ネクソン の歴史

更新:

創業

2002年

創業者

金正宙

創業地

韓国ソウル市

直近売上高(2025/12)

4,751億円

長期業績と転換点(2007/12〜2025/12)
売上高(億円純利益率(%)
Q なぜ2005年に子会社が親会社を飲み込む親子逆転を選んだのか
A 日本子会社が韓国の親会社を飲み込んだのは、韓国発の事業を日本の法人格で束ねて国際展開するためである。2005年10月、韓国の親会社がPCオンライン事業を会社分割で新NEXON Corporation(現NEXON Korea)に切り出し、その全株式を日本法人へ譲渡した。子会社が事業中核を逆に取り込み、東京に事業持株会社、ソウルに開発会社という二極体制が定まった。創業家・金正宙氏の資産管理会社NXCを最上位に置く三層構造も、この一手で組み上がった
Q なぜ2008年にNEOPLEを買収し『アラド戦記』を取り込んだのか
A 韓国の一IPを取り込んだ買収が、グループ収益の柱へ育つと見込んだためである。2008年8月、子会社NEXON KoreaがNEOPLE INC.を買収した。同社が開発する『アラド戦記』(中国名Dungeon&Fighter)は、テンセントが2008年に中国でパブリッシングを担い、利用者を広げた。開発は韓国・配信は中国・計上は日本という三カ国分業の結果、2008年通期402億円だった売上は2012年に1,084億円へ2.7倍に拡大した。
Q なぜ2022年に映画会社AGBOへ出資し近年に株主還元を急拡大したのか
A 既存IPに依存した稼ぎを、ゲーム外のIP拡張と株主還元へ同時に振り向けるためである。2022年1月、ネクソンはルッソ兄弟の映像スタジオAGBOへ4億ドルを出資し株式38%を取得したが、2023年12月期第4四半期に444億円を減損した。並行して還元規模を引き上げ、2024年に3年間で総額1,000億円、2025年にさらに1年間で1,000億円の自己株式取得を相次いで決議し、前年営業利益の33%以上を還元する数値ルールも敷いた

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2002年〜 韓国IPの日本上陸と親子逆転と事業基盤の拡充

ネクソンの業績推移:連結

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 2002年 ネクソンジャパンを設立
  2. 2003年 ソリッドネットワークスから日本におけるオンラインゲーム事業を譲受
  3. 2004年 中国・Lexian Software Developmentを設立
  4. 2005年 子会社が親会社の事業中核を逆に取り込んだ「親子逆転」再編 東京の代理店にすぎなかった日本法人は、なぜ韓国本社の主力事業ごと引き受けたのか
  5. 2005年 NEXON Koreaが『メイプルストーリー』をWizetから譲受
  6. 2008年 NEXON KoreaがNEOPLE INC.を買収し子会社化
  7. 2011年 韓国発祥のオンラインゲーム会社が選んだ東京証券取引所への上場 資金調達だけなら米ナスダックもあったはずが、崔承祐社長はなぜ「ゲームのメッカ」を選んだのか

東京で生まれた会社が、なぜ韓国本社を買収したのか

2002年12月、韓国NEXON Corporation(現NXC Corporation)が東京都中央区に株式会社ネクソンジャパンを設立した。当初は日本代理店として設計されたが、2003年1月に既存の日本法人ソリッドネットワークス(旧ネクソンジャパン)からオンラインゲーム事業を譲り受け、独立した運営主体として動き出した。韓国本社が開発したタイトルを日本市場で配信するという役割を担いつつ、運営実務は日本法人の裁量で回す形が整えられた。ローカライズ、課金運用、カスタマーサポートを日本で担い、タイトル供給を韓国に依存する関係は、以後20年以上にわたって地域をまたぐ分業の基本形として続いた。開発は韓国、運営は日本という分業の原型がここで生まれ、後年のグループ構造の下地となる設計が固まっている。 [1][2][3]

