CF

キャッシュフローの長期推移

連結優先
営業CF
単位:億円
投資CF
単位:億円
財務CF
単位:億円
PL

売上高の長期推移

売上高・売上収益ベース(連結優先)| 単位:億円
セグメント売上収益
2023/12 | 連結
日本
-
1153億円
米州
-
892億円
欧州
-
705億円
中国
-
594億円
その他
-
173億円
PL

税引後利益の長期推移

税引後利益・当期純利益・当期利益ベース(連結優先)| 単位:億円
税引前利益
2023/12 | 連結
日本
-
157億円
米州
-
32億円
欧州
-
19億円
中国
-
79億円
その他
-
10億円
調整額
-
-46億円
1971年
東邦精工株式会社を設立

日本トムソンの社長であった寺町博氏(てらまち・ひろし)は、1970年頃に、会社資金を流用して小豆相場に投資。相場の暴落によって6億円の損失を計上し、資金の不正利用が発覚した。日本トムソンは1963年に東証2部に上場しており、寺町社長はメディアなどから「上場企業の社長にあるまじき行為」として批判され、寺町博氏は社長辞任に至った。

寺町博氏は経営者として再起を図るために、1971年に東邦精工株式会社(現THK)を設立した。

寺町博氏の経歴(THK創業者)
日時 経歴 備考
1924年 生まれ 岐阜県出身
1942年 岐阜県第一工業機械科・卒業
1942年 半田重工業・入社
1948年 一工商会を設立 日本トムソンと提携(1961年)
1960年 日本トムソン・社長
1970年 日本トムソン・社長退任 小豆相場で失敗
1971年 東邦精工・設立(社長就任) 現THK
1972年
LMガイドを発明

寺町博はベアリングの技術者だったこともあり、THKにおいて新製品の開発に専念。1972年に垂直方向の位置決めを正確に行うための直動システム(LMガイド)の開発に成功した。世界で初めて開発したことにより、THKは直動システムでパイオニア的な存在となった。

直動システムは、NC旋盤、工作機械、研削盤、半導体製造装置、塗装ロボットなど、精密な位置決めが必要な製造装置に組み込まれ、THKの主力製品に育った。

証言
寺町博(THK創業者)

直動システムがどんな機械に使われているかと言いますと、NC(数値制御)旋盤、研削盤などの工作機械、半導体の製造装置、工業用のロボット、電子機器、汎用機械と並べたらキリがないくらいです。(略)

機械の運動は、回転運動と直線運動、そしてその2つの組み合わせの3パターンがあると考えていただいて結構です。一般に言うところのベアリングは回転運動の軸受です。これは1世紀前に開発され、現在では9割ほど普及しています。直動システムというのは、直線運動のベアリンングと考えてもらえればいいでしょう。直動システムは、私が約18年前に世界で初めて開発したもので、回転用ベアリングに比べてこれから伸びる商品です。

1990/2/12 日経ビジネス
1977年4月
製造部門を吸収合併

1973年に宮入パルプ製作所との共同出資により株式会社テーエチケーを設立。同社の製造部門として甲府工場を発足し、THKとしては製造部門を合弁会社を通じて運営した。

その後、販売拡大を受けてTHKは製造部門の集約を実施。1977年にテーエイチケーの甲府工場を買収し、1982年にはテーエイチケーとの吸収合併により名古屋工場・大阪工場を取得した。

1977年
4月
テーエイチケーの甲府工場を買収
1982年
10月
テーエイチケーを吸収合併(名古屋工場・大阪工場を発足)
1984年
2月
大幸製作所を買収(岐阜工場を発足)
1985年
4月
東洋精工を吸収合併(三重工場を発足)
1979年
ボールねじの製造販売を開始
1981年3月
欧米向け販売を強化
1981年
3月
THK America, Inc.を設立
1982年
10月
THK Europe GmbHを設立
1983年
直動システムで国内シェア1位

THKはNCやロボット、半導体製造装置の普及とともに順調に業容を拡大し、1981年3月期に売上高113億円、経常利益21億円を達成。1983年には直動システムで国内シェア90%を確保したという。

