JVCケンウッド の歴史

創業

2008年

創業者

※日本ビクター+ケンウッド

創業地

神奈川県横浜市神奈川区

直近売上高(2026/3)

3,569億円

長期業績と転換点(2008/3〜2026/3)
売上高(億円純利益率(%)
Q なぜ2008年にビクターとケンウッドという二つの中堅電機が経営統合したのか
A 1990年代末まで日本勢が握った家電市場は、中国・韓国メーカーの低価格攻勢でコスト競争に転じ、中堅単独では規模も収益も保ちにくくなった。日本ビクターはかつての親会社パナソニックの傘下に残るより独立を選び、ケンウッドは音響・カーエレクトロニクス単独での競争力維持を断念した。どちらも単独では生き残れないという判断が重なり、2008年10月、株式移転で共同持株会社JVC・ケンウッド・ホールディングスが東証一部に上場した
Q なぜ統合直後の数年で家電・メディアを縮小し、海外M&Aで業務用無線・カーエレクトロニクスへ事業を組み替えたのか
A 統合直後の2010年3月、子会社日本ビクターの欧州テレビ事業などで未処理の営業経費を2005年3月期までさかのぼって計上する決算訂正が表面化し、損失見込みは76億円から171億円へ膨らんだ。価格競争に沈む家電・メディアに留まれば信認も収益も回復しない以上、利益率が高く参入障壁の立つB2B領域へ移すしかなかった。2011年に持株会社を解いて3社を吸収合併したうえで、2014年のEF Johnson(北米業務用無線)、2015年のASK(欧州車載部品)、2018年のTait(業務用無線)とRein Medical(医療映像)を相次いで取得し、撤退分を海外M&Aで埋めた
Q なぜ2024年に中国生産から撤退し、横浜の一拠点へ本社機能と研究開発を集約したのか
A 海外で量産して消費地へ運ぶ従来の生産体制は、米中摩擦の地政学リスクと円安の為替リスクでコストが読みにくくなり、消費地生産と総工数に見合う拠点統合へ見直す必要が生じた。地域ごとに買い集めた海外子会社で事業所が各地に分かれ、映像・音響・通信で重複する技術を効率よく束ねられない課題もあった。そこで2024年3月に上海生産拠点を中国企業へ譲渡し、同年12月には八王子・白山・久里浜などの分散拠点を横浜「Value Creation Square」へ集約した。2025年3月には統合以降で初めて格付投資情報センターからA-格付を取得し、広げた組織を一つに束ね直して財務の信認を取り戻した

API for AI Agents — 認証不要、URLをGETするだけで機械可読なJSONをトークン消費を抑えつつ取得できます。

2007年〜 ビクター・ケンウッド経営統合期と決算訂正問題の初期動揺

JVCケンウッドの業績推移:連結

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 2007年 ビクターとケンウッドが資本業務提携契約を締結
  2. 2007年 技術開発合弁会社J&Kテクノロジーズを設立
  3. 2008年 日本ビクターとケンウッドの株式移転による対等統合とJVCケンウッド発足 買収ではなく対等統合か——縮む家電市場で、河原春郎会長は出自の違う二つの名門をどう束ねようとしたか
  4. 2010年 ビクター・JVC・ケンウッド・HDの決算訂正を実施
  5. 2011年 社名をJVC・ケンウッド・HDからJVCケンウッドへ変更
  6. 2011年 ビクター・ケンウッド・J&Kカーエレクトロニクスの3社を吸収合併
  7. 2013年 Shinwa International Holdings Limitedを子会社化

2008年経営統合とJVCケンウッド誕生

2007年7月、ビクター(日本ビクター株式会社)とケンウッドが資本業務提携契約を締結した。両社は音響・カーオーディオ・カメラ等の事業領域で重複が多く、家電市場が縮小するなかで経営統合の検討が始まった。日本ビクターは1990年代以降業績低迷が続き、親会社の松下電器産業(現パナソニック)は投資ファンドへの株式売却を模索したが折り合わず単独再建を断念していた。救済に名乗りを上げたのが、デノンと日本マランツの統合を主導した実績を持つケンウッド会長・河原春郎である。同年10月には技術開発合弁会社J&Kテクノロジーズを設立し、ビクター・ケンウッド共同出資による車載機器開発の合弁会社を立ち上げた。2008年10月、株式移転による共同持株会社JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社が東京証券取引所一部に上場した。経営統合と同時上場という形式で、両社は事業統合を急いだ。 [1][2][3][4][5]