  • ネクソン 有価証券報告書 第N期【沿革】
    • [1]2002年12月 韓国NEXON Corporation(現NXC Corporation)が東京都中央区に㈱ネクソンジャパンを設立
    • [2]2003年1月 ソリッドネットワークス(旧ネクソンジャパン)からオンラインゲーム事業を譲受
    • [3]設立母体は旧NEXON Corporation(現NXC Corporation)、譲受元はソリッドネットワークス(旧ネクソンジャパン)

転機は2005年10月に訪れた。韓国の親会社がPCオンライン事業を会社分割で新NEXON Corporation(現NEXON Korea)に切り出し、その全株式を日本法人に譲渡した。子会社が親会社の事業中核を逆に飲み込む形となり、日本法人がグループの事業持株会社、韓国法人が開発拠点という現在まで続く構造が定まった。通常の日本企業の海外進出とは逆向きに、韓国発のビジネスを日本の法人格で束ねて国際展開するという設計が、この一手で定まった。以後の上場や買収はすべて、この東京持株・ソウル開発の二極体制の上で動いた。創業家である金正宙の資産管理会社が日本法人の親会社として残り、事業の上位に投資持株、その下に日本の事業持株、さらに下に韓国の開発会社という三層構造が組み上がった。 [4][5][6]

  • ネクソン 有価証券報告書 第N期【沿革】
    • [4]2005年10月 韓国の親会社がPCオンライン事業を会社分割で新NEXON Corporation(現NEXON Korea)に切り出し、その全株式を日本法人に譲渡(親子逆転)
    • [5]日本法人がグループの事業持株会社、韓国法人が開発拠点という構造が確立
    • [6]創業家・金正宙の資産管理会社NXCを最上位に、東京の事業持株会社ネクソン、韓国の開発会社の三層構造
  • ネクソン 有価証券報告書 第N期【沿革】
    • [1]2002年12月 韓国NEXON Corporation(現NXC Corporation)が東京都中央区に㈱ネクソンジャパンを設立
    • [2]2003年1月 ソリッドネットワークス(旧ネクソンジャパン)からオンラインゲーム事業を譲受
    • [3]設立母体は旧NEXON Corporation(現NXC Corporation)、譲受元はソリッドネットワークス(旧ネクソンジャパン)
    • [4]2005年10月 韓国の親会社がPCオンライン事業を会社分割で新NEXON Corporation(現NEXON Korea)に切り出し、その全株式を日本法人に譲渡(親子逆転)
    • [5]日本法人がグループの事業持株会社、韓国法人が開発拠点という構造が確立
    • [6]創業家・金正宙の資産管理会社NXCを最上位に、東京の事業持株会社ネクソン、韓国の開発会社の三層構造

『メイプルストーリー』と『アラド戦記』という2本の柱の獲得

事業持株会社化の直後、2005年12月にNEXON KoreaがWizet Corporationから『メイプルストーリー』を譲り受け、IPを自社グループに取り込んだ。さらに2006年8月にはMPlay Gamesから『カートライダー』『BnB』を譲受し、無料プレイ+アイテム課金という当時新しかったビジネスモデルを韓国市場で広く展開する基盤を整えた。パッケージ販売が主流だった時代に、月額課金でもなく無料で遊べて課金はアイテム単位という設計は、韓国のブロードバンド普及とネットカフェ文化を前提に成立したものだった。この料金モデルは後年のスマホゲームにも受け継がれる雛形となり、ネクソンは原型を持つ側として運営ノウハウを蓄積した。買収した3タイトルはいずれもライブサービスとして継続運営可能な設計であり、長期運営前提のIPを外部からまとめて取り込む動きが集中している。 [7][8][9]

  • ネクソン 有価証券報告書 第N期【沿革】
    • [7]2005年12月 NEXON KoreaがWizet Corporationから『メイプルストーリー』を譲受
    • [8]2006年8月 NEXON KoreaがMPlay Gamesから『カートライダー』『BnB』を譲受
    • [9]譲受した3タイトルは無料プレイ+アイテム課金のライブサービスIP

