベイカレントの沿革は2008年まで、移転先と年商を対にした年表だった。初台で4億円、新宿NSビルで17億円、フロアを広げて55億円と続く並びが実績に見えるのは、次の行に数字を足せるあいだだけである。据え置けば止まったことが見え、消せば過去も一緒に失われる。2010年、同社は年商の記載を年表から落とし、会社概要に直近1期の売上高89億円と執行役員5名の名を掲げ直した。翌年には藤沢から始まる沿革の頁ごと海外拠点の地図へ差し替え、トップページの導線もhistoryからGlobal Networkへ替えた。消したのは由来への関心ではなく、由来に添えてきた数字である。

会社が売られるのは行き詰まったときだとは限らない。ベイカレントの売上は2007年2月期の55億円から2015年2月期の140億円へ、8年で2.5倍になっている。細ったのは年ごとの増分のほうで、利益はそれでも残らず、2014年2月期は経常赤字だった。値の付く商売がありながら利益率が低いという状態は、買い手から見れば伸びしろである。2014年6月、第三者割当増資で88億4,000万円を調達したバイロン・ホールディングスが旧ベイカレント・コンサルティングの全株を210億円で取得し、のれん188億円を計上した。創業者の江口新氏と、2012年3月に社長を継いだ萩平和巳氏は、この増資に出資の側として加わっている。この8年で替わったのは商売の大きさではなく、それを誰が持つかである。

売上高(単体) 2007年2月期〜2015年2月期(億円)

55 07.2 89.01 10.2 97.51 11.2 105 12.2 112 13.2 118 14.2 140 15.2
  • 棒はすべて単体。連結の開示は無い。
  • 2007年2月期は公式サイト「沿革」(2007年1月保存)が2006年のフロア拡大に添えた年商55億円を決算期に読み替えた値。2010年2月期以降は公式サイト「会社概要」の各年の保存版が掲げた売上高。
  • 2008年2月期と2009年2月期の売上は分からない。

2007年〜増勢の停止による年商表示の取り下げと、直近1期の売上高への差し替え

人員も文面も据え置く

2007年5月に742名だった従業員は、9か月後の2008年2月現在で762名にとどまり、増えたのは20名であった。2009年2月に採取された会社概要も、従業員欄に2008年2月現在の762名をそのまま掲げていた。事業内容欄の文言も、経営とITに関するコンサルティング、システムインテグレーション及びアウトソーシングという並びから動かなかった。資本金1億円・決算期2月・主要取引銀行三菱東京UFJ銀行という会社の輪郭も同じままであった。代表挨拶の本文も、商号変更を決意として語る2007年の文面が2010年10月の採取版まで一字も改まらずに載り続けた。社名を上流へ掛け替えた会社は、掲げる中身も見せる数字も数年のあいだ据え置いた。

  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2007年5月時点)
    • [51]2007年5月20日時点の会社概要は従業員を742名(2007年5月現在)と記していた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2008年7月時点)
    • [52]2008年7月14日時点の会社概要は従業員を762名(2008年2月現在)と記していた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2009年2月時点)
    • [53]2009年2月25日時点の会社概要も従業員を762名(2008年2月現在)と記していた
    • [54]2009年2月25日時点の会社概要の事業内容欄は、経営とITに関するコンサルティング、システムインテグレーション及びアウトソーシングと記していた
    • [55]2009年2月25日時点の会社概要は資本金1億円、決算期2月、主要取引銀行を三菱東京UFJ銀行と記していた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2010年10月時点)
    • [56]2010年10月25日時点の代表挨拶の本文は、2007年1月6日時点の文面と同一であった
沿革から年商を消す

2007年時点の沿革は、1998年の藤沢での創業から2006年の新宿NSビル5階への拡張までを、移転先と年商の対で並べた年表であった。1999年の初台移転に年商4億円、2002年の新宿NSビルへの移転に17億円、2006年のフロア拡大に55億円が添えられた。同じ形式は2008年6月の採取版まで残った。ところが2010年3月に採取された沿革からは年商の記載がすべて消え、同年10月には併載されていた売上グラフの画像も外れた。年ごとに増える数字を移転の記録へ組み込む見せ方は、増加が止まれば逆に働く。

  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2007年5月時点)
    • [57]2007年時点の沿革は1998年の藤沢での創業から2007年の商号変更までを年表の形で並べていた
    • [58]沿革の年表には1999年初台移転に年商4億、2002年新宿NSビル移転に年商17億、2006年新宿NSビル5Fへのフロア拡大に年商55億が併記されていた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2008年6月時点)
    • [59]2008年6月13日時点の沿革も各年に年商を併記した年表のままであった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2010年3月時点)
    • [60]2010年3月9日時点の沿革の年表からは各年の年商の記載が失われた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2010年10月時点)
    • [61]2010年10月25日時点の沿革からは併載されていた売上グラフの画像が外れた
会社概要に売上高と役員を掲げ直す

2010年10月に採取された会社概要には、それまで無かった売上高欄が加わり、8,900,662千円(2009年度実績)と記された。同じ改訂で役員欄も新設され、代表取締役の江口新氏のもとに執行役員5名の氏名が並んだ。従業員は2010年2月現在で960名に達していた。もっとも、リーマン・ショック後にはコンサルティングの需要が減り、ベイカレントの売上は2011年2月期にかけて成長が低迷した。翌2011年11月の会社概要が掲げた2010年度実績は9,751,264千円で、1年間の増加は8億5,000万円ほどにとどまった。年ごとの伸びを示す年表を下ろし、直近1期の売上高と経営陣の名を掲げる形へ、会社の自己紹介は入れ替わった。