  • JVCケンウッド 有価証券報告書【沿革】
    • [1]2007年7月 日本ビクターとケンウッドが資本業務提携契約を締結
    • [2]2007年10月 技術開発合弁会社J&Kテクノロジーズを設立(ビクター・ケンウッド共同出資の車載機器開発合弁)
    • [3]2008年10月 株式移転で共同持株会社JVC・ケンウッド・ホールディングスを設立し東証一部に上場
  • 週刊東洋経済(2008年7月12日)
    • [4]日本ビクターの親会社・松下電器産業は投資ファンドへのビクター株式売却を模索したが折り合わず単独再建を断念
  • 週刊東洋経済(2007年8月25日)
    • [5]河原春郎は東芝・投資ファンドのリップルウッド在籍時にデノンと日本マランツの経営統合(現D&Mホールディングス)を主導した実績を持ち、2002年に約170億円の連結債務超過だったケンウッドの社長に就任、DESと携帯電話事業撤退で1年でV字回復させた

経営統合の背景には、日本ビクターがパナソニック傘下から独立するという戦略選択があった。2011年1月の第三者割当増資でパナソニックの持株比率は20%以下となり、日本ビクターは持分法適用会社から外れた。2012年にはパナソニックが株式の大半を売却して持株比率1.75%となり、提携や協力関係を解消した。日本ビクター単独では家電市場で生き残る規模が確保できないという経営判断と、ケンウッド単独でも音響・カーエレクトロニクス分野で十分な競争力を維持できないという判断が、経営統合の合理性を組み立てた。経営統合最大の課題は、慢性的な赤字が続くビクターの液晶テレビ等ディスプレー事業の再建だった。両社の経営陣はパナソニック系・ビクター系・ケンウッド系の三系統に分かれていたところから、JVCケンウッドという統合体制への移行に踏み込んだ。 [6][7]

  • JVCケンウッド 有価証券報告書【沿革】
    • [6]2012年にパナソニックが株式の大半を売却し持株比率1.75%となり提携・協力関係を解消
  • 週刊東洋経済(2008年5月24日)
    • [7]経営統合最大の課題はビクターの液晶テレビ等ディスプレー事業の再建だった(同事業は2007年度に100億円強の赤字、競争激化で製品価格は年間2割以上下落)

2010年3月、ビクター及びJVCケンウッドの決算訂正を公表した。2005年から2010年第2四半期までの連結財務諸表を訂正する内容で、経営統合直後の会計問題が表面化した。会計問題は2009年発覚の欧州子会社の過年度不正経理に端を発し、東京証券取引所は同社を監理銘柄に指定した。構造改革を巡り河原と対立していたホールディングス社長の佐藤国彦(前日本ビクター社長)は、この余波で退任に追い込まれた。2008年から2010年にかけて河原春郎が代表取締役会長兼社長兼CEOとして経営統合期の指揮を執り、決算訂正と並行して事業統合を進める二重課題に向き合った。経営統合の合理性とガバナンス再構築の両面で、初期5年の経営は事業統合の進展を進める難しい状況に置かれた。 [8][9]