決定的だったのは2008年8月のNEOPLE INC.買収だった。同社が開発する『アラド戦記』(中国名Dungeon&Fighter)は、後にテンセントが中国でパブリッシングし、ネクソン全体の収益を支える主力IPに育つ。2008年通期の売上402億円から2012年には1,084億円へと2.7倍に拡大し、日本法人ネクソンは東京都中央区にありながら、業績の大半を韓国・中国で稼ぐ会社となった。買収時点では韓国で一定のヒットを持つ一IPの取得だったが、テンセントとの中国パブリッシング契約を経て、グループ収益の重心そのものを中国市場へ引き寄せる結果となり、地理的なねじれは一段と深まる。開発は韓国のネオプル、パブリッシングは中国のテンセント、ロイヤリティの受け皿は日本の上場会社という三カ国構成が、単一IPの周囲に組み上がる構図となった。 [10]

  • ネクソン 有価証券報告書 第N期【沿革】
    • [10]2008年8月 NEXON KoreaがNEOPLE INC.を買収し子会社化(『アラド戦記』=Dungeon&Fighter の開発元)
  • ネクソン 有価証券報告書 第N期【沿革】
    • [7]2005年12月 NEXON KoreaがWizet Corporationから『メイプルストーリー』を譲受
    • [8]2006年8月 NEXON KoreaがMPlay Gamesから『カートライダー』『BnB』を譲受
    • [9]譲受した3タイトルは無料プレイ+アイテム課金のライブサービスIP
    • [10]2008年8月 NEXON KoreaがNEOPLE INC.を買収し子会社化(『アラド戦記』=Dungeon&Fighter の開発元)

2011年12月、東証一部上場という選択

2009年4月、株式会社ネクソンジャパンは株式会社ネクソンに商号変更し、グループ事業持株会社としての位置づけを対外的に示した。2011年2月には新NEXON CorporationがNEXON Korea Corporationへ商号を改め、グループ内のブランド体系も整理した。ネクソンという同じ看板を東京の持株会社とソウルの開発会社が分けて掲げる体制へ整え、投資家や取引先から見た法人関係をわかりやすくする意図がうかがえる。商号と資本関係の整理が先行して進み、翌年末の上場に向けた地ならしとしての性格が強い局面だった。日本法人が事業会社としてのネクソンを担い、韓国法人が開発拠点としてのネクソン・コリアを担うという役割分担が、法人名のレベルで外部から読み取れた。 [11][12]

  • ネクソン 有価証券報告書 第N期【沿革】
    • [11]2009年4月 ㈱ネクソンジャパンが㈱ネクソンに商号変更(事業持株会社化を対外明示)
    • [12]2011年2月 新NEXON CorporationがNEXON Korea Corporationへ商号変更

そして2011年12月、ネクソンは東京証券取引所市場第一部に上場した。韓国発祥のオンラインゲーム事業主体が日本市場で上場するという異例の構造のなか、上場時点の経営トップは社長の崔承祐(チェ・スンウ)が務めた。1994年に旧NEXON Corporationを創業した金正宙(キム ジョンジュ)は親会社NXC側に残り、経営の前線は専門経営者が担う体制で上場を迎えた。FY11の売上は876億円、営業利益382億円。地域別では韓国セグメントが631億円・利益337億円と日本の約5倍に達し、日本はわずか130億円・利益22億円にとどまった。上場会社の本籍と稼ぎ頭の地理的不一致は、以降のネクソンを最も特徴づける要素となり、投資家に対しては毎四半期、韓国と中国の数字を日本の開示フォーマットで説明する構図が定着した。通貨・会計基準・言語のいずれも本籍地と主戦場でずれる前提のうえに、上場会社としての透明性を確保する経営方針が、この上場を起点に重要な課題となり続けた。 [13][14][15]

