ENEOS HD の歴史

創業

1888年

創業者

内藤久寛・山口権三郎

創業地

新潟県

直近売上高(2025/3)

123,224億円

長期業績と転換点(2010/3〜2025/3)
売上高(億円純利益率(%)
Q なぜ2010年のJXホールディングスは、同業の石油元売ではなく非鉄金属を抱えた新日鉱ホールディングスとの統合で生まれたのか
A 2010年4月、新日本石油と新日鉱ホールディングスが株式移転でJXホールディングス(現ENEOSホールディングス)を設立し、両社は完全子会社となった。リーマンショック直後の原油価格急落が重なるなか、成熟した石油精製販売だけでは価格変動を吸収できず、伸びる上流開発と非鉄金属へ資金を振り向ける必要があると両社の経営陣が判断したためである。初代社長には旧新日本石油出身の高萩光紀氏が就き、石油・天然ガス開発・非鉄金属を三本柱に据えた。非鉄金属は2025年3月のJX金属上場まで、15年にわたり収益の一角を占めた
Q なぜ2017年にJXホールディングスは東燃ゼネラル石油まで取り込み、国内元売の5割超を握る寡占を築いたのか
A 1999年の日本石油と三菱石油の合併が集約の号砲となり、並立した元売各社は数社へ収斂した。JXが動いたのは、2015年3月期・2016年3月期と2期連続の赤字を計上し、規模を広げて精製能力を削らなければ需要縮小と価格変動を吸収できないと経営陣が判断したためである。2017年4月、株式交換で東燃ゼネラル石油を完全子会社化してJXTGホールディングスへ商号を変更し、JXエネルギーが東燃ゼネラルを吸収合併して精製・販売シェアは5割を超えた。統合効果は2018年3月期の営業利益4,875億円、翌期の5,370億円に表れた
Q なぜ2025年にENEOSは寡占で抱えた組織と資産を資本効率で選び直す経営へ切り替えたのか
A 長期のPBR1倍割れという市場の評価に対し、寡占を築く過程で抱え込んだ会社と資産を採算で選び直す必要があると経営陣が判断したためである。2025年に第4次中期経営計画を始動し、筋肉質な経営体質への転換とポートフォリオ再編を掲げてROIC経営をグループ全体へ敷いた。2025年3月にはJX金属を上場させてコングロマリットディスカウントを解消し、海運事業も一部譲渡してノンコアを手放した。集約を主導した会社が、いまは自らの組織と資産を資本効率で選び直している。

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2010年〜 JXホールディングス発足と2期連続赤字

  1. 2010年JXHD設立、東京証券取引所・大阪証券取引所・名古屋証券取引所に上場
  2. 2010年高萩光紀が初代社長に就任
  3. 2010年事業会社3社を設立(JX日鉱日石エネルギー、同開発、同金属)
  4. 2012年松下功夫が2代社長に就任
  5. 2014年内田幸雄が3代社長に就任
  6. 2015年通期で初の大規模赤字転落
  7. 2016年2期連続の赤字

ENEOS HDの業績推移:単体

売上高(億円)純利益率(%)

出所:有価証券報告書等

JXホールディングス発足 ── 需要縮小市場での先行事例

1996年の特定石油製品輸入暫定措置法(特石法)廃止で製品輸入が自由化されたのち、10社前後が並立していた国内石油元売は合併と系列再編を繰り返し、燃料油需要も1999年度を頂点に減少へ転じていた。2008年12月、新日本石油と新日鉱ホールディングスは経営統合の基本覚書を締結した。リーマンショック直後の原油価格急落が重なるなか、両社は石油・金属・エネルギー開発を束ねた持株会社の設立を選んだ。2010年4月にJXホールディングス株式会社が設立され、東証・大証・名証に上場。新日本石油・新日鉱HDを完全子会社化し、国内石油元売業界最大の再編を成立させた。初代社長には旧新日本石油出身の高萩光紀氏が就任し、石油・天然ガス開発・非鉄金属を三本柱とするグループ運営体制を敷いた。戦前からの日本石油の系譜と日鉱グループの非鉄事業が、一つの持株会社の下で運営される体制に収まった。 [1][2][3][4]