  • JVCケンウッド 有価証券報告書【沿革】
    • [8]2010年3月 ビクター及びJVCケンウッドの決算訂正を公表(2005年〜2010年3月期第2四半期の連結財務諸表を訂正)
  • 週刊東洋経済(2011年11月1日)
    • [9]2010年3月の決算訂正は2009年発覚の欧州子会社の過年度不正経理に端を発し東証が監理銘柄に指定、構造改革を巡り河原と対立していたホールディングス社長・佐藤国彦(前日本ビクター社長)はこの余波で退任に追い込まれた
  • JVCケンウッド 有価証券報告書【沿革】
    • [1]2007年7月 日本ビクターとケンウッドが資本業務提携契約を締結
    • [2]2007年10月 技術開発合弁会社J&Kテクノロジーズを設立(ビクター・ケンウッド共同出資の車載機器開発合弁)
    • [3]2008年10月 株式移転で共同持株会社JVC・ケンウッド・ホールディングスを設立し東証一部に上場
    • [6]2012年にパナソニックが株式の大半を売却し持株比率1.75%となり提携・協力関係を解消
    • [8]2010年3月 ビクター及びJVCケンウッドの決算訂正を公表(2005年〜2010年3月期第2四半期の連結財務諸表を訂正)
  • 週刊東洋経済(2008年7月12日)
    • [4]日本ビクターの親会社・松下電器産業は投資ファンドへのビクター株式売却を模索したが折り合わず単独再建を断念
  • 週刊東洋経済(2007年8月25日)
    • [5]河原春郎は東芝・投資ファンドのリップルウッド在籍時にデノンと日本マランツの経営統合(現D&Mホールディングス)を主導した実績を持ち、2002年に約170億円の連結債務超過だったケンウッドの社長に就任、DESと携帯電話事業撤退で1年でV字回復させた
  • 週刊東洋経済(2008年5月24日)
    • [7]経営統合最大の課題はビクターの液晶テレビ等ディスプレー事業の再建だった(同事業は2007年度に100億円強の赤字、競争激化で製品価格は年間2割以上下落)
  • 週刊東洋経済(2011年11月1日)
    • [9]2010年3月の決算訂正は2009年発覚の欧州子会社の過年度不正経理に端を発し東証が監理銘柄に指定、構造改革を巡り河原と対立していたホールディングス社長・佐藤国彦(前日本ビクター社長)はこの余波で退任に追い込まれた

持株会社解消と事業会社化への転換

2011年8月、社名をJVC・ケンウッド・ホールディングスから株式会社JVCケンウッドへ変更した。同年10月、ビクター・ケンウッド・J&Kカーエレクトロニクスの3社を吸収合併し、3社統合により単一事業会社への移行を成し遂げた。持株会社体制から事業会社化への転換は、経営統合の最終形態として位置付けられた。組織と意思決定が単一会社内で完結する体制となり、ビクター系・ケンウッド系の役員人事の融合と事業ポートフォリオの整理が同時並行で進んだ。社員数は経営統合直後の約2万人規模から、第1期末までに1万8千人前後へ縮小した。統合から3年で連結売上高は統合時点の単純合算8237億円から3526億円まで縮小し、円高の進行とテレビ事業からの撤退が主因だった。 [10][11][12]

  • JVCケンウッド 有価証券報告書【沿革】
    • [10]2011年8月 社名をJVC・ケンウッド・ホールディングスから株式会社JVCケンウッドへ変更
    • [11]2011年10月 ビクター・ケンウッド・J&Kカーエレクトロニクスの3社を吸収合併し単一事業会社へ移行
  • 週刊東洋経済(2011年11月1日)
    • [12]統合から3年(2011年3月期時点)で連結売上高は統合時点の単純合算8237億円から3526億円まで縮小(円高進行・テレビ事業撤退が主因)

2012年3月期には最終黒字化・復配を達成し、同年11月発表の中計は16年3月期売上高4000億円を掲げた。2013年から2015年にかけては、海外子会社の取得・売却が相次いだ。2013年6月の香港Shinwa International Holdings Limited連結子会社化は車載用CD/DVDメカの増産で新興国向けコストダウンを狙った同計画の一環で、2013年7月の東特長岡(現・JVCケンウッド長岡)の全株式承継、2014年3月のEF Johnson Technologies Inc.(北米P25対応業務用無線)買収、2014年6月のJVC America Inc.売却(北米CD/DVDディスク製造販売事業からの撤退)など、事業ポートフォリオの組み替えが立て続けに発表された。経営統合期の事業整理と海外展開強化が並走し、家電・メディア事業の縮小と業務用無線・車載機器の拡張が進んだ。 [13][14][15][16][17][18]