2013年〜 マホニー時代とIP集中路線と事業基盤の拡充

ネクソンの業績推移:連結

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 2014年 オーウェン・マホニーが代表取締役社長に就任
  2. 2015年 NEXON TAIWANを設立
  3. 2016年 N Media Platformを子会社化
  4. 2016年 営業利益が前年比35%減の406億円に減少
  5. 2018年 営業利益983億円・当期純利益1,076億円で過去最高水準を記録
  6. 2018年 本社を移転
  7. 2019年 Embark Studios AB(スウェーデン)を子会社化

米国人プロ経営者が選んだゲームへの集中戦略

2014年3月、米国出身のオーウェン・マホニーが代表取締役社長に就任した。1999年にグループへ入社した生え抜きの崔承祐から外部プロ経営者へのバトンタッチであり、グループ全体の戦略言語が変わった。マホニーは後年、深い没入感を提供するゲーム、すなわち習得は簡単だが極めるのが難しいゲームのみに集中する方針を語り、カジュアルやシングルプレイヤー・ストーリー主体のタイトルを選別対象から外す姿勢を示した。マホニー体制の下で、事業ポートフォリオは少数のライブサービスIPを長く運営する会社という輪郭に寄せられた。 [16][17]

  • ネクソン 有価証券報告書 第N期【役員の状況】
    • [16]2014年3月 米国出身のオーウェン・マホニーが代表取締役社長に就任(1999年入社の生え抜き崔承祐から外部プロ経営者へ交代)
    • [17]マホニーは『深い没入感を提供するゲーム、習得は簡単だが極めるのが難しいゲームのみに集中する』方針を表明

この方針はIFRS適用後のFY13の業績にも表れ、売上1,553億円・営業利益507億円のうち、韓国セグメントが1,064億円・利益562億円とグループ収益の大半を占めた。一方で北米セグメントは赤字のまま推移し、地域別の収益格差はむしろ広がる方向にあった。IPの数を増やすのではなく、既存IPを深く運用する路線が業績と戦略の両面に定着し、新規タイトルのグリーンライト基準もライブサービスとしての継続可能性に寄った。少数IPで稼いだ利益を既存IPの延命と次世代パイプラインに振り向けるサイクルが、制度化された。運営期間10年以上を視野に入れた開発前提の下で、短期的なヒット狙いのタイトルよりも、長期アップデートを前提とした設計のタイトルを優先する判断が日常化した。 [18]

  • ネクソン 有価証券報告書 第N期(2013年12月期)【主要な経営指標等の推移】
    • [18]FY13 売上1,553億円・営業利益507億円
  • ネクソン 有価証券報告書 第N期【役員の状況】
    • [16]2014年3月 米国出身のオーウェン・マホニーが代表取締役社長に就任(1999年入社の生え抜き崔承祐から外部プロ経営者へ交代)
    • [17]マホニーは『深い没入感を提供するゲーム、習得は簡単だが極めるのが難しいゲームのみに集中する』方針を表明
  • ネクソン 有価証券報告書 第N期(2013年12月期)【主要な経営指標等の推移】
    • [18]FY13 売上1,553億円・営業利益507億円

2015年・2018年の業績ピークと2016年の踊り場

FY15に売上1,902億円・営業利益622億円・純利益551億円とそれまでの過去最高を更新したが、翌FY16は売上1,831億円・営業利益406億円・純利益201億円へ後退した。韓国セグメントは引き続き1,531億円・利益745億円と堅調だったが、北米セグメントは48億円の赤字に拡大し、グローバル展開の難しさが業績面で表面化した。韓国・中国の主力IPが稼ぐ利益を北米・欧州のタイトル開発に投じても、同地域の市場で収益化まで結びつかないというパターンが、セグメント別の数字に浮かび上がる。地理的偏在は上場当初からの課題として残り続けた。業績のピークと踊り場が1年おきに入れ替わる振れ幅の大きさは、少数IPへの集中と表裏一体の現象として、繰り返し顔を出すようになる。