  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2010年10月時点)
    • [62]2010年10月25日時点の会社概要は売上高を8,900,662千円(2009年度実績)と記していた
    • [63]2010年10月25日時点の会社概要に役員欄が新設され、代表取締役江口新のもとに執行役員5名が並んだ
    • [64]2010年10月25日時点の会社概要は従業員を960名(10年2月現在)と記していた
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)
    • [65]リーマンショック後にコンサルティング需要が減少し、2011年2月期にかけて売上の成長が低迷した
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2011年11月時点)
    • [66]2011年11月1日時点の会社概要は売上高を9,751,264千円(2010年度実績)と記していた
参考文献[51]-[66]
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2007年5月時点)
    • [51]2007年5月20日時点の会社概要は従業員を742名(2007年5月現在)と記していた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2008年7月時点)
    • [52]2008年7月14日時点の会社概要は従業員を762名(2008年2月現在)と記していた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2009年2月時点)
    • [53]2009年2月25日時点の会社概要も従業員を762名(2008年2月現在)と記していた
    • [54]2009年2月25日時点の会社概要の事業内容欄は、経営とITに関するコンサルティング、システムインテグレーション及びアウトソーシングと記していた
    • [55]2009年2月25日時点の会社概要は資本金1億円、決算期2月、主要取引銀行を三菱東京UFJ銀行と記していた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2010年10月時点)
    • [56]2010年10月25日時点の代表挨拶の本文は、2007年1月6日時点の文面と同一であった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2007年5月時点)
    • [57]2007年時点の沿革は1998年の藤沢での創業から2007年の商号変更までを年表の形で並べていた
    • [58]沿革の年表には1999年初台移転に年商4億、2002年新宿NSビル移転に年商17億、2006年新宿NSビル5Fへのフロア拡大に年商55億が併記されていた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2008年6月時点)
    • [59]2008年6月13日時点の沿革も各年に年商を併記した年表のままであった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2010年3月時点)
    • [60]2010年3月9日時点の沿革の年表からは各年の年商の記載が失われた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2010年10月時点)
    • [61]2010年10月25日時点の沿革からは併載されていた売上グラフの画像が外れた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2010年10月時点)
    • [62]2010年10月25日時点の会社概要は売上高を8,900,662千円(2009年度実績)と記していた
    • [63]2010年10月25日時点の会社概要に役員欄が新設され、代表取締役江口新のもとに執行役員5名が並んだ
    • [64]2010年10月25日時点の会社概要は従業員を960名(10年2月現在)と記していた
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)
    • [65]リーマンショック後にコンサルティング需要が減少し、2011年2月期にかけて売上の成長が低迷した
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2011年11月時点)
    • [66]2011年11月1日時点の会社概要は売上高を9,751,264千円(2010年度実績)と記していた

2011年〜下流の語を落とした自己説明の書き換えと、マッキンゼー出身の萩平和巳の登用

アウトソーシングの一節を落とす

2011年8月に採取された代表挨拶から、2007年以来載り続けてきた一節が落ちた。ITシステムの構築・運用・保守などのアウトソーシング領域まで一貫して担えるという記述が消えた。残ったのは、戦略の立案からトータルでサービスを提供できるという書き方であった。会社概要の事業内容欄も同年11月に、経営とITに関するコンサルティングから経営・業務とITに関するコンサルティングへ改まった。2012年4月には、システム導入の語がSIの2文字へ置き換わった。上流の工程を前へ出し、下流の工程を語の上で後退させる書き換えが、1年のうちに複数の頁で起きた。

  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2011年8月時点)
    • [67]2011年8月26日時点の代表挨拶の本文は、2007年1月以来同一であった文面から一節が減っていた
    • [68]2011年8月26日時点の代表挨拶からは、ITシステムの構築・運用・保守などのアウトソーシング領域までという記述が失われた
    • [69]2011年8月26日時点の代表挨拶は競争優位の説明を、問題解決に向けた戦略の立案からトータルでプロフェッショナルなサービスを提供できることとしていた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2011年11月時点)
    • [70]2011年11月1日時点の会社概要の事業内容欄は、経営・業務とITに関するコンサルティング、システム導入およびアウトソーシングと記していた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2012年4月時点)
    • [71]2012年4月29日時点の会社概要の事業内容欄は、経営・業務とITに関するコンサルティング、SIおよびアウトソーシングと記していた
沿革の頁を海外拠点へ差し替える

2011年10月、沿革を載せていた頁がグローバルコンサルティングNWへ差し替えられた。世界地図の上に、2011年8月24日時点の拠点が示された。同年11月の組織図には、代表取締役の下に欧州拠点・米国拠点・アジア拠点(準備中)・中国拠点(準備中)の4行が置かれた。トップページ左の導線も、前年10月の沿革(history)から海外拠点(Global Network)へ入れ替わった。従業員はこの間に、2010年2月の960名から2011年2月の888名、2012年2月の856名へと2年で104名減った。藤沢での創業から移転を重ねた来歴を見せる頁は、こうして公式サイトから外れた。

  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2011年10月2日採取・グローバルコンサルティングNWへ差し替え)
    • [72]2011年10月2日時点で沿革のURLはグローバルコンサルティングNWへ差し替わっていた
    • [73]グローバルコンサルティングNWの頁には2011年8月24日時点の拠点を示す世界地図が掲げられた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「組織図」(2011年11月時点)
    • [74]2011年11月10日時点の組織図には代表取締役の下に欧州拠点・米国拠点・アジア拠点(準備中)・中国拠点(準備中)の4行が置かれた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト トップページ(2011年12月時点)
    • [75]2010年10月26日時点のトップページの導線は沿革(history)であったが、2011年12月6日時点では海外拠点(Global Network)へ替わった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2012年4月時点)
    • [76]従業員は960名(2010年2月現在)、888名(2011年2月現在)、856名(2012年2月現在)と推移した
マッキンゼー出身者に社長を譲る

萩平和巳氏の名が会社概要に現れるのは、2011年11月の採取版が最初である。前年10月の役員欄と比べると、執行役員5名のうち長谷川洋司氏と三浦大地氏の名が消え、萩平氏の名が加わっていた。萩平氏は京都大学で情報工学を修め、三菱商事のIT部門で戦略IT事業会社の立ち上げに携わった。マッキンゼー・アンド・カンパニーでBTO部門の日本共同代表を務めたのち、2011年5月に入社した。2012年3月、創業者の江口新氏が社長を退き、萩平氏が代表取締役社長に就いた。直前の2012年2月期は、売上高101億円に対して経常利益が4億8,000万円で、売上高経常利益率は5%に満たなかった。商号変更前の2006年2月期の売上高37億7,800万円から6年で2.7倍に伸びた規模に、利益率は伴っていなかった。