  • ENEOS「石油便覧 石油産業の歴史 第2章第7節 規制緩和と業界再編の時代」
    • [1]1996年の特石法廃止で製品輸入が自由化され、10社前後が並立していた元売各社が合併と系列再編を繰り返した。国内の燃料油需要は1999年度をピークに減少へ転じている
  • ENEOSホールディングス 有価証券報告書 第15期(2025年3月期)【沿革】
    • [2]2008年12月 新日本石油と新日鉱ホールディングスが経営統合の基本覚書を締結
    • [3]2010年4月 JXホールディングス設立、東証・大証・名証に上場、新日本石油・新日鉱HDを完全子会社化
  • ENEOSホールディングス 有価証券報告書【役員の状況】
    • [4]初代社長は旧新日本石油出身の高萩光紀

2010年7月には新日本石油がジャパンエナジー及び新日本石油精製を合併してJX日鉱日石エネルギーへ商号変更し、新日本石油開発がジャパンエナジー石油開発を合併してJX日鉱日石開発、新日鉱HDが日鉱金属を合併してJX日鉱日石金属となり、事業会社3社体制が整った。セグメントとしての事業管理区分が固まった。2011年3月期の連結売上高は9兆6,343億円、営業利益3,344億円と統合直後の業績基盤を固めた。2012年には2代社長に松下功夫が就任し、次の業界再編となる東燃ゼネラル石油との統合交渉を水面下で行った。JXの発足は、その後の出光・昭和シェル統合に先行する事例として業界内で参照され、持株会社のもとで石油・金属・開発の各事業を並列させる運営モデルが、国内石油メジャー各社の研究対象となった。 [5][6][7]

  • ENEOSホールディングス 有価証券報告書 第15期(2025年3月期)【沿革】
    • [5]2010年7月 新日本石油がジャパンエナジー・新日本石油精製を合併しJX日鉱日石エネルギーへ/新日本石油開発がジャパンエナジー石油開発を合併しJX日鉱日石開発/新日鉱HDが日鉱金属を合併しJX日鉱日石金属
  • ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【主要な経営指標等の推移】【連結損益計算書】
    • [6]2011年3月期 連結売上高9兆6,343億円・営業利益3,344億円
  • ENEOSホールディングス 有価証券報告書【役員の状況】
    • [7]2012年に2代社長へ松下功夫が就任
  • ENEOS「石油便覧 石油産業の歴史 第2章第7節 規制緩和と業界再編の時代」
    • [1]1996年の特石法廃止で製品輸入が自由化され、10社前後が並立していた元売各社が合併と系列再編を繰り返した。国内の燃料油需要は1999年度をピークに減少へ転じている
  • ENEOSホールディングス 有価証券報告書 第15期(2025年3月期)【沿革】
    • [2]2008年12月 新日本石油と新日鉱ホールディングスが経営統合の基本覚書を締結
    • [3]2010年4月 JXホールディングス設立、東証・大証・名証に上場、新日本石油・新日鉱HDを完全子会社化
    • [5]2010年7月 新日本石油がジャパンエナジー・新日本石油精製を合併しJX日鉱日石エネルギーへ/新日本石油開発がジャパンエナジー石油開発を合併しJX日鉱日石開発/新日鉱HDが日鉱金属を合併しJX日鉱日石金属
  • ENEOSホールディングス 有価証券報告書【役員の状況】
    • [4]初代社長は旧新日本石油出身の高萩光紀
    • [7]2012年に2代社長へ松下功夫が就任
  • ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【主要な経営指標等の推移】【連結損益計算書】
    • [6]2011年3月期 連結売上高9兆6,343億円・営業利益3,344億円