その後はNEOPLEを中核とする中国『アラド戦記』の成長を取り込み、FY18には売上2,537億円・営業利益983億円・純利益1,076億円と一段高い水準に到達した。FY19も売上2,485億円・営業利益945億円・純利益1,156億円と高水準を維持し、コロナ禍に入ったFY20には売上2,930億円・営業利益1,114億円で過去最高を更新した。マホニーは全インタラクティブメディアに活用できるグローバルIPを持つ企業がエンタテインメントの最大の勝者になると語り、エンタテインメントがオフラインからオンラインへ、映画や音楽のような一方向フォーマットからゲームやTikTokのような双方向メディアへ移行しているという業界シフトを示した。収益の柱は少数のフランチャイズに寄り、フランチャイズ外タイトルの比率は相対的に下がった。 [19]

Embark Studios買収とパイプラインの仕込み

2018年6月、NEXON KoreaがNAT GAMES(現NEXON Games)の株式を追加取得して子会社化し、開発スタジオ体制を内製化した。2019年7月には、ストックホルムを拠点とするEmbark Studios ABの株式を追加取得して子会社化した。後に『THE FINALS』『ARC Raiders』を手掛けるEmbarkは、欧米市場向けシューターという、ネクソンが得意としてこなかった領域への人材取得という性格が強い買収だった。既存3大フランチャイズの運営で稼ぐ体制とは別に、欧米発の新規IPを仕込むための開発機能をグループ内に置く構図が、この一連の買収で形づくられた。韓国とスウェーデンという地理的に離れた開発拠点を同時に抱える体制は、既存IPの深耕と新市場向けの仕込みを並行で回すための設計として動き出した。運営で稼いだ原資を欧米の開発機能に振り向ける構造が、組織図の上にも明示された。 [20][21]

  • ネクソン 有価証券報告書 第N期【沿革】
    • [20]2018年6月 NEXON KoreaがNAT GAMES(現NEXON Games)の株式を追加取得して子会社化(開発内製化)
    • [21]2019年7月 ストックホルム拠点のEmbark Studios AB の株式を追加取得して子会社化(後に『THE FINALS』『ARC Raiders』を手掛ける)

2022年2月には、3年間で総額1,000億円を上限とする自己株式取得方針を公表し、同年4月の東証プライム市場移行後はガバナンスと還元の枠組みが整った。FY22の売上は3,537億円・営業利益1,036億円・純利益1,003億円。3大フランチャイズへの集中で稼ぎ、その利益を新作開発と株主還元に振り向けるサイクルが形になった一方、収益の地理的偏在は変わらず、グループ全体としては中国・韓国に依存したまま規模を拡大していた。マホニー体制の10年は、IPの選別・既存IPの深耕・開発力の補強・還元強化という4つの軸を並行して回す期間であり、その骨格を引き継ぐ形で次の経営体制が発足した。 [22][23]

  • ネクソン 適時開示(自己株式取得に係る事項の決定, 2022年2月)
    • [22]2022年2月 3年間で総額1,000億円を上限とする自己株式取得方針を公表
  • ネクソン 有価証券報告書 第N期【沿革】
    • [23]2022年4月 東証の市場区分見直しでプライム市場へ移行
  • ネクソン 有価証券報告書 第N期【沿革】
    • [20]2018年6月 NEXON KoreaがNAT GAMES(現NEXON Games)の株式を追加取得して子会社化(開発内製化)
    • [21]2019年7月 ストックホルム拠点のEmbark Studios AB の株式を追加取得して子会社化(後に『THE FINALS』『ARC Raiders』を手掛ける)
    • [23]2022年4月 東証の市場区分見直しでプライム市場へ移行
  • ネクソン 適時開示(自己株式取得に係る事項の決定, 2022年2月)
    • [22]2022年2月 3年間で総額1,000億円を上限とする自己株式取得方針を公表

2023年〜 新経営体制とFY27経営目標と事業基盤の拡充

ネクソンの業績推移:連結

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 2024年 売上収益4,462億円で過去最高を更新
  2. 2024年 イ・ジョンホンが代表取締役社長に就任
  3. 2024年 『アラド戦記モバイル』を配信開始
  4. 2024年 新規IP『The First Descendant』を配信開始

