1959
4月

焼結金属工業株式会社を設立

東京タングステン株式会社に勤務して「ステンレス・ブロンズの焼結理論」を研究していた大村進氏が独立を決めて、焼結金属工業株式会社(現在のSMC)を設立。空気圧機器向けに綺麗な空気を送り込むためのフィルター(焼結濾過体)の製造を開始した。

1960
5月

大阪営業所を新設。以後、全国展開

大阪営業所の新設を手始めに営業網を強化。1963年4月には名古屋営業所(管轄中部・東海・北陸地区)、1977年には広島営業所(管轄は中国・四国地方)を新設し、全国をカバー。1988年時点で、全国5営業所・38出張所・97の代理店を組織することで販売網を形成し、代理店経由の販売の場合も「営業所のパートナー」という位置付けで直接販売と変わらない体制をとった。このため、代理店の在庫保有は禁止している。

1961
9月

空気圧補助機器の製造販売を開始

空気圧機器の製造に参入し、祖業のフィルターから最終製品へと進出。空気圧機器は「コンプレッサーによる空気の圧縮」「ドライヤーによる圧縮空気の乾燥」「圧縮空気の送り込み(空気圧補助機器)から構成されており、SMCは空気圧の補助機器「エアフィルター(ホコリ除去)・レギュレーター(減圧)・ルブリケータ(方向制御機器への空気の送り込み)」に参入

証言
大村進(SMC創業者)

空気圧制御機器の基本システムは、まずコンプレッサーで圧縮空気をつくり、これを圧縮空気浄化機器へ送り込んで除湿、次いで空気圧補助機器に送って必要な圧力に調整すると同時にゴミを取り除き、次は方向制御機器で空気の流れる方向に適時切り替え、それがシリンダーに送り込まれて仕事をする、という仕組みになっている。このうちコンプレッサーを除く4つ、特に空気圧補助機器、方向制御機器、シリンダーの3つが当社の主力製品だ

1967年
オーストラリアに現地法人を新設。輸出を本格化
1968
6月

草加第一工場を新設

業種別に多品種な空気圧制御機器の生産を効率化するために新工場を新設。5,000種類の基本形をベースに、中間在庫として工場に保管することで、在庫リスクを背負いつつ納期という付加価値を高めることを狙った。なお、競合は設備投資に出遅れたため、SMCが高シェアを確保する上で鍵を握る設備投資となった。

証言
髙田芳行(SMC代表取締役社長)

私は、なにか事をなす時には、前もって準備しておかなければ、それはできかねると思っているんですがね、会社の仕組みも同じで、いくら売れるだろうと予想が立てば、その製品をつくる能力を備えておくために、前もって投資をする、ということです。実際にそのようにしてきましたが、そのへんは成功してきたと思います。私どもでは競合相手に比べて設備投資が先行していた。その面では非常に有利だったですね。その予測も、科学的に行こうという方向を取ったのが良かったんだと思います。うちには、そういうことを管理している部署がありましてね。4、5人いるんですが、みな数学専攻のもので、数理統計学などを使って、予測を確かなものにしていくわけです。非常に的確に予測しましてね。ですから、その予測をもとに確信を持つ準備ができました。

1968年3月
越谷工場を新設
1972年3月
草加第二工場を新設
1983年1月
筑波第一工場を新設
1986年4月
商号をSMC株式会社に変更

旧社名である焼結金属工業の英語表記「SINTERED METAL COMPANY」の略称として、SMCを商号に採用

決算
SMCの業績
1987年3月期(単体)
売上高
502
億円
当期純利益
30
億円
1987年3月
空気圧制御機器で国内シェア42%を確保

シェアの順位は「1位SMC(42%)・2位某社(21%)」であり、SMCが優位

決算
SMCの業績
1987年3月期(単体)
売上高
502
億円
当期純利益
30
億円
1987年12月
東京証券取引所第2部に株式上場
1988年11月
筑波大第二工場を新設
1989年9月
髙田芳行氏がSMC代表取締役社長に就任

1989年の社長就任から1999年(退任時93歳)に至るまで代表取締役(社長・会長)を歴任。約30年超にわたりトップダウンでSMCの経営に従事

決算
SMCの業績
1990年3月期(単体)
売上高
866
億円
当期純利益
77
億円
1989年9月
東京証券取引所第1部に株式上場
1996年
海外生産比率10%を目標設定

円高ドル安の進行を受けて、SMCは海外生産比率の向上を急いだ。10%の目標を設定し、米国・中国における現地法人を通じた工場増設を決定

決算
SMCの業績
1997年3月期(連結)
売上高
1688
億円
当期純利益
169
億円
2000年10月
欧州技術センターを新設
2000年
中国での現地生産を決定

北京で6万坪の用地を確保。合弁会社SMC北京製造を通じて、中国における空気圧制御機器の製造を本格化

決算
SMCの業績
2001年3月期(連結)
売上高
2520
億円
当期純利益
238
億円
2002年4月
米国技術センターを新設
2006年
SMC北京製造を完全子会社化

中国の北京工場への設備投資を行うためにSMC北京製造を完全子会社化

決算
SMCの業績
2007年3月期(連結)
売上高
3396
億円
当期純利益
630
億円
2007年7月
中国技術センターを新設
2009年
米国にノーブルスビル工場を新設
2014
3月

設備投資年間225億円

リーマンショックを経て設備投資を本格化。2013年度にSMCは国内および海外での設備投資に225億円を投資。うち海外は151億円で、中国・米国・ブラジル・東南アジアにおける工場増設ないし新設であり、グローバル展開を加速

決算
SMCの業績
2014年3月期(連結)
売上高
3953
億円
当期純利益
863
億円
2016年3月
調査会社がSMCの会計上の疑義を表明

調査レポートによって株価が35%下落

決算
SMCの業績
2016年3月期(連結)
売上高
4756
億円
当期純利益
921
億円
2018年3月
売上高5000億円を突破
2019年6月
高田芳行氏が代表取締役会長を退任

退任時の年齢は93歳

決算
SMCの業績
2020年3月期(連結)
売上高
5260
億円
当期純利益
1105
億円
2021
4月

高田芳樹氏が代表取締役社長就任

高田芳行氏の長男である芳樹氏が社長に就任。ただし、髙田家の資産管理会社の株式保有比率は10%未満であるため、株主総会における社長選任の賛成比率は低迷。2022年6月の株主総会における髙田芳樹社長の賛成比率は89.7%

決算
SMCの業績
2022年3月期(連結)
売上高
7273
億円
当期純利益
1929
億円
2022年3月
売上高7000億円を突破