戦時体制における白黒写真フイルムの国産化のため、国策として大日本セルロイド株式会社の写真フイルム部門を継承して設立。軍需向けの「航空偵察用写真のフィルム」の量産が狙いであった
販売網に投資。4大特約店体制へ
欧米を中心に海外展開を本格化。カラー写真フィルムを輸出へ
ISO感度400のカラーネガフィルムを世界で初めて開発。コダック打倒の切り札に
ボクは開発チームの責任者でしたけど、実際の仕事は若い人がしてくれたんです。ただ、仕事をしやすいように(開発の方向を)間違えないようにしていただけですよ
デジタル画像によるX線診断システムを開発。医療向けに参入しつつデジタル画像の技術を蓄積へ
経営陣はデジタル技術を過小評価。社長はフィルムの将来性を自信満々に語るが、この姿勢が富士フィルムの経営が迷走する要因に
デジタルカメラの普及などで、写真市場がひっくり返るかのような議論が出ていますが、なぜそういう話になるのか全くわかりませんね。(略) 確かに、従来のフィルムで撮っていた画像をデジタルカメラで撮る需要は広がってきました。コピー感覚でちょこちょこっと記録を撮ったり、画像情報をファイルで保存したり、伝送するには便利ですから。それが写真市場にどう影響するかといえば、新しい領域を切り開くものだと思います。 プリントに残す場合、デジタルは従来の写真には到底叶わないでしょう。写真の価値は機能とコストで決まります。例えばレンズ付きカメラの「写ルンです」なら、世界中どこでも1000円前後の値段で買える。それをパチパチッと撮って、写真店にポイと出したら、勝手に現像してくれるわけでしょう。デジタルカメラがいかに簡単と言っても、こうは行きません。 画質の面で、従来の写真の奥深さはデジタルがかなうものではありません。デジタル技術が進んだとしても、その時には、従来の写真は感度が良くなったり、粒子が細かくなったりで、さらに先へ行っているはずです。(略) 従来型の写真の未来には、何も悲観するものはありません。
1997年から2000年にかけて、デジタルカメラの画像数が増加。一眼レフでもデジタルカメラの需要が徐々に増大し始め、富士フイルム経営陣の目論見は外れた。この結果、2000年3月期に富士写真フイルムは減収決算となった。また、同年に宗幸社長が退任し、古森氏が新社長に就任して経営陣は世代交代。社員1万名におよぶ大規模なリストラを敢行した。
市場縮小に対して人員削減と工場閉鎖で対応。収益性は確保するが社員の雇用を守れず
ドキュメントに次ぐ収益源を育てるため医療機器を強化。大型買収により売上を確保