資源価格の下落と2期連続の赤字決算

2014年以降、原油価格は1バレル100ドル台から40ドル台まで急落し、国内石油元売業界は在庫評価の反転で一斉に逆風下に置かれた。2015年3月期は連結売上高10兆8,824億円に対して営業損失2,188億円、当期純損失2,772億円を計上した。セグメント別ではエネルギー事業の営業損失が3,346億円に達し、石油在庫の評価損が収益を直撃した。2016年3月期も連続赤字で、営業損失622億円・当期純損失2,785億円と2期連続の赤字決算となった。統合効果を議論する以前に、石油元売事業そのものが資源価格変動に対して脆弱であるという構造が露呈した。JX単独でも原油価格変動リスクを吸収しきれない現実が浮かび、さらに再編への道筋を業界内で真剣に議論する機運が強まった。 [8][9][10]

  • ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【主要な経営指標等の推移】【連結損益計算書】
    • [8]2015年3月期 連結売上高10兆8,824億円・営業損失2,189億円(218,885百万円)・当期純損失2,772億円
  • JXホールディングス 有価証券報告書【セグメント情報】
    • [9]2015年3月期 エネルギーセグメント損失3,346億円(△334,613百万円・経常損益ベース)
  • ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【連結損益計算書】
    • [10]2016年3月期 営業損失622億円(△62,234百万円)・当期純損失2,785億円

この2期連続赤字が、次の再編の必然性を裏書きした。規模を拡大して精製能力を削減しなければ需要縮小と資源価格変動の二重圧力を吸収できない、との認識が経営陣のなかで共有された。内田幸雄社長(FY14〜16)の下で東燃ゼネラル石油との統合交渉が進み、2016年1月には事業会社3社がJX日鉱日石エネルギーからJXエネルギーへ、JX日鉱日石開発からJX石油開発へ、JX日鉱日石金属からJX金属へ商号変更され、翌年の統合に備えた組織整理が進んだ。在庫評価損による赤字は、統合論理が市場環境によって検証された時期でもあり、JX単独で行った国内精製能力の合理化だけでは追いつかない構造問題を経営判断の中心課題に押し上げた。 [11][12]

  • ENEOSホールディングス 有価証券報告書【役員の状況】
    • [11]内田幸雄が3代社長(FY14〜16)
  • ENEOSホールディングス 有価証券報告書 第15期(2025年3月期)【沿革】
    • [12]2016年1月 事業会社3社がJXエネルギー・JX石油開発・JX金属へ商号変更
  • ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【主要な経営指標等の推移】【連結損益計算書】
    • [8]2015年3月期 連結売上高10兆8,824億円・営業損失2,189億円(218,885百万円)・当期純損失2,772億円
  • JXホールディングス 有価証券報告書【セグメント情報】
    • [9]2015年3月期 エネルギーセグメント損失3,346億円(△334,613百万円・経常損益ベース)
  • ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【連結損益計算書】
    • [10]2016年3月期 営業損失622億円(△62,234百万円)・当期純損失2,785億円
  • ENEOSホールディングス 有価証券報告書【役員の状況】
    • [11]内田幸雄が3代社長(FY14〜16)
  • ENEOSホールディングス 有価証券報告書 第15期(2025年3月期)【沿革】
    • [12]2016年1月 事業会社3社がJXエネルギー・JX石油開発・JX金属へ商号変更

2017年〜 JXTG統合による寡占体制とENEOSへの商号変更

  1. 2017年東燃ゼネラル石油を完全子会社化しJXTGHDに商号変更
  2. 2017年杉森務が4代社長に就任
  3. 2019年大田勝幸が5代社長に就任
  4. 2020年JXTGHDがENEOSHDに商号変更

ENEOS HDの業績推移:単体

売上高(億円)純利益率(%)

出所:有価証券報告書等

国内元売シェア50%超の寡占体制確立

2017年4月、JXホールディングスは株式交換により東燃ゼネラル石油を完全子会社化し、商号をJXTGホールディングスへ変更した。同時にJXエネルギーがJXTGエネルギーへ改称し、東燃ゼネラル石油を吸収合併することで国内石油元売市場での精製・販売シェアは50%を超えた。民族系と外資系の主要系譜が統合に向かった。戦前・戦後に分かれて発達した元売各社の主要系譜が、事実上ひとつの持株会社の下へ集約された。杉森務社長(FY17〜18)の期に統合効果の刈り取りが進み、2018年3月期の営業利益は4,875億円、2019年3月期は5,370億円と高水準の収益を確保し、FY14・FY15の連続赤字を抜けて統合効果が数字として現れ始めた。 [13][14][15]

