オルガノ の歴史

創業

1946年

創業者

※山梨化学工業を改称

創業地

長野県諏訪市

直近売上高(2025/3)

1,633億円

長期業績と転換点(1997/3〜2026/3)
売上高(億円純利益率(%)
Q なぜ戦後すぐの1946年に、樹脂単体ではなく装置設計・据付まで一貫する業態で創業したのか
A 樹脂だけ渡しても顧客は純水という結果を得られず、値打ちは樹脂を充填した装置を設計・据付して純水を出すところにあり、そこを一貫で請け負える技術企業の需要が立ち上がっていた。陸軍軍医学校で研究を続けた丸山正武氏は1945年10月に三菱化成工業の樹脂を買い取って研究を再開し、1946年2月に毎時40リットルの脱塩水製造装置を完成させ、同年5月に長野県諏訪で日本オルガノ商会を発足させた。1951年に昭和電工大川工場へ納めた日量600トンの純水装置は、蒸溜水1トン500円を30円へ、人手18人を1人へ下げて業態の値打ちを実証した
Q なぜ2014年に、半世紀続けた地域販社の分散構造を本体直営へ一括統合したのか
A 顧客である各種産業の国内生産拠点が統廃合・海外移転へ動き、地域ごとに販社を置いて機動対応する利点が薄れたためである。オルガノは1959年の日本デグラモン設立以来、樹脂供給・装置設計・現地施工・メンテナンスの4機能を地域子会社へ分けて全国に配したが、市場環境の変化に応じて経営資源を集中し、市場での競争力を強めて中長期の事業拡大を図ると判断した。東ソーが41.2%を出資する親会社主導のもと、2014年4月にオルガノ北海道など地域販社7社を本体が一括吸収し、全国の営業・販売窓口を本社と支店に一本化した
Q なぜ2021年に、アジアに限られていた海外網へあえて米州を加えたのか
A 最先端半導体はTSMC・サムスン・インテルの3社へ寡占が進み、1工場の投資が数千億円から1兆円超へ膨らんで一棟あたりの超純水需要も跳ね上がった。加えて米国は安全保障の観点から半導体の自国生産を促し始めていた。内倉昌樹社長はアメリカを最先端技術が生まれる水処理装置の有望市場とみて、2021年9月にオルガノUSAを設立した。計画中の各社工場が2023〜25年に動き出すのを見据え、1986年のマレーシア以来アジアに限ってきた拠点網へ米州を加えて東南アジア・中国・米州の3極へ広げ、北米の受注を取りに行く布陣を先回りで敷いた

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1946年〜 諏訪発のイオン交換樹脂技術と地域販社網による全国展開

オルガノの業績推移:単体

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 1946年 山梨化学工業を日本オルガノ商会に商号変更し諏訪市で創業
  2. 1951年 米ローム・アンド・ハース社との提携とイオン交換樹脂アンバーライトの日本総代理店化 樹脂を他社から買い続けるか、供給元と直接組むか——装置専業の小さな会社が選んだ道
  3. 1954年 本社移転
  4. 1955年 本社移転
  5. 1959年 日本デグラモンを設立
  6. 1960年 日本水工(後のオルガノ関西)に資本参加
  7. 1961年 オルガノソフナー(後のオルガノ東京)を設立

山梨化学工業からの再出発と祖業のイオン交換樹脂事業

終戦でイオン交換樹脂の研究は一時中断したが、陸軍軍医学校薬剤部で主任研究者を務めた丸山正武氏は、その将来性を確信していた。三菱化成工業黒崎工場のイオン交換樹脂ダイヤイオンを買い取って1945年10月に研究を再開し、翌1946年2月には毎時40リットルの脱塩水製造装置を完成させた。その量産と普及のため、戦時下にイオン交換樹脂の応用研究を進めていた1941年7月設立の山梨化学工業を買収し、1946年5月1日、資本金5万円・社長丸山正武氏で長野県諏訪に日本オルガノ商会が発足した。イオン交換装置を主な営業品目とする日本で最初の会社であり、社名は当時イオン交換樹脂をオルガニック・ゼオライト(略してオルガノライト)と呼んだことに由来する。 [1][2][3][4][5]