  • 週刊東洋経済(2012年12月15日)
    • [13]2012年3月期に最終黒字化・復配を達成、同年11月発表の新中期計画は2016年3月期連結売上高4000億円を目標に掲げた
    • [15]2013年6月の香港Shinwa連結子会社化は車載用CD/DVDメカの増産による新興国向けコストダウンを狙った新中期計画の一環
  • JVCケンウッド 有価証券報告書【沿革】
    • [14]2013年6月 香港Shinwa International Holdings Limitedを連結子会社化
    • [16]2013年7月 東特長岡(現・JVCケンウッド長岡)の全株式を会社分割で承継
    • [17]2014年3月 EF Johnson Technologies Inc.(北米P25対応業務用無線)の全株式取得
    • [18]2014年6月 JVC America Inc.を譲渡(北米CD/DVDディスク製造販売事業から撤退)

2015年4月の欧州車載部品事業会社ASK Industries S.p.A連結子会社化、同年4月のテイチクエンタテインメント売却、同年8月のJVCケンウッド・クリエイティブメディア完全子会社化など、欧州車載事業の本格展開と音楽・映像ソフト事業からの撤退が同時進行した。経営統合から7年を経て、JVCケンウッドの事業構造は家電・メディア中心からカーエレクトロニクス・業務用無線中心へ組み替わった。2015年3月期の連結売上は約2900億円規模で、経営統合直後の最大期から縮小したが、収益性の改善と事業ポートフォリオの整理が同時に進む形で第1期は閉じた。 [19][20][21]

  • JVCケンウッド 有価証券報告書【沿革】
    • [19]2015年4月 欧州車載部品事業会社ASK Industries S.p.Aを連結子会社化
    • [20]2015年4月 テイチクエンタテインメントを譲渡(音楽・映像ソフト事業から撤退)
    • [21]2015年8月 JVCケンウッド・クリエイティブメディアを株式交換で完全子会社化
  • JVCケンウッド 有価証券報告書【沿革】
    • [10]2011年8月 社名をJVC・ケンウッド・ホールディングスから株式会社JVCケンウッドへ変更
    • [11]2011年10月 ビクター・ケンウッド・J&Kカーエレクトロニクスの3社を吸収合併し単一事業会社へ移行
    • [14]2013年6月 香港Shinwa International Holdings Limitedを連結子会社化
    • [16]2013年7月 東特長岡(現・JVCケンウッド長岡)の全株式を会社分割で承継
    • [17]2014年3月 EF Johnson Technologies Inc.(北米P25対応業務用無線)の全株式取得
    • [18]2014年6月 JVC America Inc.を譲渡(北米CD/DVDディスク製造販売事業から撤退)
    • [19]2015年4月 欧州車載部品事業会社ASK Industries S.p.Aを連結子会社化
    • [20]2015年4月 テイチクエンタテインメントを譲渡(音楽・映像ソフト事業から撤退)
    • [21]2015年8月 JVCケンウッド・クリエイティブメディアを株式交換で完全子会社化
  • 週刊東洋経済(2011年11月1日)
    • [12]統合から3年(2011年3月期時点)で連結売上高は統合時点の単純合算8237億円から3526億円まで縮小(円高進行・テレビ事業撤退が主因)
  • 週刊東洋経済(2012年12月15日)
    • [13]2012年3月期に最終黒字化・復配を達成、同年11月発表の新中期計画は2016年3月期連結売上高4000億円を目標に掲げた
    • [15]2013年6月の香港Shinwa連結子会社化は車載用CD/DVDメカの増産による新興国向けコストダウンを狙った新中期計画の一環

2015年〜 中期計画VISION2023と事業ポートフォリオ転換期の収益再建

JVCケンウッドの業績推移:連結

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 2015年 車載用部品事業会社ASK Industries S.p.Aを子会社化
  2. 2015年 テイチクエンタテインメントの全株式をエクシングに譲渡
  3. 2015年 JVCケンウッド・クリエイティブメディアを株式交換で完全子会社化
  4. 2018年 Radio Activity S.r.l.の全株式を取得
  5. 2018年 Rein Medical GmbHの全株式を取得
  6. 2018年 第三者割当による第2回新株予約権を発行
  7. 2021年 民生AV主体からモビリティ・業務用無線中心への事業ポートフォリオ転換(VISION2023) 民生AVからモビリティへ——江口祥一郎社長は稼ぎ方をどう作り替えようとしたか