  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2011年11月時点)
    • [77]2011年11月1日時点の会社概要の役員欄に執行役員として萩平和巳の名が記された
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2010年10月時点)
    • [78]2010年10月25日時点の執行役員は阿部義之・朝日竜樹・長谷川洋司・南部光良・三浦大地の5名であった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2012年6月時点)
    • [79]萩平和巳氏は京都大学にて情報工学を修了し、三菱商事のIT部門で戦略IT事業会社の立ち上げに携わった
    • [80]萩平和巳氏はマッキンゼー&カンパニーBTO日本共同代表を経て2011年にベイカレント・コンサルティングへ入社した
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)
    • [81]2012年3月に創業者の江口新氏が社長を退任し、萩平和巳氏が社長に就任した
    • [82]2012年2月期の売上高は101億円、経常利益は4億8,000万円で、売上高経常利益率は5%に満たなかった
  • ベイカレント・コンサルティング 求人情報(@type 掲載、2007年1月)
    • [83]2006年2月期の売上高は37億7,800万円であった
参考文献[67]-[83]
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2011年8月時点)
    • [67]2011年8月26日時点の代表挨拶の本文は、2007年1月以来同一であった文面から一節が減っていた
    • [68]2011年8月26日時点の代表挨拶からは、ITシステムの構築・運用・保守などのアウトソーシング領域までという記述が失われた
    • [69]2011年8月26日時点の代表挨拶は競争優位の説明を、問題解決に向けた戦略の立案からトータルでプロフェッショナルなサービスを提供できることとしていた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2011年11月時点)
    • [70]2011年11月1日時点の会社概要の事業内容欄は、経営・業務とITに関するコンサルティング、システム導入およびアウトソーシングと記していた
    • [77]2011年11月1日時点の会社概要の役員欄に執行役員として萩平和巳の名が記された
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2012年4月時点)
    • [71]2012年4月29日時点の会社概要の事業内容欄は、経営・業務とITに関するコンサルティング、SIおよびアウトソーシングと記していた
    • [76]従業員は960名(2010年2月現在)、888名(2011年2月現在)、856名(2012年2月現在)と推移した
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2011年10月2日採取・グローバルコンサルティングNWへ差し替え)
    • [72]2011年10月2日時点で沿革のURLはグローバルコンサルティングNWへ差し替わっていた
    • [73]グローバルコンサルティングNWの頁には2011年8月24日時点の拠点を示す世界地図が掲げられた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「組織図」(2011年11月時点)
    • [74]2011年11月10日時点の組織図には代表取締役の下に欧州拠点・米国拠点・アジア拠点(準備中)・中国拠点(準備中)の4行が置かれた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト トップページ(2011年12月時点)
    • [75]2010年10月26日時点のトップページの導線は沿革(history)であったが、2011年12月6日時点では海外拠点(Global Network)へ替わった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2010年10月時点)
    • [78]2010年10月25日時点の執行役員は阿部義之・朝日竜樹・長谷川洋司・南部光良・三浦大地の5名であった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2012年6月時点)
    • [79]萩平和巳氏は京都大学にて情報工学を修了し、三菱商事のIT部門で戦略IT事業会社の立ち上げに携わった
    • [80]萩平和巳氏はマッキンゼー&カンパニーBTO日本共同代表を経て2011年にベイカレント・コンサルティングへ入社した
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)
    • [81]2012年3月に創業者の江口新氏が社長を退任し、萩平和巳氏が社長に就任した
    • [82]2012年2月期の売上高は101億円、経常利益は4億8,000万円で、売上高経常利益率は5%に満たなかった
  • ベイカレント・コンサルティング 求人情報(@type 掲載、2007年1月)
    • [83]2006年2月期の売上高は37億7,800万円であった

2012年〜執行役員の総入れ替えでも残らない利益と、買収価格210億円による資本の組み替え

世界初の志を日本初へ書き改める

日本の代表的な企業が海外で成功を収めることへの貢献をうたい、『世界初の日系グローバルトップファームとなって、日本企業の世界での成功を支援したい』と掲げたのは、2012年6月に採取された代表挨拶である。その文面は、江口氏の3段落から萩平氏の長文へと全面的に改められていた。業界ごとの縦割り組織はなくすとした。シンガポール大学や北京大学と組んだ海外研修を、経営層が先頭に立って進めることも並べた。しかし同じ一節は、同年11月の採取版で日本初のグローバルトップファームへと改められている。提携先の大学名も、世界トップ校という表現へ置き換わった。11月の組織図からは、前年に置かれた4つの海外拠点の行が消えている。海外へ広げると掲げた志の射程は、半年のあいだに一段縮んだ。

  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2012年6月時点)
    • [84]2012年6月25日時点の代表挨拶は、世界初の日系グローバルトップファームとなって日本企業の世界での成功を支援したいと掲げていた
    • [85]2012年6月25日時点の代表挨拶は代表取締役萩平和巳の名で全面的に書き改められ、日本の危機と機会からベイカレントの人財集団までの5節構成となった
    • [86]2012年6月25日時点の代表挨拶は、業界別の縦割り組織を廃すること、経営層が率先して全社員対象の英語研修やシンガポール大学・北京大学との提携による海外ビジネススクール研修を進めることを挙げていた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2012年11月時点)
    • [87]2012年11月5日時点の代表挨拶では、同じ一節が日本初のグローバルトップファームへと書き改められた
    • [88]2012年11月5日時点の代表挨拶では研修の記述からシンガポール大学・北京大学の名が消え、世界トップ校との提携という表現に替わった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「組織図」(2012年11月時点)
    • [89]2012年11月3日時点の組織図には欧州拠点・米国拠点・アジア拠点・中国拠点の行が無い
執行役員を入れ替えても赤字を出す

2010年10月の会社概要は、執行役員として阿部義之・朝日竜樹・長谷川洋司・南部光良・三浦大地の5氏を並べていた。2013年8月の同じ欄で執行役員に残るのは阿部氏だけで、ほかは小塚裕史・山際龍太・関口諭の3氏へ入れ替わった。人員は2012年2月の856名を底に、2013年2月に880名、2014年2月に920名、2015年2月に1,052名へ戻った。売上高も2013年2月期112億円、2014年2月期118億円、2015年2月期140億円と伸びた。ただし2014年2月期は経常赤字であった。増員と増収が同時に進みながら利益が残らない形は、社長の交代を挟んでも変わっていない。

  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2010年10月時点)
    • [90]2010年10月25日時点の会社概要の執行役員は阿部義之・朝日竜樹・長谷川洋司・南部光良・三浦大地の5名であった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2013年8月時点)
    • [91]2013年8月5日時点の会社概要の執行役員は阿部義之・小塚裕史・山際龍太・関口諭の4名であった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2015年4月時点)
    • [92]従業員は856名(2012年2月現在)、880名(2013年)、920名(2014年)、1,052名(2015年)と推移した
    • [93]売上高は112億円(2013年2月期)、118億円(2014年2月期)、140億円(2015年2月期)と推移した
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)
    • [94]2014年2月期は経常赤字となった
ファンドと組んで自社を買収する