  • オルガノ35年のあゆみ(オルガノ, 1981)
    • [1]創業者・初代社長は丸山正武(陸軍軍医学校薬剤部の主任研究者)
    • [2]三菱化成工業のイオン交換樹脂ダイヤイオンを購入し1945年10月研究再開、1946年2月に毎時40リットルの脱塩水製造装置を完成
    • [5]社名は「オルガニック・ゼオライト」(略称オルガノライト)に由来
  • オルガノ 有価証券報告書【沿革】
    • [3]1946年5月1日 資本金5万円で長野県諏訪に日本オルガノ商会が発足
    • [4]前身は1941年7月設立の山梨化学工業(戦時下にイオン交換樹脂の応用研究)

発足当初は奇祭御柱祭で知られる上諏訪の店の一隅を間借りし、その裏手で滅菌蒸溜水や注射薬の製薬と装置の加工・組立てを行う零細な所帯であった。終戦直後の極端な物資不足のなか、丸山社長以下の全役員がリュックサックに樹脂筒を詰めて超満員の列車に乗り込み、東京・大阪・名古屋へ売り込みと集金に歩く「全員セールス、全員製造、全員経理」の時代が続いた。それでも業績は1946年を起点に翌1947年で3倍、1951年には40倍へと急伸し、純水製造や薬品精製でイオン交換樹脂の工業利用が立ち上がる戦後復興期の需要をとらえた。樹脂単体ではなく、樹脂を充填した装置の設計から据付までを一貫して請け負う業態が、この時期に固まった。 [6][7]

  • オルガノ35年のあゆみ(オルガノ, 1981)
    • [6]創業当初は上諏訪の店の一隅を間借りし、製薬と装置加工を兼業(全員セールスの時代)
    • [7]業績は1946年比で1947年に約3倍、1951年に約40倍へ急伸(売上高1,216千円→48,473千円)
  • オルガノ35年のあゆみ(オルガノ, 1981)
    • [1]創業者・初代社長は丸山正武(陸軍軍医学校薬剤部の主任研究者)
    • [2]三菱化成工業のイオン交換樹脂ダイヤイオンを購入し1945年10月研究再開、1946年2月に毎時40リットルの脱塩水製造装置を完成
    • [5]社名は「オルガニック・ゼオライト」(略称オルガノライト)に由来
    • [6]創業当初は上諏訪の店の一隅を間借りし、製薬と装置加工を兼業(全員セールスの時代)
    • [7]業績は1946年比で1947年に約3倍、1951年に約40倍へ急伸(売上高1,216千円→48,473千円)
  • オルガノ 有価証券報告書【沿革】
    • [3]1946年5月1日 資本金5万円で長野県諏訪に日本オルガノ商会が発足
    • [4]前身は1941年7月設立の山梨化学工業(戦時下にイオン交換樹脂の応用研究)

大型装置と超純水で築いた技術的地歩

1951年、用水処理以外の広範な用途へ研究を広げるため、東京・本郷の菊富士ホテル戦災跡地を整地して東京研究所を建設し、初代所長に清水博氏が就いた。同年、昭和電工大川工場へ世界最大級となる日量600トンのモノベッド式純水製造装置を納入した。試運転では思わぬ不具合に昼夜兼行の改良を重ねたが、この装置の登場で、それまで1トンあたり500円を要した蒸溜水に対し純水は30円で得られ、18人を要した人手も1人の巡回で足りた。純水の製造コストと省力化を一変させたこの実績が、装置メーカーとしての技術的地歩を固めた。 [8][9][10]

  • オルガノ35年のあゆみ(オルガノ, 1981)
    • [8]1951年 東京研究所を本郷(菊富士ホテル戦災跡地)に建設、初代所長は清水博
    • [9]1951年 昭和電工大川工場に世界最大級の日量600トン(600T/D)モノベッド式純水製造装置を納入
    • [10]純水コストは蒸溜水1トン500円に対し純水1トン30円、人手は18人から1人へ