2024年、ふたたび韓国開発出身者がトップに座る

2024年3月、NEXON Korea出身のイ・ジョンホンが代表取締役社長に就任した。マホニーから10年ぶりのトップ交代であり、外部プロ経営者から開発現場と地続きの経営者への揺り戻しという意味を持つ人事だった。植村士朗がCFOとして並び、新体制は2024年5月の第1四半期決算から発信を始めた。経営言語は引き続き「IP集中」だが、韓国開発出身のCEOが語ることで、個別タイトルの運営判断に直接踏み込む経営スタイルへ傾斜した。日本の上場会社としての開示規律は維持しつつ、事業の意思決定の重心をソウル側の開発現場にさらに寄せる体制が、ここで整った。生え抜き・外部プロ経営者・韓国開発出身者という3つのバックグラウンドを、同じ事業持株会社が経営層として回していく構図が、ここで揃った。 [24]

  • ネクソン 有価証券報告書 第N期【役員の状況】
    • [24]2024年3月 NEXON Korea出身のイ・ジョンホンが代表取締役社長に就任(2023年3月は取締役就任。マホニーから10年ぶりのトップ交代)

新体制が引き継いだ課題は明確だった。2023年第4四半期以降に発生した中国『アラド戦記』と韓国『メイプルストーリー』という2大主力タイトル両方の停滞である。FY24-1Q決算でCEOは5つのプライオリティを示し、その第1項目をFY23-4Q以降に発生した課題への早急な原因究明と対策に据えた(決算説明会 FY24-1Q)。新規IPの投入や長期目標の設計より先に、既存の稼ぎ頭が失速した理由を特定し、運営体制とコンテンツ供給の両面で立て直すことを最優先に据える方針が示された。二つの柱の一方が揺らぐだけでグループ全体の業績が動く構造への対応が、新体制の最初の仕事となった。稼ぎ頭である2タイトルに同時に綻びが見えた局面で、まず原因究明に戻るという順序を選んだこと自体が、開発出身の経営者による意思決定の性格を反映している。 [25][26]

  • ネクソン 決算説明会 FY24-1Q
    • [25]2023年第4四半期以降、中国『アラド戦記』と韓国『メイプルストーリー』の2大主力タイトルが停滞
    • [26]FY24-1Q決算でCEOが5つのプライオリティを示し、第1項目をFY23-4Q以降の課題の原因究明と対策に据えた
  • ネクソン 有価証券報告書 第N期【役員の状況】
    • [24]2024年3月 NEXON Korea出身のイ・ジョンホンが代表取締役社長に就任(2023年3月は取締役就任。マホニーから10年ぶりのトップ交代)
  • ネクソン 決算説明会 FY24-1Q
    • [25]2023年第4四半期以降、中国『アラド戦記』と韓国『メイプルストーリー』の2大主力タイトルが停滞
    • [26]FY24-1Q決算でCEOが5つのプライオリティを示し、第1項目をFY23-4Q以降の課題の原因究明と対策に据えた

5月21日ローンチが変えた中国市場の景色

2024年5月21日、テンセントをパブリッシャーとする『アラド戦記モバイル』が中国で配信を開始した。FY24-3Qで『アラド戦記』フランチャイズの合計売上収益は前年同期比142%増となり、フランチャイズ全体で過去最高水準を記録した(決算説明会 FY24-3Q)。同四半期の連結売上は1,356億円・営業利益515億円とともに過去最高を更新し、3大フランチャイズの合計売上は前年同期比15%増を示した。地域別では中国が42%・韓国が35%・北米欧州が13%・日本がわずか4%という構成比となり、単一タイトルのローンチが四半期業績の地域構成を塗り替える依存度の高さが、ここで一段と際立った。中国で稼いだロイヤリティを日本の決算に計上し、投資家には円建てで開示するという経路は、上場以来の構造そのままに、その規模と比率が一段引き上げられた形となる。 [27][28][29][30]

