
ヒューリックの歴史
富士銀行の支店ビル管理が発祥。2006年から不動産デベロッパーに業態転換し、都心部駅前立地に集中投資して高収益を実現。ただし有利子負債1.4兆円を抱える
富士銀行の支店ビル管理が発祥。2006年から不動産デベロッパーに業態転換し、都心部駅前立地に集中投資して高収益を実現。ただし有利子負債1.4兆円を抱える
ヒューリックはリーマンショック時にも都心部の土地取得を継続。みずほ銀行からの融資によって資金調達を行なっており、2008年12月時点の総資産に対する有利子負債比率は77.8%(3729億円)に及んでおり、BSでリスクを背負った土地取得を実施。物件を2日で購入するかを決定するスピードを武器にし、東京都心部の地下鉄駅前の不動産を積極的に購入することで業容の拡大を目論む
なぜ仕入れることができるかというと、第一にスピードです。当社の場合、物件情報が寄せられてから2日で意思決定ができます。2日の間に物件を見て収益計算をして決断を下します。しかも金融機関との間で2千億円までならいつでも調達できる借り入れ枠があります。ですから決済の心配もない。そのため条件に当てはまる物件があれば、当社に真っ先に持ち込まれるようになりました。
ヒューリックは経営不振に陥った上場企業「昭栄」を救済する形で経営統合を決定。統合比率はヒューリック:昭栄=3:1。昭栄の祖業は繊維事業(生糸)であったが、繊維産業の衰退を受けて不動産賃貸事業に転換したが、リーマンショックで経営が行き詰まった。両社ともにみずほ銀行系列の企業であったという経緯から統合に至った。なお、昭栄は千代田区神田などの都心部一等地に不動産を多く保有しており、ヒューリックは不動産資産を継承すること目論んだ。統合にあたって、昭栄の経営陣は全員入れ替えとなり、不動産資産の継承のみをメインとした。