第一三共 の歴史

更新:

創業

2005年

創業者

※三共+第一製薬

創業地

東京都中央区日本橋本町

直近売上高(2026/3)

21,230億円

長期業績と転換点(2005/3〜2026/3)
売上高(億円純利益率(%)
Q なぜ2005年に三共と第一製薬は経営統合したのか
A 2006年に米国でメバロチンの特許切れを控え、単独では新薬の開発費も世界の販売網も抱えきれないとの危機感があった。そこで2005年9月、三共と第一製薬は株式移転で共同持株会社「第一三共」を設立し、2007年4月に両社を吸収合併した。初代社長の庄田隆氏は、旧三共の高血圧薬オルメサルタンを欧米で自前販売する構想を統合の表看板に掲げた。だが同じ合併で、旧三共の抗体研究と旧第一製薬の薬物DX-8951という二系統の技術が誰も狙わないまま一つの社内にそろった。
Q なぜ大手が見限ったADCに第一三共は4人のチームで賭けたのか
A 特許切れの穴を外から埋める2008年のランバクシー約5000億円買収が品質問題で躓き、2009年3月期に純損失2155億円を計上したのに対し、自前の技術なら身売りで失う資産にはならないと判断した。製薬業界が長年ADCの実用化に失敗し大手が手を引くなか、第一三共では2005年に研究者4人が抗体医薬に着手し、2010年には15名程のADC研究チームが発足した。合併で偶然そろった旧三共の抗体と旧第一製薬の薬物を結ぶ技術DXdが育ち、外から買った資産ではなく自前の技術が次の収益基盤になった。
Q なぜ奥澤体制は全社買収をやめ技術を小口で買う経営に切り替えたのか
A 一社を丸ごと5000億円で買って躓いた経験から、必要な技術だけを小口で取りに行けば減損で前提が崩れる事態を避けられると判断した。2023年に社長、2025年に最高経営責任者となった奥澤宏幸氏は、全社規模の買収をやめた。2024年12月、ドイツのグリコトープから抗体ガチポツズマブの知的財産を1.325億ドルで買い取り、6番目のDXd ADC「DS-3939」とした。同じ月、メルクとの提携にMK-6070を加え、製品ごとに開発費と販売を分け合う枠組みも広げた

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2005年〜 メバロチンの端境期に選んだ2段階統合と、複眼経営という二本目の柱

特許切れの端境期に組んだ2段階の統合

2005年の国内製薬業界は大型再編が集中した年で、4月に山之内製薬と藤沢薬品工業が合併してアステラス製薬が発足し、10月には大日本製薬と住友製薬が一つになった[1]。三共は国内製薬2位、第一製薬は6位で、両社の連結売上高を単純合算すると9191億円となり、同年4月に発足するアステラス製薬の9066億円を上回って[2]武田薬品工業に次ぐ規模になる計算だった。三共の主力である高脂血症治療薬メバロチンは国内特許が切れて後発品が参入し、2004年度第3四半期までの販売額は前年同期比17%減、米国特許も2006年4月に切れる見込み[3]だった。2004年夏には世界13位のサノフィ・サンテラボが同4位のアベンティスを敵対的買収して世界2位となり[4]、三共はいつ買収を仕掛けられてもおかしくない位置にあった。

  • 日本経済新聞 2020年1月24日「統合15年の通信簿 アステラス安定、成長は第一三共」
    • [1]2005年4月 山之内製薬と藤沢薬品工業が合併しアステラス製薬発足/同年10月 大日本製薬と住友製薬が合併
  • 週刊東洋経済 2005年3月5日号「ニュース最前線 再編ラッシュの製薬業界 三共、第一に続くのはどこだ 注目される首位・武田薬品の動き」
    • [2]三共 国内製薬2位・第一製薬 6位/連結売上高の単純合算 9191億円でアステラス製薬 9066億円を上回る
    • [3]メバロチン 国内特許切れで2004年度第3四半期までの販売額が前年同期比17%減/米国特許は2006年4月失効見込み
    • [4]2004年夏 世界13位のサノフィ・サンテラボが同4位のアベンティスを敵対的買収し世界2位へ

2005年2月25日[5]、両社は経営統合を発表した。いきなり合併するのではなく、共同持株会社をまず設け、2007年4月に医療用医薬品事業を統合する2段階方式[6]を採り、統合の狙いには研究開発費約1500億円の投入、国内MR2500人体制、中期での売上1兆円・営業利益2000億円[7]を挙げた。新会社の社長には三共の庄田隆社長、会長には第一製薬の森田清社長[8]が就く体制を示した。両社は5月13日に経営統合契約書へ調印し、6月29日の定時株主総会の承認を経て9月28日に株式移転を実施[9]した。株式移転比率は三共1株に持株会社1株、第一製薬1株に1.159株[10]とした。

  • ミクスOnline 2005年2月25日「第一・三共 経営統合を発表、07年4月医療用事業新会社へ」
    • [5]2005年2月25日 三共と第一製薬が経営統合を発表
    • [6]共同持株会社を先に設立し2007年4月に医療用事業を統合する2段階方式
    • [7]統合の狙いは研究開発費約1500億円の活用・国内MR2500人体制・中期で売上1兆円/営業利益2000億円
    • [8]新会社社長は三共の庄田隆社長、会長は第一製薬の森田清社長
  • 第一三共株式会社 有価証券報告書 第1期(2006年6月29日提出)「5【経営上の重要な契約等】(1) 経営統合契約」
    • [9]2005年5月13日 経営統合契約書に調印/6月29日 株主総会承認/9月28日 株式移転実施
  • 公正取引委員会(平成17年度:事例4)「三共株式会社及び第一製薬株式会社による共同持株会社の設立について」
    • [10]株式移転比率は三共1株に持株会社1株、第一製薬1株に1.159株

2005年9月28日、株式移転により持株会社の第一三共が発足し、同日、東京・大阪・名古屋の各証券取引所第1部へ上場[11]した。株式移転で発行された株式は7億3501万1343株、資本金は500億円、資本準備金は1兆833億円[12]だった。公正取引委員会は、非ステロイド剤で市場規模約939億円に対し合算シェアが45%(三共35%・第一製薬10%)[13]に達するなど重複領域を審査したうえで、競争を実質的に制限することとはならないと判断[14]した。両社は2006年11月30日に合併契約を締結し、2007年4月1日[15]、第一三共が三共と第一製薬を吸収合併した。一般用医薬品は第一三共ヘルスケア、生産は第一三共プロファーマ、研究開発支援は第一三共RDアソシエ[16]が担う体制へ組み替えた。

  • 第一三共株式会社 プレスリリース 2005年9月28日「第一三共株式会社の設立について」
    • [11]2005年9月28日 株式移転方式で持株会社・第一三共を設立、同日 東証第1部に上場
  • 第一三共株式会社 有価証券報告書 第1期(2006年6月29日提出)「5【経営上の重要な契約等】(1) 経営統合契約」
    • [12]株式移転で発行された株式 735,011,343株/資本金50,000百万円/資本準備金1,083,349百万円
  • 公正取引委員会(平成17年度:事例4)「三共株式会社及び第一製薬株式会社による共同持株会社の設立について」
    • [13]非ステロイド剤 市場約939億円に対し合算シェア45%(三共35%・第一製薬10%)
    • [14]公正取引委員会は競争を実質的に制限することとはならないと判断
  • 薬事日報ウェブサイト 2006年12月1日「三共と第一製薬が正式に合併契約締結」
    • [15]2006年11月30日 合併契約を締結/2007年4月1日 第一三共が三共・第一製薬を吸収合併
    • [16]ヘルスケア事業は第一三共ヘルスケア、生産は第一三共プロファーマ、研究開発支援は第一三共RDアソシエへ再編
  • 日本経済新聞 2020年1月24日「統合15年の通信簿 アステラス安定、成長は第一三共」
    • [1]2005年4月 山之内製薬と藤沢薬品工業が合併しアステラス製薬発足/同年10月 大日本製薬と住友製薬が合併
  • 週刊東洋経済 2005年3月5日号「ニュース最前線 再編ラッシュの製薬業界 三共、第一に続くのはどこだ 注目される首位・武田薬品の動き」
    • [2]三共 国内製薬2位・第一製薬 6位/連結売上高の単純合算 9191億円でアステラス製薬 9066億円を上回る
    • [3]メバロチン 国内特許切れで2004年度第3四半期までの販売額が前年同期比17%減/米国特許は2006年4月失効見込み
    • [4]2004年夏 世界13位のサノフィ・サンテラボが同4位のアベンティスを敵対的買収し世界2位へ
  • ミクスOnline 2005年2月25日「第一・三共 経営統合を発表、07年4月医療用事業新会社へ」
    • [5]2005年2月25日 三共と第一製薬が経営統合を発表
    • [6]共同持株会社を先に設立し2007年4月に医療用事業を統合する2段階方式
    • [7]統合の狙いは研究開発費約1500億円の活用・国内MR2500人体制・中期で売上1兆円/営業利益2000億円
    • [8]新会社社長は三共の庄田隆社長、会長は第一製薬の森田清社長
  • 第一三共株式会社 有価証券報告書 第1期(2006年6月29日提出)「5【経営上の重要な契約等】(1) 経営統合契約」
    • [9]2005年5月13日 経営統合契約書に調印/6月29日 株主総会承認/9月28日 株式移転実施
    • [12]株式移転で発行された株式 735,011,343株/資本金50,000百万円/資本準備金1,083,349百万円
  • 公正取引委員会(平成17年度:事例4)「三共株式会社及び第一製薬株式会社による共同持株会社の設立について」
    • [10]株式移転比率は三共1株に持株会社1株、第一製薬1株に1.159株
    • [13]非ステロイド剤 市場約939億円に対し合算シェア45%(三共35%・第一製薬10%)
    • [14]公正取引委員会は競争を実質的に制限することとはならないと判断
  • 第一三共株式会社 プレスリリース 2005年9月28日「第一三共株式会社の設立について」
    • [11]2005年9月28日 株式移転方式で持株会社・第一三共を設立、同日 東証第1部に上場
  • 薬事日報ウェブサイト 2006年12月1日「三共と第一製薬が正式に合併契約締結」
    • [15]2006年11月30日 合併契約を締結/2007年4月1日 第一三共が三共・第一製薬を吸収合併
    • [16]ヘルスケア事業は第一三共ヘルスケア、生産は第一三共プロファーマ、研究開発支援は第一三共RDアソシエへ再編

統合しても縮まらなかった世界大手との規模差

2004年の世界上位10社はいずれも医薬品売上高が130億ドルを超え、国内首位の武田薬品工業でも世界14位[17]にとどまった。1987年には武田の42億ドルがファイザーの35億ドルを上回っており[18]、順位の逆転は20年足らずの間に起きている。国内のMR数でもファイザーが約3200人で首位に立ち、上位10社のうち武田・第一三共・アステラス製薬を除くすべてを外資[19]が占めた。第一三共は統合に先立つ説明会で、全自社化した製品の価値を100とすれば共同化は50・導出は40程度で、利益貢献は発売5年で共同化製品の2.5倍・導出製品の5倍[20]になると試算した。

  • 週刊東洋経済 2005年11月19日号「特集 2010年の最強企業 医薬・バイオ 第一三共誕生でもなお厚い世界の壁 武田でも世界14位 避けられない業界再々編」
    • [17]2004年 世界トップ10はいずれも医薬品売上高130億ドル超/国内首位の武田薬品でも世界14位
    • [18]1987年 武田42億ドルがファイザー35億ドルを上回っていた
    • [19]国内MR数はファイザー約3200人が1位、上位10社は武田・第一三共・アステラスを除きすべて外資
    • [20]全自社化した製品価値100に対し共同化50・導出40程度/利益貢献は発売5年で共同化の2.5倍・導出の5倍