辻孝夫体制3年とVISION2020中期計画

2015年6月、辻孝夫が代表取締役社長兼執行役員CEOに就任した。河原春郎不破久温江口祥一郎を経た4代目CEOとして、経営統合期の事業整理を引き継いだ。辻孝夫体制では、家電・メディア事業からの撤退を継続しつつ、3分野(モビリティ&テレマティクス・パブリックサービス・メディアサービス)の事業ポートフォリオを明確化する作業が進んだ。FY15からFY17の3年間で、事業ポートフォリオの3分野化と国内外子会社の整理が進み、連結売上は2900億〜3000億円規模で推移した。利益率は2015年から2017年にかけて改善し、経営統合期の固定費負担が軽減される構造へ向かった。

2018年5月のドイツRein Medical GmbHの全株式取得は、医療事業への展開強化を狙った買収だった。OR映像システムソリューション会社で、映像技術の医療応用への参入を試みた経営判断である。同年6月には第三者割当による第2回新株予約権を発行し、行使価額修正条項付の新株予約権で財務基盤強化のための資本調達を実施した。同年12月のニュージーランドTait International Limited株式取得・業務提携は、業務用無線通信システム事業のグローバル戦略提携として位置付けられた。北米・欧州・東南アジア(豪州・NZ)の業務用無線網が拡張する一方、医療・財務面でも構造強化が並行した。 [22][23][24]

  • JVCケンウッド 有価証券報告書【沿革】
    • [22]2018年5月 ドイツRein Medical GmbH(OR映像システムソリューション会社)の全株式取得
    • [23]2018年6月 第三者割当による行使価額修正条項付第2回新株予約権を発行
    • [24]2018年12月 ニュージーランドTait International Limitedの株式取得・資本業務提携(業務用無線通信システム事業)

2019年4月、江口祥一郎が代表取締役社長執行役員CEOとして再度就任した。FY11〜FY12の在任中を経ての2度目の社長就任という変則的な人事だったが、経営統合期から事業ポートフォリオ転換期にかけてのカーエレクトロニクス事業を率いた経歴が背景にあった。江口祥一郎体制の最初の課題は、3分野構成(モビリティ&テレマティクス・パブリックサービス・メディアサービス)の事業ポートフォリオ転換を中期計画として明確化することだった。江口祥一郎は1955年12月生まれの佐賀県出身で、早稲田大学商学部を1979年に卒業してトリオ(現JVCケンウッド)に入社、米国法人社長を経た経歴である。 [25][26][27]

    • [25]江口祥一郎の代表取締役社長CEO再任は2019年4月(2018年はCOO)。本文を『2019年4月』へ訂正済み
    • [26]江口祥一郎の1度目のCEO在任(本文FY11〜FY12)はCSVでFY11・FY12に記録(公式の1度目就任は2012年6月)
    • [27]江口祥一郎は1955年12月生まれ・佐賀県出身・早稲田大学商学部を1979年卒業しトリオ(現JVCケンウッド)に入社、米国法人社長を経た
  • JVCケンウッド 有価証券報告書【沿革】
    • [22]2018年5月 ドイツRein Medical GmbH(OR映像システムソリューション会社)の全株式取得
    • [23]2018年6月 第三者割当による行使価額修正条項付第2回新株予約権を発行
    • [24]2018年12月 ニュージーランドTait International Limitedの株式取得・資本業務提携(業務用無線通信システム事業)
    • [25]江口祥一郎の代表取締役社長CEO再任は2019年4月(2018年はCOO)。本文を『2019年4月』へ訂正済み
    • [26]江口祥一郎の1度目のCEO在任(本文FY11〜FY12)はCSVでFY11・FY12に記録(公式の1度目就任は2012年6月)
    • [27]江口祥一郎は1955年12月生まれ・佐賀県出身・早稲田大学商学部を1979年卒業しトリオ(現JVCケンウッド)に入社、米国法人社長を経た

