結果

三菱自動車の長期業績

1972年〜2024年
売上高
■単体 | ■連結 (単位:億円)
27,895億円
売上高:2024/3
売上高_当期純利益率
○単体 | ○連結
5.5%
利益率:2024/3
CF

キャッシュフローの長期推移

連結優先
営業CF
単位:億円
投資CF
単位:億円
財務CF
単位:億円
PL

売上高の長期推移

売上高・売上収益ベース(連結優先)| 単位:億円
セグメント売上高
2024/3 | 連結
日本
9545億円
北米
5300億円
欧州
1519億円
アジア
タイ・インドネシア・フィリピン・ベトナム
5012億円
オセアニア
2818億円
その他
178億円
PL

税引後利益の長期推移

税引後利益・当期純利益・当期利益ベース(連結優先)| 単位:億円
営業利益
2024/3 | 連結
日本
1240億円
北米
154億円
欧州
31億円
アジア
498億円
オセアニア
98億円
その他
7億円
調整額
-125億円
1970
4月

三菱自動車株式会社を設立

三菱自動車の自動車部門を分離

1969年に三菱重工は自動車部門(乗用車・バス・トラック)において、米国の大手自動車メーカーであるクライスラーとの提携を決定。合弁事業として展開する方針を決め、1970年4月に三菱重工の子会社として「三菱自動車株式会社」を設立した。1971年にクライスラーが三菱自動車の株式15%を取得することで、三菱重工とクライスラーの共同事業として経営した。

三菱重工から自動車部門を継承

1970年6月に三菱自動車は、三菱重工の自動車部門を譲り受けて営業を開始した。主要な生産拠点は、水島製作所、名古屋製作所、京都製作所、川崎製作所であった。

三菱自動車発足直後(1972年度)の国内販売シェアは、乗用車6.6%、トラック11.4%、バス22.2%であった。商用車のうち、大型トラックはシェア34.6%、大型バスは37.3%であり、大型商用車でシェアを確保していた。

クライスラーと合衆国流通契約を締結

三菱自動車は合弁相手であるクライスラーと、米国における乗用車販売の契約として「合衆国流通契約」を締結。三菱自動車は米国における乗用車販売について「2ドア車のみ・販売はクライスラーが独占する」ことで無期限で合意した。

この契約により、三菱自動車は米国における乗用車の輸出について制限を課せられ(主力の4ドア車の販売が不能)、販売網に関しても自力での形成ができない状況となった。クライスラーとしては、三菱自動車を「日本進出のため」に活用し、北米においては、クライスラーと三菱自動車が競合しないため、排他的な契約に至った。

しかし、三菱自動車としては北米における経営に制約が課され、主力である4ドアの小型車の輸出が封じられたことから、提携当初からクライスラーとの関係性が悪化する要因となった。このため、合衆国流通契約は「不平等条約」とも形容され、1981年に契約を改定するまで不利な状況が続いた。

1969年
5月
三菱重工とクライスラーが合弁事業で提携
1970年
4月
三菱自動車株式会社を合弁設立(三菱重工・クライスラー)
1970年
6月
三菱重工から自動車部門を譲受
証言
久保富夫(三菱自動車・社長)

僕がこの会社に来た時、両社(注:三菱自動車とクライスラー)はえらく不信の仲でしたね。相互不振は極まるものがありました。その後、提携のメリットを生かそうということに努力し、現在は精神的には極めて良好です。が、一つ問題なのは、北米、アフリカ、中米地区などで、クライスラーが当社の独占販売権を握っていることです。向こうも本気に売るようになり、だいぶ販売量は増えていますが・・・。

というのは米国のメーカーは省エネルギーのため、今後小型車志向に転換せざるを得ない状況にある。すると80年代にはクライスラーが自社の小型車販売に当然力を入れるだろうから、われわれの車の米国市場での売れ行きにひびきかねない。この点、契約変更して、なんとか米国で自社の車を売れるようにしなければと考えています。(略)

