日立製作所の創業は1910年にさかのぼる。当時、茨城県に存在した久原鉱業の日立鉱山では、鉱物の採掘に必要な排水ポンプなどの動力源を電気機器によってまかなっていたが、当時の日本の電気技術は未熟で、電気機器は外国メーカーものが一般的であった。そこで、電気技師であった久原鉱業の社員・小平浪平は発電機などの国産化を目指して日立製作所を創業し、鉱業ではなく電機メーカーを志向した。小平浪平は開発で最も重要な人材を東京帝国大学を卒業した若者を確保することで研究開発力を向上させ、戦前の日立製作所を電機メーカーとして発展させた。
