創業1985年3月、創業者・崎谷文雄氏(1945年4月生)が広島県福山市で資本金1,000万円のローツェ株式会社を設立し、モータ制御機器の開発を開始した。創業の翌年から立て続けに製品投入を進め、1985年9月にステッピングモータドライバ、1986年5月に超小型コントローラ、1986年12月にクリーンロボットの製造販売を開始した。半導体製造工程のクリーン搬送ロボットへ転じる事業転換が、創業から1年9か月で実現した格好である。
決断1996年10月のベトナム・ハイフォン市RORZE ROBOTECH INC.設立を起点に、台湾・シンガポール・米国・韓国・中国・欧州の多極生産・販売拠点網を整備した。1997年12月の日本証券業協会店頭登録、2004年12月のジャスダック上場、2016年8月の東証一部指定、2022年4月のプライム市場移行と公開市場区分が段階的に上昇した。2015年5月に創業者・崎谷文雄氏が代表取締役会長へ退き、娘婿の藤代祥之氏(1980年3月生、ローツェ入社)が代表取締役社長に就任、創業家第二世代承継を姻族で果たした。
課題藤代祥之氏体制下のFY24(2025年2月期)連結売上高は1,244億円・営業利益320億円・純利益236億円と上場後最高水準を更新した。FY16(2017年2月期)売上247億円からFY24売上1,244億円へ8年で5.0倍の収益拡大は、AI・先端半導体投資のピーク需要を取り込んだ結果である。だがFY09(2010年2月期)売上84億円・FY10(2011年2月期)売上36億円・経常赤字10億円の経験が示す通り、半導体投資サイクル反転局面での収益縮小幅はローツェの構造的弱点である。
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歴史概略
1985年〜1997年モータ制御ベンチャーから半導体ウエハ搬送ロボットへの転換12年
広島県福山市の資本金1,000万円からの起点とステッピングモータの市販
1985年3月、創業者・崎谷文雄氏(1945年4月生)が広島県福山市で資本金1,000万円のローツェ株式会社を設立し、モータ制御機器の開発を開始した。創業地は半導体・電子産業の集積地でも、首都圏のベンチャー企業密集地でもない地方都市で、ローツェの出自は地方の独立系制御技術ベンチャーである。創業の翌年から立て続けに製品を市場投入する形で、最初の3年間で事業の方向性が定まった。1985年9月にステッピングモータドライバの製造販売を開始、1986年5月に超小型コントローラの製造販売を開始、そして1986年12月にクリーンロボットの製造販売を開始した。この三段階の製品投入のうち、1986年12月のクリーンロボット製造販売開始がローツェの歴史において決定的な意味を持つ。半導体製造工程ではウエハの汚染を防ぐためのクリーン環境下での搬送が不可欠で、ローツェのクリーンロボットはこの分野への参入の起点となった。
創業期の事業構造は、自社で開発したステッピングモータの制御技術(ステッピングモータドライバ・コントローラ)に、半導体製造装置のクリーン搬送という応用領域を組み合わせた形で固まった。創業者の崎谷文雄氏は、モータ制御を制御技術の中核に据え、半導体・FPD(フラットパネルディスプレイ)製造工程の搬送ロボットへ展開する設計判断を取った。この判断は、ステッピングモータが精密位置決めに優れる特性と、半導体・FPD製造工程が「微細な位置決め精度」を要求する特性とが整合する技術選択の結果である。創業から38年経過した現在も、ローツェは「自社開発のモータ制御技術を中核に置く半導体ウエハ搬送ロボットメーカー」というコアアイデンティティを維持し、世界市場での競争優位を保っている。
真空・デュアルアーム・大型ガラス基板への製品ライン拡張
1989年11月、真空用クリーンロボットの製造販売を開始した。半導体製造工程のうち、エッチング・成膜等の真空プロセス(PVD/CVD/エッチング装置)で使われる真空チャンバ内のウエハ搬送機が、新たな製品ラインとして加わった。真空ロボット参入は、ローツェの製品技術が大気環境のクリーン搬送から真空環境の搬送へと適用領域を広げた転換点である。1992年11月、デュアルアームクリーンロボットの製造販売を開始し、搬送スループット(単位時間あたりの処理ウエハ数)の強化を実現した。デュアルアーム化は半導体製造装置の生産効率向上に直結する技術で、後年の主力製品群の起点となった。
1993年12月、大型ガラス基板クリーン搬送ロボットの製造販売を開始した。これは半導体ウエハ(直径200mm/300mm)よりはるかに大きな液晶ディスプレイ用ガラス基板(数百mm〜数mサイズ)の搬送機で、ローツェのクリーン搬送技術がFPD(液晶・有機EL)製造装置市場へ拡張した起点となる。1994年7月には大型ガラス基板クリーン搬送デュアルアームロボットを発表し、FPD向け搬送機の高機能化を進めた。1995年10月には液晶ガラス基板搬送ロボット・装置製造用工場を福山市神辺町道上に新設し、FPD向け生産拠点を整備した。半導体ウエハ搬送とFPD用大型ガラス基板搬送の二領域に製品ラインを広げた1990年代前半は、ローツェの主力事業の輪郭が定まった時期である。
1996年の国際展開ラッシュとベトナム生産拠点の起点
1996年はローツェの海外展開が加速度的に進行した年である。同年2月にシンガポール子会社RORZE INTERNATIONAL PTE. LTD.を設立、同年3月に台湾新竹科学工業園区に関連会社RORZE TECHNOLOGY, INC.(現連結子会社)を設立、同年4月に熊本県菊池郡大津町に九州FAセンターを開設、同年7月に神奈川県海老名市に神奈川FAセンターを開設、同年9月に本社を広島県福山市神辺町道上に移転、そして同年10月にベトナム・ハイフォン市に子会社RORZE ROBOTECH INC.を設立、同年11月に米国カリフォルニア州ミルピタスに子会社RORZE AUTOMATION, INC.を設立、同年12月にブーメランアームロボットの製造販売を開始した。1年で台湾・シンガポール・米国の海外子会社設立と国内九州・首都圏拠点開設、本社移転、そしてベトナム生産拠点設立を同時並行で進めた。
このうち1996年10月のベトナム・ハイフォン市RORZE ROBOTECH INC.設立は、後年のローツェの収益構造を決定づけた最大の転換点となる。ベトナムを生産拠点に据えた選択は、創業期のローツェが「設計・営業を日本国内で、生産はベトナムで」という機能別グローバル分業体制の起点を作った決定である。1990年代後半のベトナムは外資系製造業の進出が緒に就いたばかりの時期で、ローツェの進出は早期参入組に位置する。広島県福山市の本社が設計・営業の中核を担い、ベトナムが量産生産を担う体制は、半導体投資のサイクル変動に対する低コスト体質の基盤となった。1997年11月には韓国京畿道に子会社RORZE SYSTEMS CORPORATIONを設立し、韓国市場展開の起点を作った。創業から12年で台湾・シンガポール・米国・ベトナム・韓国の5地域に拠点を展開した格好である。
1997年12月、株式を日本証券業協会に店頭銘柄として登録した。創業から12年で資本市場へのデビューを果たし、モータ制御ベンチャーから半導体・FPD用クリーンロボットメーカーへの転換期がいったん完結した。FY01(2002年2月期)の連結売上高は66億円(USGAAP基準)で、店頭登録時点では中堅規模の独立装置メーカーの位置にあった。
以降は執筆中