1960〜2022
売上高: 億円
■単体 | ■連結
1996億円
2022.3 | 売上高
売上高_当期純利益率: %
○単体 | ○連結
210.1億円
2022.3 | 当期純利益
1899 02月
創業

信天堂山田安民薬房を創業。胃腸薬「胃活」を発売

明治23年に胃腸薬「胃活」の製造販売を開始すると共に、信天堂山田安民薬房を創業した。以後、現在に至るまでロート製薬は山田家による同族会社として経営されている。戦前は国内に加えて、上海などの中国大陸にも工場を建設するなど、手広く商売を手掛けた。

1909

点眼薬「ロート目薬」を発売

当時、日本眼科学会で主導的な存在であった井上博士が目薬を開発し、ロート製薬が商品化した。ロートの名称は、当時、世界的な眼科医として知られていたドイツ人の「ロート・ムンド博士」に由来する

1931

目薬の容器をガラス瓶に変更

1949 09月
会社設立

ロート製薬株式会社を設立

創業家の山田輝郎氏が社長に就任

まとめ
胃腸薬で創業。目薬に多角化
1899〜1951
売上不明
■単体 | ■連結
利益率不明
○単体 | ○連結
1952
マーケティング

「ロートマイペニ目薬」を発売。テレビCMに出稿

1954

胃腸薬「シロン」を発売。少品種への集中投資を開始

少品種に絞ることで投資効率を最大化

1954年にロート製薬は胃腸薬としての新製品「シロン」を発売した。1950年代を通じてシロンがロート製薬の発展を牽引した製品であり、発売から10年を経た1962年7月期にはロート製薬の全車売上高の約74%を占める大型商品に育った。

ロート製薬がシロンで業容を拡大できた理由が、販売及び設備投資での「胃腸薬シロン」への集中投資にある。当時、国内で胃腸薬を扱う企業は無数に存在しており、競争の激しい領域であり、競合企業は相次いで新製品を発売した。

一方、ロート製薬は新製品の開発ではなく「胃腸薬シロン」という1つの商品をロングセラーに育てるために、広告宣伝を集中した。また、生産工場でもシロンの生産を主体に置くことによって、生産性の向上を図った。

1965年の時点でロート製薬は、胃腸薬において「シロン」「パンシロン」「シロンS」、点眼薬において「ロート目薬」「Vロート」を主力商品と展開し、いずれも月商1億円を確保した。

この状況について当時のメディアは「当社の製品は全てがドル箱商品」「ぜい肉を思い切りよく捨て去ったところに他社にない独創的な経営方針の成功があった」(1965/8実業の世界)と評価した。

売上高の30%以上を広告宣伝費に投資

特に、広告宣伝費にはかなりの金額を投資しており、1963年ごろには年間10億円を広告宣伝費として投資。全社売上高の20%〜30%という思い切った水準にあたる。この投資攻勢によって競合他社はロート製薬に追随できなかった。

この結果、1963年までに国内市場において「胃薬といえばロート製薬」という認知が形成された。当時のメディアは「『ロート』といえば、すぐに『シロン』が頭に浮かび、「目薬」が、ぴーんと浮かんでくる」(1963/1週刊日本経済)と描写している。

これらの狙いが的中し、ロート製薬は「胃腸薬シロン」をロングセラーに育て上げると共に、業績面では高収益を享受した。1960年代を通じて売上高純利益率は10%を超える水準で推移したが、これこそが集中投資による効率性の成果であった。

「投資するときには思い切り良く」がロート製薬の伝統

推察になるが、不採算品を避けつつも、「シロン」などの大型商品に育てる意思がある場合には、思い切って投資をするという姿勢にロート製薬の特色がある。このスタイルは、現在のロート製薬にも受け継がれており「肌ラボ」「メンソレータム」といった新製品への投資に現れている。

投資の勘所にさえているというのが、ロート製薬における経営の伝統であり、今日まで生き延びている理由かもしれない。

1959 10月

大阪市生野区に本社工場を新設

1961 10月

大阪証券取引所第2部に上場

1962 10月

東京証券取引所第2部に上場

1962年7月時点の売上構成比率は「ロート胃腸薬シロン」の売上26.9億円(構成比74.5%)、目薬の売上9.1億円(同25.2%)、その他(胃活・ロート頭痛薬など)の売上0.9億円(同0.3%)。つまり「胃腸薬シロン」の成長がロートの株式上場の原動力になった。また生産量シェアについて、健胃消化剤で国内1位(38%)、点眼薬で国内1位(36.7%)を確保

1964 10月

東京証券取引所・大阪証券取引所の第1部に指定

まとめ
少品種に絞り込んだ広告宣伝投資と大量生産により、胃腸薬シロンと目薬の販売を拡大。高収益を享受
1952〜1974
売上高: 億円
■単体 | ■連結
73.43億円
1974.3 | 売上高
売上高_当期純利益率: %
○単体 | ○連結
10.53億円
1974.3 | 当期純利益
1975 08月

米国メンソレータム社から国内の商標使用権を取得

日本国内でメンソレータム(くちびるの軟膏剤)の製造販売権を握っていた近江兄弟社(近江八幡市本社・従業員270名)が会社更生法の適用を申請したことを受けて、ロート製薬が国内のメンソレータムの商標使用権を独占的に取得。契約期間は10年、ロイヤリティーは売上高の7.5%で設定。ロート製薬は軟膏領域に本格参入し、年間10億円の販売目標を据えた。