VISION2023策定と中国生産拠点譲渡

2021年5月、中期経営計画「VISION2023」を策定した。2021年度開始の3カ年計画として、事業ポートフォリオ転換の宣言を含む内容となった。同月、米国子会社Zetron Inc.の全株式をオーストラリアCodan Limitedへ譲渡し、通信指令システム事業からの一部撤退を発表した。事業選択集中の判断は、北米業務用無線市場における事業領域の絞り込みとして位置付けられた。VISION2023では事業ポートフォリオ転換と収益性改善を主軸に置き、家電・メディア事業の縮小と業務用無線・車載事業の収益性向上を同時に進める方針が示された。 [28][29]

  • JVCケンウッド 有価証券報告書【沿革】
    • [28]2021年5月 中期経営計画「VISION2023」を策定(2021年度開始の3カ年計画)
    • [29]2021年5月 米国子会社Zetron Inc.の全株式をオーストラリアCodan Limitedへ譲渡(通信指令システム事業から一部撤退)

2022年4月、東証市場区分の見直しによりプライム市場へ移行した。経営統合時の東証一部上場から続いていた上位市場区分での上場が、プライム市場として継続した。経営統合から14年を経て、JVCケンウッドはプライム市場で取引される中堅電機メーカーの位置を維持した。FY22の連結業績は、家電・メディア事業の縮小と業務用無線・車載事業の収益貢献が拮抗する局面にあった。連結売上は約3000億円規模で、業務用無線・カーエレクトロニクスの収益貢献度合いはFY15からFY22の7年で過半数を超える比率まで上昇した。 [30]

  • JVCケンウッド 有価証券報告書【沿革】
    • [30]2022年4月 東証市場区分見直しによりプライム市場へ移行(東証一部から)

2023年4月、中期経営計画「VISION2025」を策定した。2023年度開始の3カ年計画で、事業ポートフォリオ転換をさらに進める内容だった。江口祥一郎は新中期計画策定にあたり「企業価値の最大化に向けて」のテーマで、事業構造改革と海外子会社網の整理を継続的に進める方針を示した。VISION2025はVISION2023の延長線上にあり、3分野構成の収益性向上とカーエレクトロニクス事業の海外展開強化が主軸として残った。経営統合期から続いた事業整理が、第3期に入って収益化の局面へ移った。 [31][32]

  • JVCケンウッド 有価証券報告書【沿革】
    • [31]2023年4月 中期経営計画「VISION2025」を策定(2023年度開始の3カ年計画)
    • [32]江口祥一郎はVISION2025策定にあたり『企業価値の最大化に向けて』のテーマを掲げた
  • JVCケンウッド 有価証券報告書【沿革】
    • [28]2021年5月 中期経営計画「VISION2023」を策定(2021年度開始の3カ年計画)
    • [29]2021年5月 米国子会社Zetron Inc.の全株式をオーストラリアCodan Limitedへ譲渡(通信指令システム事業から一部撤退)
    • [30]2022年4月 東証市場区分見直しによりプライム市場へ移行(東証一部から)
    • [31]2023年4月 中期経営計画「VISION2025」を策定(2023年度開始の3カ年計画)
    • [32]江口祥一郎はVISION2025策定にあたり『企業価値の最大化に向けて』のテーマを掲げた

2023年〜 中国生産撤退とVISION2030への事業構造再定義

JVCケンウッドの業績推移:連結

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 2023年 中期経営計画「VISION2025」を策定
  2. 2024年 中国生産拠点Shanghai Kenwood Electronics Co. Ltd.の譲渡を完了
  3. 2024年 横浜本社地区「Value Creation Square」が本格稼働
  4. 2025年 格付投資情報センターよりA-格付(方向性:安定的)を取得

中国生産拠点譲渡と横浜本社拠点の刷新投資

2024年3月、中国生産拠点Shanghai Kenwood Electronics Co. Ltd.の譲渡を完了し、中国生産拠点からの撤退を実行した。経営統合期から続いた海外子会社網の整理は、中国市場の地政学的リスクと米中貿易摩擦の影響を考慮した経営判断として位置付けられた。中国生産機能は東南アジア・国内拠点へ振り替わり、JVCケンウッドの生産拠点ポートフォリオは日本・東南アジア(タイ・ベトナム等)・北米中心へ組み替えが進んだ。中国生産撤退は、家電・メディア事業の縮小と並行して事業ポートフォリオの地理的再配置を進める判断だった。 [33]