2014年4月、東京都港区にバイロン・ホールディングス株式会社が設立された。Sunrise Capitalを中心とする第三者割当増資で88億4,000万円が払い込まれ、江口新氏と萩平和巳氏も出資に加わった。同年6月、バイロンは旧ベイカレント・コンサルティングの全株式を取得して完全子会社とし、買収価格210億円に対してのれん188億円を計上した。増資で賄えない取得資金は金融機関からの長期借入でまかない、2015年2月末の自己資本比率は37.7%となった。同年8月には、本社を新宿区から東京都港区へ移した。10月にはバイロンが旧ベイカレント・コンサルティングを吸収合併し、同日付で商号を株式会社ベイカレント・コンサルティングへ改めた。

  • ベイカレント 有価証券報告書【沿革】
    • [95]2014年4月にバイロン・ホールディングス株式会社を東京都港区に設立した
    • [97]2014年6月にバイロン・ホールディングスが旧ベイカレント・コンサルティングの全株式を取得し完全子会社とした
    • [101]2014年8月に本社を東京都港区へ移転した
    • [102]2014年10月にバイロン・ホールディングスが旧ベイカレント・コンサルティングを吸収合併し、同日付で株式会社ベイカレント・コンサルティングへ商号変更した
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)
    • [96]Sunrise Capitalを中心とする第三者割当増資で88億4,000万円を調達し、江口新氏と萩平和巳氏も出資した
    • [98]買収価格は210億円で、のれん188億円を計上した
    • [99]第三者割当増資88億4,000万円を超える取得資金は金融機関からの長期借入でまかなわれた
    • [100]2015年2月末の自己資本比率は37.7%であった
事業内容からSIとアウトソーシングを外す

2015年4月の会社概要は、本社を東京都港区虎ノ門1丁目23-1 虎ノ門ヒルズ森タワー9階、主要取引銀行を三井住友銀行と記した。前年6月時点の新宿NSビル5階・三菱東京UFJ銀行から、居所と取引銀行が同時に替わり、執行役員は8名へ増えた。同年8月の会社概要では、常勤役員の欄が代表取締役社長・取締役4名・監査役1名と執行役員4名に組み替えられた。別に非常勤の社外取締役4名と社外監査役1名が加わった。事業内容欄からはSIおよびアウトソーシングの行が落ち、経営・業務とITに関するコンサルティングだけが残った。創業から17年にわたり掲げ続けた下流の工程は、会社が自分を説明する文面から消えた。

  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2015年4月時点)
    • [103]2015年4月20日時点の会社概要は所在地を東京都港区虎ノ門1丁目23-1 虎ノ門ヒルズ森タワー9階、主要取引銀行を三井住友銀行としていた
    • [105]2015年4月20日時点の会社概要には代表取締役社長のもとに執行役員8名が並んだ
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2014年6月時点)
    • [104]2014年6月25日時点の会社概要は所在地を東京都新宿区西新宿の新宿NSビル5F、主要取引銀行を三菱東京UFJ銀行としていた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2015年8月時点)
    • [106]2015年8月26日時点の会社概要には常勤役員として代表取締役社長・取締役4名・監査役1名・執行役員4名が掲げられた
    • [107]2015年8月26日時点の会社概要には社外役員(非常勤)として社外取締役4名・社外監査役1名が掲げられた
    • [108]2015年8月26日時点の会社概要の事業内容欄は経営・業務とITに関するコンサルティングのみを記していた
参考文献[84]-[108]
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2012年6月時点)
    • [84]2012年6月25日時点の代表挨拶は、世界初の日系グローバルトップファームとなって日本企業の世界での成功を支援したいと掲げていた
    • [85]2012年6月25日時点の代表挨拶は代表取締役萩平和巳の名で全面的に書き改められ、日本の危機と機会からベイカレントの人財集団までの5節構成となった
    • [86]2012年6月25日時点の代表挨拶は、業界別の縦割り組織を廃すること、経営層が率先して全社員対象の英語研修やシンガポール大学・北京大学との提携による海外ビジネススクール研修を進めることを挙げていた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2012年11月時点)
    • [87]2012年11月5日時点の代表挨拶では、同じ一節が日本初のグローバルトップファームへと書き改められた
    • [88]2012年11月5日時点の代表挨拶では研修の記述からシンガポール大学・北京大学の名が消え、世界トップ校との提携という表現に替わった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「組織図」(2012年11月時点)
    • [89]2012年11月3日時点の組織図には欧州拠点・米国拠点・アジア拠点・中国拠点の行が無い
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2010年10月時点)
    • [90]2010年10月25日時点の会社概要の執行役員は阿部義之・朝日竜樹・長谷川洋司・南部光良・三浦大地の5名であった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2013年8月時点)
    • [91]2013年8月5日時点の会社概要の執行役員は阿部義之・小塚裕史・山際龍太・関口諭の4名であった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2015年4月時点)
    • [92]従業員は856名(2012年2月現在)、880名(2013年)、920名(2014年)、1,052名(2015年)と推移した
    • [93]売上高は112億円(2013年2月期)、118億円(2014年2月期)、140億円(2015年2月期)と推移した
    • [103]2015年4月20日時点の会社概要は所在地を東京都港区虎ノ門1丁目23-1 虎ノ門ヒルズ森タワー9階、主要取引銀行を三井住友銀行としていた
    • [105]2015年4月20日時点の会社概要には代表取締役社長のもとに執行役員8名が並んだ
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)
    • [94]2014年2月期は経常赤字となった
    • [96]Sunrise Capitalを中心とする第三者割当増資で88億4,000万円を調達し、江口新氏と萩平和巳氏も出資した
    • [98]買収価格は210億円で、のれん188億円を計上した
    • [99]第三者割当増資88億4,000万円を超える取得資金は金融機関からの長期借入でまかなわれた
    • [100]2015年2月末の自己資本比率は37.7%であった
  • ベイカレント 有価証券報告書【沿革】
    • [95]2014年4月にバイロン・ホールディングス株式会社を東京都港区に設立した
    • [97]2014年6月にバイロン・ホールディングスが旧ベイカレント・コンサルティングの全株式を取得し完全子会社とした
    • [101]2014年8月に本社を東京都港区へ移転した
    • [102]2014年10月にバイロン・ホールディングスが旧ベイカレント・コンサルティングを吸収合併し、同日付で株式会社ベイカレント・コンサルティングへ商号変更した
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2014年6月時点)
    • [104]2014年6月25日時点の会社概要は所在地を東京都新宿区西新宿の新宿NSビル5F、主要取引銀行を三菱東京UFJ銀行としていた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2015年8月時点)
    • [106]2015年8月26日時点の会社概要には常勤役員として代表取締役社長・取締役4名・監査役1名・執行役員4名が掲げられた
    • [107]2015年8月26日時点の会社概要には社外役員(非常勤)として社外取締役4名・社外監査役1名が掲げられた
    • [108]2015年8月26日時点の会社概要の事業内容欄は経営・業務とITに関するコンサルティングのみを記していた

