セリアの歴史は、創業者の河合宏光が個人創業し、スーパーマーケットの催事場で雑貨(せんたくばさみ等)の移動販売を開始したことに始まる。なお、河合宏光氏は家業のクリーニング店の後継でもあったが、多額の借金を背負っていたといい、起業は背水の陣であった。

セリアの歴史は、創業者の河合宏光が個人創業し、スーパーマーケットの催事場で雑貨(せんたくばさみ等)の移動販売を開始したことに始まる。なお、河合宏光氏は家業のクリーニング店の後継でもあったが、多額の借金を背負っていたといい、起業は背水の陣であった。
販売事業を本格化させるため、株式会社として「山洋エージェンシー(現セリア)」を設立。社長にセリア創業者の河合宏光が就任
配送網を強化
創業時のセリアは雑貨を取り扱う移動小売・卸売であり常設店舗を所有しなかったが、1994年にスーパーマーケトの長崎屋岐阜店にセリアの常設店舗「100円ショップ長崎屋岐阜店」を開業。以後、常設店舗での展開を推し進める。
セリアは配送効率を向上させるために、愛知県東海市に物流センターを新設し、岐阜大垣・静岡袋井・長野塩尻に存在していた物流センターの機能を愛知県に新設した物流センターに統合した。
社名を変更
株式上場に向けて、株式の店頭登録を実施。2004年にジャスダックへの上場を果たす
セリアの創業者・河合宏光はPOSへの投資を決断し、セリアの全店舗に導入することを決めた。当時、セリアの商品点数は20,000であり、POSで全ての商品を管理することはコスト要因であったが、河合社長はPOSによって売れ筋商品を把握して商品開発に生かすことを優先し、POSへの投資を決断する。
商品管理のIT化を推し進めるために、直営店向けに発注支援システムの導入を決めた。なお、2006年時点のセリアのアイテム数は20,000に限定して無造作な商品数の増加を抑え、このうち500〜700アイテムを毎月入れ替えることで、消費者から飽きられないための新陳代謝の仕組みを構築している。
年間数十億円のPOSへの投資負担がセリアの収益を押し下げる要因となり、2007年に30億円だった経常利益が、2009年には15億円へと半減。2007年時点のセリアの時価総額は185億円だったが、2009年には54億円に暴落する。
POSの導入によって2009年頃にセリアは減益基調となるが、2011年にはPOSを軸として発注や商品開発が軌道に乗ると、2011年3期に過去最高となる営業利益50億円を達成。以後、セリアは100円ショップ業界における高収益企業として注目されるようになった。
セリアの創業者・河合宏光が社長を退任し、河合英治が社長に就任。なお、河合宏光は会長職等にとどまることなくセリアの経営から退き、後任の河合英治に経営を一任する(河合英治の叔父が河合宏光にあたる)
POSを武器に順調に業容を拡大し、2020時点でセリアは時価総額3,321億円を達成。セリアの商品は100円ショップでありながら高品質であり、インスタ映えすることから、消費者の支持を獲得している。