統合の直接の引き金となったメバロチンは、国内売上高が2003年度に8%減、2004年度には19%減となり、高脂血症治療薬のシェア首位を米ファイザーのリピトールへ明け渡した[21]。それでも利益貢献は大きく、粗利益は国内販売分680億円・輸出分630億円の計1300億円程度で、三共の2005年3月期連結粗利益の3分の1[22]を占めた。2005年11月16日、ダラスで開かれた米国心臓協会の年次学術集会で、日本人の高脂血症患者約8000人を平均5年以上追跡したMEGAスタディ[23]の結果が発表され、メバロチンを併用した群では発症が33%、心筋梗塞に限れば48%抑えられた[24]。三共は2005年春にメバロチンの市場戦略を定義し直し、重度の患者層で残っていた1割程度のシェアを手放して軽・中度[25]へ狙いを絞った。

  • 週刊東洋経済 2006年2月4日号「ビジネスリポート02 夢よもう一度 三共「メバロチン」再生計画」
    • [21]メバロチン国内売上 2003年度8%減・2004年度19%減、シェア首位をリピトールへ明け渡し
    • [22]メバロチン粗利益 国内680億円・輸出630億円で計1300億円程度=三共2005年3月期連結粗利益の3分の1
    • [23]2005年11月16日 ダラスの米国心臓協会年次学術集会でMEGAスタディを発表/日本人高脂血症患者約8000人を平均5年以上追跡
    • [24]MEGAスタディ メバロチン併用群で発症33%抑制・心筋梗塞48%抑制
    • [25]2005年春にメバロチンの市場戦略を再定義し、重度(残存シェア1割程度)を手放して軽・中度へ絞り込み

統合初年度にあたる2006年3月期の連結売上高は9259億円、営業利益1547億円、当期純利益877億円[26]だった。吸収合併を終えた2008年3月期は売上高8801億円・当期純利益977億円[27]で、規模はほぼ横ばいのまま推移した。次の柱に据えた高血圧薬オルメテックは2005年度の世界売上高が約883億円へ倍増する見込みとなり、三共は2000億円製品への育成[28]を狙った。日興シティグループ証券の山口秀丸アナリストは[29]、オルメテックが次の柱に育つまで国内のメバロチンを守り切ることが三共の至上命題だと指摘した。

  • 第一三共 有価証券報告書(2006年3月期・連結)
    • [26]2006年3月期 連結売上高9259億円・営業利益1547億円・当期純利益877億円
  • 第一三共 有価証券報告書(2008年3月期・連結)
    • [27]2008年3月期 連結売上高8801億円・当期純利益977億円
  • 週刊東洋経済 2006年2月4日号「ビジネスリポート02 夢よもう一度 三共「メバロチン」再生計画」
    • [28]オルメテック 2005年度の世界売上高 約883億円へ倍増見込み/2000億円製品への育成を狙う
    • [29]日興シティグループ証券 山口秀丸アナリスト「オルメテックが次の柱になるまで、国内のメバロチンを守ることが三共の至上命題だ」
  • 週刊東洋経済 2005年11月19日号「特集 2010年の最強企業 医薬・バイオ 第一三共誕生でもなお厚い世界の壁 武田でも世界14位 避けられない業界再々編」
    • [17]2004年 世界トップ10はいずれも医薬品売上高130億ドル超/国内首位の武田薬品でも世界14位
    • [18]1987年 武田42億ドルがファイザー35億ドルを上回っていた
    • [19]国内MR数はファイザー約3200人が1位、上位10社は武田・第一三共・アステラスを除きすべて外資
    • [20]全自社化した製品価値100に対し共同化50・導出40程度/利益貢献は発売5年で共同化の2.5倍・導出の5倍
  • 週刊東洋経済 2006年2月4日号「ビジネスリポート02 夢よもう一度 三共「メバロチン」再生計画」
    • [21]メバロチン国内売上 2003年度8%減・2004年度19%減、シェア首位をリピトールへ明け渡し
    • [22]メバロチン粗利益 国内680億円・輸出630億円で計1300億円程度=三共2005年3月期連結粗利益の3分の1
    • [23]2005年11月16日 ダラスの米国心臓協会年次学術集会でMEGAスタディを発表/日本人高脂血症患者約8000人を平均5年以上追跡
    • [24]MEGAスタディ メバロチン併用群で発症33%抑制・心筋梗塞48%抑制
    • [25]2005年春にメバロチンの市場戦略を再定義し、重度(残存シェア1割程度)を手放して軽・中度へ絞り込み
    • [28]オルメテック 2005年度の世界売上高 約883億円へ倍増見込み/2000億円製品への育成を狙う
    • [29]日興シティグループ証券 山口秀丸アナリスト「オルメテックが次の柱になるまで、国内のメバロチンを守ることが三共の至上命題だ」
  • 第一三共 有価証券報告書(2006年3月期・連結)
    • [26]2006年3月期 連結売上高9259億円・営業利益1547億円・当期純利益877億円
  • 第一三共 有価証券報告書(2008年3月期・連結)
    • [27]2008年3月期 連結売上高8801億円・当期純利益977億円

複眼経営を掲げた約5000億円のインド買収

新薬の創出確率は2万分の1、1剤に最大1000億円を要し、米国の生活習慣病領域の治療ニーズは既存薬でほぼ充足[30]しつつあった。庄田隆社長は「2030年を見据えた成長には複眼が不可欠だ」[31]と述べ、先進国と新興国、革新的新薬と特許切れ後のロングセラーの双方を持つ複眼経営を掲げた。グループ内に後発薬メーカーを抱えれば特許切れ品からの収益流出を抑えられ、政府の使用促進策によって国内後発品市場の拡大[32]も見込まれた。庄田社長は「特許のある、なしは企業から見た視点にすぎない」[33]とも述べ、特許が切れた製品を長く売る事業を経営の対象に加えた。

  • 週刊東洋経済 2008年6月28日号「スペシャルリポート01 インド製薬最大手を決意の買収 第一三共が仕掛けるM&Aの新方程式」
    • [30]新薬の創出確率2万分の1・1剤に最大1000億円/米国の生活習慣病領域は既存薬でほぼ充足
    • [31]庄田隆社長「2030年を見据えた成長には複眼が不可欠だ」=複眼経営の提示
    • [32]グループ内後発薬メーカーが特許切れ品を売れば収益流出を抑えられ、政府の使用促進策で国内後発品市場の拡大が見込まれた
  • 週刊東洋経済 2008年7月19日号「TOP INTERVIEW 庄田隆 第一三共社長 後から追う存在ではなく産業を変える企業でいたい」
    • [33]庄田隆社長「特許のある、なしは企業から見た視点にすぎない」

2008年6月11日[34]、第一三共はインド最大手の後発医薬品メーカーであるランバクシー・ラボラトリーズの買収を発表し、同年11月に株式取得によって同社グループを子会社化[35]した。株式の約64%を4883億円で取得し、買収プレミアムは31.4%、取得価格は1株737ルピー[36]だった。ランバクシーは後発薬で世界10位、49カ国に展開して北米と欧州で売上の5割を占め、買収によって第一三共の世界拠点は21カ国から56カ国[37]へ広がった。米国では98の後発品を申請中で、うち18品目が180日の独占販売期間[38]を得るとみられていた。

  • 日本経済新聞 2020年1月24日「統合15年の通信簿 アステラス安定、成長は第一三共」
    • [34]2008年6月11日 ランバクシー・ラボラトリーズの買収を発表
  • 第一三共 有価証券報告書【沿革】
    • [35]2008年11月 ランバクシー・ラボラトリーズLtd.の株式取得により同社グループを子会社化
  • 週刊東洋経済 2009年1月17日号「NEWS TOP404 医薬 第一三共に巨額特損 印製薬買収で大誤算」
    • [36]株式約64%を4883億円で取得/買収プレミアム31.4%/取得価格1株737ルピー
  • 週刊東洋経済 2008年6月28日号「スペシャルリポート01 インド製薬最大手を決意の買収 第一三共が仕掛けるM&Aの新方程式」
    • [37]ランバクシーは後発薬世界10位・49カ国展開で北米欧州が売上5割/買収で第一三共の拠点は21カ国から56カ国へ
    • [38]米国で98の後発品を申請中、うち18品目が180日の独占販売期間を得るとみられた

買収後の関与について庄田社長は「ある意味『ハンドリングしない』というのが私の答えだ」[39]と述べ、経営陣を送り込まない方針を示した。ランバクシーはインドの上場企業として残り、創業家出身のシン最高経営責任者が第一三共のグローバルシニアマネジメントチームへ加わった[40]。国内で売る後発薬に第一三共のブランドを使わない方針[41]も同時に示し、創薬型企業としての看板と後発薬事業を切り分けた。第一三共ヘルスケアが独自に新製品と販売戦略を考えてきたのと同じく、国内のロングセラー製品はランバクシーが担う[42]とした。買収発表の直後に株価は6.5%あまり上昇し、後発薬という二本目の柱と複眼経営に市場は合理性を認めた[43]

  • 週刊東洋経済 2008年7月19日号「TOP INTERVIEW 庄田隆 第一三共社長 後から追う存在ではなく産業を変える企業でいたい」
    • [39]庄田隆社長「ある意味『ハンドリングしない』というのが私の答えだ」=経営陣を送り込まない方針
    • [40]ランバクシーはインドの上場企業として存続、シン最高経営責任者は第一三共のグローバルシニアマネジメントチームへ就任
    • [41]国内販売の後発薬に第一三共ブランドを使わない方針
    • [42]第一三共ヘルスケアが独自に新製品・販売戦略を考えてきたのと同様、国内のロングセラーはランバクシーが担うとした
  • 週刊東洋経済 2014年6月7日号「特集 企業買収 死屍累々の海外大型M&A 和製M&A失敗の研究」
    • [43]買収発表直後に株価は6.5%あまり上昇し、後発薬という新たな事業柱と複眼経営に合理性があると評価された
  • 週刊東洋経済 2008年6月28日号「スペシャルリポート01 インド製薬最大手を決意の買収 第一三共が仕掛けるM&Aの新方程式」
    • [30]新薬の創出確率2万分の1・1剤に最大1000億円/米国の生活習慣病領域は既存薬でほぼ充足
    • [31]庄田隆社長「2030年を見据えた成長には複眼が不可欠だ」=複眼経営の提示
    • [32]グループ内後発薬メーカーが特許切れ品を売れば収益流出を抑えられ、政府の使用促進策で国内後発品市場の拡大が見込まれた
    • [37]ランバクシーは後発薬世界10位・49カ国展開で北米欧州が売上5割/買収で第一三共の拠点は21カ国から56カ国へ
    • [38]米国で98の後発品を申請中、うち18品目が180日の独占販売期間を得るとみられた
  • 週刊東洋経済 2008年7月19日号「TOP INTERVIEW 庄田隆 第一三共社長 後から追う存在ではなく産業を変える企業でいたい」
    • [33]庄田隆社長「特許のある、なしは企業から見た視点にすぎない」
    • [39]庄田隆社長「ある意味『ハンドリングしない』というのが私の答えだ」=経営陣を送り込まない方針
    • [40]ランバクシーはインドの上場企業として存続、シン最高経営責任者は第一三共のグローバルシニアマネジメントチームへ就任
    • [41]国内販売の後発薬に第一三共ブランドを使わない方針
    • [42]第一三共ヘルスケアが独自に新製品・販売戦略を考えてきたのと同様、国内のロングセラーはランバクシーが担うとした
  • 日本経済新聞 2020年1月24日「統合15年の通信簿 アステラス安定、成長は第一三共」
    • [34]2008年6月11日 ランバクシー・ラボラトリーズの買収を発表
  • 第一三共 有価証券報告書【沿革】
    • [35]2008年11月 ランバクシー・ラボラトリーズLtd.の株式取得により同社グループを子会社化
  • 週刊東洋経済 2009年1月17日号「NEWS TOP404 医薬 第一三共に巨額特損 印製薬買収で大誤算」
    • [36]株式約64%を4883億円で取得/買収プレミアム31.4%/取得価格1株737ルピー
  • 週刊東洋経済 2014年6月7日号「特集 企業買収 死屍累々の海外大型M&A 和製M&A失敗の研究」
    • [43]買収発表直後に株価は6.5%あまり上昇し、後発薬という新たな事業柱と複眼経営に合理性があると評価された

