創業地大阪府大阪市
創業年1960
上場年1970
創業者※積水化学
1960年〜 プレハブから住宅産業のリーダーへの道筋
1960 積水ハウス産業株式会社を設立
1963 積水ハウス株式会社に商号変更
1963 田鍋健が社長に就任
1964 単年度黒字化を達成
1970 東京・大阪証券取引所市場第二部に上場
1984 高級住宅「イズシリーズ」を発売
1971年1月期 単体
売上高 345億円
純利益 20億円
純利益率 5.8%
1985年1月期 単体
売上高 4,598億円
純利益 80億円
純利益率 1.7%

1960年8月、積水化学工業のハウス事業部を母体に積水ハウス産業が資本金1億円で発足したが、高価で品質も劣るとみられたプレハブは売れず、発足3年で累積赤字9000万円を抱えた。1963年6月、積水化学工業専務から転じた田鍋健は「沈没寸前の船」と語って社長に就き、同年10月に社名を積水ハウスへ改め、販売も施工も自社社員が担う直接販売・責任施工方式を導入した。エコノミーのE型と高級のF型を並行投入してプレハブ=安物の評価に挑み、1964年に単年度黒字化、翌65年に累積赤字を一掃して初配当に踏み切った。需要を自ら創る攻めの営業で1979年1月期には15年連続増収増益・売上高3,040億円に達し、赤字子会社は住宅産業の主役へ転じた

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1991年〜 1兆円企業からの構造改革とストック型事業への軸足
1991 売上高1兆円を達成
1993 累積住宅販売戸数100万戸を達成
1995 積水ハウス木造株式会社を吸収合併
2005 積和不動産グループを完全子会社化
2008 Sekisui House Australia Holdings PTY LIMITEDを設立
2010 初の営業赤字・経常赤字・純損失を計上
1992年1月期 連結
売上高 11,478億円
純利益 478億円
純利益率 4.2%
2016年1月期 連結
売上高 18,588億円
純利益 843億円
純利益率 4.5%

1991年1月期、積水ハウスは住宅業界で初めて売上高1兆円を達成し、1993年には累積住宅販売戸数も業界初の100万戸に到達した。バブル崩壊後は新設住宅着工が170万戸超から100万戸割れまで縮み、1995年に積水ハウス木造を吸収合併、2005年にはリフォーム事業を分社化して住宅の一生を担う体制へ広げた。2008年のリーマンショックは直撃となり、2010年1月期に純損失292億円を計上、1964年以来45年間続いた無赤字記録が途切れた。だが翌期は営業利益563億円で黒字へ復し、賃貸住宅とリフォームのストック型収益が業績を支えた。国際事業の売上高もFY12の548億円からFY16には1,821億円へ伸び、連結営業利益は1,841億円と過去最高を更新した

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2017年〜 米国7,200億円の賭けと国内事業構造の再編
2017 Woodside Homes Company, LLCを完全子会社化
2017 地面師詐欺事件で特別損失約55.5億円を計上
2019 鳳ホールディングス(鴻池組の持株会社)を連結子会社化
2020 積和不動産グループを積水ハウス不動産グループに再編
2021 Holt Group Holdings, LLCがThe Holt Group, Inc.等を取得
2022 東京証券取引所プライム市場、名古屋証券取引所プレミア市場へ移行
2017年1月期 連結
売上高 20,269億円
純利益 1,218億円
純利益率 6.0%
2023年1月期 連結
売上高 29,288億円
純利益 1,845億円
純利益率 6.3%

2017年3月、積水ハウスは米国ユタ州の戸建ビルダーWoodside Homesを完全子会社化し、日本で培った施工品質や設計技術を現地へ移すテクノロジー・トランスファーを成長戦略の核に据えた。国内の新設住宅着工が90万戸台に沈む一方、米国では年間130万戸超の需要が見込めた。阿部俊則社長は2021年にHolt Homes、2022年にChesmar Homesを相次ぎ取得し、米国事業を西部から南部へ広げた。国内では2019年10月に総合建設会社の鴻池組を傘下に収め、住宅メーカーが準大手ゼネコンを抱える業界初の体制を築いた。FY23の国際事業売上高は5,110億円と連結売上の16%を占め、過去最大級のMDC Holdings買収へ続いた

