東京ガス の歴史

更新:

創業

1885年

創業者

渋沢栄一

創業地

東京都

直近売上高(2026/3)

28,347億円

長期業績と転換点(1997/3〜2026/3)
売上高(億円純利益率(%)
Q なぜ1885年に渋沢栄一らは官営瓦斯局の払い下げを受けて都市ガス事業を引き受けたのか
A ガス灯は明治の東京で電灯普及前の街路照明を担い、需要は確実だが、原料の石炭から製造・輸送・需要家への供給までを一社で抱える重い装置産業であり、官営のままでは資金も運営効率も伸び悩んだ。そこで民間の資本と経営に委ねる道が選ばれた。1885年10月、東京府が営んでいた官営瓦斯局の払い下げを受け、渋沢栄一らの関与で東京瓦斯会社が生まれた。横浜で1874年に始まった日本の都市ガス事業を、首都で民間の手に引き継いだ出発点だった
Q なぜ1969年から東京ガスは16年がかりの天然ガス全面転換に踏み切ったのか
A 高度成長で首都圏のガス需要が急増する一方、首都圏の大気汚染が政治課題となり、低硫黄で高発熱量の天然ガスへ切り替える社会的要請が強まった。需要増と環境規制の双方に応えるには、原料そのものを変えるほかなかった。1962年に石炭ガスから石油系ガスへ熱量を引き上げて転換を一度経験した延長で、1969年にアラスカから日本初のLNGを根岸基地へ運び込んだ。1972年からは約400万世帯のガス機器を一台ずつ訪問して取り換え、地区ごとに切り替え日を定め、16年をかけて1988年に全エリアの天然ガス化を終えた
Q なぜ2023年に東京ガスは米シェールの上流権益を約4,050億円かけて取得したのか
A ガス販売量は人口減少と省エネで構造的に減るため、量を売って稼ぐ供給者のままでは成長を描きにくい。LNG高騰で過去最高益を出しても市況頼みの収益の質が課題として残り、天然ガスを掘り出す上流から押さえるバリューチェーンへ事業を組み替える方針を採った。2023年12月、米テキサス州・ルイジアナ州でシェールガスを開発・生産するロッククリフ・エナジーを約2,700百万米ドル(約4,050億円)で取得し、北米で扱う天然ガスの生産量を約4倍に引き上げた笹山晋一社長は「これからは『量』に依存しないビジネスモデルを展開していかなければなりません」と述べている

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1885年〜 官営ガスの払い下げからLNG革命と天然ガス転換完了

東京ガスの業績推移:単体

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 1885年 東京府瓦斯局の払い下げ引き受けと東京瓦斯会社の創立 赤字のまま安く受けるか、黒字にしてから受けるか——官営ガス事業の払い下げをめぐる四年
  2. 1893年 東京瓦斯に商号変更
  3. 1944年 関東瓦斯以下19社を合併吸収
  4. 1949年 東京証券取引所・名古屋証券取引所に上場
  5. 1962年 本社地区の熱量変更を実施
  6. 1969年 アラスカ産LNGの15年長期契約と東京電力との共同調達、根岸基地の建設 単価の高い未知の燃料を、誰と分け合って引き取るか——公害対策が迫った原料転換と、競争相手への共同購入の申し入れ
  7. 1972年 供給熱量の11,000キロカロリーへの引き上げと、首都圏550万件のガス機器の自社調整 機器の買い替えを客に求めるか、社員が一軒ずつ回るか——外部委託を退けた熱量変更の工程

官営瓦斯局の払い下げと都市ガス事業の民間化

1885年10月、東京府が運営していた官営瓦斯局の払い下げを受けて東京瓦斯会社が創立された。横浜で1874年に始まった日本の都市ガス事業が、東京で民間主導の事業として出発した瞬間である。渋沢栄一ら実業家が設立に関与し、石炭を原料とするガス灯を中心とした事業で首都の夜を照らした。明治期の東京では電灯の普及以前にガス灯が街路照明の中心を占め、ガス事業は都市インフラの重要な一角を担った。石炭を原料とする製造ガス(石炭ガス)の供給には、原料の輸送・貯蔵・製造設備の維持という重いオペレーションが欠かせない。当時の技術水準では事業運営そのものが難題であり、製造・輸送・需要家対応の各工程で経験の積み上げが不可欠な事業形態だった。 [1][2][3]