2009年〜 対米禁輸で崩れた複眼経営と、約4500億円を払って戻った新薬回帰

第一三共の業績推移:連結

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 2009年 初の純損失計上
  2. 2010年 第一三共エスファを設立
  3. 2010年 中山讓治氏が社長に就任
  4. 2011年 北里第一三共ワクチンを設立
  5. 2011年 プレキシコンInc.を子会社化
  6. 2012年 ジャパンワクチンを設立
  7. 2015年 複眼経営を捨て、がんに絞る——中山讓治氏の選択と集中 新薬・後発薬・OTC・ワクチンの4本柱を畳み、海外後発薬から退いて自社ADCへ賭け直した2015年の転換

買収の翌期に計上した2155億円の純損失

2008年9月、米食品医薬品局はランバクシーのインド2工場に対米禁輸措置を科した[44]。ランバクシーの売上高の3割を占めていた米国市場が剥落し、株価は買収価格の1株737ルピーから66%下落して252ルピー[45]となった。株式の公開買い付けが完了した2008年9月には、FDAの処分にリーマンショックが重なってランバクシー株が急落[46]している。第一三共は2009年3月期にランバクシー株の評価損3595億円を含む特別損失[47]を計上し、連結の当期純損益は2155億円の赤字[48]に転落した。統合から4年目にして、初めての純損失[49]だった。

  • 週刊東洋経済 2009年1月17日号「NEWS TOP404 医薬 第一三共に巨額特損 印製薬買収で大誤算」
    • [44]2008年9月 米FDAがランバクシーのインド2工場へ対米禁輸措置
    • [45]売上高の3割を占める米国市場が剥落、株価は買収価格737ルピーから66%下落し252ルピー
    • [47]2009年3月期 ランバクシー株の評価損3595億円を含む特別損失を計上
  • 週刊東洋経済 2014年2月7日号「核心リポート02 インド拠点で禁輸措置 第一三共M&Aの蹉跌」
    • [46]株式の公開買い付けが完了した2008年9月、FDAの処分にリーマンショックが重なりランバクシー株価が急落
  • 第一三共 有価証券報告書(2009年3月期・連結)
    • [48]2009年3月期 連結当期純損益 2155億円の赤字
    • [49]2009年3月期 統合後初の純損失を計上

2011年、ランバクシーは米FDAと5年間の改善計画で合意し、米司法省へ5億ドルの罰金[50]を支払って一連の処分に区切りをつけた。それでも2012年9月以降にさらに2工場が禁輸となり[51]、2013年9月と2014年1月にも相次いで処分を受けて、インドの4工場すべてが最大の後発薬市場である米国向けの製造をできなくなった[52]。2014年1月に処分を受けたトアンサ工場は、2008年の措置後も米国工場向けに医薬原料を供給して米国売上を支えてきた拠点[53]だった。トアンサの禁輸が長引けば、ほかの製剤3工場の禁輸が解けても米国向け製品をすべて自前で作れなくなる可能性[54]があった。

  • 週刊東洋経済 2014年6月7日号「特集 企業買収 死屍累々の海外大型M&A 和製M&A失敗の研究」
    • [50]2011年 FDAと5年間の改善計画・米司法省と5億ドルの罰金で合意
    • [51]2012年9月以降さらに2工場が禁輸
  • 週刊東洋経済 2014年2月7日号「核心リポート02 インド拠点で禁輸措置 第一三共M&Aの蹉跌」
    • [52]2013年9月と2014年1月に2工場が禁輸を受け、インド4工場が米国向け製造をできなくなった
    • [53]トアンサ工場は2008年の措置後も米国工場向けに医薬原料を供給して米国売上を支えていた
    • [54]トアンサの禁輸が長引くと他の製剤3工場の禁輸が解けても米国向け製品を自前で作れない可能性があった

FDAが2014年1月11日に公表したトアンサ工場の査察報告書には八つの所見[55]が並び、医薬原料や中間物の分析で品質管理上疑わしい結果を、許容できる値が出るまで繰り返し検査していた[56]と指摘された。コンピュータシステムの統制不備と施設の保守不備については「12年12月と同じ所見」と大文字で記され[57]、前回査察からの改善が見られないことが強調された。2014年1月31日の第3四半期決算説明会で坂井学専務は「FDAの措置は、さらに踏み込んだ取り組みをせよということと、とらえている」[58]と述べた。

  • 週刊東洋経済 2014年2月7日号「核心リポート02 インド拠点で禁輸措置 第一三共M&Aの蹉跌」
    • [55]FDAが2014年1月11日に公表したトアンサ工場の査察報告書に八つの所見
    • [56]所見1=医薬原料や中間物の分析で疑わしい結果を許容できる結果が出るまで繰り返し検査
    • [57]コンピュータシステムの統制不備・施設の保守不備は「12年12月と同じ所見」と大文字で記載
    • [58]坂井学専務(2014年1月31日 第3四半期決算説明会)「FDAの措置は、さらに踏み込んだ取り組みをせよということと、とらえている」
  • 週刊東洋経済 2009年1月17日号「NEWS TOP404 医薬 第一三共に巨額特損 印製薬買収で大誤算」
    • [44]2008年9月 米FDAがランバクシーのインド2工場へ対米禁輸措置
    • [45]売上高の3割を占める米国市場が剥落、株価は買収価格737ルピーから66%下落し252ルピー
    • [47]2009年3月期 ランバクシー株の評価損3595億円を含む特別損失を計上
  • 週刊東洋経済 2014年2月7日号「核心リポート02 インド拠点で禁輸措置 第一三共M&Aの蹉跌」
    • [46]株式の公開買い付けが完了した2008年9月、FDAの処分にリーマンショックが重なりランバクシー株価が急落
    • [52]2013年9月と2014年1月に2工場が禁輸を受け、インド4工場が米国向け製造をできなくなった
    • [53]トアンサ工場は2008年の措置後も米国工場向けに医薬原料を供給して米国売上を支えていた
    • [54]トアンサの禁輸が長引くと他の製剤3工場の禁輸が解けても米国向け製品を自前で作れない可能性があった
    • [55]FDAが2014年1月11日に公表したトアンサ工場の査察報告書に八つの所見
    • [56]所見1=医薬原料や中間物の分析で疑わしい結果を許容できる結果が出るまで繰り返し検査
    • [57]コンピュータシステムの統制不備・施設の保守不備は「12年12月と同じ所見」と大文字で記載
    • [58]坂井学専務(2014年1月31日 第3四半期決算説明会)「FDAの措置は、さらに踏み込んだ取り組みをせよということと、とらえている」
  • 第一三共 有価証券報告書(2009年3月期・連結)
    • [48]2009年3月期 連結当期純損益 2155億円の赤字
    • [49]2009年3月期 統合後初の純損失を計上
  • 週刊東洋経済 2014年6月7日号「特集 企業買収 死屍累々の海外大型M&A 和製M&A失敗の研究」
    • [50]2011年 FDAと5年間の改善計画・米司法省と5億ドルの罰金で合意
    • [51]2012年9月以降さらに2工場が禁輸

サン・ファーマへの身売りで閉じた後発薬の7年

第一三共はランバクシーの創業一族の最高経営責任者を交代させ、品質管理体制も点検したものの、同じ問題で再び禁輸を受けていた[59]。2014年4月、ランバクシーはインドの同業サン・ファーマシューティカル・インダストリーズへ株式交換方式で吸収合併される[60]ことに合意した。割当比率はランバクシー1株に対してサン・ファーマ0.8株で、第一三共は約9%の少数株主[61]として残った。中山讓治社長は合意の時点で、買収後に生じた巨額の損失について「サン・ファーマとの提携による事業収益で取り戻せると思っている」[62]と語っていた。

  • 週刊東洋経済 2014年2月7日号「核心リポート02 インド拠点で禁輸措置 第一三共M&Aの蹉跌」
    • [59]第一三共は創業一族のCEOを代え品質管理体制も点検したが、同じ問題で再び禁輸を受けた
  • 週刊東洋経済 2014年6月7日号「特集 企業買収 死屍累々の海外大型M&A 和製M&A失敗の研究」
    • [60]2014年4月 サン・ファーマによる株式交換での吸収合併に同意
  • 日本経済新聞(2014年4月7日)「第一三共、子会社ランバクシーがインド後発薬大手に吸収合併」
    • [61]ランバクシー1株にサン・ファーマ0.8株を割当、第一三共は約9%の少数株主として残存
  • 週刊東洋経済 2015年5月8日号「核心リポート05 インド問題終結でも第一三共に次なる試練」
    • [62]中山讓治社長「サン・ファーマとの提携による事業収益で取り戻せると思っている」

ところが第一三共は2015年4月21日、保有するサン・ファーマ株をすべて売却[63]し、海外の後発医薬品メーカーとの縁を断った。売却を急いだ背景には株高があり、吸収合併に合意した2014年4月から同社の株価は倍近くまで上昇して、2015年3月期に約3600億円の合併差益と約4000億円の現金[64]をもたらした。株式評価損・のれん減損・米当局への和解金を合わせた買収関連の損失は累計で約4500億円[65]に達しており、事業収益で取り戻す前に株価の上昇がその大半を埋めた。2015年3月、ランバクシーがサン・ファーマへ吸収合併されたことで、同社グループは連結の範囲から外れた[66]

  • 週刊東洋経済 2015年5月8日号「核心リポート05 インド問題終結でも第一三共に次なる試練」
    • [63]2015年4月21日 サン・ファーマ保有株を全売却し海外後発薬から離脱
    • [64]2014年4月の合意時から株価が倍近くに上昇、2015年3月期に約3600億円の合併差益と約4000億円のキャッシュ
  • 日本経済新聞(2014年4月7日)「第一三共、失策続きの6年 印子会社を実質売却」
    • [65]株式評価損・のれん減損・米当局への和解金を含む買収関連の損失は累計約4500億円
  • 第一三共 有価証券報告書【沿革】
    • [66]2015年3月 ランバクシー・ラボラトリーズLtd.がサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.に吸収合併され連結の範囲から除外

2010年6月に社長へ就いた中山讓治[67]は、新薬・一般用医薬品・ワクチン・後発医薬品の4事業を並べる複眼経営[68]を引き継いでいた。後発薬では主要な物質が次々と後発品へ切り替わって価格・規模・コストの競争が激しくなり、勝ち残るには継続的な巨額投資が必要[69]になっていた。世界の後発薬市場は2008年の530億ドルから2020年に1070億ドルへ倍増する見通し[70]だったが、第一三共はその成長を取り込めないまま7年近くを費やした[71]中山讓治社長はグローバル後発薬と新薬の二正面作戦は難しいと判断し、得意としてきた新薬に特化[72]する結論に至った。2015年3月期の連結業績は売上収益9193億円・営業利益744億円[73]と前期から縮小し、当期利益は株式売却益を含んで3221億円[74]となった。