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決断の理由 — クリティカルな歴史の転換点を読み解く

Q なぜ1963年に田鍋健は代理店制度を廃して直接販売・責任施工へ切り替えたのか
A 住宅という高額で一生に一度の買い物を代理店任せにすれば、顧客と直につながる接点も、現場の品質を確かめる手立ても社外に置いたままになる。プレハブを安物として売らずに済ませるにはその両方を社内へ抱えるほかないと田鍋健は見ていた。1963年6月、累積赤字9,000万円の積水ハウス産業の社長に積水化学工業専務から転じた田鍋健は、翌10月の商号変更とあわせ販売も施工も自社の社員が担う直接販売・責任施工へ切り替えた。販売コスト増を嫌って他社が避けた方式だったが、品質を単価に映せたことで1964年に黒字へ転じた
Q なぜ2017年にWoodside Homes買収で米国戸建市場へ出たのか
A 国内の新設住宅着工が90万戸台へ落ち込む一方、米国は人口増と住宅不足で年間130万戸超の需要が続き、工業化の遅れた現地の戸建には日本の施工品質や高耐久部材を移す余地があった。田鍋健が国内で実証したプレハブ高級化を米国へ移し替える戦略であり、積水ハウスは2017年3月にユタ州の戸建ビルダーWoodside Homesを約533億円で完全子会社化し、その実証の場とした。国内市場の成熟を補う柱を、買収先へ技術を移植する手順で築く狙いだった。
Q なぜ2024年にMDC Holdingsを約7,200億円で買ったのか
A Woodside買収から6年でグループ売上の16%を海外で稼ぐ構造に変わり、米国を本業の柱へ引き上げる段階に入った。地域分散と現地経営層の取り込みを重ねた延長で、積水ハウスは2024年4月、コロラド州の大手ビルダーMDC Holdingsを約7,200億円(49.4億米ドル)で完全子会社化し、全米16州で年約1.5万戸を引き渡す体制を得た。米国引渡規模を一気に3倍超へ広げ、2025年にはWoodside・Holt・Chesmarとあわせ4社をSEKISUI HOUSE U.S.へ統合した

出典・参考文献

歴史概要

  • 日本経済新聞「私の履歴書(田鍋健)」(1985年)
    • [1] 1960年8月に積水化学工業のハウス事業部を母体に積水ハウス産業が資本金1億円で発足し、発足3年で累積赤字9000万円を抱えた
  • 積水ハウス 有価証券報告書【沿革】
    • [2] 1963年6月に積水化学工業専務の田鍋健が社長に就任し、同年10月に積水ハウスへ改称して直接販売・責任施工方式を導入した
    • [3] 1964年に単年度黒字化し、翌65年に累積赤字を一掃して初配当に踏み切った
    • [5] 1991年1月期に住宅業界で初めて売上高1兆円を達成し、1993年に累積住宅販売戸数100万戸へ到達した
    • [9] 2017年3月に米国ユタ州の戸建ビルダーWoodside Homesを完全子会社化した
    • [10] 2021年にHolt Homes、2022年にChesmar Homesを取得し米国西部から南部へ広げた
    • [11] 2019年10月に総合建設会社・鴻池組の持株会社を連結子会社化した
  • 日経ビジネス 1979年3月19日号
    • [4] 1979年1月期に15年連続増収増益・売上高3,040億円に達した
  • 積水ハウス 有価証券報告書(連結財務諸表)
    • [6] 2010年1月期に純損失292億円を計上し、1964年以来45年間続いた無赤字記録が途切れた
    • [7] 翌2011年1月期に営業利益563億円を計上して黒字へ復した
  • 積水ハウス 有価証券報告書
    • [8] 国際事業売上高はFY12の548億円からFY16に1,821億円へ伸び、連結営業利益は1,841億円と過去最高を更新した
    • [12] FY23の国際事業売上高は5,110億円で連結売上高の16%を占めた

決断の理由

  • 積水ハウス 有価証券報告書【沿革】/日本経済新聞「私の履歴書(田鍋健)」(1985年)
    • [1] 発足3年で累積赤字9,000万円を抱えた積水ハウス産業の社長に1963年6月、積水化学工業専務から田鍋健が転じた
  • 積水ハウス 有価証券報告書【沿革】
    • [2] 1963年10月に積水ハウスへ商号変更し、販売・施工を自社社員が担う直接販売・責任施工方式を導入した
    • [4] 1964年に単年度黒字化を達成した
    • [7] 田鍋健が国内で実行したプレハブ高級化の手法を海外市場へ応用するテクノロジー・トランスファー戦略であった
    • [9] 2024年4月にコロラド州本社の大手戸建ビルダーM.D.C. Holdingsを買収総額約7,200億円(49.4億米ドル)で完全子会社化した
  • 証券アナリストジャーナル 1972年10月号/実業の世界 1972年10月号
    • [3] 直販・責任施工は業界他社が販売コスト増を理由に敬遠した方式だった
    • [5] 国内の新設住宅着工が90万戸台に低迷する一方、米国は人口増と住宅不足で年間130万戸超の需要が見込めた
    • [6] 2017年3月に米国ユタ州の戸建住宅ビルダーWoodside Homesを取得価額約533億円で完全子会社化した
  • 積水ハウス 有価証券報告書
    • [8] FY23の国際事業売上高5,110億円は連結売上高3兆1,072億円の16%を占め、Woodside買収から6年でグループ売上の16%を海外で稼ぐ構造に変わった
    • [10] 買収完了は2024年4月19日、Richmond American Homesを擁し全米16州で年間約1.5万戸を引き渡す体制となった
    • [11] 2025年にWoodside・Holt・Chesmarの各ブランドをMDC(SEKISUI HOUSE U.S., Inc.へ改称)へ統合し、4社を一体運営する体制へ移行した

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