  • ネクソン 適時開示・IR(2024年5月)
    • [27]2024年5月21日 テンセントをパブリッシャーとする『アラド戦記モバイル』が中国で配信開始
  • ネクソン 決算説明会 FY24-3Q
    • [28]FY24-3Q『アラド戦記』フランチャイズ合計売上収益が前年同期比142%増(フランチャイズ全体で過去最高水準)
    • [29]FY24-3Q 連結売上1,356億円・営業利益515億円(ともに過去最高更新)
    • [30]FY24-3Q 地域別構成比は中国42%・韓国35%・北米欧州13%・日本4%

同時に7月2日に配信開始した新規IP『The First Descendant』は、グローバル売上の約75%を欧米市場が占め、ネクソンが長年苦戦した北米市場で新規IPの足場を初めて築いた。垂直方向の既存IP深耕と水平方向の新規IP投入という二面の戦略が、同一四半期の数字で裏付けられたのはこれが初めてだった。既存フランチャイズで稼いだ利益を欧米向け新作に投じ、回収までに10年近くを要した構図に対し、単一の新規IPがひとまず収益化に達する事例がようやく現れた。FY27の長期目標を支える水平方向の裏付けとして、同社が対外的に示せる手応えとなる結果である。北米市場で単発のヒットを出した会社はこれまでもあったが、継続運営を前提とするライブサービスとして欧米ユーザーに受け入れられるタイトルが生まれたことの意味は小さくない。 [31][32]

  • ネクソン IR(2024年7月)
    • [31]2024年7月2日 新規IP『The First Descendant』を配信開始
  • ネクソン 決算説明会 FY24-3Q
    • [32]『The First Descendant』はグローバル売上の約75%を欧米市場が占める
  • ネクソン 適時開示・IR(2024年5月)
    • [27]2024年5月21日 テンセントをパブリッシャーとする『アラド戦記モバイル』が中国で配信開始
  • ネクソン 決算説明会 FY24-3Q
    • [28]FY24-3Q『アラド戦記』フランチャイズ合計売上収益が前年同期比142%増(フランチャイズ全体で過去最高水準)
    • [29]FY24-3Q 連結売上1,356億円・営業利益515億円(ともに過去最高更新)
    • [30]FY24-3Q 地域別構成比は中国42%・韓国35%・北米欧州13%・日本4%
    • [32]『The First Descendant』はグローバル売上の約75%を欧米市場が占める
  • ネクソン IR(2024年7月)
    • [31]2024年7月2日 新規IP『The First Descendant』を配信開始

FY27経営目標 ── 売上7,500億円・営業利益2,500億円

2024年9月のキャピタル・マーケット・ブリーフィングで、ネクソンはFY23→FY27でCAGR15%の売上成長と7,500億円、CAGR17%の営業利益成長と2,500億円という長期経営目標を提示した。フランチャイズ別では『アラド戦記』をCAGR25%、『メイプルストーリー』をCAGR14%で成長させ、水平方向の新作IPで約1,000億円を上積みするという内訳まで示している(決算説明会 FY24-3Q)。既存2大IPでの深耕と新作での水平拡張を積み上げた合算として目標値を構成する組み立てで、どのIPがどれだけ伸びれば目標に届くかが外部からも点検できる形に置かれている。4年間で売上を7割強、営業利益を9割弱積み増すという強気の数字に、既存IPと新作の責任配分が明示されたことで、目標の進捗管理は四半期ごとの開示の水準で追える構造となった。 [33][34]

  • ネクソン 決算説明会 FY24-3Q
    • [33]2024年9月 キャピタル・マーケット・ブリーフィングでFY27経営目標を提示(FY23→FY27でCAGR15%売上7,500億円・CAGR17%営業利益2,500億円)
    • [34]フランチャイズ別では『アラド戦記』CAGR25%・『メイプルストーリー』CAGR14%、水平方向の新作IPで約1,000億円を上積み

