2010年〜 JXホールディングス発足と2期連続赤字
- 2010年JXHD設立、東京証券取引所・大阪証券取引所・名古屋証券取引所に上場
- 2010年高萩光紀が初代社長に就任
- 2010年事業会社3社を設立(JX日鉱日石エネルギー、同開発、同金属)
- 2012年松下功夫が2代社長に就任
- 2014年内田幸雄が3代社長に就任
- 2015年通期で初の大規模赤字転落
- 2016年2期連続の赤字
ENEOS HDの業績推移:単体
出所:有価証券報告書等
JXホールディングス発足 ── 需要縮小市場での先行事例
1996年の特定石油製品輸入暫定措置法(特石法)廃止で製品輸入が自由化されたのち、10社前後が並立していた国内石油元売は合併と系列再編を繰り返し、燃料油需要も1999年度を頂点に減少へ転じていた。2008年12月、新日本石油と新日鉱ホールディングスは経営統合の基本覚書を締結した。リーマンショック直後の原油価格急落が重なるなか、両社は石油・金属・エネルギー開発を束ねた持株会社の設立を選んだ。2010年4月にJXホールディングス株式会社が設立され、東証・大証・名証に上場。新日本石油・新日鉱HDを完全子会社化し、国内石油元売業界最大の再編を成立させた。初代社長には旧新日本石油出身の高萩光紀氏が就任し、石油・天然ガス開発・非鉄金属を三本柱とするグループ運営体制を敷いた。戦前からの日本石油の系譜と日鉱グループの非鉄事業が、一つの持株会社の下で運営される体制に収まった。 [1][2][3][4]
- ENEOS「石油便覧 石油産業の歴史 第2章第7節 規制緩和と業界再編の時代」
- [1]1996年の特石法廃止で製品輸入が自由化され、10社前後が並立していた元売各社が合併と系列再編を繰り返した。国内の燃料油需要は1999年度をピークに減少へ転じている
- ENEOSホールディングス 有価証券報告書 第15期(2025年3月期)【沿革】
- [2]2008年12月 新日本石油と新日鉱ホールディングスが経営統合の基本覚書を締結
- [3]2010年4月 JXホールディングス設立、東証・大証・名証に上場、新日本石油・新日鉱HDを完全子会社化
- ENEOSホールディングス 有価証券報告書【役員の状況】
- [4]初代社長は旧新日本石油出身の高萩光紀
2010年7月には新日本石油がジャパンエナジー及び新日本石油精製を合併してJX日鉱日石エネルギーへ商号変更し、新日本石油開発がジャパンエナジー石油開発を合併してJX日鉱日石開発、新日鉱HDが日鉱金属を合併してJX日鉱日石金属となり、事業会社3社体制が整った。セグメントとしての事業管理区分が固まった。2011年3月期の連結売上高は9兆6,343億円、営業利益3,344億円と統合直後の業績基盤を固めた。2012年には2代社長に松下功夫が就任し、次の業界再編となる東燃ゼネラル石油との統合交渉を水面下で行った。JXの発足は、その後の出光・昭和シェル統合に先行する事例として業界内で参照され、持株会社のもとで石油・金属・開発の各事業を並列させる運営モデルが、国内石油メジャー各社の研究対象となった。 [5][6][7]
- ENEOSホールディングス 有価証券報告書 第15期(2025年3月期)【沿革】
- [5]2010年7月 新日本石油がジャパンエナジー・新日本石油精製を合併しJX日鉱日石エネルギーへ/新日本石油開発がジャパンエナジー石油開発を合併しJX日鉱日石開発/新日鉱HDが日鉱金属を合併しJX日鉱日石金属
- ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【主要な経営指標等の推移】【連結損益計算書】
- [6]2011年3月期 連結売上高9兆6,343億円・営業利益3,344億円
- ENEOSホールディングス 有価証券報告書【役員の状況】
- [7]2012年に2代社長へ松下功夫が就任
- ENEOS「石油便覧 石油産業の歴史 第2章第7節 規制緩和と業界再編の時代」
- [1]1996年の特石法廃止で製品輸入が自由化され、10社前後が並立していた元売各社が合併と系列再編を繰り返した。国内の燃料油需要は1999年度をピークに減少へ転じている
- ENEOSホールディングス 有価証券報告書 第15期(2025年3月期)【沿革】
- [2]2008年12月 新日本石油と新日鉱ホールディングスが経営統合の基本覚書を締結
- [3]2010年4月 JXホールディングス設立、東証・大証・名証に上場、新日本石油・新日鉱HDを完全子会社化