  • JVCケンウッド 有価証券報告書【沿革】
    • [33]2024年3月 中国生産拠点Shanghai Kenwood Electronics Co. Ltd.の譲渡を完了(中国生産拠点から撤退)

2024年12月、横浜本社地区「Value Creation Square」が本格稼働した。新ビルHybrid Centerの完成と本社集約により、本社拠点の刷新と価値創造体制構築が一体で進んだ。経営統合以降の分散していた本社機能を集約する施策で、組織融合の最終段階を示す象徴的な投資となった。同月、業務用無線・カーエレクトロニクス事業の研究開発拠点を横浜本社地区に集約する体制ができあがり、事業横断の技術連携を強化する物理的基盤が整った。横浜本社地区への投資総額は数十億円規模で、経営統合後の最大級の本社投資となった。 [34]

  • JVCケンウッド 有価証券報告書【沿革】
    • [34]2024年12月 横浜本社地区「Value Creation Square」が本格稼働(新ビルHybrid Center完成・本社集約)

2025年3月、格付投資情報センターよりA-格付(方向性:安定的)を取得した。経営統合以降で初の格付取得で、財務基盤の客観評価を得る節目となった。FY24の連結売上は約3700億円規模、経常利益・純利益とも黒字を維持し、事業ポートフォリオ転換の成果が業績面で表れた。中国生産撤退・本社拠点刷新・格付取得という3つの施策が2024〜2025年に並ぶ局面は、経営統合から16年を経て事業構造の再定義が進む時期の象徴的な局面だった。業務用無線・カーエレクトロニクスの収益貢献度合いはFY24で連結売上の3分の2程度に達し、3分野構成の収益軸が業務用無線・カーエレクトロニクスへ移った。 [35]

VISION2030への移行と江口体制7年目

2026年5月1日、江口祥一郎は代表取締役会長執行役員CEOへ就任し、新中期経営計画「VISION2030」を策定した。後任の社長には鈴木昭が代表取締役社長執行役員COOとして就いた。2026年度開始の中期計画で、2030年度までを射程に入れた5年計画として位置付けられた。VISION2025からVISION2030への移行は、経営統合期から事業ポートフォリオ転換期を経た中期戦略の延長で、3分野構成(モビリティ&テレマティクス・パブリックサービス・メディアサービス)の収益性向上と海外展開強化を主軸に据える内容となった。江口祥一郎は2019年4月のCEO就任から数えて7年目の中期計画策定で、経営統合後の最長CEO在任記録を更新した。 [36][37][38]

VISION2030では、業務用無線・カーエレクトロニクス・医療映像の3軸を主軸として、新興市場(インド・東南アジア・中東等)への展開強化が示された。北米P25対応業務用無線(EF Johnson Technologies)・欧州車載部品(ASK Industries)・東南アジア業務用無線(Tait International)など、過去のM&Aで取得した海外子会社網を活用した新興市場開拓が、次期5年の重点施策として位置付けられた。経営統合期の海外M&Aが、VISION2030局面で新興市場展開の足場となる構図が組み上がった。 [39][40]

    • [39]VISION2030は業務用無線・カーエレクトロニクス・医療映像の3軸を主軸に新興市場展開強化を掲げる
  • JVCケンウッド 有価証券報告書【沿革】
    • [40]北米P25対応業務用無線(EF Johnson Technologies)・欧州車載部品(ASK Industries)・東南アジア業務用無線(Tait International)の海外子会社網

2008年の経営統合から18年を経て、JVCケンウッドは家電・メディア中心の事業構造を業務用無線・カーエレクトロニクス・医療映像の3軸構成へ組み替え、中国生産撤退・本社拠点刷新・A-格付取得という構造再定義を経た。VISION2030の5年計画期間は、経営統合期の事業整理と中期計画期の事業ポートフォリオ転換を踏まえた、収益化と海外展開強化の段階に位置付けられる。経営統合から始まった企業統治の課題は、2010年の決算訂正問題、3社吸収合併、海外子会社の取得・売却、中国撤退、本社拠点刷新を経て、2026年5月1日のVISION2030始動という新たな段階に入った。 [41][42]