第3章 2016年〜 東京証券取引所マザーズ上場と持株会社体制への移行稼働率70%台への急落と阿部義之の就任、1,000億円計画の3年での到達

筆者考察y.sugiura, author

人月で稼ぐ事業では、単価と稼働率は同じ天秤の両側に載っている。2016年秋、上場を果たしたばかりのベイカレントは、継続案件を絞って受注価格を引き上げ、単価の側だけを先に動かした。空いた人員を埋める高単価案件は集まらず、90%を超えていた稼働率は70%台へ沈み、社長は3か月で交代した。後任の阿部義之氏は順序を逆にし、まず人を案件へ戻した。その後の3か年計画では、EBITDAを目標の約2倍まで積み、営業利益率は20%から32%へ上がった。上場直後に失敗した高単価化は、稼働率を崩さない範囲で時間をかけて実現した。2026年2月期には人員の伸びが鈍り、成長の説明は一人当たり売上へ移っており、単価の側を再び動かす局面に入ったとみられる。

2016年〜ファンドの売出が占めた上場と、稼働率70%台への急落による萩平和巳の辞任

公開株の大半を売出に充てる

2016年9月2日、ベイカレント・コンサルティングは東証マザーズに株式を上場した。新しく発行した株式は5万株にとどまり、既存株主による売出1,168万400株が公開の大半を占めた。上場前の株主構成を見ると、Sunrise Capital系の3ファンドが計43.13%、EHRS L.P.が10.75%を握っていた。主幹事は野村證券が務め、ファンドが上場時に持分の一部を売る予定も開示されていた。半年後の2017年2月末、Sunrise Capital系の持分は計5%強まで下がった。反対に創業者の江口新氏は買い増しを続け、2018年2月末には10.06%を持つ筆頭株主へ戻った。この上場は、会社が資金を得る場というより、2014年に資本を組み替えたファンドが持分を手放す場として設計されたとみられる。

  • ベイカレント 有価証券報告書【沿革】
    • [109]2016年9月に東京証券取引所マザーズ市場へ株式を上場した
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)
    • [110]上場時の公募は5万株で、売出は1,168万400株、オーバーアロットメントは175万9,500株であった
    • [111]上場前の株主構成はSunrise Capital系3ファンドが計43.13%、EHRS L.P.が10.75%であった
    • [112]主幹事は野村證券で、ファンドが上場時に保有株式の一部を売却することが記載されていた
  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2017年2月期)【大株主の状況】
    • [113]2017年2月末のSunrise Capital系ファンドの保有比率は計5%強であった
  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2018年2月期)【大株主の状況】
    • [114]江口新氏は保有株式を77万株から155万株へ増やし、2018年2月末に保有比率10.06%の筆頭株主となった
継続案件を選別して単価を上げる

上場日に公表した成長可能性の説明資料は、案件の高付加価値化を成長の柱に据えていた。萩平和巳社長はこの路線を進めるため、10月から営業部門を含む社内体制を組み替え、自ら指揮を執った。継続取引で安定した収益を生んでいた案件の受注を制限し、受注価格も引き上げた。しかし契約を終えたコンサルタントを埋めるだけの高単価案件は集まらず、90%超を保ってきた稼働率は70%台へ落ちた。顧客は突然の申し入れに困惑し、社員からも施策を疑う声が出たことを、会社は翌月の株主向け文書で認めた。12月9日に2017年2月期の業績予想が引き下げられ、萩平氏は業績悪化の責任を取って社長と取締役を辞した。人員を抱えたまま単価だけを先に動かした手順が、人月事業の土台である稼働率を崩したのだろう。

  • ベイカレント・コンサルティング 適時開示「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2016年12月9日)
    • [115]2016年9月2日に公表した成長可能性に関する説明資料は、高付加価値化を成長戦略としていた
    • [120]2016年12月9日に通期業績予想を下方修正し、萩平和巳氏が業績悪化の責任を取って代表取締役社長及び取締役を辞任した
  • ベイカレント・コンサルティング 適時開示「2016年12月9日付公表の2017年2月期の通期業績予想の修正及び代表取締役の異動の経緯並びに今後の事業推進方針について」(2017年1月16日)
    • [116]上場後の2016年10月から営業部門を含む内部体制を変更し、萩平和巳氏が直接指揮を執った
    • [117]継続的取引で安定的収益を維持していた案件の受注を制限し、受注価格を引き上げて高単価化を進めた
    • [118]待機となるコンサルタント数に見合う案件数を確保できず、安定的に90%超だった稼働率が70%台の水準となった
    • [119]突然の申し入れに顧客が困惑し、社員からも施策に対する疑問の声が上がり始めた
稼働率の回復を優先する

後任の社長には、取締役としてコンサルティング&IT事業本部を率いていた阿部義之氏が、社外取締役を含む全会一致で選ばれた。1989年に野村総合研究所へ入社し、複数のIT企業を経てきた人物である。阿部氏は既存の顧客を回って新体制を説明し、稼働率の回復を何より先に置いた。2017年1月の株主向け文書では、急で危うさを伴う成長計画はとらず、足元の収益を守りつつ着実に伸ばす方針を示した。MBOで積んだのれんについても、外部の専門機関の支援を受けて減損テストを行い、減損は生じていないと説明した。2017年2月期は売上高172億円に対し、営業利益は23億円へ減った。単価を上げる前に人を案件へ就かせるという順序の組み替えが、以後の増収の起点になった。