非常に縛られるような提携はやめるべきでしょうね。環境が絶えず変わりますから、10年、20年、50年先をみて、ノンエクスクルーシブ(非独占的)な契約を結ぶべきです。いちいち指摘すると差し障りがありますが、率直に言って、三菱グループでも随分、不利な提携がありますよ。(略)

GMは開発などの面でクライスラーより上でしょう。ですから、いすゞがGMと組んで得たメリットは、われわれがクライスラーと提携して得たものより大きかったと思います。

1978/7/31 日経ビジネス
出所
参考文献
日経ビジネス, 19885/27
経済展望, 1971/10
1971年9月
クライスラーが株式取得
1977年8月
岡崎工場を新設

1977年に名古屋自動車製作所岡崎工場(愛知県岡崎市)を新設。総工費は140億円で、乗用車の量産に従事

1978年
東洋工機で四輪車生産を開始(パジェロ製造)
決算
三菱自動車の業績
1979年3月期(単体)
売上高
8745
億円
当期純利益
156
億円
1978年
クライスラーが経営危機
決算
三菱自動車の業績
1979年3月期(単体)
売上高
8745
億円
当期純利益
156
億円
1979年12月
滋賀工場を新設

1979年に京都製作所滋賀工場を新設。敷地面積10.5万平方メートル。総工費は140億円。エンジンの量産に従事

決算
三菱自動車の業績
1980年3月期(単体)
売上高
9030
億円
当期純利益
140
億円
1980年10月
三菱商事と海外販売で協業

1980年代を通じて三菱自動車は海外向けの輸出を強化。クライスラー社との合衆国流通契約については1981年9月に改訂し、同年12月に三菱自動車は米国に現地法人を新設した。

1980年
7月
クライスラーに株式買戻を提案
1980年
10月
オーストラリアに現地法人を新設
1981年
9月
合衆国流通契約を改定
1981年
12月
米国に現地法人を新設
決算
三菱自動車の業績
1981年3月期(単体)
売上高
11079
億円
当期純利益
83
億円
1982年
SUV「パジェロ」を発売
決算
三菱自動車の業績
1983年3月期(単体)
売上高
10613
億円
当期純利益
126
億円
1985年6月
クライスラーと合弁基本契約を解消

1985年6月に三菱自動車はクライスラーとの合弁基本契約を解消。代わりにクライスラーは三菱自動車の株式5%を追加取得(三菱重工から取得)することで、三菱自動車への出資比率を15%から20%に高めた。

決算
三菱自動車の業績
1986年3月期(単体)
売上高
15788
億円
当期純利益
253
億円
1985年10月
クライスラーと合弁で米国現地生産法人を設立
決算
三菱自動車の業績
1986年3月期(単体)
売上高
15788
億円
当期純利益
253
億円
1988年12月
東京証券取引所第1部に株式上場
三菱自動車:上場直前の株主構成(1988年3月末)
株主名称 構成比 備考
三菱重工業 32.6% 筆頭株主
クライスラー 20.0% 提携先
三菱商事 10.0% 海外販売で提携
三菱銀行 5.0% -
出所:証券41(1)(478)
1994年
米国法人でセクハラ民事訴訟