  • 東京ガス 有価証券報告書【沿革】
    • [1]1885年10月 東京府の官営瓦斯局の払い下げを受け東京瓦斯会社が創立
    • [2]日本の都市ガス事業は1874年に横浜で始まった
    • [3]渋沢栄一は東京瓦斯会社の創立に関与(民営化を主導し創業時の委員長に就任)

戦時中の1944年には関東瓦斯以下19社を合併吸収して首都圏全域に供給エリアを拡大し、戦後の1949年に東京証券取引所に上場した。1962年には供給ガスの熱量を3600kcalから5000kcalへ引き上げ、石炭ガスから石油系ガスへの転換を行った。原料の切り替えは単なる燃料の変更ではなく、供給設備の改修とガス機器の対応を同時に要する事業であり、都市ガス会社が定期的に経験する技術的な節目でもあった。高度経済成長に伴う都市部の人口集中とガス需要の急増は、東京ガスにさらなる原料転換を迫る圧力となった。1960年代後半には次の技術選択として天然ガス(LNG)が経営議論の中心に据えられた。当時の首都圏の大気汚染問題は政治課題としても顕在化しており、低硫黄のエネルギー源への転換は社会的な要請でもあった。 [4][5][6]

  • 東京ガス 有価証券報告書【沿革】
    • [4]1944年 関東瓦斯以下19社を合併吸収し首都圏全域に供給エリアを拡大
    • [5]1949年 東京証券取引所に上場(実際は東京・名古屋両取引所に上場)
    • [6]1962年 供給ガスの熱量を3600kcalから5000kcalへ引き上げ(石炭ガスから石油系ガスへ転換)
  • 東京ガス 有価証券報告書【沿革】
    • [1]1885年10月 東京府の官営瓦斯局の払い下げを受け東京瓦斯会社が創立
    • [2]日本の都市ガス事業は1874年に横浜で始まった
    • [4]1944年 関東瓦斯以下19社を合併吸収し首都圏全域に供給エリアを拡大
    • [5]1949年 東京証券取引所に上場(実際は東京・名古屋両取引所に上場)
    • [6]1962年 供給ガスの熱量を3600kcalから5000kcalへ引き上げ(石炭ガスから石油系ガスへ転換)
    • [3]渋沢栄一は東京瓦斯会社の創立に関与(民営化を主導し創業時の委員長に就任)

LNG導入決定と400万世帯のガス機器交換事業

転機は1960年代後半に訪れた。高度経済成長に伴うガス需要の急増と、都市部の深刻な大気汚染に対応するため、東京ガスは天然ガスへの全面転換を決断する。1966年に根岸LNG基地を稼働させ、1967年にはMarathon Oil社・Phillips Petroleum社とLNG売買契約を締結した。1969年11月、LNG船「ポーラ・アラスカ号」がアラスカから根岸基地に入港し、日本初のLNG輸入が完了した。この判断は世界的にも他に先例がなく、日本が世界最大のLNG消費国へ成長する出発点となった。大気汚染対策とエネルギー安全保障の両面で重要な政策的意義を持ち、日本のエネルギー政策全体の歴史的な転換点ともなった。さらにこの決断は、タンカー・基地・パイプラインといった巨大設備への先行投資を前提とする重い意思決定でもあった。 [7][8][9]

LNG導入に続き、1972年から供給ガスの熱量を5000kcalから11000kcalへ引き上げる天然ガス転換事業が始まった。約400万世帯の顧客が使うガス機器を一台ずつ天然ガス対応に交換しなければならない。地区ごとに新旧のガスが混在しないよう切り替え日を設定し、作業員が各家庭を訪問して機器を調整するという、世界的にも類例のないインフラ転換事業である。1973年にはブルネイからのLNG導入と袖ケ浦LNG基地の稼働を開始し、LNGの調達先と受入設備を同時に拡充して転換のスピードを上げた。2度のオイルショックを挟みながらも作業は続き、1988年10月に全供給エリアの天然ガス転換が完了した。16年の歳月を要したこの事業は、SO2やNOxの排出削減に加え、天然ガスの高発熱量を活かしてガス機器の性能向上と供給効率の改善をもたらす革命的な転換となった。 [10][11][12][13]