  • 第一三共 有価証券報告書(役員の状況)
    • [67]2010年6月 中山讓治が社長に就任
  • 週刊東洋経済 2010年6月26日号「TOP INTERVIEW 第一三共次期社長 中山讓治 有力新薬を相次ぎ投入し国内ナンバーワン目指す」
    • [68]中山社長は新薬・OTC・ワクチン・後発医薬品の四つの事業をマネジメントする複眼経営を掲げていた
  • 週刊東洋経済 2015年7月10日号「クスリ最前線 PART2 INTERVIEW もう一度新薬で勝負する 第一三共 社長兼CEO 中山讓治」
    • [69]後発薬業界は主要物質の後発品切替で価格・規模・コスト競争が激化し、勝ち残るには継続的な巨額投資が必要
    • [72]中山社長はグローバル後発薬と新薬の両立は難しいと判断し新薬に特化する結論に至った
  • 週刊東洋経済 2015年5月8日号「核心リポート05 インド問題終結でも第一三共に次なる試練」
    • [70]世界の後発薬市場は2008年530億ドルから2020年1070億ドルへ倍増する見通し
    • [71]買収から7年近くを空費し、成長の柱になりうる市場で足場を築けなかった
  • 第一三共 有価証券報告書(2015年3月期・連結)
    • [73]2015年3月期 連結売上収益9193億円・営業利益744億円
    • [74]2015年3月期 連結当期利益3221億円(サン・ファーマ株売却に伴う利益を含む)
  • 週刊東洋経済 2014年2月7日号「核心リポート02 インド拠点で禁輸措置 第一三共M&Aの蹉跌」
    • [59]第一三共は創業一族のCEOを代え品質管理体制も点検したが、同じ問題で再び禁輸を受けた
  • 週刊東洋経済 2014年6月7日号「特集 企業買収 死屍累々の海外大型M&A 和製M&A失敗の研究」
    • [60]2014年4月 サン・ファーマによる株式交換での吸収合併に同意
  • 日本経済新聞(2014年4月7日)「第一三共、子会社ランバクシーがインド後発薬大手に吸収合併」
    • [61]ランバクシー1株にサン・ファーマ0.8株を割当、第一三共は約9%の少数株主として残存
  • 週刊東洋経済 2015年5月8日号「核心リポート05 インド問題終結でも第一三共に次なる試練」
    • [62]中山讓治社長「サン・ファーマとの提携による事業収益で取り戻せると思っている」
    • [63]2015年4月21日 サン・ファーマ保有株を全売却し海外後発薬から離脱
    • [64]2014年4月の合意時から株価が倍近くに上昇、2015年3月期に約3600億円の合併差益と約4000億円のキャッシュ
    • [70]世界の後発薬市場は2008年530億ドルから2020年1070億ドルへ倍増する見通し
    • [71]買収から7年近くを空費し、成長の柱になりうる市場で足場を築けなかった
  • 日本経済新聞(2014年4月7日)「第一三共、失策続きの6年 印子会社を実質売却」
    • [65]株式評価損・のれん減損・米当局への和解金を含む買収関連の損失は累計約4500億円
  • 第一三共 有価証券報告書【沿革】
    • [66]2015年3月 ランバクシー・ラボラトリーズLtd.がサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.に吸収合併され連結の範囲から除外
  • 第一三共 有価証券報告書(役員の状況)
    • [67]2010年6月 中山讓治が社長に就任
  • 週刊東洋経済 2010年6月26日号「TOP INTERVIEW 第一三共次期社長 中山讓治 有力新薬を相次ぎ投入し国内ナンバーワン目指す」
    • [68]中山社長は新薬・OTC・ワクチン・後発医薬品の四つの事業をマネジメントする複眼経営を掲げていた
  • 週刊東洋経済 2015年7月10日号「クスリ最前線 PART2 INTERVIEW もう一度新薬で勝負する 第一三共 社長兼CEO 中山讓治」
    • [69]後発薬業界は主要物質の後発品切替で価格・規模・コスト競争が激化し、勝ち残るには継続的な巨額投資が必要
    • [72]中山社長はグローバル後発薬と新薬の両立は難しいと判断し新薬に特化する結論に至った
  • 第一三共 有価証券報告書(2015年3月期・連結)
    • [73]2015年3月期 連結売上収益9193億円・営業利益744億円
    • [74]2015年3月期 連結当期利益3221億円(サン・ファーマ株売却に伴う利益を含む)

がんの薬を持たない会社が選んだ自社創薬

世界で約3000億円を売り上げる降圧薬オルメサルタンは、1000億円強を売る米国で2016年10月に特許が切れ、2017年2月には日本と欧州でも失効する見通し[75]だった。米国では通常、特許切れから1年で8〜9割が後発薬へ置き換わる[76]。次の柱に育てようとしていた抗凝固剤エドキサバンは2015年2月に米国で発売したものの、独バイエルなど3社が同種の薬を先行販売しており、腎機能が正常な患者には使えないという競合品にない制限[77]も抱えていた。後発薬の売上が消え、大型新薬の減収も控えるなかで、第一三共は2015年5月15日に経営説明会を開いた[78]

  • 週刊東洋経済 2015年5月8日号「核心リポート05 インド問題終結でも第一三共に次なる試練」
    • [75]オルメサルタンは世界で約3000億円を売上、米国(1000億円強)で2016年10月・日欧で2017年2月に特許切れ見込み
    • [76]米国では通常、特許切れから1年で8〜9割が後発薬に置き換わる
    • [77]エドキサバンは2015年2月に米国発売、独バイエルなど3社が先行販売、腎機能が正常な患者には使用できない制限
    • [78]2015年5月15日 経営説明会を開催

中山讓治社長ががん領域への転換を打ち出したのは2015年末[79]で、当時の第一三共はがんの薬を一つも扱っておらず、社員でさえ半信半疑[80]だった。がん領域では他社の買収も検討したが、企業ごとに値段の相場が決まっていてどこも代わり映えせず、第一三共の規模では買収を重ねて成功確率を上げる方法では生き残れない[81]と判断した。買収の失敗で海外展開は武田薬品工業などの競合に後れを取り、成長市場であるがん領域での存在感はないに等しかった[82]。そこで社内で温めてきた抗体薬物複合体(ADC)の研究へ資源を集め、2025年までに「がんに強みを持つグローバル創薬先進企業」になること[83]を目標に掲げた。

  • 週刊東洋経済 2020年12月19日号「第1特集 製薬 大リストラ Part2 製薬企業の苦闘 自社開発の大型新薬に期待 第一三共がん新薬で反転攻勢」
    • [79]2015年末にがん領域へのシフトを打ち出した
    • [81]がん領域では他社買収も検討したが相場が決まって代わり映えせず、自社の規模では買収頼みでは生き残れないと判断
    • [82]買収の失敗で海外展開は武田薬品工業などの競合に先を越され、成長市場のがん領域での存在感はないに等しかった
    • [83]2025年までに「がんに強みを持つグローバル創薬先進企業」になることを掲げた
  • 週刊東洋経済 2024年10月5日号「特集 製薬サバイバル Part2 活路を探る 日の丸製薬 第一三共 特大ヒット薬はたった4人のチームから生まれた 究極のボトムアップで「がんの企業」へ変貌」
    • [80]当時の第一三共はがんの薬を一つも扱っておらず社員ですら半信半疑だった

ADCの研究は統合と同じ2005年[84]に始まる。まだ30代だった我妻利紀氏が、生物から薬を作り出す抗体医薬は今後台頭すると見て研究を提案し、3年間の状況を見て継続を判断するという条件のもと、4人のメンバー[85]で着手した。我妻氏は他社との差別化のため難易度が高く競合の少ないADCをあえて選んだが、抗体と薬物の結合が不安定で搭載できる薬物も少ないという先行研究の課題があり、成功確率の低さから社内には反対もあった[86]。2010年には所属や専門性の垣根を越えて選抜された15名程のメンバーで、ADC技術の確立に向けた研究チームが発足[87]した。我妻氏は「チューニングをすれば成功する可能性がある」と見て研究を続け、抗体に他社製品よりも多くの薬物を安定して搭載する技術[88]に到達した。

  • 週刊東洋経済 2024年10月5日号「特集 製薬サバイバル Part2 活路を探る 日の丸製薬 第一三共 特大ヒット薬はたった4人のチームから生まれた 究極のボトムアップで「がんの企業」へ変貌」
    • [84]2005年 抗体医薬(のちのADC)の研究に着手
    • [85]30代だった我妻利紀氏が抗体医薬の研究を提案/3年間の状況を見て継続を判断する条件・当初メンバーは4人
    • [86]我妻利紀氏は差別化のため難易度が高く競合の少ないADCを選択、結合の不安定さと搭載量の少なさが課題で社内に反対もあった
    • [88]我妻利紀氏「チューニングをすれば成功する可能性がある」/抗体に他社製品より多くの薬物を安定的に搭載する技術を確立
  • 第一三共 公式サイト(採用・DXd ADC技術)
    • [87]2010年 所属や専門性の垣根を超えて選抜された15名程のメンバーでADC技術確立に向けた研究チームが発足
  • 週刊東洋経済 2015年5月8日号「核心リポート05 インド問題終結でも第一三共に次なる試練」
    • [75]オルメサルタンは世界で約3000億円を売上、米国(1000億円強)で2016年10月・日欧で2017年2月に特許切れ見込み
    • [76]米国では通常、特許切れから1年で8〜9割が後発薬に置き換わる
    • [77]エドキサバンは2015年2月に米国発売、独バイエルなど3社が先行販売、腎機能が正常な患者には使用できない制限
    • [78]2015年5月15日 経営説明会を開催
  • 週刊東洋経済 2020年12月19日号「第1特集 製薬 大リストラ Part2 製薬企業の苦闘 自社開発の大型新薬に期待 第一三共がん新薬で反転攻勢」
    • [79]2015年末にがん領域へのシフトを打ち出した
    • [81]がん領域では他社買収も検討したが相場が決まって代わり映えせず、自社の規模では買収頼みでは生き残れないと判断
    • [82]買収の失敗で海外展開は武田薬品工業などの競合に先を越され、成長市場のがん領域での存在感はないに等しかった
    • [83]2025年までに「がんに強みを持つグローバル創薬先進企業」になることを掲げた
  • 週刊東洋経済 2024年10月5日号「特集 製薬サバイバル Part2 活路を探る 日の丸製薬 第一三共 特大ヒット薬はたった4人のチームから生まれた 究極のボトムアップで「がんの企業」へ変貌」
    • [80]当時の第一三共はがんの薬を一つも扱っておらず社員ですら半信半疑だった
    • [84]2005年 抗体医薬(のちのADC)の研究に着手
    • [85]30代だった我妻利紀氏が抗体医薬の研究を提案/3年間の状況を見て継続を判断する条件・当初メンバーは4人
    • [86]我妻利紀氏は差別化のため難易度が高く競合の少ないADCを選択、結合の不安定さと搭載量の少なさが課題で社内に反対もあった
    • [88]我妻利紀氏「チューニングをすれば成功する可能性がある」/抗体に他社製品より多くの薬物を安定的に搭載する技術を確立
  • 第一三共 公式サイト(採用・DXd ADC技術)
    • [87]2010年 所属や専門性の垣根を超えて選抜された15名程のメンバーでADC技術確立に向けた研究チームが発足

2016年〜 売上1兆円前後の停滞と、DS-8201をアストラゼネカと折半した選択

第一三共の業績推移:連結

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 2017年 眞鍋淳氏が社長に就任
  2. 2017年 北里第一三共ワクチンを完全子会社化
  3. 2018年 第一三共バイオテックを設立
  4. 2019年 エンハーツとアストラゼネカ提携——がん事業への転換 自社創製の抗体薬物複合体を、なぜ英大手と最大69億ドルで組んだのか
  5. 2019年 ジャパンワクチンを解散

がん中心への転換を掲げた中期計画の空振り

2016年、第一三共は2021年3月期に営業利益1650億円を目指す中期経営計画を定め、従来の柱だった循環器系から実績のないがん中心への事業構造の転換[89]を打ち出した。英大手出身のアントワン・イヴェル氏をがん領域の研究開発の責任者に招き、市場評価の高いがん治療薬の候補「DS-8201」の開発を急いだ[90]。2017年4月には中山讓治氏に代わって眞鍋淳氏が社長へ就いた[91]。ただしDS-8201の発売は2020年以降の予定で、市場に出ればピーク時に年2000億円規模の売上高が見込まれた[92]ものの、中期経営計画への貢献は限られた。