  • ENEOSホールディングス 有価証券報告書 第15期(2025年3月期)【沿革】
    • [13]2017年4月 JXホールディングスが株式交換で東燃ゼネラル石油を完全子会社化しJXTGホールディングスへ商号変更、JXエネルギーがJXTGエネルギーへ改称し東燃ゼネラルを吸収合併
  • ENEOSホールディングス 有価証券報告書【役員の状況】
    • [14]杉森務が社長(FY17〜18)
  • ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【連結損益計算書】
    • [15]2018年3月期 営業利益4,875億円・2019年3月期 営業利益5,370億円

ただしこの寡占化は、公正取引委員会の審査を経て精製・物流拠点の効率化を条件としたものだった。全国の製油所は順次統廃合され、原油処理能力の削減は業界全体で進んだ。同時期のセグメント構成では、エネルギー事業が売上収益の85%前後を占めるなか、金属事業と石油・天然ガス開発事業が一定の利益貢献を維持し、単一事業依存ではないポートフォリオを保った。石油元売市場の集約を進めながらも、戦前からの石油と非鉄の並立体制を温存する独自の収益構造を保った時期にあたる。同時に、統合効果の実現に伴って国内給油所ネットワークの再編も進み、ブランド統一への布石が打たれた。

  • ENEOSホールディングス 有価証券報告書 第15期(2025年3月期)【沿革】
    • [13]2017年4月 JXホールディングスが株式交換で東燃ゼネラル石油を完全子会社化しJXTGホールディングスへ商号変更、JXエネルギーがJXTGエネルギーへ改称し東燃ゼネラルを吸収合併
  • ENEOSホールディングス 有価証券報告書【役員の状況】
    • [14]杉森務が社長(FY17〜18)
  • ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【連結損益計算書】
    • [15]2018年3月期 営業利益4,875億円・2019年3月期 営業利益5,370億円

ENEOSホールディングスへの商号変更

2020年6月、JXTGホールディングスはENEOSホールディングスに商号変更し、JXTGエネルギーもENEOS株式会社に改称した。全国1万超の給油所で使われた「ENEOS」ブランドと、持株会社・中核事業会社の商号を一本化する再編であり、顧客認知と対外的な企業アイデンティティを統合する狙いがあった。統合から3年で、旧JX・旧東燃ゼネラルの双方の名を外し、給油所の看板と法人名を同じ4文字に揃えたことになる。2020年3月期はコロナ禍の需要急減と在庫評価損の直撃で営業損失1,130億円・純損失1,879億円を計上した。 [16][17]

  • ENEOSホールディングス 有価証券報告書 第15期(2025年3月期)【沿革】
    • [16]2020年6月 JXTGホールディングスがENEOSホールディングスへ、JXTGエネルギーがENEOS株式会社へ商号変更
  • ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【連結損益計算書】
    • [17]2020年3月期 営業損失1,130億円・純損失1,879億円

翌2021年3月期には営業利益2,541億円・純利益1,139億円と早期に黒字回復した。石油製品の需要そのものは戻り切っていないなかで、在庫影響の反転と固定費の圧縮が利益を押し上げた決算である。大田勝幸社長(FY19〜20)は脱炭素時代を見据えた事業ポートフォリオ再構築を経営テーマに掲げ、JXTG統合の仕上げからENEOSブランドの下での次世代エネルギー会社への脱皮へと経営アジェンダの軸を移した。2021年3月末の連結従業員数は4万753人で、統合直後の水準をほぼ保っていた。 [18][19][20]

  • ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【主要な経営指標等の推移】
    • [18]2021年3月期 営業利益2,541億円・純利益1,139億円
    • [19]2021年3月末 連結従業員数40,753人
  • ENEOSホールディングス 有価証券報告書【役員の状況】
    • [20]大田勝幸が社長(FY19〜20)
  • ENEOSホールディングス 有価証券報告書 第15期(2025年3月期)【沿革】
    • [16]2020年6月 JXTGホールディングスがENEOSホールディングスへ、JXTGエネルギーがENEOS株式会社へ商号変更
  • ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【連結損益計算書】
    • [17]2020年3月期 営業損失1,130億円・純損失1,879億円
  • ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【主要な経営指標等の推移】
    • [18]2021年3月期 営業利益2,541億円・純利益1,139億円
    • [19]2021年3月末 連結従業員数40,753人
  • ENEOSホールディングス 有価証券報告書【役員の状況】
    • [20]大田勝幸が社長(FY19〜20)