  • 東京ガス 有価証券報告書【沿革】
    • [10]1972年から供給ガスの熱量を5000kcalから11000kcalへ引き上げる天然ガス転換事業を開始
    • [11]約400万世帯のガス機器を一台ずつ天然ガス対応に交換
    • [12]1973年 ブルネイからのLNG導入と袖ケ浦LNG基地の稼働を開始
    • [13]1988年10月 全供給エリアの天然ガス転換が完了(1972年から16年)
  • 東京ガス 有価証券報告書【沿革】
    • [7]1966年 根岸LNG基地を稼働開始
    • [10]1972年から供給ガスの熱量を5000kcalから11000kcalへ引き上げる天然ガス転換事業を開始
    • [11]約400万世帯のガス機器を一台ずつ天然ガス対応に交換
    • [12]1973年 ブルネイからのLNG導入と袖ケ浦LNG基地の稼働を開始
    • [13]1988年10月 全供給エリアの天然ガス転換が完了(1972年から16年)
    • [8]1967年3月 東京ガス(東京電力と共同)がMarathon Oil・Phillips PetroleumとLNG売買契約を締結
    • [9]1969年11月 LNG船「ポーラ・アラスカ号」がアラスカから根岸基地に入港し日本初のLNG輸入(11月4日・約3万トン)

1989年〜 LNG基地網整備と首都圏供給体制の確立

東京ガスの業績推移:連結

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 1989年 オーストラリアよりLNG導入開始
  2. 1994年 インドネシアよりLNG導入開始
  3. 1998年 扇島LNG基地操業開始
  4. 1998年 カタールよりLNG導入開始
  5. 2002年 執行役員制度を導入
  6. 2002年 TOKYO GAS AUSTRALIA PTY LTDを設立
  7. 2009年 ロシア(サハリン)よりLNG導入開始

複数国からのLNG調達と供給基盤の多元化

1988年の天然ガス転換完了を受けて、1989年以降の東京ガスは首都圏のガス需要全体を天然ガスで賄う新しい供給体制を整えた。この間に1983年にマレーシア、1989年にオーストラリア、1994年にインドネシアからのLNG調達が始まり、供給基盤は複数国にまたがるLNG長期契約のポートフォリオとして形を整えた。特定国に依存しない分散調達体制はエネルギー安全保障の観点からも高く評価され、日本の他の都市ガス・電力会社がLNG調達網を整備する際のモデルケースとなった。長期契約中心のLNG調達は、20〜25年の契約期間で量と価格のリスクを分散し、供給側と需要側の双方の投資回収を保証する仕組みとして働いた。この取引形態は日本のエネルギー安全保障を支える経済制度として定着した。 [14][15][16]

  • 東京ガス 有価証券報告書【沿革】
    • [14]1983年 マレーシアからのLNG調達開始
    • [15]1989年 オーストラリアからのLNG調達開始
    • [16]1994年 インドネシアからのLNG調達開始

1998年には扇島LNG基地が稼働を開始した。根岸(1966年)、袖ケ浦(1973年)と合わせて東京湾岸に3つのLNG基地を擁する体制が整い、首都圏への安定供給能力が格段に向上した。1976年に稼働した天然ガス環状幹線(袖ケ浦-根岸間)と1977年の東京湾海底幹線により、基地間を結ぶパイプラインネットワークも完成し、どの基地に障害が生じても供給を維持できる冗長性が確保された。1998年12月にはカタールからのLNG調達も開始し、アジア太平洋に加えて中東まで広がる世界的な調達網へと発展した。3基地体制と広域幹線網の組み合わせは、首都圏という人口密集地への大量供給に欠かせない物流インフラとして働き、以降の成長基盤となった。 [17][18][19][20]