  • 週刊東洋経済 2018年6月16日号「第1特集 製薬大再編 Part2 厳しくなる収益環境 製薬会社サバイバル 中途半端な存在感 アステラス製薬と第一三共が統合する日」
    • [89]2016年策定の中期経営計画で2021年3月期に営業利益1650億円を目標/循環器系からがん中心への事業構造シフト
    • [90]英大手出身のアントワン・イヴェル氏をがん領域の研究トップに招き、DS-8201の開発を急いだ
    • [92]DS-8201はピーク時に年2000億円規模の売上高が見込まれたが発売は2020年以降で中計への貢献は限定的
  • 第一三共 有価証券報告書(役員の状況)
    • [91]2017年4月 中山讓治から眞鍋淳へ社長交代

業績は伸びず、2018年3月期の売上高は9601億円で、事業会社へ移った2007年3月期の9295億円からほとんど動かず[93]、営業利益も763億円[94]と低い水準が続いた。中期経営計画では世界最大市場の米国で疼痛分野の売上高1000億円以上も掲げたが、オピオイドと呼ばれる疼痛薬の濫用が米国で社会問題化したため達成は難しくなり、米国では約280人のMRを削減[95]した。2018年3月期の売上高に占める日本の比率は64%[96]で、統合時に掲げた海外の攻略はなお課題として残った。第一三共は2018年4月の決算説明会で、今上期中をめどに中期経営計画を見直すと明らかにした[97]

  • 週刊東洋経済 2018年6月16日号「第1特集 製薬大再編 Part2 厳しくなる収益環境 製薬会社サバイバル 中途半端な存在感 アステラス製薬と第一三共が統合する日」
    • [93]2018年3月期 売上高9601億円/事業会社へ移った2007年3月期の9295億円からほとんど成長せず
    • [95]中計で米国の疼痛分野に売上高1000億円以上を掲げたがオピオイド濫用の社会問題化で達成は絶望的に/米国で約280人のMRを削減
    • [96]第一三共の売上高に占める日本の比率は64%
    • [97]2018年4月の決算説明会で今上期中をめどに中期経営計画を見直すと表明
  • 第一三共 有価証券報告書(2018年3月期・連結)
    • [94]2018年3月期 連結営業利益763億円

統合から10年を過ぎても規模が伸びない両社は、業界から再編の当事者として見られていた[98]。第一三共とアステラス製薬は2014年、過去の創薬研究で合成した化合物をデータベース化した化合物ライブラリーを相互に利用する提携[99]を結んでおり、第一三共の元幹部は「今度はアステラスと第一三共が合併する番だ」[100]と語った。眞鍋社長は2018年4月の決算説明会で武田薬品工業による買収をどう考えるかと問われ、「武田にはがんばってもらいたい」[101]と述べるにとどめた。海外のメガファーマや塩野義製薬・中外製薬と並べたとき、アステラスと第一三共の位置づけは中途半端[102]に映った。

  • 週刊東洋経済 2018年6月16日号「第1特集 製薬大再編 Part2 厳しくなる収益環境 製薬会社サバイバル 中途半端な存在感 アステラス製薬と第一三共が統合する日」
    • [98]統合10年を過ぎても両社の規模は伸びず業界再編の当事者と見られていた
    • [99]2014年 第一三共とアステラス製薬が化合物ライブラリーの相互利用で提携
    • [100]第一三共の元幹部「今度はアステラスと第一三共が合併する番だ」
    • [101]眞鍋淳社長は武田薬品工業の買収について「武田にはがんばってもらいたい」と述べた
    • [102]海外メガファーマや塩野義製薬・中外製薬と比べアステラスと第一三共は中途半端と評された
  • 週刊東洋経済 2018年6月16日号「第1特集 製薬大再編 Part2 厳しくなる収益環境 製薬会社サバイバル 中途半端な存在感 アステラス製薬と第一三共が統合する日」
    • [89]2016年策定の中期経営計画で2021年3月期に営業利益1650億円を目標/循環器系からがん中心への事業構造シフト
    • [90]英大手出身のアントワン・イヴェル氏をがん領域の研究トップに招き、DS-8201の開発を急いだ
    • [92]DS-8201はピーク時に年2000億円規模の売上高が見込まれたが発売は2020年以降で中計への貢献は限定的
    • [93]2018年3月期 売上高9601億円/事業会社へ移った2007年3月期の9295億円からほとんど成長せず
    • [95]中計で米国の疼痛分野に売上高1000億円以上を掲げたがオピオイド濫用の社会問題化で達成は絶望的に/米国で約280人のMRを削減
    • [96]第一三共の売上高に占める日本の比率は64%
    • [97]2018年4月の決算説明会で今上期中をめどに中期経営計画を見直すと表明
    • [98]統合10年を過ぎても両社の規模は伸びず業界再編の当事者と見られていた
    • [99]2014年 第一三共とアステラス製薬が化合物ライブラリーの相互利用で提携
    • [100]第一三共の元幹部「今度はアステラスと第一三共が合併する番だ」
    • [101]眞鍋淳社長は武田薬品工業の買収について「武田にはがんばってもらいたい」と述べた
    • [102]海外メガファーマや塩野義製薬・中外製薬と比べアステラスと第一三共は中途半端と評された
  • 第一三共 有価証券報告書(役員の状況)
    • [91]2017年4月 中山讓治から眞鍋淳へ社長交代
  • 第一三共 有価証券報告書(2018年3月期・連結)
    • [94]2018年3月期 連結営業利益763億円

4人で始まったADCが最大69億米ドルの提携へ

DS-8201は、HER2というたんぱく質を標的とし、がん細胞に結合する抗体へ薬物を搭載した抗体薬物複合体で、第一三共独自のADC技術から創製[103]された。薬物をがん細胞の内部へ直接届けることで、高い有効性と、全身への曝露を抑えることによる副作用の低減[104]が見込まれた。ADCの要は抗体と薬物の結合方法にあり、抗体や搭載する薬物を変えれば別の薬を開発でき[105]、一から作り直す必要がない。眞鍋社長は、旧三共が持っていた抗体の技術と旧第一製薬が持っていた薬物の技術を組み合わせ、10年かけて開発してきた[106]と説明した。

  • ミクスOnline(2019年3月29日)「第一三共・中山会長が会見 AZ社とDS-8201で戦略提携 受領対価は総額7590億円」
    • [103]DS-8201はHER2に対する抗体薬物複合体(ADC)で、第一三共独自のADC技術から創成された
    • [104]薬物をがん細胞内に直接届けることで高い有効性と、全身曝露を抑えることによる副作用の低減が期待された
  • 週刊東洋経済 2020年12月19日号「第1特集 製薬 大リストラ Part2 製薬企業の苦闘 自社開発の大型新薬に期待 第一三共がん新薬で反転攻勢」
    • [105]ADCの技術の肝は抗体と薬物の結合方法にあり、組み合わせを変えることでほかの薬を生み出せる
    • [106]眞鍋淳社長兼CEO「旧三共が持っていた抗体の技術と、旧第一製薬が持っていたペイロード(薬物)の技術を組み合わせて、10年かけて開発してきた」

2019年3月29日、第一三共は英アストラゼネカと、日本を除く全世界でDS-8201の単剤・併用療法を共同開発・商業化する提携[107]を結んだ。アストラゼネカは契約一時金13.5億米ドルを支払い、開発マイルストン最大38億米ドル、販売マイルストン最大17.5億米ドルを加えた支払総額は最大69億米ドル[108]、日本円で約7590億円[109]に達する。日本を除く全世界での利益と開発・販売の費用は両社で折半し、第一三共が製造と供給の責任を負う[110]設計とした。この提携は、臨床試験を終えて当局への承認申請の直前という段階で結ばれている[111]

  • 第一三共 プレスリリース(2019年3月29日)「トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201)に関するアストラゼネカとのグローバル開発及び販売提携のお知らせ」
    • [107]2019年3月 第一三共とアストラゼネカが日本を除く全世界でDS-8201の単剤・併用療法を共同開発・商業化する提携を締結
    • [108]契約一時金13.5億米ドル/開発マイルストン最大38億米ドル/販売マイルストン最大17.5億米ドル/支払総額最大69億米ドル
    • [110]日本を除く全世界での利益と開発・販売費用を両社で折半し、第一三共が製造・供給の責任を負う
  • ミクスOnline(2019年3月29日)「第一三共・中山会長が会見 AZ社とDS-8201で戦略提携 受領対価は総額7590億円」
    • [109]受領対価は最大69億ドル=約7590億円
  • 週刊東洋経済 2020年12月19日号「第1特集 製薬 大リストラ Part2 製薬企業の苦闘 自社開発の大型新薬に期待 第一三共がん新薬で反転攻勢」
    • [111]エンハーツは臨床試験が終わり当局への承認申請の直前のタイミングでの提携だった

2020年1月、第一三共Inc.は米国でエンハーツ(一般名トラスツズマブ デルクステカン)を新発売[112]し、同年5月には日本でも乳がん向けに販売を始めた[113]。発売初年度にあたる2020年度の売上高は324億円になる見込みで、年間売上高1000億円超を大型薬と呼ぶ業界にあって、ピーク時には5000億円を超えると予想する市場関係者[114]も少なくなかった。2019年3月期の研究開発費は前期から323億円減って2037億円[115]となり、2020年3月期の連結売上収益は9818億円・営業利益1388億円[116]だった。

  • 第一三共 有価証券報告書 第15期(2020年3月期)
    • [112]2020年1月 第一三共Inc.が米国でエンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン)を新発売
  • 週刊東洋経済 2020年12月19日号「第1特集 製薬 大リストラ Part2 製薬企業の苦闘 自社開発の大型新薬に期待 第一三共がん新薬で反転攻勢」
    • [113]2020年5月 日本で乳がん向けに発売
    • [114]エンハーツ発売初年度(2020年度)の売上高は324億円の見込み/ピーク時5000億円超の予想
  • 第一三共 有価証券報告書 第14期(2019年3月期)
    • [115]2019年3月期 研究開発費2037億円(前期比323億円減)
  • 第一三共 有価証券報告書(2020年3月期・連結)
    • [116]2020年3月期 連結売上収益9818億円・営業利益1388億円
  • ミクスOnline(2019年3月29日)「第一三共・中山会長が会見 AZ社とDS-8201で戦略提携 受領対価は総額7590億円」
    • [103]DS-8201はHER2に対する抗体薬物複合体(ADC)で、第一三共独自のADC技術から創成された
    • [104]薬物をがん細胞内に直接届けることで高い有効性と、全身曝露を抑えることによる副作用の低減が期待された
    • [109]受領対価は最大69億ドル=約7590億円
  • 週刊東洋経済 2020年12月19日号「第1特集 製薬 大リストラ Part2 製薬企業の苦闘 自社開発の大型新薬に期待 第一三共がん新薬で反転攻勢」
    • [105]ADCの技術の肝は抗体と薬物の結合方法にあり、組み合わせを変えることでほかの薬を生み出せる
    • [106]眞鍋淳社長兼CEO「旧三共が持っていた抗体の技術と、旧第一製薬が持っていたペイロード(薬物)の技術を組み合わせて、10年かけて開発してきた」
    • [111]エンハーツは臨床試験が終わり当局への承認申請の直前のタイミングでの提携だった
    • [113]2020年5月 日本で乳がん向けに発売
    • [114]エンハーツ発売初年度(2020年度)の売上高は324億円の見込み/ピーク時5000億円超の予想
  • 第一三共 プレスリリース(2019年3月29日)「トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201)に関するアストラゼネカとのグローバル開発及び販売提携のお知らせ」
    • [107]2019年3月 第一三共とアストラゼネカが日本を除く全世界でDS-8201の単剤・併用療法を共同開発・商業化する提携を締結
    • [108]契約一時金13.5億米ドル/開発マイルストン最大38億米ドル/販売マイルストン最大17.5億米ドル/支払総額最大69億米ドル
    • [110]日本を除く全世界での利益と開発・販売費用を両社で折半し、第一三共が製造・供給の責任を負う
  • 第一三共 有価証券報告書 第15期(2020年3月期)
    • [112]2020年1月 第一三共Inc.が米国でエンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン)を新発売
  • 第一三共 有価証券報告書 第14期(2019年3月期)
    • [115]2019年3月期 研究開発費2037億円(前期比323億円減)
  • 第一三共 有価証券報告書(2020年3月期・連結)
    • [116]2020年3月期 連結売上収益9818億円・営業利益1388億円

