1973

宇野回天堂薬局を創業

創業者・宇野正晃氏について

宇野正晃氏はコスモス薬品の経営に従事し、2023年時点でも会長職(ただし取締役は退任)を歴任。同社を大手ドラッグストアへの発展させた。

宇野回天堂薬局を創業

1972年に宇野正晃氏(当時26歳)は、東京薬科大学卒業し、地元の宮崎県延岡市にて薬局を創業した。ドラッグストアの本格展開は1983年ないし1993年以降であり、それまでは個人経営に徹していた。

1983年12月
有限会社コスモス薬品を設立
1983年
12月
有限会社コスモス薬品を設立
1983年
12月
コスモス薬品岡富店を開店(宮崎県延岡市)
1987年
11月
コスモス薬品平原店を開店(宮崎県延岡市)
1991年4月
株式会社コスモス薬品に組織変更
1993年12月
九州地区で大型ドラッグストアを多店舗展開

大店法の改正を受けて、人口2万人の小商圏に大型ドラッグストアを展開。医薬品販売の利益で食品の値下げ原資を確保して低価格を志向。生鮮食品は取り扱わないことで、管理・販売コストを低減

1993年
12月
浮之城店を開業(宮崎県宮崎市)
売場面積 600 m2
1997年
6月
三重店を開業(大分県に進出)
1998年
12月
田迎店を開業(熊本県に進出)
1999年
4月
日向店を開業(宮崎県日向市)
売場面積 1000 m2
1999年
10月
下山門店を開業(福岡県に進出)
2000年
2月
志布志店を開業(鹿児島県に進出)
2002年
5月
国見店を開業(長崎県に進出)
2004年
7月
川福店を開業(佐賀県に進出)
2001年10月
大型物流拠点を新設

九州への集中出店に合わせて大型物流拠点を新設

1999年
11月
通過型物流センターを新設(宮崎市)
2001年
10月
宮崎市に物流センターを委託方式で新設
敷地面積 6000 m2
2002年
10月
熊本市に物流センターを委託方式で新設
敷地面積 5000 m2
2003年
11月
福岡市に物流センターを委託方式で新設
敷地面積 4500 m2
2006年
4月
大分市に物流センターを委託方式で新設
敷地面積 4000 m2
決算
コスモス薬品の業績
2002年5月期(単体)
売上高
225
億円
当期純利益
1.3
億円
2002年
閉店時間を22時から21時に繰り上げ

従業員の生産性を高めるために閉店時間の繰り上げを実施。2003年には20時の閉店に繰り上げる代わりに、来客の多い17時〜19時の店舗接客を充実させる方針を打ち出している(現在は21時閉店)。

決算
コスモス薬品の業績
2003年5月期(連結)
売上高
424
億円
当期純利益
2.5
億円
営業CF
22
億円
投資CF
-26
億円
財務CF
4
億円
2003
5月

ポイント還元を廃止。EDLPを志向

コスモス薬品の宇野社長はポイント還元の廃止を決断。すでに2001年に日替わりによる特売を中止しており、2003年のポイント還元廃止によりEDLPを本格化させた。一時的に売上が低迷することが予想されたため、あえて上場前に廃止を決定。EDLP(Every Day Low Price)の小売路線を一層鮮明にした。

2001年
日替わり特売を廃止
2003年
ポイント還元を廃止
2004年
11月
東証マザーズに株式上場
証言
宇野会長

なかでも小売業の大先輩であるしまむらの藤原秀次郎会長には3~4カ月に1度はお会いし、「ご講義」いただいている。ポイント還元を廃止したのも、閉店時間を20時に繰り上げたのも、藤原会長の「お客様に公平であれ」「従業員の負担を減らせ」という教えに基づくところが大きい。年に1度は丸1日店を閉めて従業員の慰労会を開くのは、具体的にしまむらをまねしたものだ。九州各県の一流ホテルで合計1億円かけて従業員を労う。実はこの費用よりも、店を1日閉めることでの売り上げ減のほうがインパクトは大きい。だが藤原会長の「仕事は楽しくしようよ」という言葉に突き動かされた。