東京進出は本社移転に先んじて営業から始まった。1949年1月に営業所を千代田区へ開き、1951年1月には米国ローム・アンド・ハース社と提携してイオン交換樹脂の技術基盤を固めた。1952年から53年には葡萄糖・フォルマリンやストレプトマイシンの抽出精製装置へ応用を広げ、特殊液精製装置にも進出した。本社機能も1954年7月に東京都千代田区へ、翌1955年8月には研究所のある文京区へ移し、研究・営業・本社を東京に集める体制を早期に整えた。技術面では1957年、日本電気の協力を得て日本初の電子工業用高純度純水装置を完成させ、東芝・旭化成へと納入を広げた。これが超純水製造装置の始まりとなり、信越半導体や東京三洋など電子・半導体各社へ展開し、1972年からは逆浸透膜も採り入れた。発電所や化学工場向けに始まった純水技術が電子・半導体産業へ早くから接続し、後年の事業構造の方向を定めた。 [11][12][13][14][15][16][17]

  • 企業の歴史 : 明治百年(経済春秋社編, 1968)
    • [11]1949年1月 東京都千代田区に営業所を開設して営業活動を強化
    • [12]1951年1月 米国ローム・アンド・ハース社と提携
    • [13]1952〜53年に葡萄糖・甘蔗糖・フォルマリンやストレプトマイシン・ペニシリン・アルカロイド等の抽出精製装置を開発し特殊液精製装置に進出
  • オルガノ 有価証券報告書【沿革】
    • [14]1954年7月 本社を東京都千代田区へ移転
    • [15]1955年8月 本社を東京都文京区(本郷)へ移転
  • オルガノ35年のあゆみ(オルガノ, 1981)
    • [16]1957年 日本電気の協力で日本初の電子工業用高純度純水装置を完成、東芝・旭化成へ納入
    • [17]超純水を信越半導体・東京三洋など電子・半導体各社へ展開、1972年に逆浸透膜を導入
  • オルガノ35年のあゆみ(オルガノ, 1981)
    • [8]1951年 東京研究所を本郷(菊富士ホテル戦災跡地)に建設、初代所長は清水博
    • [9]1951年 昭和電工大川工場に世界最大級の日量600トン(600T/D)モノベッド式純水製造装置を納入
    • [10]純水コストは蒸溜水1トン500円に対し純水1トン30円、人手は18人から1人へ
    • [16]1957年 日本電気の協力で日本初の電子工業用高純度純水装置を完成、東芝・旭化成へ納入
    • [17]超純水を信越半導体・東京三洋など電子・半導体各社へ展開、1972年に逆浸透膜を導入
  • 企業の歴史 : 明治百年(経済春秋社編, 1968)
    • [11]1949年1月 東京都千代田区に営業所を開設して営業活動を強化
    • [12]1951年1月 米国ローム・アンド・ハース社と提携
    • [13]1952〜53年に葡萄糖・甘蔗糖・フォルマリンやストレプトマイシン・ペニシリン・アルカロイド等の抽出精製装置を開発し特殊液精製装置に進出
  • オルガノ 有価証券報告書【沿革】
    • [14]1954年7月 本社を東京都千代田区へ移転
    • [15]1955年8月 本社を東京都文京区(本郷)へ移転

地域販社網の全国整備と1985年東証一部指定替え

事業基盤の整備も並行して進んだ。1959年9月には販売子会社の起点となる日本デグラモン(現オルガノアクティ)を東京都文京区に設立し、製造主体の本体と販売・施工を担う別法人という、後の地域販社網の最初の形をつくった。上場に先立つ1960年4月には日本水工(後のオルガノ関西)へ資本参加し、1961年5月にオルガノソフナー(後のオルガノ東京)を設立、同年10月に東京証券取引所市場第二部へ上場した。1966年2月には商号をオルガノ株式会社へ変更し、英語商号Organoをそのまま社名に据えて対外ブランドを統一した。この間、生産面では1961年11月に埼玉県戸田市へ戸田工場を開設して各種装置の組立・発送と水処理薬品の製造を企業化し、資本金は同年までの9回の増資で4億円に達した。創業20年で東京・関西の販社と本社直営の樹脂・装置事業を組み合わせる、地域分散型の事業構造が形づくられた。 [18][19][20][21][22][23][24]

  • 企業の歴史 : 明治百年(経済春秋社編, 1968)
    • [18]1961年11月 埼玉県戸田市に戸田工場を開設し各種装置の組立・発送と水処理薬品類の製造を企業化
    • [19]1961年5月までに9回の増資を経て資本金4億円に到達
  • オルガノ 有価証券報告書【沿革】
    • [20]1959年9月 販売子会社の起点 日本デグラモン(現オルガノアクティ)を東京都文京区に設立
    • [21]1960年4月 日本水工(後のオルガノ関西)へ資本参加(1961年の設立・上場に先立つ)
    • [22]1961年5月 オルガノソフナー(後のオルガノ東京)を設立
    • [23]1961年10月 東京証券取引所市場第二部に上場
    • [24]1966年2月 商号をオルガノ株式会社に変更