オルメサルタンの縮小をリクシアナで支えた4年

オルメサルタン・オルメテックの売上収益は2016年3月期の1790億円から、2018年3月期に530億円、2020年3月期には393億円[117]まで縮んだ。入れ替わるように伸びたのが抗凝固剤リクシアナで、2016年3月期の347億円から2018年3月期1107億円、2020年3月期には1541億円[118]となり、特許切れで空いた穴を埋めた。エンハーツの売上収益は2018年3月期の32億円から2020年3月期の474億円[119]へ立ち上がったばかりで、この時期の収益はなお生活習慣病の薬が支えていた。エンハーツとリクシアナを合わせた売上収益は2020年3月期で2015億円にとどまり、オルメサルタン単独が2570億円を売り上げた2013年3月期の水準[120]には届いていない。

  • 第一三共 決算説明会 補足資料(製品別売上収益)
    • [117]オルメサルタン・オルメテック売上収益 2016年3月期1790億円→2018年3月期530億円→2020年3月期393億円
    • [118]リクシアナ売上収益 2016年3月期347億円→2018年3月期1107億円→2020年3月期1541億円
    • [119]エンハーツ売上収益 2018年3月期32億円→2020年3月期474億円
    • [120]エンハーツ+リクシアナ 2020年3月期 2015億円/オルメサルタン単独 2013年3月期 2570億円

同じ時期に第一三共は医療用医薬品以外の領域を整理し、2017年11月には北里第一三共ワクチンの全株式を取得して完全子会社化[121]し、2018年8月に第一三共バイオテックを設立[122]した一方、2012年4月に設立したジャパンワクチンは2019年4月に解散した[123]。2019年1月には米国のルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.をアメリカン・リージェントInc.へ商号変更[124]し、米国の事業体制を組み替えた。2011年4月のプレキシコンInc.、2014年11月のアンビット・バイオサイエンシズCorp.[125]と、がんの治療薬候補を持つ企業の子会社化は後発薬からの撤退より前から続いていた。

  • 第一三共 有価証券報告書【沿革】
    • [121]2017年11月 北里第一三共ワクチン株式会社の全株式取得により完全子会社化
    • [122]2018年8月 第一三共バイオテック株式会社を設立
    • [123]2012年4月 ジャパンワクチン株式会社を設立/2019年4月 解散
    • [124]2019年1月 ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.の会社名をアメリカン・リージェントInc.に変更
    • [125]2011年4月 プレキシコンInc.を子会社化/2014年11月 アンビット・バイオサイエンシズCorp.を子会社化
  • 第一三共 決算説明会 補足資料(製品別売上収益)
    • [117]オルメサルタン・オルメテック売上収益 2016年3月期1790億円→2018年3月期530億円→2020年3月期393億円
    • [118]リクシアナ売上収益 2016年3月期347億円→2018年3月期1107億円→2020年3月期1541億円
    • [119]エンハーツ売上収益 2018年3月期32億円→2020年3月期474億円
    • [120]エンハーツ+リクシアナ 2020年3月期 2015億円/オルメサルタン単独 2013年3月期 2570億円
  • 第一三共 有価証券報告書【沿革】
    • [121]2017年11月 北里第一三共ワクチン株式会社の全株式取得により完全子会社化
    • [122]2018年8月 第一三共バイオテック株式会社を設立
    • [123]2012年4月 ジャパンワクチン株式会社を設立/2019年4月 解散
    • [124]2019年1月 ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.の会社名をアメリカン・リージェントInc.に変更
    • [125]2011年4月 プレキシコンInc.を子会社化/2014年11月 アンビット・バイオサイエンシズCorp.を子会社化

2020年〜 エンハーツの拡大と、市販薬を手放してがん領域へ寄せた事業構成

第一三共の業績推移:連結

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 2023年 奥澤宏幸氏が社長に就任
  2. 2023年 Merck(Merck & Co., Inc.)と戦略的提携
  3. 2023年 エンハーツ等が牽引しコア営業利益1953億円に急拡大
  4. 2024年 第一三共エスファを持分法適用関連会社化
  5. 2024年 ダトロウェイ(Dato-DXd)日本承認取得
  6. 2025年 ダトロウェイ米国承認取得
  7. 2026年 市販薬子会社・第一三共ヘルスケアのサントリーHDへの譲渡 高収益の優良事業を、なぜ2,465億円で手放すのか——革新的医薬への集中をめぐる選択

適応拡大で国内製薬首位へ動いた時価総額

エンハーツは発売後に適応を広げ、2021年度の売上高は約800億円、2022年度は倍増して約1600億円を見込む[126]水準へ伸びた。2022年6月にシカゴで開かれた米国臨床腫瘍学会の年次総会では、200を超える演題のうち限られた注目演題の一つ[127]に第一三共の発表が選ばれた。エンハーツが当初対象としたHER2陽性の乳がんは患者全体の約2割だが、同社が新たに定義したHER2低発現は約5割[128]にあたる。治験では、化学療法で治療する患者と比べて症状が悪化せずに生存した期間が約5カ月延び、死亡リスクは半減[129]した。

  • 週刊東洋経済 2022年8月6日号「ニュース最前線03 第一三共を支える乳がん薬 投与対象拡大に高まる期待」
    • [126]エンハーツ 2021年度に約800億円、2022年度は倍増の約1600億円を見込む
    • [127]2022年6月 米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で200超の演題のうち注目演題の一つに第一三共の発表が選出
    • [128]HER2陽性タイプは乳がん患者全体の約2割、HER2低発現タイプは約5割
    • [129]治験でエンハーツ投与群は化学療法群に比べ無増悪生存期間が約5カ月延長し死亡リスクは半減

2022年7月12日、第一三共の株価は年初来高値を記録し、7月27日時点の時価総額は約6.9兆円[130]と、売上高で上回る武田薬品工業やアステラス製薬を抜いて国内製薬業界の首位へ出た[131]。一方でADC技術をめぐっては、2008年から共同研究を続け2015年に提携を終えた米シアトル・ジェネティクスが、2020年10月に特許侵害訴訟を起こしていた[132]。2022年7月20日、米国テキサス州の連邦地方裁判所は第一三共側の特許侵害を認め、約57億円の支払いを命じる判決[133]を下した。眞鍋社長は訴訟について「シアトル社の特許の成立については疑問を持っているし、成立していても侵害しているとは思わない」[134]と述べており、第一三共は判決を不服として法的手段の検討に入った。

  • 週刊東洋経済 2022年8月6日号「ニュース最前線03 第一三共を支える乳がん薬 投与対象拡大に高まる期待」
    • [130]2022年7月12日 年初来高値/7月27日時点の時価総額は約6.9兆円
    • [131]武田薬品工業・アステラス製薬を抜いて国内製薬業界首位へ躍り出た
    • [133]2022年7月20日 米テキサス州の連邦地方裁判所がシージェンへの約57億円の支払いを認める判決
  • 週刊東洋経済 2020年12月19日号「第1特集 製薬 大リストラ Part2 製薬企業の苦闘 自社開発の大型新薬に期待 第一三共がん新薬で反転攻勢」
    • [132]米シアトル・ジェネティクスとは2008年からADC共同研究、提携は2015年終了、2020年10月に米国で特許侵害訴訟
    • [134]眞鍋淳社長「シアトル社の特許の成立については疑問を持っているし、成立していても侵害しているとは思わない」

業績は2022年3月期を境に跳ね上がり、連結売上収益は同期の1兆449億円から2023年3月期に1兆2785億円、2024年3月期には1兆6017億円[135]となり、営業利益も730億円から2116億円へ増えた[136]。エンハーツは2024年3月期に売上高1兆6000億円のうち約3割にあたる約4500億円を稼ぎ[137]、発売から4年で第一三共の主力製品となった。2023年4月には眞鍋淳社長が会長兼最高経営責任者へ退き、奥澤宏幸氏が社長を引き継いだ[138]。連結従業員数も2022年3月期の16,458人から2024年3月期には18,726人[139]へ増えている。

  • 第一三共 有価証券報告書(2024年3月期・連結)
    • [135]連結売上収益 2022年3月期1兆449億円→2023年3月期1兆2785億円→2024年3月期1兆6017億円
    • [136]営業利益 2022年3月期730億円→2024年3月期2116億円
  • 週刊東洋経済 2024年10月5日号「特集 製薬サバイバル Part2 活路を探る 日の丸製薬 第一三共 特大ヒット薬はたった4人のチームから生まれた 究極のボトムアップで「がんの企業」へ変貌」
    • [137]エンハーツは2024年3月期に売上高1兆6000億円のうち約3割にあたる約4500億円を稼いだ
  • 第一三共 有価証券報告書(役員の状況)
    • [138]2023年4月 眞鍋淳が会長兼最高経営責任者へ、奥澤宏幸が社長に就任
  • 第一三共 有価証券報告書(従業員の状況)
    • [139]連結従業員数 2022年3月期16,458人→2024年3月期18,726人
  • 週刊東洋経済 2022年8月6日号「ニュース最前線03 第一三共を支える乳がん薬 投与対象拡大に高まる期待」
    • [126]エンハーツ 2021年度に約800億円、2022年度は倍増の約1600億円を見込む
    • [127]2022年6月 米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で200超の演題のうち注目演題の一つに第一三共の発表が選出
    • [128]HER2陽性タイプは乳がん患者全体の約2割、HER2低発現タイプは約5割
    • [129]治験でエンハーツ投与群は化学療法群に比べ無増悪生存期間が約5カ月延長し死亡リスクは半減
    • [130]2022年7月12日 年初来高値/7月27日時点の時価総額は約6.9兆円
    • [131]武田薬品工業・アステラス製薬を抜いて国内製薬業界首位へ躍り出た
    • [133]2022年7月20日 米テキサス州の連邦地方裁判所がシージェンへの約57億円の支払いを認める判決
  • 週刊東洋経済 2020年12月19日号「第1特集 製薬 大リストラ Part2 製薬企業の苦闘 自社開発の大型新薬に期待 第一三共がん新薬で反転攻勢」
    • [132]米シアトル・ジェネティクスとは2008年からADC共同研究、提携は2015年終了、2020年10月に米国で特許侵害訴訟
    • [134]眞鍋淳社長「シアトル社の特許の成立については疑問を持っているし、成立していても侵害しているとは思わない」
  • 第一三共 有価証券報告書(2024年3月期・連結)
    • [135]連結売上収益 2022年3月期1兆449億円→2023年3月期1兆2785億円→2024年3月期1兆6017億円
    • [136]営業利益 2022年3月期730億円→2024年3月期2116億円
  • 週刊東洋経済 2024年10月5日号「特集 製薬サバイバル Part2 活路を探る 日の丸製薬 第一三共 特大ヒット薬はたった4人のチームから生まれた 究極のボトムアップで「がんの企業」へ変貌」
    • [137]エンハーツは2024年3月期に売上高1兆6000億円のうち約3割にあたる約4500億円を稼いだ
  • 第一三共 有価証券報告書(役員の状況)
    • [138]2023年4月 眞鍋淳が会長兼最高経営責任者へ、奥澤宏幸が社長に就任
  • 第一三共 有価証券報告書(従業員の状況)
    • [139]連結従業員数 2022年3月期16,458人→2024年3月期18,726人