  • ベイカレント・コンサルティング 適時開示「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2016年12月9日)
    • [121]取締役兼コンサルティング&IT事業本部長の阿部義之氏が、社外取締役を含む全会一致で新任代表取締役社長に選任された
    • [122]阿部義之氏は1989年4月に野村総合研究所へ入社し、エックスエヌ、ユニバーサルシステムエンジニアリングを経た
  • ベイカレント・コンサルティング 適時開示「2016年12月9日付公表の2017年2月期の通期業績予想の修正及び代表取締役の異動の経緯並びに今後の事業推進方針について」(2017年1月16日)
    • [123]阿部義之氏は就任後、収益の安定化を優先し、既存顧客を中心に新体制の説明に回って稼働率の回復を図った
    • [124]急激でリスクのある成長計画ではなく、足下の収益維持を大切にしつつ着実に成長する方針を示した
    • [125]第3四半期決算にあたり外部専門機関の支援の下でのれんの減損テストを実施し、減損は発生していないと結論した
  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2017年2月期・IFRS)
    • [126]2017年2月期(IFRS)の売上高は172億円、営業利益は23億円であった
参考文献[109]-[126]
  • ベイカレント 有価証券報告書【沿革】
    • [109]2016年9月に東京証券取引所マザーズ市場へ株式を上場した
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)
    • [110]上場時の公募は5万株で、売出は1,168万400株、オーバーアロットメントは175万9,500株であった
    • [111]上場前の株主構成はSunrise Capital系3ファンドが計43.13%、EHRS L.P.が10.75%であった
    • [112]主幹事は野村證券で、ファンドが上場時に保有株式の一部を売却することが記載されていた
  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2017年2月期)【大株主の状況】
    • [113]2017年2月末のSunrise Capital系ファンドの保有比率は計5%強であった
  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2018年2月期)【大株主の状況】
    • [114]江口新氏は保有株式を77万株から155万株へ増やし、2018年2月末に保有比率10.06%の筆頭株主となった
  • ベイカレント・コンサルティング 適時開示「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2016年12月9日)
    • [115]2016年9月2日に公表した成長可能性に関する説明資料は、高付加価値化を成長戦略としていた
    • [120]2016年12月9日に通期業績予想を下方修正し、萩平和巳氏が業績悪化の責任を取って代表取締役社長及び取締役を辞任した
    • [121]取締役兼コンサルティング&IT事業本部長の阿部義之氏が、社外取締役を含む全会一致で新任代表取締役社長に選任された
    • [122]阿部義之氏は1989年4月に野村総合研究所へ入社し、エックスエヌ、ユニバーサルシステムエンジニアリングを経た
  • ベイカレント・コンサルティング 適時開示「2016年12月9日付公表の2017年2月期の通期業績予想の修正及び代表取締役の異動の経緯並びに今後の事業推進方針について」(2017年1月16日)
    • [116]上場後の2016年10月から営業部門を含む内部体制を変更し、萩平和巳氏が直接指揮を執った
    • [117]継続的取引で安定的収益を維持していた案件の受注を制限し、受注価格を引き上げて高単価化を進めた
    • [118]待機となるコンサルタント数に見合う案件数を確保できず、安定的に90%超だった稼働率が70%台の水準となった
    • [119]突然の申し入れに顧客が困惑し、社員からも施策に対する疑問の声が上がり始めた
    • [123]阿部義之氏は就任後、収益の安定化を優先し、既存顧客を中心に新体制の説明に回って稼働率の回復を図った
    • [124]急激でリスクのある成長計画ではなく、足下の収益維持を大切にしつつ着実に成長する方針を示した
    • [125]第3四半期決算にあたり外部専門機関の支援の下でのれんの減損テストを実施し、減損は発生していないと結論した
  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2017年2月期・IFRS)
    • [126]2017年2月期(IFRS)の売上高は172億円、営業利益は23億円であった

2017年〜フューチャー2社による165,000千円の提訴と、320億〜350億円計画の上振れ

競合の従業員名簿をめぐり訴えられる

2017年8月3日、フューチャーとフューチャーアーキテクトの2社が、ベイカレントと元従業員を不正競争防止法などに基づいて訴えた。差止めと損害賠償を求め、請求額は合計165,000千円であった。刑事では2019年3月、東京地裁が元従業員に懲役1年・執行猶予3年と罰金50万円を言い渡した。判決は、ベイカレントの採用担当が引き抜き用の人材リストを頼み、元従業員が原告の全従業員名簿を不正に持ち出したと認めた。罪に問われたのは元従業員だけで、ベイカレントは刑事の被告になっていない。民事は2026年2月期末もなお続き、会社は請求が認められるとは考えず、引当金を積まなかった。中途採用で頭数を積む成長の仕方が、競合の人材をどこまで取りに行けるかという線引きの問題を抱えた。

  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2018年2月期)【偶発債務】
    • [127]フューチャー株式会社及びフューチャーアーキテクト株式会社が、2017年8月3日付でベイカレントと元従業員に対し不正競争防止法等に基づく民事訴訟を提起した
    • [128]訴訟の内容は差止め等及び損害賠償請求で、請求金額は合計165,000千円であった
  • フューチャー株式会社「刑事裁判の判決に関するお知らせ」(2019年3月26日)
    • [129]2019年3月、東京地方裁判所が元従業員に懲役1年(執行猶予3年)・罰金50万円の有罪判決を言い渡した
    • [130]刑事判決は、ベイカレントの採用担当が引き抜き目的で人材リストの作成を依頼し、元従業員がフューチャーの全従業員名簿を不正に領得したと認定した
    • [131]刑事裁判の被告は元従業員であり、ベイカレントは被告となっていない
  • ベイカレント 有価証券報告書(2026年2月期)【偶発債務】
    • [132]2026年2月期末時点でも訴訟は係属し、会社は請求が認められるとは考えておらず、引当金を計上していない
3か年計画のEBITDA目標を倍で超える

会社は2019年2月期からの3年間を、先々の拡大に備えて基盤を固める期間と位置づけた。最終年度の目標は、売上320億〜350億円とEBITDA約70億円に置かれた。この間の2018年12月には、上場先を東証一部へ移した。最終年度の2021年2月期、売上収益は429億円、EBITDAは139億円となり、EBITDAは目標の約2倍に達した。経営戦略やDXに関わる付加価値の高い案件が増え、営業利益率は3年で20%から32%へ上がった。株式時価総額は約500億円から約5,000億円へ、年間配当は1株40円から170円へ増えた。上場直後に急いで挫折した単価の引き上げは、稼働率を保ったまま3年をかけて果たされたといえる。