1984年1月
THK株式会社に商号変更

社名の由来は「てらまち(T)ひろし(H)株式会社(K)」と憶測されたこともあったが、「タフネス(T)・ハイクオリティ(H)・ノウハウ(K)」が由来らしい

1985年4月
山口工場を新設

LMガイド量産のために、山口工場を新設

1989年11月
株式を店頭公開

1989年11月THKは株式の店頭公開を実施。額面50円に対して初値19,000円を記録し、日本一の株価を記録した(*時価総額ではない)。当時ファミコンブームによって注目を集めていた任天堂の株価を上回ったことで注目を集めた

1989年
11月
株式を店頭公開
2001年
2月
東京証券取引所第1部に株式上場
1991年6月
山形工場を新設

LMガイドおよび特殊軸受の生産のために、山口工場を新設

1991年6月
PGM Ballscrews Irelandを買収

アイルランドのPGM社を買収

1996年3月
中国に現地生産法人を設立
1997年
寺町彰博が社長就任

1990年代を通じて寺町博が株式投資の失敗によって抱えた損失により、THKの業績が悪化。本業の直動システムの製造販売が好調な一方で、株式投資失敗による損失計上と、巨額有利子負債が重荷となった。1997年に創業者の寺町博が社長を退任し、同氏の長男である寺町彰博が社長に就任した。

2000年
直動システムで世界シェア1位
2001年
東京証券取引所第一部に株式上場
決算
THKの業績
2002年3月期(連結)
売上高
893
億円
当期純利益
8
億円
従業員数
3887
営業CF
32
億円
投資CF
-79
億円
財務CF
69
億円
2007年5月
リズムを買収(旧富士産業)

自動車部品事業を強化するために、2007年5月にリズム株式会社を121億円で買収(取得による支出)。同社は旧中島飛行機浜松製作所であり、戦後は富士産業(浜松工場)としてミシンの生産に従事。高度経済成長期にはプリンス自動車(現在の日産自動車)向けの自動車部品の製造に従事していた。

決算
THKの業績
2008年3月期(連結)
売上高
2087
億円
当期純利益
183
億円
従業員数
6924
営業CF
193
億円
投資CF
-323
億円
財務CF
-299
億円
2010年3月
最終赤字に転落
決算
THKの業績
2010年3月期(連結)
売上高
1153
億円
当期純利益
-143
億円
従業員数
7559
営業CF
44
億円
投資CF
-73
億円
財務CF
79
億円
2015年8月
TRW Automotiveを買収

米国の大手自動車部品メーカーであるTRW-DAS社から、自動車の足回り部品(リンクボールなど)を製造するTRW Automotive Inc.を493億円(取得原価)で買収。対象事業をリンケージ&サスペンション事業(従業員数約2,000名・欧米5箇所に生産開発の拠点あり)として取得した。

THKとしては、グローバル展開のために完成車メーカー向けの販路を確保し、自動車向け部品の販売拡大を意図。THKの事業ポートフォリオとしては、従来の産業用機器に加えて、新たな成長事業として「輸送用機器」の販売比率を高める方針。

決算
THKの業績
2016年3月期(連結)
売上高
2404
億円
当期純利益
135
億円
従業員数
11754
営業CF
197
億円
投資CF
-626
億円
財務CF
192
億円
出所
参考文献
日経新聞:THK、自動車足回り部品事業を買収 米部品大手から470億円, 2015/4/22
2018年12月
過去最高益を達成
決算
THKの業績
2018年12月期(連結)
売上高
3534
億円
当期純利益
354
億円
従業員数
13478
営業CF
551
億円
投資CF
-330
億円
財務CF
-116
億円
2020年12月
最終赤字に転落
決算
THKの業績
2020年12月期(連結)
売上高
2189
億円
当期純利益
-99
億円
従業員数
12914
営業CF
253
億円
投資CF
-184
億円
財務CF
39
億円
2023年1月
輸送機械事業の再編

事業赤字に転落した輸送機械事業について、2023年度から「リカバリプラン」を強化。拠点閉鎖による受注減少を許容し、約20億円のコスト削減を計画

決算
THKの業績
2023年12月期(連結)
売上高
3519
億円
当期純利益
183
億円
従業員数
13360
営業CF
393
億円
投資CF
-270
億円
財務CF
-242
億円
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