メルク提携とダトロウェイで解いた単一製品依存

エンハーツへの集中は収益源が一製品へ寄る構造も生み、第一三共はADCの技術で抗体と薬物の組み合わせを変えた新薬候補を並行して育てた[140]。2020年7月には、そのうちの一つDS-1062についてもアストラゼネカと提携し、最大で約6300億円を受け取る契約[141]を結んでいる。エンハーツが臨床試験を終えた段階での提携だったのに対し、DS-1062は臨床試験の第1相という早い段階で提携[142]にこぎ着けた。二つの契約を合わせると第一三共は1兆円を優に超える評価を受けたことになり、開発品としての質の高さが海外のメガファーマに評価された[143]と市場は受け止めた。

  • 週刊東洋経済 2020年12月19日号「第1特集 製薬 大リストラ Part2 製薬企業の苦闘 自社開発の大型新薬に期待 第一三共がん新薬で反転攻勢」
    • [140]ADC技術は抗体と薬物の組み合わせを変えることでほかの薬を生み出せる
    • [141]2020年7月 DS-1062でもアストラゼネカと提携、最大約6300億円を受け取る契約
    • [142]エンハーツは承認申請直前、DS-1062は臨床試験第1相という早期段階での提携
    • [143]エンハーツとDS-1062の2契約で1兆円を優に超える評価を受けた/開発品の質の高さが海外メガファーマに評価された

2023年10月、第一三共は米国メルク(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA)とDXd ADC3製品、HER3-DXd・I-DXd・DS-6000の共同開発・共同販促契約を締結[144]した。開発費は製品ごとに20億米ドルまでを米国メルクが75%負担し、それ以降は両社で折半[145]する条件で、エンハーツのアストラゼネカ提携と同じく費用を分け合う設計を採った。2024年12月にはこの提携へメルク側のMK-6070が加えられ、対価3.2億米ドルのうち1.7億米ドルを一時金として現金で支払っている[146]。同じ月、ドイツのグリコトープから抗TA-MUC1抗体ガチポツズマブの知的財産権を1.325億米ドル、約220億円で買い取り、6番目のDXd ADCとなるDS-3939[147]の自社開発権を得た。

  • 第一三共 ニュースリリース(2023年10月20日)「Merck社とのDXd ADC 3製品に関する戦略的提携について」
    • [144]2023年10月 米国メルクとDXd ADC3製品(HER3-DXd・I-DXd・DS-6000)の共同開発・共同販促契約を締結
    • [145]開発費は製品ごとに20億米ドルまで米国メルクが75%負担、それ以降は両社折半
  • 第一三共 決算説明会資料(FY2024)
    • [146]2024年12月 MK-6070を提携に追加、対価3.2億米ドルのうち1.7億米ドルを一時金で現金支払い
  • 第一三共 ニュースリリース(2024年12月)「Glycotope社からのgatipotuzumabに関する知的財産権取得について」
    • [147]2024年12月 グリコトープから抗TA-MUC1抗体ガチポツズマブの知的財産権を1.325億米ドル(約220億円)で取得し6番目のDXd ADC「DS-3939」の自社開発権を獲得

2024年12月に日本、2025年1月に米国、2025年4月に欧州でダトロウェイが承認を得て、エンハーツに続く2番目のDXd ADC製品[148]が立ち上がった。適応はホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能・転移性乳がん[149]で、エンハーツが対象としてこなかった患者層を狙う配置となった。ADCの開発品目はエンハーツ以外に7つあり、そのうち1つでアストラゼネカ、3つでメルクと組み、販売に至ればアストラゼネカから最大6600億円、メルクから最大3.3兆円[150]を受け取る契約になっている。国内後発薬でも整理が進み、2010年4月に設立した第一三共エスファは2024年4月にクオールホールディングスへ株式の一部を譲渡して持分法適用関連会社となった[151]

  • 第一三共 ニュースリリース(2025年)「ダトロウェイの日本・米国・欧州における承認取得について」
    • [148]ダトロウェイは2024年12月に日本・2025年1月に米国・2025年4月に欧州で承認を取得し、エンハーツに次ぐ2番目のDXd ADC製品となった
    • [149]ダトロウェイの適応はホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能・転移性乳がん
  • 週刊東洋経済 2024年10月5日号「特集 製薬サバイバル Part2 活路を探る 日の丸製薬 第一三共 特大ヒット薬はたった4人のチームから生まれた 究極のボトムアップで「がんの企業」へ変貌」
    • [150]ADCの開発品目はエンハーツ以外に7つ、1つでアストラゼネカ・3つでメルクと提携し、販売に至ればアストラゼネカから最大6600億円・メルクから最大3.3兆円
  • 第一三共 有価証券報告書【沿革】
    • [151]2010年4月 第一三共エスファ株式会社を設立/2024年4月 同社株式をクオールホールディングスへ一部譲渡し持分法適用関連会社化
  • 週刊東洋経済 2020年12月19日号「第1特集 製薬 大リストラ Part2 製薬企業の苦闘 自社開発の大型新薬に期待 第一三共がん新薬で反転攻勢」
    • [140]ADC技術は抗体と薬物の組み合わせを変えることでほかの薬を生み出せる
    • [141]2020年7月 DS-1062でもアストラゼネカと提携、最大約6300億円を受け取る契約
    • [142]エンハーツは承認申請直前、DS-1062は臨床試験第1相という早期段階での提携
    • [143]エンハーツとDS-1062の2契約で1兆円を優に超える評価を受けた/開発品の質の高さが海外メガファーマに評価された
  • 第一三共 ニュースリリース(2023年10月20日)「Merck社とのDXd ADC 3製品に関する戦略的提携について」
    • [144]2023年10月 米国メルクとDXd ADC3製品(HER3-DXd・I-DXd・DS-6000)の共同開発・共同販促契約を締結
    • [145]開発費は製品ごとに20億米ドルまで米国メルクが75%負担、それ以降は両社折半
  • 第一三共 決算説明会資料(FY2024)
    • [146]2024年12月 MK-6070を提携に追加、対価3.2億米ドルのうち1.7億米ドルを一時金で現金支払い
  • 第一三共 ニュースリリース(2024年12月)「Glycotope社からのgatipotuzumabに関する知的財産権取得について」
    • [147]2024年12月 グリコトープから抗TA-MUC1抗体ガチポツズマブの知的財産権を1.325億米ドル(約220億円)で取得し6番目のDXd ADC「DS-3939」の自社開発権を獲得
  • 第一三共 ニュースリリース(2025年)「ダトロウェイの日本・米国・欧州における承認取得について」
    • [148]ダトロウェイは2024年12月に日本・2025年1月に米国・2025年4月に欧州で承認を取得し、エンハーツに次ぐ2番目のDXd ADC製品となった
    • [149]ダトロウェイの適応はホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能・転移性乳がん
  • 週刊東洋経済 2024年10月5日号「特集 製薬サバイバル Part2 活路を探る 日の丸製薬 第一三共 特大ヒット薬はたった4人のチームから生まれた 究極のボトムアップで「がんの企業」へ変貌」
    • [150]ADCの開発品目はエンハーツ以外に7つ、1つでアストラゼネカ・3つでメルクと提携し、販売に至ればアストラゼネカから最大6600億円・メルクから最大3.3兆円
  • 第一三共 有価証券報告書【沿革】
    • [151]2010年4月 第一三共エスファ株式会社を設立/2024年4月 同社株式をクオールホールディングスへ一部譲渡し持分法適用関連会社化

市販薬子会社の譲渡とオンコロジーへの集中

医療用医薬品を主力とする大手が市販薬事業を切り離す動きは20年ほどで世界的に進み、国内でも2004年に中外製薬がライオンへ、2006年にアステラス製薬が第一三共へ、2021年に武田薬品工業がブラックストーンへ譲っている[152]。新薬の開発には10年以上と臨床試験に数百億円から数千億円を要し、成功確率は2万から3万分の1[153]にとどまる。市販薬は顧客も営業体制も別のローカルビジネスであり、資源を新薬開発へ回す誘因[154]が働いた。第一三共も抗がん剤エンハーツとダトロウェイを軸に、革新的な医薬品を世界で展開する企業への転身を進めていた[155]

  • 週刊東洋経済 2026年5月2日号「ニュース&トピックス最前線 第一三共の市販薬事業 サントリーに売却の深層」
    • [152]医療用主力の大手による市販薬切り離しは20年ほどで世界的に進行、国内では2004年中外→ライオン、2006年アステラス→第一三共、2021年武田→ブラックストーン
    • [153]新薬開発は10年以上・臨床試験に数百億〜数千億円を要し成功確率は2万〜3万分の1
    • [154]市販薬は顧客や営業体制が別のローカルビジネスで、資源を新薬開発へ回す誘因が働いた
    • [155]第一三共は抗がん剤エンハーツ・ダトロウェイを軸にグローバルな革新的医薬品企業への転身を進めていた

第一三共ヘルスケアは解熱鎮痛薬ロキソニンや総合感冒薬ルルを擁し、市販薬の国内シェアは大正製薬に次ぐ2位[156]にあった。2025年3月期の売上高は約760億円で、その6割を市販薬が占め、営業利益率は約17%、4期連続の営業増益[157]を続けていた。第一三共は2026年3月31日の取締役会決議を経て、4月15日に同社の全株式をサントリーホールディングスへ譲渡する契約を締結[158]した。譲渡価額は合計2465億円で、2026年6月に30%を渡し、2029年6月までにおよそ3年かけて完了[159]する予定となった。純資産の約3.6倍にあたる価格は妥当とされ、出資比率を段階的に下げる設計は体制の移行を波乱なく進める狙い[160]だった。

  • 週刊東洋経済 2026年5月2日号「ニュース&トピックス最前線 第一三共の市販薬事業 サントリーに売却の深層」
    • [156]第一三共ヘルスケアはロキソニン・ルル等を擁し市販薬の国内シェアは大正製薬に次ぐ2位
    • [157]第一三共ヘルスケアの2025年3月期売上高は約760億円で6割が市販薬、営業利益率約17%・4期連続営業増益
    • [160]純資産の約3.6倍の価格は妥当とされ、出資比率の漸減は体制移行を波乱なく進める狙い
  • 第一三共「第一三共ヘルスケアの株式譲渡(連結子会社の異動)に関するお知らせ」(2026年4月15日)
    • [158]2026年3月31日の取締役会決議を経て4月15日に第一三共ヘルスケアの全株式をサントリーホールディングスへ譲渡する契約を締結
    • [159]譲渡価額は合計2,465億円(予定)、2026年6月に30%を譲渡し2029年6月までに完了予定

サントリーホールディングスは酒類市場の縮小を背景に健康領域を開拓しており、市販薬と健康食品・飲料の親和性に着目して予防から対処までの一貫展開[161]を狙った。両社には過去の取引もあり、旧第一製薬は2002年にサントリーの医療用医薬品事業を買収し、2010年から2019年まで第一三共のCEOを務めてがん路線を敷いた中山讓治氏はサントリー出身[162]である。第一三共は経営資源をオンコロジー事業に集中させる方針を掲げ[163]、エンハーツは2025年度に1剤で8000億円規模へ達している[164]。2025年3月期の連結売上収益は1兆8863億円で前期比17.8%の増収、当期利益は2958億円と47.3%の増益[165]となり、2026年3月期には売上収益2兆1230億円・営業利益2291億円・当期利益2599億円へ伸びた[166]。2025年6月、奥澤宏幸社長はエンハーツを一次治療など早期のがん治療で使えるよう適応拡大を進める方針[167]を示した。