- [5]2010年7月 新日本石油がジャパンエナジー・新日本石油精製を合併しJX日鉱日石エネルギーへ/新日本石油開発がジャパンエナジー石油開発を合併しJX日鉱日石開発/新日鉱HDが日鉱金属を合併しJX日鉱日石金属
- ENEOSホールディングス 有価証券報告書【役員の状況】
- [4]初代社長は旧新日本石油出身の高萩光紀
- [7]2012年に2代社長へ松下功夫が就任
- ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【主要な経営指標等の推移】【連結損益計算書】
- [6]2011年3月期 連結売上高9兆6,343億円・営業利益3,344億円
資源価格の下落と2期連続の赤字決算
2014年以降、原油価格は1バレル100ドル台から40ドル台まで急落し、国内石油元売業界は在庫評価の反転で一斉に逆風下に置かれた。2015年3月期は連結売上高10兆8,824億円に対して営業損失2,188億円、当期純損失2,772億円を計上した。セグメント別ではエネルギー事業の営業損失が3,346億円に達し、石油在庫の評価損が収益を直撃した。2016年3月期も連続赤字で、営業損失622億円・当期純損失2,785億円と2期連続の赤字決算となった。統合効果を議論する以前に、石油元売事業そのものが資源価格変動に対して脆弱であるという構造が露呈した。JX単独でも原油価格変動リスクを吸収しきれない現実が浮かび、さらに再編への道筋を業界内で真剣に議論する機運が強まった。 [8][9][10]
- ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【主要な経営指標等の推移】【連結損益計算書】
- [8]2015年3月期 連結売上高10兆8,824億円・営業損失2,189億円(218,885百万円)・当期純損失2,772億円
- JXホールディングス 有価証券報告書【セグメント情報】
- [9]2015年3月期 エネルギーセグメント損失3,346億円(△334,613百万円・経常損益ベース)
- ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【連結損益計算書】
- [10]2016年3月期 営業損失622億円(△62,234百万円)・当期純損失2,785億円
この2期連続赤字が、次の再編の必然性を裏書きした。規模を拡大して精製能力を削減しなければ需要縮小と資源価格変動の二重圧力を吸収できない、との認識が経営陣のなかで共有された。内田幸雄社長(FY14〜16)の下で東燃ゼネラル石油との統合交渉が進み、2016年1月には事業会社3社がJX日鉱日石エネルギーからJXエネルギーへ、JX日鉱日石開発からJX石油開発へ、JX日鉱日石金属からJX金属へ商号変更され、翌年の統合に備えた組織整理が進んだ。在庫評価損による赤字は、統合論理が市場環境によって検証された時期でもあり、JX単独で行った国内精製能力の合理化だけでは追いつかない構造問題を経営判断の中心課題に押し上げた。 [11][12]
- ENEOSホールディングス 有価証券報告書【役員の状況】
- [11]内田幸雄が3代社長(FY14〜16)
- ENEOSホールディングス 有価証券報告書 第15期(2025年3月期)【沿革】
- [12]2016年1月 事業会社3社がJXエネルギー・JX石油開発・JX金属へ商号変更
- ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【主要な経営指標等の推移】【連結損益計算書】
- [8]2015年3月期 連結売上高10兆8,824億円・営業損失2,189億円(218,885百万円)・当期純損失2,772億円
- JXホールディングス 有価証券報告書【セグメント情報】
- [9]2015年3月期 エネルギーセグメント損失3,346億円(△334,613百万円・経常損益ベース)
- ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【連結損益計算書】
- [10]2016年3月期 営業損失622億円(△62,234百万円)・当期純損失2,785億円
- ENEOSホールディングス 有価証券報告書【役員の状況】
- [11]内田幸雄が3代社長(FY14〜16)
- ENEOSホールディングス 有価証券報告書 第15期(2025年3月期)【沿革】
- [12]2016年1月 事業会社3社がJXエネルギー・JX石油開発・JX金属へ商号変更