1972年4月の九州オルガノ商事(後のオルガノ九州)設立を起点に、同年10月には北海道オルガノ商事(後のオルガノ北海道)を札幌市に設立し、地域販社網を全国へ広げた。1974年7月には丸栄工業へ資本参加してオルガノ工事(現オルガノプラントサービス)に商号変更し、樹脂・装置の販売だけでなく現地での施工・据付までを子会社で抱え込む垂直統合の体制を整えた。創業期の樹脂販売から、装置設計・現地施工・販売後メンテナンスまでを一貫して提供する企業へと業態を広げ、純水製造設備の総合的なパートナーという立ち位置をつくった。 [25][26][27]

  • オルガノ 有価証券報告書【沿革】
    • [25]1972年4月 九州オルガノ商事(後のオルガノ九州)を福岡市に設立
    • [26]1972年10月 北海道オルガノ商事(後のオルガノ北海道)を札幌市に設立
    • [27]1974年7月 丸栄工業に資本参加しオルガノ工事(現オルガノプラントサービス)に商号変更

1985年3月、東京証券取引所市場第一部へ指定替えとなり、創業から39年で大企業ステージへ歩を進めた。同年11月にはオルガノメンテナンスサービスを文京区に設立し、10年以上の長期使用を前提とする発電所・化学工場の純水設備で生じる樹脂交換・性能診断・装置改修の需要を、専門子会社として組織的に取り込んだ。地域販社網はその後も拡張を続け、2000年4月の東北オルガノ商事・中部オルガノ商事の設立で東日本・中部を覆い、同月にはいわき工場を福島県いわき市に開設してつくば工場(1989年11月開設)と並ぶ第2の生産拠点を整えた。樹脂供給・装置設計・現地施工・メンテナンスの4機能を全国へ配置する事業構造の骨格が、こうして固まった。 [28][29][30][31][32]

  • オルガノ 有価証券報告書【沿革】
    • [28]1985年3月 東京証券取引所市場第一部に指定替え
    • [29]1985年11月 オルガノメンテナンスサービスを文京区に設立(メンテ事業の子会社化)
    • [30]2000年4月 東北オルガノ商事・中部オルガノ商事を設立(仙台市・名古屋市)
    • [31]2000年4月 いわき工場(福島県いわき市)を開設
    • [32]つくば工場は1989年11月開設
  • 企業の歴史 : 明治百年(経済春秋社編, 1968)
    • [18]1961年11月 埼玉県戸田市に戸田工場を開設し各種装置の組立・発送と水処理薬品類の製造を企業化
    • [19]1961年5月までに9回の増資を経て資本金4億円に到達
  • オルガノ 有価証券報告書【沿革】
    • [20]1959年9月 販売子会社の起点 日本デグラモン(現オルガノアクティ)を東京都文京区に設立
    • [21]1960年4月 日本水工(後のオルガノ関西)へ資本参加(1961年の設立・上場に先立つ)
    • [22]1961年5月 オルガノソフナー(後のオルガノ東京)を設立
    • [23]1961年10月 東京証券取引所市場第二部に上場
    • [24]1966年2月 商号をオルガノ株式会社に変更
    • [25]1972年4月 九州オルガノ商事(後のオルガノ九州)を福岡市に設立
    • [26]1972年10月 北海道オルガノ商事(後のオルガノ北海道)を札幌市に設立
    • [27]1974年7月 丸栄工業に資本参加しオルガノ工事(現オルガノプラントサービス)に商号変更
    • [28]1985年3月 東京証券取引所市場第一部に指定替え
    • [29]1985年11月 オルガノメンテナンスサービスを文京区に設立(メンテ事業の子会社化)
    • [30]2000年4月 東北オルガノ商事・中部オルガノ商事を設立(仙台市・名古屋市)
    • [31]2000年4月 いわき工場(福島県いわき市)を開設
    • [32]つくば工場は1989年11月開設