  • 東京ガス 有価証券報告書【沿革】
    • [17]1998年 扇島LNG基地が稼働開始
    • [18]根岸1966年・袖ケ浦1973年・扇島の3基地体制(東京湾岸)
    • [20]1998年12月 カタールからのLNG調達開始
    • [19]1976年 天然ガス環状幹線(袖ケ浦-根岸間)稼働/1977年12月 東京湾海底幹線稼働
  • 東京ガス 有価証券報告書【沿革】
    • [14]1983年 マレーシアからのLNG調達開始
    • [15]1989年 オーストラリアからのLNG調達開始
    • [16]1994年 インドネシアからのLNG調達開始
    • [17]1998年 扇島LNG基地が稼働開始
    • [18]根岸1966年・袖ケ浦1973年・扇島の3基地体制(東京湾岸)
    • [20]1998年12月 カタールからのLNG調達開始
    • [19]1976年 天然ガス環状幹線(袖ケ浦-根岸間)稼働/1977年12月 東京湾海底幹線稼働

北関東への供給圏拡大と料金構造の制約

2000年代以降は供給圏が北関東へ拡大する。2001年の埼北幹線、2005年の栃木ライン、2012年の千葉-鹿島ラインと幹線パイプラインを延伸し、2016年には4番目の主力基地となる日立LNG基地を稼働させた。日立LNG基地は東京湾岸以外の受入拠点として、首都圏供給の冗長性を高めると同時に、北関東の内陸需要に直接アクセスできる戦略拠点としても機能する重要な設備だった。東京ガスの供給エリアは関東1都6県に広がり、都市ガス販売量は国内首位を維持した。幹線パイプラインの整備は、首都圏の需要集中地区だけでなく、周辺の工業地帯や中規模都市へのガス普及を支える物流インフラとして働き、都市ガスの全国的な普及率向上にも寄与した。 [21]

  • 東京ガス 有価証券報告書【沿革】
    • [21]2016年 日立LNG基地(4番目の主力基地)を稼働開始

2000年代後半から2010年代にかけて、売上高は2006年3月期の1兆2665億円から2015年3月期の2兆2925億円へ倍近くに拡大したが、営業利益は1123億円から1718億円と売上ほどには伸びなかった。都市ガスの料金は原料費調整制度により原料価格に連動するため、LNG価格が上がれば売上は増えるが利益率は圧縮される構造だった。規制料金のもとで燃料費の変動を価格に転嫁する仕組みは利益の平準化という効果を持ったが、成長性の観点では売上拡大と利益拡大が比例しないという経営課題も生んだ。東京ガスにとって新しい収益源の開発は長期的な経営課題となった。ガス販売単体では量的成長が限界を迎えるなか、電力・海外・ソリューションといった新しい事業軸の模索が具体化した。

  • 東京ガス 有価証券報告書【沿革】
    • [21]2016年 日立LNG基地(4番目の主力基地)を稼働開始

2016年〜 電力参入とウクライナ危機下の過去最高益

東京ガスの業績推移:連結

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 2016年 日立LNG基地操業開始
  2. 2016年 電力小売全面自由化に合わせた家庭向け低圧電力販売への参入とガス・電気のセット販売 開かれる市場を取りに行くのか、開かれる自陣を守るのか——ガス最大手が電気を売り始めた理由
  3. 2017年 営業利益が584億円に急落
  4. 2018年 アメリカよりシェールガス由来のLNG導入開始
  5. 2019年 「Compass2030」経営ビジョンを策定
  6. 2022年 HD型グループ体制に移行
  7. 2023年 米国シェールガス開発・生産会社ロッククリフ・エナジーの全株式取得 液化天然ガスの買い手にとどまるか、産ガス地の上流を自ら握るか——4,050億円の海外投資と、会社自身が示した海外ROA3.3%