  • 週刊東洋経済 2026年5月2日号「ニュース&トピックス最前線 第一三共の市販薬事業 サントリーに売却の深層」
    • [161]サントリーHDは酒類市場の縮小を背景に健康領域を開拓し、市販薬と健康食品・飲料の親和性に着目して予防から対処までの一貫展開を狙った
    • [162]旧第一製薬は2002年にサントリーの医療用医薬品事業を買収/2010〜2019年に第一三共CEOを務め抗がん剤路線に舵を切った中山讓治氏はサントリー出身
    • [164]エンハーツは2025年度に1剤で8,000億円規模
  • 第一三共「第一三共ヘルスケアの株式譲渡(連結子会社の異動)に関するお知らせ」(2026年4月15日)
    • [163]第一三共は経営資源をオンコロジー事業に集中させる方針を掲げた
  • 日刊薬業(2025年4月25日)「【決算】第一三共絶好調、17.8%増収 純利益47.3%増、エンハーツが牽引」
    • [165]2025年3月期はエンハーツとリクシアナが牽引し前期比17.8%増収・当期利益47.3%増
  • 第一三共 有価証券報告書(2026年3月期・連結・IFRS)
    • [166]2026年3月期 連結売上収益2兆1230億円・営業利益2291億円・当期利益2599億円
  • 日本経済新聞(2025年6月3日)「第一三共社長、主力抗がん剤「より早期の治療で使用へ」」
    • [167]2025年6月 奥澤宏幸社長がエンハーツを一次治療など早期のがん治療で使えるよう適応拡大を進める方針を示した
  • 週刊東洋経済 2026年5月2日号「ニュース&トピックス最前線 第一三共の市販薬事業 サントリーに売却の深層」
    • [152]医療用主力の大手による市販薬切り離しは20年ほどで世界的に進行、国内では2004年中外→ライオン、2006年アステラス→第一三共、2021年武田→ブラックストーン
    • [153]新薬開発は10年以上・臨床試験に数百億〜数千億円を要し成功確率は2万〜3万分の1
    • [154]市販薬は顧客や営業体制が別のローカルビジネスで、資源を新薬開発へ回す誘因が働いた
    • [155]第一三共は抗がん剤エンハーツ・ダトロウェイを軸にグローバルな革新的医薬品企業への転身を進めていた
    • [156]第一三共ヘルスケアはロキソニン・ルル等を擁し市販薬の国内シェアは大正製薬に次ぐ2位
    • [157]第一三共ヘルスケアの2025年3月期売上高は約760億円で6割が市販薬、営業利益率約17%・4期連続営業増益
    • [160]純資産の約3.6倍の価格は妥当とされ、出資比率の漸減は体制移行を波乱なく進める狙い
    • [161]サントリーHDは酒類市場の縮小を背景に健康領域を開拓し、市販薬と健康食品・飲料の親和性に着目して予防から対処までの一貫展開を狙った
    • [162]旧第一製薬は2002年にサントリーの医療用医薬品事業を買収/2010〜2019年に第一三共CEOを務め抗がん剤路線に舵を切った中山讓治氏はサントリー出身
    • [164]エンハーツは2025年度に1剤で8,000億円規模
  • 第一三共「第一三共ヘルスケアの株式譲渡(連結子会社の異動)に関するお知らせ」(2026年4月15日)
    • [158]2026年3月31日の取締役会決議を経て4月15日に第一三共ヘルスケアの全株式をサントリーホールディングスへ譲渡する契約を締結
    • [159]譲渡価額は合計2,465億円(予定)、2026年6月に30%を譲渡し2029年6月までに完了予定
    • [163]第一三共は経営資源をオンコロジー事業に集中させる方針を掲げた
  • 日刊薬業(2025年4月25日)「【決算】第一三共絶好調、17.8%増収 純利益47.3%増、エンハーツが牽引」
    • [165]2025年3月期はエンハーツとリクシアナが牽引し前期比17.8%増収・当期利益47.3%増
  • 第一三共 有価証券報告書(2026年3月期・連結・IFRS)
    • [166]2026年3月期 連結売上収益2兆1230億円・営業利益2291億円・当期利益2599億円
  • 日本経済新聞(2025年6月3日)「第一三共社長、主力抗がん剤「より早期の治療で使用へ」」
    • [167]2025年6月 奥澤宏幸社長がエンハーツを一次治療など早期のがん治療で使えるよう適応拡大を進める方針を示した

第一三共の沿革2005〜2026年における主な出来事を抜粋

年月社長・CEO出来事重要度
庄田隆三共と第一製薬の経営統合と第一三共の誕生(2005年成立)なぜ大手2社は合併ではなく共同持株会社から始め、2年かけて完全な合併へと進んだのか? 詳細を読む★★★
庄田隆三共・第一製薬を吸収合併★★
庄田隆インド・ランバクシーの買収と「複眼経営」への移行新薬か後発薬か、先進国か新興国か——約4,900億円のクロスボーダーM&Aは何を狙い、なぜ躓いたか 詳細を読む★★★
庄田隆初の純損失計上★★
中山讓治第一三共エスファを設立
中山讓治中山讓治氏が社長に就任
中山讓治北里第一三共ワクチンを設立
中山讓治プレキシコンInc.を子会社化
中山讓治ジャパンワクチンを設立
中山讓治アンビット・バイオサイエンシズCorp.を子会社化
中山讓治複眼経営を捨て、がんに絞る——中山讓治氏の選択と集中新薬・後発薬・OTC・ワクチンの4本柱を畳み、海外後発薬から退いて自社ADCへ賭け直した2015年の転換 詳細を読む★★★
眞鍋淳眞鍋淳氏が社長に就任
眞鍋淳北里第一三共ワクチンを完全子会社化
眞鍋淳第一三共バイオテックを設立
眞鍋淳エンハーツとアストラゼネカ提携——がん事業への転換自社創製の抗体薬物複合体を、なぜ英大手と最大69億ドルで組んだのか 詳細を読む★★★
眞鍋淳ジャパンワクチンを解散
奥澤宏幸奥澤宏幸氏が社長に就任
奥澤宏幸Merck(Merck & Co., Inc.)と戦略的提携★★
奥澤宏幸エンハーツ等が牽引しコア営業利益1953億円に急拡大
奥澤宏幸第一三共エスファを持分法適用関連会社化★★
奥澤宏幸ダトロウェイ(Dato-DXd)日本承認取得
奥澤宏幸ダトロウェイ米国承認取得
奥澤宏幸市販薬子会社・第一三共ヘルスケアのサントリーHDへの譲渡高収益の優良事業を、なぜ2,465億円で手放すのか——革新的医薬への集中をめぐる選択 詳細を読む★★★
出典・参考
  • 日本経済新聞 2020年1月24日「統合15年の通信簿 アステラス安定、成長は第一三共」
  • 週刊東洋経済 2005年3月5日号「ニュース最前線 再編ラッシュの製薬業界 三共、第一に続くのはどこだ 注目される首位・武田薬品の動き」
  • ミクスOnline 2005年2月25日「第一・三共 経営統合を発表、07年4月医療用事業新会社へ」
  • 第一三共株式会社 有価証券報告書 第1期(2006年6月29日提出)「5【経営上の重要な契約等】(1) 経営統合契約」
  • 公正取引委員会(平成17年度:事例4)「三共株式会社及び第一製薬株式会社による共同持株会社の設立について」
  • 第一三共株式会社 プレスリリース 2005年9月28日「第一三共株式会社の設立について」
  • 薬事日報ウェブサイト 2006年12月1日「三共と第一製薬が正式に合併契約締結」
  • 週刊東洋経済 2005年11月19日号「特集 2010年の最強企業 医薬・バイオ 第一三共誕生でもなお厚い世界の壁 武田でも世界14位 避けられない業界再々編」
  • 週刊東洋経済 2006年2月4日号「ビジネスリポート02 夢よもう一度 三共「メバロチン」再生計画」
  • 第一三共 有価証券報告書(2006年3月期・連結)
  • 第一三共 有価証券報告書(2008年3月期・連結)
  • 週刊東洋経済 2008年6月28日号「スペシャルリポート01 インド製薬最大手を決意の買収 第一三共が仕掛けるM&Aの新方程式」
  • 週刊東洋経済 2008年7月19日号「TOP INTERVIEW 庄田隆 第一三共社長 後から追う存在ではなく産業を変える企業でいたい」
  • 第一三共 有価証券報告書【沿革】
  • 週刊東洋経済 2009年1月17日号「NEWS TOP404 医薬 第一三共に巨額特損 印製薬買収で大誤算」
  • 週刊東洋経済 2014年6月7日号「特集 企業買収 死屍累々の海外大型M&A 和製M&A失敗の研究」
  • 週刊東洋経済 2014年2月7日号「核心リポート02 インド拠点で禁輸措置 第一三共M&Aの蹉跌」
  • 第一三共 有価証券報告書(2009年3月期・連結)
  • 日本経済新聞(2014年4月7日)「第一三共、子会社ランバクシーがインド後発薬大手に吸収合併」
  • 週刊東洋経済 2015年5月8日号「核心リポート05 インド問題終結でも第一三共に次なる試練」
  • 日本経済新聞(2014年4月7日)「第一三共、失策続きの6年 印子会社を実質売却」
  • 第一三共 有価証券報告書(役員の状況)
  • 週刊東洋経済 2010年6月26日号「TOP INTERVIEW 第一三共次期社長 中山讓治 有力新薬を相次ぎ投入し国内ナンバーワン目指す」
  • 週刊東洋経済 2015年7月10日号「クスリ最前線 PART2 INTERVIEW もう一度新薬で勝負する 第一三共 社長兼CEO 中山讓治」
  • 第一三共 有価証券報告書(2015年3月期・連結)
  • 週刊東洋経済 2020年12月19日号「第1特集 製薬 大リストラ Part2 製薬企業の苦闘 自社開発の大型新薬に期待 第一三共がん新薬で反転攻勢」
  • 週刊東洋経済 2024年10月5日号「特集 製薬サバイバル Part2 活路を探る 日の丸製薬 第一三共 特大ヒット薬はたった4人のチームから生まれた 究極のボトムアップで「がんの企業」へ変貌」
  • 第一三共 公式サイト(採用・DXd ADC技術)
  • 週刊東洋経済 2018年6月16日号「第1特集 製薬大再編 Part2 厳しくなる収益環境 製薬会社サバイバル 中途半端な存在感 アステラス製薬と第一三共が統合する日」
  • 第一三共 有価証券報告書(2018年3月期・連結)
  • ミクスOnline(2019年3月29日)「第一三共・中山会長が会見 AZ社とDS-8201で戦略提携 受領対価は総額7590億円」
  • 第一三共 プレスリリース(2019年3月29日)「トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201)に関するアストラゼネカとのグローバル開発及び販売提携のお知らせ」
  • 第一三共 有価証券報告書 第15期(2020年3月期)
  • 第一三共 有価証券報告書 第14期(2019年3月期)
  • 第一三共 有価証券報告書(2020年3月期・連結)
  • 第一三共 決算説明会 補足資料(製品別売上収益)
  • 週刊東洋経済 2022年8月6日号「ニュース最前線03 第一三共を支える乳がん薬 投与対象拡大に高まる期待」
  • 第一三共 有価証券報告書(2024年3月期・連結)
  • 第一三共 有価証券報告書(従業員の状況)
  • 第一三共 ニュースリリース(2023年10月20日)「Merck社とのDXd ADC 3製品に関する戦略的提携について」
  • 第一三共 決算説明会資料(FY2024)
  • 第一三共 ニュースリリース(2024年12月)「Glycotope社からのgatipotuzumabに関する知的財産権取得について」
  • 第一三共 ニュースリリース(2025年)「ダトロウェイの日本・米国・欧州における承認取得について」
  • 週刊東洋経済 2026年5月2日号「ニュース&トピックス最前線 第一三共の市販薬事業 サントリーに売却の深層」
  • 第一三共「第一三共ヘルスケアの株式譲渡(連結子会社の異動)に関するお知らせ」(2026年4月15日)
  • 日刊薬業(2025年4月25日)「【決算】第一三共絶好調、17.8%増収 純利益47.3%増、エンハーツが牽引」
  • 第一三共 有価証券報告書(2026年3月期・連結・IFRS)
  • 日本経済新聞(2025年6月3日)「第一三共社長、主力抗がん剤「より早期の治療で使用へ」」

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