米国法人において女性社員に対するセクシャルハラスメントが発生。被害者が集団訴訟を実施して民事訴訟に至った。

この結果、1998年に三菱自動車は和解金として48億円の支払いを実施。

決算
三菱自動車の業績
1995年3月期(連結)
売上高
34141
億円
当期純利益
126
億円
出所
参考文献
日経新聞, 1998/6/12
1995年3月
東洋工機を買収(岐阜工場発足・パジェロ製造)
決算
三菱自動車の業績
1995年3月期(連結)
売上高
34141
億円
当期純利益
126
億円
1997年8月
タイの現地法人を子会社化
決算
三菱自動車の業績
1998年3月期(連結)
売上高
37352
億円
当期純利益
-1018
億円
1998年
米国事業で人員削減
決算
三菱自動車の業績
1999年3月期(連結)
売上高
35126
億円
当期純利益
56
億円
出所
参考文献
日経新聞, 1998/11/6
2000年3月
ダイムラークライスラーと提携
決算
三菱自動車の業績
2000年3月期(連結)
売上高
33349
億円
当期純利益
-233
億円
2001年8月
早期退職者を募集
決算
三菱自動車の業績
2002年3月期(連結)
売上高
32006
億円
当期純利益
112
億円
従業員数
63143
営業CF
919
億円
投資CF
-48
億円
財務CF
-1126
億円
出所
参考文献
日経新聞, 2001/8/2
2001年3月
リコール隠しで副社長を書類送検
決算
三菱自動車の業績
2001年3月期(連結)
売上高
32767
億円
当期純利益
-2781
億円
2003年3月
三菱ふそうを売却
2003年
1月
トラックバス事業を「三菱ふそうトラック・バス」に分離
2003年
3月
三菱ふそうトラック・バスの株式67%をダイムラークライスラーに売却
決算
三菱自動車の業績
2003年3月期(連結)
売上高
38848
億円
当期純利益
373
億円
従業員数
45275
営業CF
175
億円
投資CF
175
億円
財務CF
-320
億円
2004年3月
リコール隠しが発覚(2回目)
決算
三菱自動車の業績
2004年3月期(連結)
売上高
25194
億円
当期純利益
-2154
億円
従業員数
43624
営業CF
-14
億円
投資CF
468
億円
財務CF
566
億円
2004年3月
財務状況が悪化・経営危機

リコール隠しにより巨額損失を計上。2004年3月末時点で三菱自動車は連結自己資本比率1.4%となり、債務超過寸前の財務状況となった

決算
三菱自動車の業績
2004年3月期(連結)
売上高
25194
億円
当期純利益
-2154
億円
従業員数
43624
営業CF
-14
億円
投資CF
468
億円
財務CF
566
億円
2005年11月
ダイムラークライスラーと提携解消
決算
三菱自動車の業績
2006年3月期(連結)
売上高
21200
億円
当期純利益
-921
億円
従業員数
34911
営業CF
544
億円
投資CF
-848
億円
財務CF
-189
億円
2008年3月
オーストラリアでの現地生産を終了
決算
三菱自動車の業績
2008年3月期(連結)
売上高
26821
億円
当期純利益
347
億円
従業員数
33202
営業CF
1882
億円
投資CF
-488
億円
財務CF
-1325
億円
2015年11月
北米での現地生産を終了
決算
三菱自動車の業績
2016年3月期(連結)
売上高
22678
億円
当期純利益
1976
億円
従業員数
29555
営業CF
171
億円
投資CF
171
億円
財務CF
-1229
億円
2016年5月
日産と戦略提携契約を締結
決算
三菱自動車の業績
2017年3月期(連結)
売上高
19066
億円
当期純利益
-458
億円
従業員数
29604
営業CF
-731
億円
投資CF
-731
億円
財務CF
2103
億円
2021年3月
最終赤字に転落

販売不振により減損損失1179億円(国内6拠点の生産設備)および事業構造改革費用702億円(主に欧州向け新製品の投入凍結など)を計上。そのほかの損失も併せて、特別損失で合計2982億円を計上し、2021年3月期に三菱自動車は3123億円の最終赤字に転落した。

決算
三菱自動車の業績
2021年3月期(連結)
売上高
14554
億円
当期純利益
-3123
億円
従業員数
30091
営業CF
-415
億円
投資CF
-1013
億円
財務CF
1682
億円
2021年8月
パジェロ製造の乗用車工場を閉鎖

販売が低迷していたSUV「パジェロ」の生産終了を決定。子会社パジェロ製造の乗用車工場(岐阜県坂祝町)について、完全閉鎖を決定した。

決算
三菱自動車の業績
2022年3月期(連結)
売上高
20389
億円
当期純利益
740
億円
従業員数
28796
営業CF
1181
億円
投資CF
-691
億円
財務CF
-102
億円
2024年12月
日産・ホンダ・三菱自動車の経営統合を発表
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