電力小売自由化への参入とガス自由化への対応

2016年4月の電力小売全面自由化は、東京ガスにとって守りではなく攻めの機会だった。工場や大口施設向けには既に年間約100億kWhの電力を供給していたが、家庭向け市場に参入し、2020年までに販売電力量300億kWhを目指す方針を掲げた。ガスと電力のセット販売で顧客囲い込みを図った結果、電力セグメントの営業利益は2017年3月期の45億円から2023年3月期には511億円へと10倍以上に伸び、ガスに次ぐ第2の収益の柱に育った。異業種からの参入を逆手に取って電力市場でシェアを獲得する戦略は、都市ガス会社のなかでも積極的な取り組みとして業界の注目を集め、自由化後の競争環境を踏まえた経営判断の代表例として評価された。電源調達と小売営業を両立させる実行力が問われた時期だった。 [22]

  • 東京ガス 有価証券報告書【沿革】
    • [22]2016年4月 電力小売全面自由化に伴い家庭向け電力販売(低圧)に参入

一方、2017年4月にはガス小売全面自由化が始まり、東京電力エナジーパートナーが首都圏のガス市場に参入した。東京ガスは電力で攻めながらガスでは守るという二正面の競争構図に置かれた。2017年3月期の連結営業利益は584億円と前期の1920億円から7割減に落ち込んだ。原油安に伴うガス販売単価の低下に加え、電力自由化初年度の顧客獲得コストと販売管理費の増加が重なった結果だった。利益水準は翌2018年3月期に1163億円まで回復するが、自由化前の安定的な利益構造には戻らず、市場の価格競争に恒常的に晒される事業環境へと移った。規制時代に培った運営効率の優位性だけでは長期的な競争力を保てず、顧客対応やソリューション提案の力が経営の中心課題となった。 [23]

  • 東京ガス 有価証券報告書【沿革】
    • [23]2017年4月 ガス小売全面自由化が始まり東京電力エナジーパートナーが首都圏ガス市場に参入
  • 東京ガス 有価証券報告書【沿革】
    • [22]2016年4月 電力小売全面自由化に伴い家庭向け電力販売(低圧)に参入
    • [23]2017年4月 ガス小売全面自由化が始まり東京電力エナジーパートナーが首都圏ガス市場に参入

ホールディングス体制・海外事業とLNG高騰の恩恵

2019年11月、東京ガスは「Compass2030」経営ビジョンを策定し、2030年に向けた長期方針を示した。国内の人口減少と省エネの進展によりガス販売量の構造的減少が避けられないとの認識のもと、電力・海外・ソリューション事業への収益シフトを発表した。2030年の利益目標2000億円のうち25%にあたる500億円を海外で稼ぐ方針を掲げた。2022年4月にはガス導管事業を東京ガスネットワークに分社化し、ホールディングス型グループ体制に移行した。ガス事業法改正に伴う法的分離と事業ポートフォリオの再編を同時に進める体制変更だった。規制事業と競争事業を線引きすることで、グループ全体の資本配分と経営判断を柔軟にする基盤が整い、海外投資の自由度も高まった。 [24][25][26]

  • 東京ガス 有価証券報告書【沿革】
    • [24]2019年11月「Compass2030」経営ビジョンを策定
    • [26]2022年4月 ガス導管事業を東京ガスネットワークに分社化しホールディングス型グループ体制に移行
  • 東京ガス 経営ビジョン「Compass2030」(2019年11月)
    • [25]2030年の利益目標2000億円のうち25%(500億円)を海外で稼ぐ方針(Compass2030の公表目標)

2022年3月期から2023年3月期にかけて、ロシアのウクライナ侵攻を契機としたLNG市場の高騰が東京ガスの業績を押し上げた。2023年3月期の売上高は3兆2896億円と前年比53%増、経常利益4088億円、純利益2809億円と、いずれも過去最高を更新した。ガスセグメントの営業利益は2942億円と前年の1026億円から3倍近くに膨張し、海外も701億円、電力511億円と全セグメントが増益となった。ただしこの利益にはLNG在庫の評価益やスポットトレーディングの利益など、市況連動の一過性要因が多く含まれており、価格正常化局面では利益水準が急低下する含みがあった。過去最高益というニュースの華やかさの背後で、収益の質そのものを問い直す必要性を経営陣は認識していた。 [27][28]