  • ベイカレント・コンサルティング「中期経営計画(2022.2月期~2026.2月期)」(2021年4月26日)
    • [133]前回計画(2019年2月期〜2021年2月期)は将来の持続的な事業拡大に向けた基盤固めの3年間と位置づけられた
    • [134]前回計画の目標は売上320億〜350億円、EBITDA約70億円であった
    • [136]2021年2月期の売上収益は429億円、EBITDAは139億円であった
    • [137]経営戦略やDX等に関する付加価値の高いプロジェクトが増え、営業利益率は3年間で20%から32%へ向上した
    • [138]3年間で株式時価総額は約500億円から約5,000億円へ、年間配当金は40円から170円へ増えた
  • ベイカレント 有価証券報告書【沿革】
    • [135]2018年12月に東京証券取引所市場第一部へ市場変更した
参考文献[127]-[138]
  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2018年2月期)【偶発債務】
    • [127]フューチャー株式会社及びフューチャーアーキテクト株式会社が、2017年8月3日付でベイカレントと元従業員に対し不正競争防止法等に基づく民事訴訟を提起した
    • [128]訴訟の内容は差止め等及び損害賠償請求で、請求金額は合計165,000千円であった
    • [129]2019年3月、東京地方裁判所が元従業員に懲役1年(執行猶予3年)・罰金50万円の有罪判決を言い渡した
    • [130]刑事判決は、ベイカレントの採用担当が引き抜き目的で人材リストの作成を依頼し、元従業員がフューチャーの全従業員名簿を不正に領得したと認定した
    • [131]刑事裁判の被告は元従業員であり、ベイカレントは被告となっていない
  • ベイカレント 有価証券報告書(2026年2月期)【偶発債務】
    • [132]2026年2月期末時点でも訴訟は係属し、会社は請求が認められるとは考えておらず、引当金を計上していない
  • ベイカレント・コンサルティング「中期経営計画(2022.2月期~2026.2月期)」(2021年4月26日)
    • [133]前回計画(2019年2月期〜2021年2月期)は将来の持続的な事業拡大に向けた基盤固めの3年間と位置づけられた
    • [134]前回計画の目標は売上320億〜350億円、EBITDA約70億円であった
    • [136]2021年2月期の売上収益は429億円、EBITDAは139億円であった
    • [137]経営戦略やDX等に関する付加価値の高いプロジェクトが増え、営業利益率は3年間で20%から32%へ向上した
    • [138]3年間で株式時価総額は約500億円から約5,000億円へ、年間配当金は40円から170円へ増えた
  • ベイカレント 有価証券報告書【沿革】
    • [135]2018年12月に東京証券取引所市場第一部へ市場変更した

2021年〜1,000億円計画の3年での到達と、持株会社ベイカレントへの移行

5年の目標を3年でほぼ満たす

2021年4月、会社は2026年2月期を最終年度とする5か年の中期経営計画を公表した。年率20%を目安に伸ばし、最終年度に売上1,000億円とEBITDA300億円超を得る目標を置いた。取り組みには、高付加価値化の推進と並んで社員4,000名体制の構築が挙がった。採用は計画を上回り、期末のコンサルタント数は2021年2月期の1,941名から2024年2月期の3,837名へ倍増した。2024年2月期の売上は93,909百万円、EBITDAは35,312百万円となった。会社はこれをもって、5年で計画した業績目標を3年でおおむね達成したと総括した。人員を倍にしながらEBITDAマージンは37.6%を保っており、増員が利益率を削らない運営が定着したとみられる。

  • ベイカレント・コンサルティング「中期経営計画(2022.2月期~2026.2月期)」(2021年4月26日)
    • [139]2021年4月26日に中期経営計画(2022年2月期〜2026年2月期)を公表した
    • [140]売上・利益ともに年率20%を目安に成長し、2026年2月期に売上1,000億円、EBITDA300億円超を目標とした
    • [141]5年間の主な取り組みとして高付加価値化の更なる推進、社員4,000名体制の構築などを掲げた
  • ベイカレント・コンサルティング「決算補足説明・中期経営計画」(2024年4月12日)
    • [142]採用が計画線を上回り、期末コンサルタント数は2021年2月期の1,941名から2024年2月期の3,837名へ増えた
    • [143]2024年2月期の売上は93,909百万円、EBITDAは35,312百万円(EBITDAマージン37.6%)であった
    • [144]5年で計画していた業績目標を3年で概ね達成したとして、新たな5か年計画を策定した
実装の子会社を切り出す

2024年4月に示した次の5か年計画は、2029年2月期に売上2,500億円を掲げた。前提はCAGR20%程度の成長で、EBITDAマージンは30〜40%を保つとした。成長策にはコアクライアントとの取引拡大と並び、DX/IT実装を担うテクノロジー子会社の立ち上げが入った。ただし計画期間中の実装支援は、DXなど実績のあるコンサル周辺の領域に限るとした。同年9月には吸収分割で持株会社体制へ移り、商号を株式会社ベイカレントへ改めた。事業はコンサルティングとテクノロジーの2つの子会社へ移り、持株会社単体の従業員は4,321名から593名になった。分社は提案と実装を別の採算で測る会社を先に用意した組み替えで、売上を伸ばす手段はなおコンサルタントの頭数であった。

  • ベイカレント・コンサルティング「決算補足説明・中期経営計画」(2024年4月12日)
    • [145]新たな中期経営計画(5か年)は、5年後の2029年2月期に売上2,500億円を目指すとした
    • [146]継続的かつ安定的な成長の計画線としてCAGR20%程度を置き、EBITDAマージンは30〜40%を維持するとした
    • [147]成長戦略としてコアクライアント数の増加と取引拡大、DX/IT実装領域の強化(テクノロジー子会社の立上げ)を掲げた
    • [148]本中計期間においては、実績のあるDXなどのコンサル周辺領域に関わるDX/IT実装支援を拡充するとした
  • ベイカレント 有価証券報告書(2026年2月期・連結・IFRS)
    • [149]2024年9月に持株会社体制に移行し、株式会社ベイカレントに商号変更した
  • ベイカレント 有価証券報告書(2025年2月期)
    • [150]持株会社体制への移行により、提出会社単体の従業員数は4,321名から593名となった
人員の伸びの鈍りを一人当たり売上で補う