1986年〜 東ソー41%出資下での地域販社統合とアジア展開

オルガノの業績推移:連結

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 1986年 オルガノSDN.BHD.を設立
  2. 1989年 オルガノ(タイランド)を設立
  3. 1989年 つくば工場を新設
  4. 1993年 オルガノ工事がオルガノ電工を吸収合併しオルガノプラントエンジニアリングに商号変更
  5. 1996年 オルガノプラントエンジニアリングがオルガノメンテナンスサービスを吸収合併
  6. 1996年 オルガノプラントサービスに商号変更
  7. 1997年 本社移転

1986年マレーシア進出から2000年代の中国本格進出へ

1986年1月、マレーシアにオルガノ(マレーシア)SDN.BHD.(現オルガノ(アジア))を設立し、東南アジア初進出を果たした。日本の半導体産業と電子部品産業が1980年代に東南アジアへ生産拠点を移すなか、現地の純水製造設備の需要が立ち上がっており、その需要を取り込む形での海外進出だった。1989年3月にはタイにオルガノ(タイランド)を設立し、東南アジア展開を拡大、同年11月には茨城県つくば市につくば工場を開設して国内主力生産拠点の整備も並走させた。創業40年の節目に、国内地域販社網の整備期から海外展開期へと事業の重心が移った。 [33][34][35]

  • オルガノ 有価証券報告書【沿革】
    • [33]1986年1月 マレーシアにオルガノ(マレーシア)SDN.BHD.(現オルガノ(アジア))を設立、東南アジア初進出
    • [34]1989年3月 タイにオルガノ(タイランド)を設立
    • [35]1989年11月 茨城県つくば市につくば工場を開設

1990年代を通じて樹脂・装置事業の構造調整が続いた。1993年4月にはオルガノ工事がオルガノ電工を吸収合併してオルガノプラントエンジニアリングへ商号を変更し、1996年4月には同社がオルガノメンテナンスサービスを吸収してオルガノプラントサービスとなった。施工系子会社とメンテナンス子会社の段階的統合により、装置販売後のアフターサービス事業を一社体制にまとめた。同期間、東ソー(旧東洋曹達工業)が筆頭株主としての地位を維持するなか、社長人事も東ソー出身者を中心に据える体制に切り替えられた。 [36][37][38]

  • オルガノ 有価証券報告書【沿革】
    • [36]1993年4月 オルガノ工事がオルガノ電工を吸収合併しオルガノプラントエンジニアリングへ商号変更
    • [37]1996年4月 同社がオルガノメンテナンスサービスを吸収しオルガノプラントサービスへ商号変更
  • オルガノ 有価証券報告書【大株主の状況】【役員の状況】
    • [38]筆頭株主は東ソー(旧東洋曹達工業)、社長人事も東ソー出身者中心

2003年9月、中国にオルガノ(蘇州)水処理有限公司を設立し、中国市場への本格進出を果たした。当時、中国本土では電子・半導体・液晶パネル工場の建設ラッシュが始まっており、純水・超純水の供給設備の需要が立ち上がっていた。蘇州を選んだ背景には、長江デルタの工業集積地帯で電子・半導体顧客が集中していたことがある。中国子会社設立から5年後の2008年には世界金融危機の影響で連結売上高が731億円(2009年3月期)から535億円(2010年3月期)へ27%減少したが、中国・東南アジアの拠点網は維持し、2010年8月にベトナム、2013年1月にインドネシアと、東南アジア網のさらなる拡張を続けた。 [39][40]

  • オルガノ 有価証券報告書【沿革】
    • [39]2003年9月 中国にオルガノ(蘇州)水処理有限公司を設立(中国本格進出)
    • [40]2010年8月 ベトナム、2013年1月 インドネシアに拠点設立(東南アジア網拡張)
  • オルガノ 有価証券報告書【沿革】
    • [33]1986年1月 マレーシアにオルガノ(マレーシア)SDN.BHD.(現オルガノ(アジア))を設立、東南アジア初進出
    • [34]1989年3月 タイにオルガノ(タイランド)を設立
    • [35]1989年11月 茨城県つくば市につくば工場を開設
    • [36]1993年4月 オルガノ工事がオルガノ電工を吸収合併しオルガノプラントエンジニアリングへ商号変更
    • [37]1996年4月 同社がオルガノメンテナンスサービスを吸収しオルガノプラントサービスへ商号変更
    • [39]2003年9月 中国にオルガノ(蘇州)水処理有限公司を設立(中国本格進出)
    • [40]2010年8月 ベトナム、2013年1月 インドネシアに拠点設立(東南アジア網拡張)
  • オルガノ 有価証券報告書【大株主の状況】【役員の状況】
    • [38]筆頭株主は東ソー(旧東洋曹達工業)、社長人事も東ソー出身者中心