  • 東京ガス 有価証券報告書【セグメント情報】(2023年3月期)
    • [27]ガスセグメント営業利益 2942億円(前年1026億円から約3倍)
    • [28]海外セグメント営業利益701億円・電力セグメント営業利益511億円(2023年3月期)
  • 東京ガス 有価証券報告書【沿革】
    • [24]2019年11月「Compass2030」経営ビジョンを策定
    • [26]2022年4月 ガス導管事業を東京ガスネットワークに分社化しホールディングス型グループ体制に移行
  • 東京ガス 経営ビジョン「Compass2030」(2019年11月)
    • [25]2030年の利益目標2000億円のうち25%(500億円)を海外で稼ぐ方針(Compass2030の公表目標)
  • 東京ガス 有価証券報告書【セグメント情報】(2023年3月期)
    • [27]ガスセグメント営業利益 2942億円(前年1026億円から約3倍)
    • [28]海外セグメント営業利益701億円・電力セグメント営業利益511億円(2023年3月期)

東京ガスの沿革1885〜2024年における主な出来事を抜粋

年月社長・CEO出来事重要度
東京府瓦斯局の払い下げ引き受けと東京瓦斯会社の創立赤字のまま安く受けるか、黒字にしてから受けるか——官営ガス事業の払い下げをめぐる四年 詳細を読む★★★
東京瓦斯に商号変更
関東瓦斯以下19社を合併吸収★★
高田五郎東京証券取引所・名古屋証券取引所に上場
本田弘敏本社地区の熱量変更を実施
本田弘敏根岸LNG基地操業開始
安西浩アラスカ産LNGの15年長期契約と東京電力との共同調達、根岸基地の建設単価の高い未知の燃料を、誰と分け合って引き取るか——公害対策が迫った原料転換と、競争相手への共同購入の申し入れ 詳細を読む★★★
都留勝利供給熱量の11,000キロカロリーへの引き上げと、首都圏550万件のガス機器の自社調整機器の買い替えを客に求めるか、社員が一軒ずつ回るか——外部委託を退けた熱量変更の工程 詳細を読む★★★
都留勝利ブルネイよりLNG導入開始
都留勝利袖ケ浦LNG基地操業開始
渡辺宏マレーシアよりLNG導入開始
渡辺宏天然ガスへの熱量変更作業完了
安西邦夫オーストラリアよりLNG導入開始
安西邦夫インドネシアよりLNG導入開始
安西邦夫扇島LNG基地操業開始
安西邦夫カタールよりLNG導入開始
上原英治執行役員制度を導入
上原英治TOKYO GAS AUSTRALIA PTY LTDを設立
鳥原光憲ロシア(サハリン)よりLNG導入開始
岡本毅岡本毅が代表取締役社長に就任
広瀬道明日立LNG基地操業開始
広瀬道明電力小売全面自由化に合わせた家庭向け低圧電力販売への参入とガス・電気のセット販売開かれる市場を取りに行くのか、開かれる自陣を守るのか——ガス最大手が電気を売り始めた理由 詳細を読む★★★
広瀬道明営業利益が584億円に急落
内田高史アメリカよりシェールガス由来のLNG導入開始
内田高史「Compass2030」経営ビジョンを策定
内田高史HD型グループ体制に移行★★
笹山晋一経常利益4088億円と過去最高益を達成
笹山晋一笹山晋一が代表執行役社長に就任
笹山晋一米国シェールガス開発・生産会社ロッククリフ・エナジーの全株式取得液化天然ガスの買い手にとどまるか、産ガス地の上流を自ら握るか——4,050億円の海外投資と、会社自身が示した海外ROA3.3% 詳細を読む★★★
笹山晋一エリオットの5%取得と不動産売却要求への対応一等地の含み資産を株主に返すか、都市インフラの緩衝材として持ち続けるか——物言う株主が突いた資本効率をめぐる攻防 詳細を読む★★★
出典・参考

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