2026年2月期の連結売上高は1,483億円となり、上場直後の2017年2月期の172億円から約8.6倍に増えた。EBITDAは52,125百万円で、売上とともにおおむね計画どおりに着地した。コンサルタント数は4,784名から5,590名へ16.8%増えたが、組織強化のための再配置を行った影響で伸びは例年より緩やかであった。代わりにコンサルタント一人当たり売上が計画を約4%上回り、稼働率は80%台半ばで推移した。株価は下期から下がり、AIの進化で需要が細るという投資家の懸念にも、会社は資料で答えた。2026年3月18日には最大約300億円の自社株買いを発表し、2027年2月期も一人当たり売上を約5%上げる想定を示した。成長の説明の重心は、頭数から一人当たり売上へ移りつつあった。

  • ベイカレント 有価証券報告書(2026年2月期・連結・IFRS)
    • [151]2026年2月期の連結売上高は1,483億円であった
  • ベイカレント「FY2026 通期 決算説明会資料」(2026年4月14日)
    • [152]2026年2月期のEBITDAは52,125百万円で、売上・EBITDAとも概ね計画通りに着地した
    • [153]人材再配置を実施したため、コンサルタント数は前年期末4,784名から当期末5,590名(YoY+16.8%)と例年より緩やかな伸びとなった
    • [154]コンサルタント一人当たり売上は計画を約4%上振れて着地し、通期の平均稼働率は80%台半ばであった
    • [155]2026年2月期下期以降に株価が下落し、AIによるコンサル需要や一人当たり売上の減少を懸念する投資家の声を資料で取り上げた
    • [156]2026年3月18日に最大約300億円規模の自社株買いの実施を発表し、2027年2月期もコンサルタント一人当たり売上を約5%向上させる想定とした
参考文献[139]-[156]
  • ベイカレント・コンサルティング「中期経営計画(2022.2月期~2026.2月期)」(2021年4月26日)
    • [139]2021年4月26日に中期経営計画(2022年2月期〜2026年2月期)を公表した
    • [140]売上・利益ともに年率20%を目安に成長し、2026年2月期に売上1,000億円、EBITDA300億円超を目標とした
    • [141]5年間の主な取り組みとして高付加価値化の更なる推進、社員4,000名体制の構築などを掲げた
  • ベイカレント・コンサルティング「決算補足説明・中期経営計画」(2024年4月12日)
    • [142]採用が計画線を上回り、期末コンサルタント数は2021年2月期の1,941名から2024年2月期の3,837名へ増えた
    • [143]2024年2月期の売上は93,909百万円、EBITDAは35,312百万円(EBITDAマージン37.6%)であった
    • [144]5年で計画していた業績目標を3年で概ね達成したとして、新たな5か年計画を策定した
    • [145]新たな中期経営計画(5か年)は、5年後の2029年2月期に売上2,500億円を目指すとした
    • [146]継続的かつ安定的な成長の計画線としてCAGR20%程度を置き、EBITDAマージンは30〜40%を維持するとした
    • [147]成長戦略としてコアクライアント数の増加と取引拡大、DX/IT実装領域の強化(テクノロジー子会社の立上げ)を掲げた
    • [148]本中計期間においては、実績のあるDXなどのコンサル周辺領域に関わるDX/IT実装支援を拡充するとした
  • ベイカレント 有価証券報告書(2026年2月期・連結・IFRS)
    • [149]2024年9月に持株会社体制に移行し、株式会社ベイカレントに商号変更した
    • [151]2026年2月期の連結売上高は1,483億円であった
  • ベイカレント 有価証券報告書(2025年2月期)
    • [150]持株会社体制への移行により、提出会社単体の従業員数は4,321名から593名となった
  • ベイカレント「FY2026 通期 決算説明会資料」(2026年4月14日)
    • [152]2026年2月期のEBITDAは52,125百万円で、売上・EBITDAとも概ね計画通りに着地した
    • [153]人材再配置を実施したため、コンサルタント数は前年期末4,784名から当期末5,590名(YoY+16.8%)と例年より緩やかな伸びとなった
    • [154]コンサルタント一人当たり売上は計画を約4%上振れて着地し、通期の平均稼働率は80%台半ばであった
    • [155]2026年2月期下期以降に株価が下落し、AIによるコンサル需要や一人当たり売上の減少を懸念する投資家の声を資料で取り上げた
    • [156]2026年3月18日に最大約300億円規模の自社株買いの実施を発表し、2027年2月期もコンサルタント一人当たり売上を約5%向上させる想定とした

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出典・参考 48件
出典・参考
  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2017年2月期)【大株主の状況】
  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2017年2月期・IFRS)
  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2018年2月期)【大株主の状況】
  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2018年2月期)【偶発債務】
  • ベイカレント 有価証券報告書(2025年2月期)
  • ベイカレント 有価証券報告書(2026年2月期)【偶発債務】
  • ベイカレント 有価証券報告書(2026年2月期・連結・IFRS)
  • ベイカレント「FY2026 通期 決算説明会資料」(2026年4月14日)
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)【沿革】
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)
  • ベイカレント 有価証券報告書【沿革】
  • ベイカレント・コンサルティング 掲載記事「顧客との良好なリレーションには個々のコンサルタントの素養が重要」(type 2007年2月号、2007年2月)
  • ベイカレント・コンサルティング 求人情報(@type 掲載、2007年1月)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2007年5月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2007年5月時点)
  • 日本オラクル ORACLE MASTER 取得事例(2007年1月)
  • TALENT IMAGE「高度化がカギ」コンサルティング(掲載記事、2007年4月)
  • コンサルタント 活躍の条件(掲載記事、2007年5月)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「ベイカレントコンサルティングとは」(2007年5月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト トップページ(2007年1月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2007年3月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「組織図」(2007年10月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2007年5月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2008年7月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2008年6月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2009年2月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2010年10月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2010年3月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2010年10月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2010年10月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2011年11月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2011年8月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2011年10月2日採取・グローバルコンサルティングNWへ差し替え)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「組織図」(2011年11月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト トップページ(2011年12月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2012年4月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2012年6月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2012年11月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「組織図」(2012年11月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2013年8月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2014年6月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2015年4月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2015年8月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング 適時開示「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2016年12月9日)
  • ベイカレント・コンサルティング 適時開示「2016年12月9日付公表の2017年2月期の通期業績予想の修正及び代表取締役の異動の経緯並びに今後の事業推進方針について」(2017年1月16日)
  • フューチャー株式会社「刑事裁判の判決に関するお知らせ」(2019年3月26日)
  • ベイカレント・コンサルティング「中期経営計画(2022.2月期~2026.2月期)」(2021年4月26日)
  • ベイカレント・コンサルティング「決算補足説明・中期経営計画」(2024年4月12日)

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