2014年地域販社7社一括統合と東ソー主導ガバナンスの定着

2014年4月、オルガノ北海道・オルガノ東北・オルガノ東京・オルガノ中部・オルガノ関西・オルガノ九州・山下薬品の地域販社7社を、本体オルガノが一括で吸収合併した。1959年の日本デグラモン設立に始まる地域販社網の整備が、創業68年で本体への完全統合により集約され、グループ管理機構の簡素化と全国営業体制の一元化が同時に進んだ。販社網ガバナンス上、本体と販社の二重管理を解消し、商品供給・営業活動・顧客対応を本体直営に統一する効果があった。創業期から50年以上続いた地域販社網の分散構造は、2014年の一括統合で歴史的に閉じられた。 [41][42]

  • オルガノ 有価証券報告書【沿革】
    • [41]2014年4月 地域販社7社(北海道・東北・東京・中部・関西・九州・山下薬品)を本体オルガノが一括吸収合併
    • [42]地域販社網の起点は1959年の日本デグラモン設立

地域販社統合と並行して、東ソー(旧東洋曹達工業)の資本関与は維持された。FY15(2016年3月期)時点で東ソー株式会社が発行済株式の41.2%(23,877,000株)を保有する筆頭株主であり、その後も4割超の出資を保ち、近年はFY24(2025年3月期)の約44%まで緩やかに上昇している。2010年代前半に社長を務めた内田裕行氏(FY10〜FY13)、続く鯉江泰行氏(FY14〜FY17)、内倉昌樹氏(FY18〜FY20)、現任の山田正幸氏(FY21〜)はいずれも東ソー(または旧東洋曹達工業)入社の経歴で、親会社東ソーの各事業ラインから順次社長が送り込まれる人事の系譜が定着した。連結子会社のままで上場を維持する親子上場体制が、東ソーの4割超出資と残る市場流通分という構造で続いている。 [43]

  • オルガノ 有価証券報告書【役員の状況】
    • [43]2010年代前半以降の社長:内田裕行(FY10〜FY13)・鯉江泰行(FY14〜FY17)・内倉昌樹(FY18〜FY20)・山田正幸(FY21〜)はいずれも東ソー(旧東洋曹達工業)入社

樹脂・装置事業の構成は、機能商品事業(樹脂・薬剤)と水処理エンジニアリング事業(装置設計・施工)の二本立てに整理された。FY14(2015年3月期)の水処理エンジニアリング事業売上は533億円で、機能商品事業の153億円を3倍以上上回り、装置事業が本体収益の柱として固まった。一方で機能商品事業は安定した収益性を持ち、為替効果と海外売上比率拡大で営業利益率が継続改善する基盤事業の役割を担った。樹脂単体販売から装置事業中心、装置事業の中でも電子・半導体向け超純水・薬液供給設備が中核という、現在のセグメント構造の原型が2010年代前半に固まった。

  • オルガノ 有価証券報告書【沿革】
    • [41]2014年4月 地域販社7社(北海道・東北・東京・中部・関西・九州・山下薬品)を本体オルガノが一括吸収合併
    • [42]地域販社網の起点は1959年の日本デグラモン設立
  • オルガノ 有価証券報告書【役員の状況】
    • [43]2010年代前半以降の社長:内田裕行(FY10〜FY13)・鯉江泰行(FY14〜FY17)・内倉昌樹(FY18〜FY20)・山田正幸(FY21〜)はいずれも東ソー(旧東洋曹達工業)入社

2014年〜 半導体・電子工場用水で取り込んだ構造的成長

オルガノの業績推移:連結

売上高(億円)純利益率(%)
  1. 2014年 地域販社7社(北海道・東北・東京・中部・関西・九州・山下薬品)を吸収合併
  2. 2021年 オルガノUSA Inc.を設立
  3. 2022年 プライム市場へ移行
  4. 2024年 オルガノエコテクノを吸収合併