1975

日本ジョセフィンなど3社を買収。化粧品に本格進出

日本ジョセフィン、関西有機化学。モナ化粧品の3社を買収。3社の合計で化粧品の年間売上高は32億円

1983

胃腸薬の国内シェア首位陥落

1980年代を通じて胃腸薬をめぐる競争が激化。興和の「キャベジン」と大正製薬の「大正胃腸薬」など、ニーズに特化した胃腸薬が成長。総合胃腸薬に強みがあったロートの牙城が崩された。ロートの「シロン」は、1983年に国内シェア首位から陥落し、1991年にシェア3位に低迷

まとめ
次の大型商品を生み出すべく企業買収を積極化。この中でメンソレータムが育つ
1975〜1987
売上高: 億円
■単体 | ■連結
165億円
1987.3 | 売上高
売上高_当期純利益率: %
○単体 | ○連結
11.55億円
1987.3 | 当期純利益
1988 07月

米国のメンソレータム社を買収

1996 09月
会社設立

ロート・インドネシアを設立

1997 08月
会社設立

ロート・メンソレータム・インドネシアを設立

1998 03月
会社設立

ロートUSAを設立

1998 03月

オーチャードパーク市に工場を新設

メンソレータム社の本社及び工場として活用

まとめ
メンソレータム社の買収によりグローバル展開を本格化
1988〜1998
売上高: 億円
■単体 | ■連結
399億円
1998.3 | 売上高
売上高_当期純利益率: %
○単体 | ○連結
21.9億円
1998.3 | 当期純利益
1999

山田安邦氏が会長、山田邦雄氏が社長に就任

2003

上野テクノセンターに第二工場棟を新設

スキンケア剤の生産工場

2004

スキンケア「肌研(ハダラボ)」を発売

スキンケア剤の「肌ラボ」を発売。当時急速に普及していたドラッグストア向けの販路を重視。その後、肌ラボはロート製薬を代表するヒット商品に成長。FY2011には肌ラボ単体で年間100億円以上を売り上げる大型商品に育った

山田邦雄(ロート製薬・当時会長)
普通だと「それは無理なんじゃない」と言われるようなことでも、成功できないわけでもないだろうという「何くそ精神」でトライしてきた。従来製薬会社がやって成功したことのなかった、化粧品への参入もそう。海外への挑戦も、規模が10倍以上違う欧米企業を相手に、身の丈を越えてやっている面もある。普通に考えたら勝てるわけがないが、現実はそうでもない。かじりついてやっていたら、何となく結果がついてきた。
2016/10/29週刊東洋経済
まとめ
肌ラボのヒットによりスキンケア剤で業容を拡大
1999〜2008
売上高: 億円
■単体 | ■連結
1081億円
2008.3 | 売上高
売上高_当期純利益率: %
○単体 | ○連結
75.2億円
2008.3 | 当期純利益
2009

山田邦雄氏が会長、吉野俊昭氏が社長に就任

2011

国内向け肌ラボの販売額が頭打ちへ

FY2004〜FY2011にかけて「肌ラボ」の販売額は順調に拡大したが、FY2012に販売額の伸びがストップ。以降、肌ラボの年間販売額は100〜120億円前後で推移するようになり、国内需要が一巡へ

山田邦雄(ロート製薬・当時会長兼CEO)
ただこの1〜2年、今後伸びるか、しぼむかの大きな分かれ道だという思いを持っている。これまでは、いろんな意味で追い風が吹いていた。中国もベトナムもどんどん発展してきて、競争相手も少ない中、大きく事業を伸ばせた。しかしここに来てアジアの成長が一段落し、今後はパイの奪い合いになる。国内はドラッグストアの出店ラッシュという時代の波に乗ってうまくやってきたが、ドラッグストアも飽和したといわれている。うちの成功を見て、他社も似た商品を出し、店頭に行くと見分けがつかないような競合商品が増えた。今までよかったところが、これから課題になってくる。うかうかしていられない。
2016/5/28週刊東洋経済
2011
海外展開

アジア向けの投資を継続

まとめ
中国を中心としたアジア事業を拡大
2009〜2015
売上高: 億円
■単体 | ■連結
1517億円
2015.3 | 売上高
売上高_当期純利益率: %
○単体 | ○連結
86.3億円
2015.3 | 当期純利益
2016 02月

社外チャレンジワーク制度を開始(社員の副業容認)

2016年当時、日本の上場企業で副業を容認する企業は稀有だったが、ロート製薬は社員からの発案をベースに副業の容認を決定。入社3年目以降の社員について、業務時間外の副業を容認する「社外チャレンジワーク制度」を導入。2016年3月時点の応募者は60名

山田邦雄(ロート製薬・当時会長)
優秀な人材が逃げるかというと、確かにその可能性はあります。しかし今の時代は会社の事業やビジョンに魅力がなければ、優秀な人は副業にかかわらず、どのみち飛び出してしまう。副業を禁止して逃げないように囲い込むというのは、そもそも成立しない話なのです(略)日本のエスタブリッシュメントとされる企業は総じて、昭和的な人材囲い込み型でまだやっています。しかし働く側はすでに多様化していて、これが近い将来に臨界点のようなものを超えたときには、会社側ではなくむしろ働く方が主導権を握る時代が来るでしょう。
2016/10/29週刊東洋経済
2018

吉野俊昭氏が急逝

吉野社長が心筋梗塞により67歳で逝去。山田邦雄氏が会長兼社長に就任

2022 03月
マーケティング

販売促進費を抑制。3期連続で利益率を改善

国内とアジアにおける販売促進費の抑制により全社の営業利益を改善。ただし、米国と欧州の利益率は一貫して悪く課題が多い

まとめ
スキンケアの需要が一巡。利益率の改善に着手
2016〜2023
売上高: 億円
■単体 | ■連結
売上高_当期純利益率: %
○単体 | ○連結