同時にROE10%を最低基準・中長期15%目標とし、減損等を除く前年通期営業利益の33%以上を配当と自社株買いで還元するという、数値ルール化された株主還元方針を示した。FY24通期実績は売上4,462億円(過去最高、前期比5%増)、営業利益1,242億円(IP投資継続により前期比8%減)。社長は「高い目標ですが、当社はそれに怖気づくどころか、目標を達成するためのリーダーシップや戦略に間違いはないという自信を増している」(決算説明会 FY24-3Q)と述べ、長期投資による短期業績への影響を許容する方針を示した。利益目標・還元ルール・投資姿勢の3つを同時に数値で縛る開示スタイルは、外部プロ経営者時代からの延長線上にある。 [35][36]

  • ネクソン 決算説明会 FY24-3Q
    • [35]ROE10%を最低基準・中長期15%目標、減損等除く前年通期営業利益の33%以上を配当と自社株買いで還元
    • [36]社長(イ・ジョンホン)は『高い目標ですが、ネクソンはそれに怖気づくどころか、目標を達成するためのリーダーシップや戦略に間違いはないという自信を増している』と述べた(FY27目標への自信を表明)
  • ネクソン 決算説明会 FY24-3Q
    • [33]2024年9月 キャピタル・マーケット・ブリーフィングでFY27経営目標を提示(FY23→FY27でCAGR15%売上7,500億円・CAGR17%営業利益2,500億円)
    • [34]フランチャイズ別では『アラド戦記』CAGR25%・『メイプルストーリー』CAGR14%、水平方向の新作IPで約1,000億円を上積み
    • [35]ROE10%を最低基準・中長期15%目標、減損等除く前年通期営業利益の33%以上を配当と自社株買いで還元
    • [36]社長(イ・ジョンホン)は『高い目標ですが、ネクソンはそれに怖気づくどころか、目標を達成するためのリーダーシップや戦略に間違いはないという自信を増している』と述べた(FY27目標への自信を表明)

ネクソンの沿革2002〜2025年における主な出来事を抜粋

年月社長・CEO出来事重要度
ネクソンジャパンを設立
ソリッドネットワークスから日本におけるオンラインゲーム事業を譲受★★
中国・Lexian Software Developmentを設立
子会社が親会社の事業中核を逆に取り込んだ「親子逆転」再編東京の代理店にすぎなかった日本法人は、なぜ韓国本社の主力事業ごと引き受けたのか 詳細を読む★★★
NEXON Koreaが『メイプルストーリー』をWizetから譲受★★
NEXON Koreaが『カートライダー』『BnB』をMPlay Gamesから譲受
崔承祐NEXON KoreaがNEOPLE INC.を買収し子会社化★★
崔承祐ネクソンに商号変更
崔承祐NEXON COMMUNICATIONSを設立
崔承祐韓国発祥のオンラインゲーム会社が選んだ東京証券取引所への上場資金調達だけなら米ナスダックもあったはずが、崔承祐社長はなぜ「ゲームのメッカ」を選んだのか 詳細を読む★★★
オーウェン・マホニーオーウェン・マホニーが代表取締役社長に就任
オーウェン・マホニーNEXON TAIWANを設立
オーウェン・マホニーN Media Platformを子会社化
オーウェン・マホニー営業利益が前年比35%減の406億円に減少
オーウェン・マホニー営業利益983億円・当期純利益1,076億円で過去最高水準を記録
オーウェン・マホニー本社を移転
オーウェン・マホニーNEXON KoreaがNAT GAMESを子会社化
オーウェン・マホニーEmbark Studios AB(スウェーデン)を子会社化★★
オーウェン・マホニー売上収益2,930億円・営業利益1,114億円で過去最高を更新
オーウェン・マホニーNexon Filmed Entertainmentを設立
李政憲売上収益4,462億円で過去最高を更新
李政憲イ・ジョンホンが代表取締役社長に就任
李政憲『アラド戦記モバイル』を配信開始
李政憲新規IP『The First Descendant』を配信開始
李政憲『マビノギモバイル』を配信開始
出典・参考

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