半導体・パネル製造向け超純水需要の取り込みと営業利益の急拡大

2014年の地域販社7社統合以降、連結業績は緩やかな拡大基調に転じた。FY14(2015年3月期)の売上高は687億円・営業利益24億円だったが、FY18(2019年3月期)には売上922億円・営業利益66億円へ約2.7倍の利益伸長を示した。背景には、半導体・液晶パネル・有機ELパネルの製造ラインで使用される超純水・薬液供給設備の需要拡大があり、世界的な半導体投資の活発化が水処理装置メーカーへの発注を押し上げた。1986年のマレーシア進出以来30年にわたる東南アジア・中国の拠点網が、半導体投資の地理的シフトに合わせて受注を取り込んだ。 [44]

  • オルガノ 有価証券報告書【沿革】
    • [44]1986年のマレーシア進出以来の東南アジア・中国拠点網

FY20(2021年3月期)以降は半導体不足・電子部品需要の急増で業績の伸びが加速した。FY20の売上高は1,006億円・営業利益96億円、FY21(2022年3月期)は1,120億円・営業利益109億円、FY22(2023年3月期)は1,324億円・営業利益152億円と、3期連続で売上・営業利益の二桁成長を記録した。水処理エンジニアリング事業の営業利益はFY20の85億円からFY22の130億円へ拡大し、機能商品事業の安定収益と合わせて、連結営業利益はFY20の96億円からFY22の152億円へ約1.6倍化した。世界的な半導体投資サイクルの上振れを、東ソーの4割超出資下のアジア拠点網がそのまま取り込む構図が、業績拡大の柱となった。

FY23(2024年3月期)の連結売上高は1,504億円・営業利益225億円、FY24(2025年3月期)は売上1,632億円・営業利益311億円と、地域販社統合後のFY14と比べて売上で2.4倍、営業利益で約13倍の水準に達した。創業以来の樹脂・装置事業が、半導体・電子工場向け純水・薬液供給設備という用途特化型の事業ポートフォリオに変質し、世界的な半導体製造設備投資のサイクルを直接受ける収益構造になった。創業期の発電所・化学工場向け純水製造から、半導体・電子工場向け超純水・薬液供給へと、主要顧客産業が80年かけて転換した結果である。

  • オルガノ 有価証券報告書【沿革】
    • [44]1986年のマレーシア進出以来の東南アジア・中国拠点網

米州進出と2024年子会社統合による事業構造再編

2021年9月、米国にオルガノUSA Inc.を設立し、米州市場への進出を本格化させた。1986年のマレーシア進出から35年を経ての米州拠点設立は、CHIPS法以降の米国半導体投資の本格化を見据えた動きで、東南アジア・中国・米州の3極体制を整備する意図があった。米国における半導体工場の新増設は、TSMC・インテル・サムスンの主要プロジェクトを軸に2020年代後半に集中する見込みで、米州拠点はその需要を取り込む位置にある。アジア中心の海外網に米州を加えた3極化が、長期的な事業ポートフォリオの地理的厚みを増す節目となった。 [45][46]

  • オルガノ 有価証券報告書【沿革】
    • [45]2021年9月 米国にオルガノUSA Inc.を設立(米州進出本格化)
    • [46]1986年のマレーシア進出から35年を経ての米州拠点設立

2022年4月には東京証券取引所の市場区分見直しに伴いプライム市場へ移行し、東ソーの4割超出資による親子上場体制を東証最上位市場で維持した。2024年4月にはオルガノエコテクノを吸収合併し、2009年10月に設立した環境関連子会社を本体に統合した。地域販社7社統合(2014年)に続く子会社統合の2巡目に当たり、グループ管理機構の簡素化が引き続き進められた。創業期から続いた多数の子会社による地域分散・機能分散の構造は、2010年代後半以降、本体への統合・集約の方向で再編が続いている。 [47][48]

  • オルガノ 有価証券報告書【沿革】
    • [47]2022年4月 東証市場区分見直しに伴いプライム市場へ移行
    • [48]2024年4月 オルガノエコテクノ(2009年10月設立の環境関連子会社)を吸収合併

