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売上高の長期推移

売上高・売上収益ベース(連結優先)| 単位:億円
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税引後利益の長期推移

税引後利益・当期純利益・当期利益ベース(連結優先)| 単位:億円
1977年12月
多店舗展開と同時に仕入を強化

1977年12月に千葉県にサイゼリヤ「市川北口店」を開業し、多店舗展開を本格化した。ただし全国展開は志向せずに、需要が多い首都圏を中心にドミナント展開を志向。サイゼリヤの評判が形成されるまでは特定地域に集中し、認知度の自然な拡大を目指した。

多店舗展開と同時に、創業者の正垣氏はイタリア料理の産業化を志向。イタリア料理では良い素材を使うことが重要と考え、イタリアなどの海外から食材を直接輸入する体制を徐々に構築した。

イタリア料理に特化することによって、まとまった仕入れを可能にしており、多種多様な料理を提供する他のファミリーレストランが追随できない独自性を持つ仕入れの体制を志向した。

1977年
12月
多店舗展開を本格化(市川北口店を出店)
1979年
5月
東京都第1号店(小岩蔵前店)
1981年
4月
ショッピングセンター向け1号店を開店(船橋ららぽーと)
1981年
4月
サイゼリヤ4店舗を突破
1987年
10月
オーダーエントリーシステムを自社開発
1988年
11月
サイゼリヤ20店舗を突破
1989年
9月
ロードサイド向け1号店を開店(柏水戸街道店)
1989年
12月
埼玉県第1号店(ジャスコ北戸田店)
証言
正垣泰彦(サイゼリヤ・創業者)

1991
5月

全国で多店舗展開を本格化

多店舗展開を開始

1990年代を通じてサイゼリヤは全国展開を徐々に本格化。1994年までに国内100店舗体制をとり、イタリア料理店のチェーン展開を確立した。

積極展開にあたって、資金面では銀行からの借入調達を実施。投資リターン20%を基準値とし、売上年間成長率130〜150%を目標に据えた。このため、1990年代を通じてサイゼリヤは、イタリア料理店チェーンとしては唯一無二の出店スピードとなり、競合を寄せ付けなかった。

出店コストの抑制で経常利益率10%を確保

投資リターン20%を確保するために、サイゼリヤは出店コストが安い立地を選択。駅前の一等地ではなく、駅ビルの2階や地下1階など、人目につかない場所に出店することによって、家賃のコストを最小化した。この結果、多店舗展開における固定費を抑制し、1993年頃には経常利益率10%を確保するに至った。

1991年
5月
愛知県に1号店(豊田そごう店)
1992年
3月
富山県に1号店(新札幌店)
1992年
3月
北海道に1号店(富山駅前店)
1992年
6月
サイゼリヤ50店舗を突破
1994年
7月
サイゼリヤ100店舗を突破
1995年
5月
関西地区に出店開始(六甲アイランド店を開店)
証言
正垣泰彦(サイゼリヤ・創業者)

日本の経済通念では元手(自己資本)が1/3あれば、あとの2/3は銀行が貸してくれます。そうすると銀行から借りたお金を全部投資して、その投資した金額の20%以上の経常利益が出せれば、前年対比で130〜150%の売上高伸び率になります。それは食べ物屋さんにとって決してムリな数字ではありません。

ではなぜ130〜150%の伸び率が必要かといえば、20年間で200倍になるからです。僕は40年しかビジネスをやることができないでしょうから、すると400倍になる計算です。したがって、イタリア料理の真髄を伝える拠点として、どこにお店を出せば良いのかと言ったら、投資額に対して20%以上の経常利益が出る所です。それは売上予測ができる所であり、どちらかといえば誰も手をつけたがらない立地条件が悪い場所です。なぜなら、そのほうが投資コストが安いからですね。

決算
サイゼリヤの業績
1991年8月期(単体)
売上高
51
億円
1992年9月
株式会社サイゼリヤに商号変更
1995

広告宣伝に注力しない体制へ

テレビ出演による失敗

1995年ごろにサイゼリヤは、広告宣伝に注力せずに、仕入れなどの料理に投資をする姿勢を鮮明にした。これは、テレビでサイゼリヤが紹介された際に、一時的な行列ができたものの、客の増加によりサービスが低下し、結果として客足が減少する経験を経たことであった。

そこで、サイゼリヤはテレビ出演や、広告宣伝には注力せず、美味しいイタリア料理を低価格で提供することにこだわり、結果として顧客から支持されるまで待つ道を選択した。

広告宣伝比率0.3%で集客

このため、1997年8月期におけるサイゼリヤの販促費について、売上高(194億円)に占める広告宣伝費(0.6億円)の占める割合はわずか「0.3%」であり、広告に注力しない事業戦略を鮮明にした。それでも、1990年代後半を通じて徐々に顧客数は増加し、サイゼリヤの売上高は拡大。1998年4月にサイゼリヤは株式公開に至った。

証言
正垣泰彦(サイゼリヤ・創業者)

自前の工場、農場を持つ道に進むのですが、店舗数が100店舗になった1994年、あるテレビ番組に出ました。翌日、店舗には長い行列ができサービスもおろそかになり苦情も殺到。テレビの反響がおさまると客足もぱったり来なくなりました。これを取り戻すためには“価格を据え置いて質を高めれば、きっとお客は戻ってくるはず”食材の見直しは一切宣伝しませんでしたが、その後、お客さんの口コミで上昇基調に戻すことができました。

決算
サイゼリヤの業績
1996年8月期(単体)
売上高
161
億円
当期純利益
6.26
億円
1997年10月
埼玉県に吉川工場を新設。同地に本社移転
1998年4月
株式を店頭登録
1998年
4月
株式を店頭登録
1999年
7月
東京証券取引所第2部に株式上場
2000年
8月
東京証券取引所第1部に株式上場
2000年7月
海外からの原料調達網を整備
2000年
7月
オーストラリアに製造子会社を設立
2002年
3月
ニュージーランドに現地法人を新設
2013年11月
新業態で店舗開発(のちに撤退決定)

2013年
12月
新業態「サンドイッチカウンター」を開店
2014年
8月
新業態「PASTAS」を開店
2016年
7月
新業態「スパゲティ・マリアーノ」を開店
2016年
10月
新業態「ズッパディパスタ」を開店
2018年
4月
新業態「スパットミート」を開店
2018年
8月
新業態「リカリカ」を開店
2018年
9月
新業態「マリアーノ」を開店
2018年
9月
新業態「リフレスカ」を開店
2020年
2月
新業態「伊麺処」を開店
2020年
2月
新業態「ミラノ食堂Mirano」を開店
決算
サイゼリヤの業績
2014年8月期(連結)
売上高
1256
億円
当期純利益
12
億円
2020年8月
最終赤字に転落

2020年
4月
新型コロナ対応で、数百億円の融資枠確保を検討
2020年
8月
最終赤字に転落
当期純利益 -34.5 億円
決算
サイゼリヤの業績
2020年8月期(連結)
売上高
1268
億円
当期純利益
-34.5
億円
2023年8月
売上高は過去最高・利益は下方修正へ

コロナ後の外食需要の高まりにより、2023年8月期にサイゼリヤは売上高で過去最高となる1832億円を記録。ただし、利益面では、円安の進行によって食材の仕入れコストが増大し、業績の下方修正を実施。

決算
サイゼリヤの業績
2023年8月期(連結)
売上高
1832
億円
当期純利益
52
億円
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