第二会社を設立して経営再建
終戦による軍需喪失。600名のリストラ
1945年の終戦によりアンリツは軍需を喪失。終戦直後はラジオ製造などの民需転換を志向するが社員全員(1948年時点で約2300名)を雇用することが難しく、1948年に600名の希望退職者を募集した。加えて翌年には追加で400名の指名解雇を実施し、労働組合との深刻な対立に直面した。アンリツの財務状況も厳しく、業界内では「安立は倒産する」(1995/12実業往来)という噂が流れたという。
特に問題だったのが、過激な労働組合による妨害活動であり、正常な企業運営を妨げていた。
第二会社を設立。200名のみを再雇用へ
アンリツの経営陣は労働問題を解決するために、1949年4月に全従業員の解雇及び工場の閉鎖を決定。この翌日に技術者を中心に200名を再雇用した。これにより実質的に残り1000名を解雇し、最盛期に2300名いた人員は約1/10に縮小された。
また、1950年に企業再建整備計画に基づく第二会社として「安立電気」を設立した。再雇用では技術者を中心に据えることで研究開発を重視しつつ、過激な思想を持つ社員を排除することで正常な企業運営に立ち戻った。