東ソーの約44%出資(FY24)に基づく親会社主導ガバナンスは、社長人事の継続性と中長期投資判断の安定性をもたらした一方で、市場流通分(約56%)の機関投資家から見ると、親会社単独の判断に左右される構造的なリスクを伴う。社外取締役は経産省出身の児玉直美氏、旧興銀出身の安部大作氏・永井素夫氏、旧通産省出身の照井惠光氏、化学研究所出身の平井憲次氏、栄研化学出身の和田守史氏、野村総合研究所出身の花野信子氏と、行政・金融・研究の各領域から多元的に登用されている。創業以来79年で培ったイオン交換樹脂技術と装置事業のノウハウを、東ソーの4割超出資に基づく親会社主導ガバナンスのもとで、半導体・電子工場向けの構造的成長領域へどう振り向けるかが、現在のオルガノの焦点である。 [49][50]

  • オルガノ 有価証券報告書【役員の状況】
    • [49]社外取締役の初職:児玉直美=通商産業省(経産省)、安部大作・永井素夫=日本興業銀行(旧興銀)、照井惠光=通商産業省(旧通産省)、平井憲次=相模中央化学研究所、和田守史=栄研化学、花野信子=野村総合研究所
  • オルガノ 有価証券報告書【沿革】
    • [50]創業(1946年)以来79年(2025年時点)
  • オルガノ 有価証券報告書【沿革】
    • [45]2021年9月 米国にオルガノUSA Inc.を設立(米州進出本格化)
    • [46]1986年のマレーシア進出から35年を経ての米州拠点設立
    • [47]2022年4月 東証市場区分見直しに伴いプライム市場へ移行
    • [48]2024年4月 オルガノエコテクノ(2009年10月設立の環境関連子会社)を吸収合併
    • [50]創業(1946年)以来79年(2025年時点)
  • オルガノ 有価証券報告書【役員の状況】
    • [49]社外取締役の初職:児玉直美=通商産業省(経産省)、安部大作・永井素夫=日本興業銀行(旧興銀)、照井惠光=通商産業省(旧通産省)、平井憲次=相模中央化学研究所、和田守史=栄研化学、花野信子=野村総合研究所

オルガノの沿革1946〜2024年における主な出来事を抜粋

年月社長・CEO出来事重要度
山梨化学工業を日本オルガノ商会に商号変更し諏訪市で創業
米ローム・アンド・ハース社との提携とイオン交換樹脂アンバーライトの日本総代理店化樹脂を他社から買い続けるか、供給元と直接組むか——装置専業の小さな会社が選んだ道 詳細を読む★★★
本社移転
本社移転
日本デグラモンを設立
日本水工(後のオルガノ関西)に資本参加
オルガノソフナー(後のオルガノ東京)を設立
東京証券取引所市場第二部に上場
商号をオルガノに変更
九州オルガノ商事(後のオルガノ九州)を設立
北海道オルガノ商事(後のオルガノ北海道)を設立
丸栄工業に資本参加しオルガノ工事に商号変更
東京証券取引所市場第一部に指定替え
オルガノメンテナンスサービスを設立
オルガノSDN.BHD.を設立
オルガノ(タイランド)を設立
つくば工場を新設
オルガノ工事がオルガノ電工を吸収合併しオルガノプラントエンジニアリングに商号変更
オルガノプラントエンジニアリングがオルガノメンテナンスサービスを吸収合併
オルガノプラントサービスに商号変更
本社移転
東北オルガノ商事と中部オルガノ商事を設立しいわき工場を新設
橋本喜代志オルガノローディアフードテクノを設立
橋本喜代志オルガノ(蘇州)水処理有限公司を設立
橋本喜代志オルガノエコテクノを設立
内田裕行オルガノCO.,LTD.を設立
内田裕行PT Lautan Luas Tbkと合弁でPTラウタン・オルガノ・ウォーターをインドネシアに設立
鯉江泰行地域販社7社(北海道・東北・東京・中部・関西・九州・山下薬品)を吸収合併★★
山田正幸オルガノUSA Inc.を設立
山田正幸プライム市場へ移行
山田正幸オルガノエコテクノを吸収合併
出典・参考
  • オルガノ35年のあゆみ(オルガノ, 1981)
  • オルガノ 有価証券報告書【沿革】
  • 企業の歴史 : 明治百年(経済春秋社編, 1968)
  • オルガノ 有価証券報告書【大株主の状況】【役員の状況】
  • オルガノ 有価証券報告書【役員の状況】

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