決算
コスモス薬品の業績
2003年5月期(連結)
売上高
424
億円
当期純利益
2.5
億円
営業CF
22
億円
投資CF
-26
億円
財務CF
4
億円
2004
11月

東証マザーズに株式上場

2004年11月にコスモス薬品は東証マザーズに株式を上場し、54億円を調達した。上場後も創業家の宇野家が株式の過半数を保持する資本政策を選択した。

有価証券報告書を提出して、商品区分を開示。売上構成において、医薬品や化粧品ではなく、食品が牽引していることが明らかにされた。コスモス薬品はドラッグストアでありつつも、需要の大きい食品を安く販売することで、集客を果たした。

2006年
5月
東京証券取引所第1部に株式上場
決算
コスモス薬品の業績
2005年5月期(連結)
売上高
786
億円
当期純利益
13
億円
営業CF
35
億円
投資CF
-35
億円
財務CF
42
億円
2005年11月
全国展開を本格化

本州・四国地区での店舗展開を開始。ドミナント出店を継続

2004年
3月
大内店を開店(山口県に進出)
2005年
3月
本社機能を福岡市博多区に移転
2005年
11月
竹原店を開店(愛媛県に進出)
2006年
5月
南末広店を開店(徳島県に進出)
2006年
5月
香川物流センターを新設
敷地面積 5000 m2
2006年
12月
元山店を開店(香川県に進出)
2007年
10月
福山新涯店を開店(広島県に進出)
2007年
12月
井原店を開店(岡山県に進出)
2009年
10月
宿毛を開店(高知県に進出)
2012年
4月
車尾を開店(鳥取県に進出)
決算
コスモス薬品の業績
2006年5月期(連結)
売上高
1050
億円
当期純利益
19
億円
営業CF
32
億円
投資CF
-44
億円
財務CF
33
億円
2010年
関西地区へ進出
2010年
東二見店を開業(兵庫県に進出)
2015年11月
中部地区へ進出
2010年
東日野店を開業(三重県に進出)
2018年
横山英昭氏が代表取締役社長に就任

柴田氏が社長就任するが業績の下方修正を発表。横山社長に交代。創業者の宇野会長の影響力か?

2017年
8月
宇野正晃氏が代表取締役会長に就任
2017年
8月
柴田太氏が代表取締役社長に就任
2017年
通期業績の下方修正を発表
2018年
6月
柴田太氏が経営企画部長に就任(社長退任)
2018年
6月
横山英昭氏が代表取締役社長に就任
2021年
8月
宇野氏が取締役会長に就任(代表権なし)
決算
コスモス薬品の業績
2019年5月期(連結)
売上高
6111
億円
当期純利益
191
億円
営業CF
343
億円
投資CF
-300
億円
財務CF
-69
億円
2019年4月
首都圏に進出

関東地区への進出を本格化させるため、東京メトロ広尾駅前に「広尾駅前店」を新設。以後、首都圏における店舗展開を積極化する

2019年
4月
広尾駅前店を開業(関東圏に進出)
決算
コスモス薬品の業績
2019年5月期(連結)
売上高
6111
億円
当期純利益
191
億円
営業CF
343
億円
投資CF
-300
億円
財務CF
-69
億円
2021年5月
関東を中心に年間78店舗を出店
2022年5月
関東を中心に年間120店舗を出店
2023年5月
関東を中心に年間118店舗を出店
2023
7月

宇野家で事業承継

創業者の宇野正晃氏が「取締役会長」から「会長(取締役なし)」となり、代わりに宇野之立崇氏(執行役員商品開発部長)を取締役候補者として選任した。株主総会において、宇野之立崇氏の取締役就任は97%の賛成で可決された。