  • JVCケンウッド 有価証券報告書【沿革】
    • [41]2008年の経営統合から18年(2026年)を経た総括(決算訂正・3社合併・海外子会社取得売却・中国撤退・本社刷新・VISION2030始動)
    • [42]2026年5月1日のVISION2030始動という新たな段階に入った
    • [36]2026年5月1日 江口祥一郎が代表取締役会長執行役員CEOへ就任
    • [38]江口祥一郎は2019年4月のCEO就任から数えて7年目(2026年)で経営統合後の最長CEO在任を更新
    • [37]新中期経営計画「VISION2030」を策定(2026年度開始・2030年度まで射程の5年計画)
    • [39]VISION2030は業務用無線・カーエレクトロニクス・医療映像の3軸を主軸に新興市場展開強化を掲げる
    • [42]2026年5月1日のVISION2030始動という新たな段階に入った
  • JVCケンウッド 有価証券報告書【沿革】
    • [40]北米P25対応業務用無線(EF Johnson Technologies)・欧州車載部品(ASK Industries)・東南アジア業務用無線(Tait International)の海外子会社網
    • [41]2008年の経営統合から18年(2026年)を経た総括(決算訂正・3社合併・海外子会社取得売却・中国撤退・本社刷新・VISION2030始動)

JVCケンウッドの沿革2002〜2025年における主な出来事を抜粋

年月社長・CEO出来事重要度
債務超過に陥ったケンウッドの再建と業務用・車載への事業転換創業事業の民生オーディオをどこまで残し、成長事業の携帯電話をなぜ手放したか——外部から招いた河原春郎氏の選別 詳細を読む★★★
ビクターとケンウッドが資本業務提携契約を締結★★
技術開発合弁会社J&Kテクノロジーズを設立
河原春郎日本ビクターとケンウッドの株式移転による対等統合とJVCケンウッド発足買収ではなく対等統合か——縮む家電市場で、河原春郎会長は出自の違う二つの名門をどう束ねようとしたか 詳細を読む★★★
不破久温ビクター・JVC・ケンウッド・HDの決算訂正を実施★★
江口祥一郎社名をJVC・ケンウッド・HDからJVCケンウッドへ変更
江口祥一郎ビクター・ケンウッド・J&Kカーエレクトロニクスの3社を吸収合併★★
河原春郎Shinwa International Holdings Limitedを子会社化
河原春郎東特長岡(現・JVCケンウッド長岡)の全株式を会社分割で承継
河原春郎EF Johnson Technologies Inc.の全株式を取得
河原春郎JVC America Inc.の全株式をCinram Group Inc.に譲渡(北米CD/DVDディスク製造販売事業から撤退)
辻孝夫車載用部品事業会社ASK Industries S.p.Aを子会社化
辻孝夫テイチクエンタテインメントの全株式をエクシングに譲渡
辻孝夫JVCケンウッド・クリエイティブメディアを株式交換で完全子会社化
江口祥一郎Radio Activity S.r.l.の全株式を取得
江口祥一郎Rein Medical GmbHの全株式を取得
江口祥一郎第三者割当による第2回新株予約権を発行
江口祥一郎ニュージーランドのTait International Limitedの株式取得・資本業務提携
江口祥一郎民生AV主体からモビリティ・業務用無線中心への事業ポートフォリオ転換(VISION2023)民生AVからモビリティへ——江口祥一郎社長は稼ぎ方をどう作り替えようとしたか 詳細を読む★★★
江口祥一郎子会社Zetron Inc.の全株式をオーストラリアCodan Limitedへ譲渡
江口祥一郎プライム市場へ移行
江口祥一郎中期経営計画「VISION2025」を策定
江口祥一郎中国生産拠点Shanghai Kenwood Electronics Co. Ltd.の譲渡を完了
江口祥一郎横浜本社地区「Value Creation Square」が本格稼働
江口祥一郎格付投資情報センターよりA-格付(方向性:安定的)を取得
出典・参考

免責事項およびポリシー