2021年〜 縮小と組み替え ── 精製能力の削減とグループの分解

  1. 2021年齊藤猛が6代社長に就任
  2. 2023年和歌山製油所の精製機能を停止
  3. 2023年齊藤猛社長を不祥事により解任
  4. 2024年グループ運営体制変更、電気・都市ガス・機能材等を分社化
  5. 2024年宮田知秀が新社長CEOに就任
  6. 2025年米Par Pacific・三菱商事とバイオ燃料製造販売事業に参入合意
  7. 2025年JX石油開発がENEOS Xploraに商号変更

ENEOS HDの業績推移:単体

売上高(億円)純利益率(%)

出所:有価証券報告書等

最高益からの反転と和歌山製油所の停止

2022年3月期は資源価格上昇と統合効果が重なり、営業利益7,859億円・親会社帰属当期利益5,371億円と過去最高水準を記録した。JXTG統合以降の事業ポートフォリオが市況追い風の下で本来の収益力を示した決算である。しかし2023年3月期には在庫影響の反転により営業利益は2,812億円へ急減し、資源価格の追い風に業績が依存する構造は変わらなかった。2021年6月に社長へ就いた齊藤猛氏の下、脱炭素と資源事業を同時に進める経営課題が前面化し、再エネ発電容量2025年度末200万kW目標や国内外での水素サプライチェーン構築、CCS/CCUSの体制整備といった非化石燃料領域への取り組みが並行して本格化した。並行して自動車用潤滑油の低炭素化やEV充電インフラとの連携といった周辺事業でも脱炭素型の新領域開拓が模索された。 [21][22][23]

  • ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【主要な経営指標等の推移】【連結損益計算書】
    • [21]2022年3月期 営業利益7,859億円・親会社帰属当期利益5,371億円
  • ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【連結損益計算書】
    • [22]2023年3月期 営業利益2,812億円
  • ENEOSホールディングス 有価証券報告書【役員の状況】
    • [23]齊藤猛は2021年6月に社長就任(有報【役員の状況】でFY21〜FY22の代表取締役社長)

2023年10月、和歌山製油所の精製機能を停止した。JX東燃ゼネラル統合以降で国内原油処理能力を193万BDから164万BDへ29万BD削減する決断であり、国内ガソリン需要の長期縮小に対する構造対応として実行に移された。和歌山製油所は2025年以降、跡地を活用したSAF製造拠点(1号機40万KL/年、2027年以降運開予定)への転換が計画され、単なる能力削減ではなく低炭素燃料への設備転換として位置付けられた。SAFは和歌山の跡地を最初の拠点として、2040年に国内シェア50%を目指す計画を掲げた。製油所の閉鎖が同時に次世代燃料の供給拠点構築という意味を帯びた点に特徴があり、縮小と新規投資を一体で進める構造転換の例として業界内で広く注目された。 [24]

  • ENEOSホールディングス 決算説明会資料(2023年度第2四半期)
    • [24]2023年10月 和歌山製油所の精製機能を停止、国内原油処理能力を193万BDから164万BDへ29万BD削減

2024年3月期の連結売上収益は当初開示ベースで13兆8,566億円、営業利益4,649億円、親会社帰属当期利益2,881億円と業績は回復基調にあり、前々期から続いた市況高止まりと統合効果で収益水準を取り戻す決算となった。ただし石油製品ほかセグメントに加え、新設された機能材・電気・再生可能エネルギーの各セグメントは黎明期にあり、収益源を油からどう多角化するかという問いは2024年以降の事業構造改革に引き継がれた。ENEOSリニューアブル・エナジーを中核とする再エネ事業も、水素・CCSの各案件も、収益貢献の時期を経営計画へ織り込む段階に入った。 [25]

  • ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【主要な経営指標等の推移】【連結損益計算書】
    • [25]2024年3月期 連結売上収益13兆8,566億円・営業利益4,649億円・親会社帰属当期利益2,881億円(いずれも当初開示ベース。金属事業を非継続事業へ組み替えた第15期の再表示では売上12兆3,445億円・営業利益3,814億円)
  • ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【主要な経営指標等の推移】【連結損益計算書】
    • [21]2022年3月期 営業利益7,859億円・親会社帰属当期利益5,371億円
    • [25]2024年3月期 連結売上収益13兆8,566億円・営業利益4,649億円・親会社帰属当期利益2,881億円(いずれも当初開示ベース。金属事業を非継続事業へ組み替えた第15期の再表示では売上12兆3,445億円・営業利益3,814億円)
  • ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【連結損益計算書】
    • [22]2023年3月期 営業利益2,812億円
  • ENEOSホールディングス 有価証券報告書【役員の状況】
    • [23]齊藤猛は2021年6月に社長就任(有報【役員の状況】でFY21〜FY22の代表取締役社長)
  • ENEOSホールディングス 決算説明会資料(2023年度第2四半期)
    • [24]2023年10月 和歌山製油所の精製機能を停止、国内原油処理能力を193万BDから164万BDへ29万BD削減

経営トップの交代とグループ運営体制の組み替え

2023年12月19日、ENEOSホールディングスは齊藤猛社長を解任した。懇親の席で同席した女性への不適切な行為が内部通報で発覚し、外部弁護士の調査で事実と認定されたためである。2022年にも杉森務会長が女性への不適切な言動で辞任しており、2代続けて経営トップが同じ理由で職を離れた。宮田知秀副社長執行役員が社長職を代行し、2024年4月1日付で社長に就任した。1990年に東燃へ入社した宮田氏は、旧日本石油系が歴代社長を占めてきたグループで初の東燃ゼネラル出身の社長となった。同じ2024年4月、ENEOSの電気・都市ガス事業をENEOS Powerが、機能材事業をENEOSマテリアルが吸収分割で承継し、ENEOSリニューアブル・エナジーとあわせて持株会社の直下に並べた。石油精製販売と一体で運営してきた電力・素材・再生可能エネルギーの各事業を、損益と資本の単位で切り分けた。 [26][27][28][29]

2025年1月、JX石油開発がENEOS Xploraへ商号を変更した。3月にはJX金属が東証プライム市場へ上場し、保有株式の一部を売り出したことで子会社から持分法適用会社となり、売却益1,533億円を計上した。統合以来グループが抱えてきた非鉄金属事業を、資本の面でも切り離した決定である。2025年3月期は金属事業を非継続事業へ組み替えたベースで売上収益12兆3,224億円、営業利益1,061億円、親会社帰属当期利益2,260億円となり、営業利益は前期の3,814億円から3分の1以下へ落ちた。同年5月に始動した第4次中期経営計画(2025〜2027年度)は筋肉質な経営体質への転換とポートフォリオ再編を掲げ、2027年度のROIC6%以上を目標に置いた。7月には米Par Pacific・三菱商事とハワイ州カポレイ製油所のバイオ燃料事業へ参入し、年間約15万KLのSAF製造へ74億円を出資した。 [30][31][32][33][34]

  • ENEOSホールディングス 有価証券報告書 第15期(2025年3月期)【沿革】
    • [30]2025年1月 JX石油開発がENEOS Xplora株式会社へ商号変更
  • ENEOSホールディングス 決算説明会資料(2024年度通期・2025年5月12日)
    • [31]2025年3月 JX金属が東京証券取引所プライム市場へ新規上場、保有株式の一部売出しにより子会社から持分法適用会社へ
  • ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【連結損益計算書】
    • [32]2025年3月期(金属事業を非継続事業へ組替後)売上収益12兆3,224億円・営業利益1,061億円・親会社帰属当期利益2,260億円。前期の営業利益は組替後3,814億円
    • [33]第4次中期経営計画(2025-2027年度)は筋肉質な経営体質への転換とポートフォリオ再編を掲げ、2027年度ROIC6%以上を目標とした
  • ENEOSホールディングス 決算説明会資料(2025年度第1四半期・第2四半期)
    • [34]2025年7月 米Par Pacific・三菱商事とハワイ州カポレイ製油所でのバイオ燃料事業に合意。年間約15万KLのSAF製造、投資額74億円
    • [26]2023年12月19日 ENEOSホールディングスが齊藤猛社長を解任(懇親の場での女性への不適切な行為。11月末の内部通報を受け外部弁護士の調査で事実認定)
    • [27]2022年に杉森務会長兼グループCEOが女性への不適切な言動で辞任しており、2代続けて経営トップが同じ理由で退いた
    • [28]宮田知秀副社長執行役員が社長職を代行し、2024年4月1日付で社長に就任。旧東燃ゼネラル出身では初の社長
  • ENEOSホールディングス 有価証券報告書 第15期(2025年3月期)【沿革】
    • [29]2024年4月 ENEOSの電気・都市ガス事業をENEOS Powerが、機能材事業を株式会社ENEOSマテリアルが吸収分割で承継し、ENEOSリニューアブル・エナジー(ジャパン・リニューアブル・エナジーから商号変更)とあわせて持株会社の子会社となった
    • [30]2025年1月 JX石油開発がENEOS Xplora株式会社へ商号変更
  • ENEOSホールディングス 決算説明会資料(2024年度通期・2025年5月12日)
    • [31]2025年3月 JX金属が東京証券取引所プライム市場へ新規上場、保有株式の一部売出しにより子会社から持分法適用会社へ
  • ENEOSホールディングス/JXホールディングス 有価証券報告書【連結損益計算書】
    • [32]2025年3月期(金属事業を非継続事業へ組替後)売上収益12兆3,224億円・営業利益1,061億円・親会社帰属当期利益2,260億円。前期の営業利益は組替後3,814億円
    • [33]第4次中期経営計画(2025-2027年度)は筋肉質な経営体質への転換とポートフォリオ再編を掲げ、2027年度ROIC6%以上を目標とした
  • ENEOSホールディングス 決算説明会資料(2025年度第1四半期・第2四半期)
    • [34]2025年7月 米Par Pacific・三菱商事とハワイ州カポレイ製油所でのバイオ燃料事業に合意。年間約15万KLのSAF製造、投資額74億円

ENEOS HDの沿革2008〜2025年における主な出来事を抜粋

年月社長・CEO出来事重要度
新日本石油と新日鉱HDが経営統合の基本覚書を締結★★★
高萩光紀両社が株式移転による経営統合契約を締結★★★
高萩光紀JXHD設立、東京証券取引所・大阪証券取引所・名古屋証券取引所に上場★★★
高萩光紀高萩光紀が初代社長に就任★★
高萩光紀事業会社3社を設立(JX日鉱日石エネルギー、同開発、同金属)★★
松下功夫松下功夫が2代社長に就任★★
内田幸雄内田幸雄が3代社長に就任
内田幸雄通期で初の大規模赤字転落★★
内田幸雄事業会社3社がJXエネルギー・JX石油開発・JX金属に商号変更
内田幸雄2期連続の赤字★★
杉森務東燃ゼネラル石油を完全子会社化しJXTGHDに商号変更★★★
杉森務杉森務が4代社長に就任
大田勝幸大田勝幸が5代社長に就任
大田勝幸JXTGHDがENEOSHDに商号変更★★
齊藤猛齊藤猛が6代社長に就任★★
宮田知秀和歌山製油所の精製機能を停止★★
宮田知秀齊藤猛社長を不祥事により解任★★
宮田知秀グループ運営体制変更、電気・都市ガス・機能材等を分社化★★
宮田知秀宮田知秀が新社長CEOに就任★★
宮田知秀JX石油開発がENEOS Xploraに商号変更
宮田知秀JX金属が東京証券取引所プライムに新規上場、持分法適用会社化
宮田知秀米Par Pacific・三菱商事とバイオ燃料製造販売事業に参入合意★★
出典・参考

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