2000
3月

株式会社リンクアンドモチベーションを設立

創業者・小笹芳央氏について

リンクアンドモチベーションの創業者は、リクルート出身の小笹芳央氏(おざさ・よしひさ)である。早稲田大学を卒業後、1986年にリクルートに入社して2000年まで勤務した。

リクルートでは人事部に配属され、採用・教育の業務に従事。1994年には企業向けの組織人事のコンサルティングを行う部署である「組織人事コンサルティング室」の責任者を歴任した。

人材のコンサルティング事業は、1994年から200年までの間で年商10億円・スタッフ35名の規模まで拡大したという。

小笹氏がリクルートを退職して起業家に転身した理由は、モチベーションの重要性が高まることを予見する一方で、モチベーションに特化した組織コンサルティングを行う企業が存在しないことが理由であった。また、リクルート時代の顧客であったベンチャー企業の経営者から、うちうちに顧客になるという引き合いもあったという。

リンクアンドモチベーションを設立

小笹氏が出版を通じて顧客獲得

リクルートが大口顧客

FY2006の売上高のうち28%がリクルート社向け(売上18.1億円)であった。取引内容は不明だが、小笹氏の古巣であるリクルートが、リンクアンドモチベーションを顧客として支援していた可能性がある。

株式上場

2000年
3月
株式会社リンクアンドモチベーションを設立
会社設立時の資本金 0.5 億円
2000年
4月
社員募集を開始。220名が応募
2000年
10月
「モチベーションサーベイ」をリリース
2001年
新卒採用を開始
2002年
12月
小笹氏が『モチベーションカンパニー』を執筆
2003年
4月
小笹氏が『「アイ・カンパニー」の時代』を執筆
2003年
12月
小笹氏が『モチベーション自己革命』を執筆
2007年
9月
小笹氏が『会社の品格』を執筆
2001年5月
都市圏への進出
2001年
5月
大阪支社を開設(梅田1丁目)
2006年
7月
名古屋にサテライトオフィスを開設
2007年12月
東京証券取引所第2部に株式上場

2007年
12月
東京証券取引所第2部に株式上場
2008年
12月
東京証券取引所第1部に株式上場
決算
リンクアンドモチベーションの業績
2007年12月期(連結)
売上高
69
億円
当期純利益
7.07
億円
2009年12月
最終赤字に転落

リーマンショックによる組織コンサル事業における受注が減少。市場変動に弱いビジネスであることが露呈

決算
リンクアンドモチベーションの業績
2009年12月期(連結)
売上高
72
億円
当期純利益
-5.03
億円
2012
12月

BtoC領域の拡大を目指し、企業買収を本格化

背景
BtoC領域への注力
リーマンショックによって企業向けの組織診断の需要が激減。リンクアンドモチベーションはFY2009に最終赤字に転落した。 不景気の状況が長...
買収
株式会社アビバを買収(債務超過寸前)
業績不振に陥っていた株式会社アビバを9.8億円で買収を決定。アビバは債権者に対する支払いが滞る可能性があり、大株主のスリープログループ(...
買収
大栄教育システムを買収(債務超過寸前)
2013年1月には大栄教育システムの株式100%を取得して買収。同社は「経理・簿記・公務員受験」などの資格ビジネスを展開しており、アビバ...
再編
株式会社リンクアカデミーに集約
2013年1月には大栄教育システムを買収。スクール事業の重複を解消するため、2013年12月にアビバが大栄教育システムを吸収合併する形で...
買収
ディーンモルガンを買収
2017年4月にディーンモルガン株式会社を4.84億円で買収(現金同等物控除後金額)した。国内6拠点で外国語スクール「ロゼッタストーン」...
結果
個人向け事業不振による減損計上
2010年代を通じて各スクールの需要が伸び悩み、販管費削減や不採算拠点の閉鎖に追われた。このため、買収は売上増加に寄与したものの、リンク...
詳細をよむ
2011年
6月
株式会社アビバを買収(PC教室)
取得価格 9.8 億円
2013年
1月
大栄教育システムを買収(資格学校)
のれん計上額 13.8 億円
2017年
4月
ディーンモルガンを買収(外国語教室)
取得価格 4.84 億円
2019年
12月
個人開発ディビジョンで減損計上
減損額 8.02 億円
2019年
12月
個人開発ディビジョンで減損計上
減損額 16 億円
2014年4月
インタラックを買収。ALT事業を本格化

教育機関向けの英語指導員の派遣事業に参入するため、株式会社インタラック(売上高約60億円・1972年創業)を買収

2014年
4月
インタラックを買収
取得対価 51 億円
決算
リンクアンドモチベーションの業績
2014年12月期(連結)
売上高
288
億円
当期純利益
9.5
億円
2015年12月
最終赤字に転落
2016年7月
モチベーションクラウドの提供開始

一過性の企業研修ではなく、組織課題の定量化を行うSaaSを開発。大企業向けに販売開始

2016年
7月
モチベーションクラウドの提供開始
2018年
6月
0.92億円/月売上高
証言
麻野耕司(リンクアンドモチベーション・当時執行役員)

私は、長年取り組んでいるモチベーションに強みを持った組織変革コンサルティングのメソッドに、テクノロジーを融合させることで、HRの領域で革命を起こしたいと思っています。具体的には「モチベーションクラウド」という国内初の組織改善クラウドを展開していくことで、企業で働く人のモチベーション、エンゲージメントを高め、日本全体の生産性を高めていきたいと思っています。

また私自身は、リンクアンドモチベーションの投資事業担当という顔も持っているので、日本が抱える人や組織の問題解決に向けた事業展開を行っているHRTech企業を、より一層積極的に支援していこうと考えています。

決算
リンクアンドモチベーションの業績
2016年12月期(連結)
売上収益
333
億円
当期利益
18
億円
2018年12月
減収決算

モチベーションクラウドが契約で好調な一方、既存の買収事業が不振。全社業績では減収へ

決算
リンクアンドモチベーションの業績
2018年12月期(連結)
売上収益
327
億円
当期利益
19
億円
2019年12月
麻野取締役が退任(起業家に転身)

モチベーションクラウドの成長の立役者であった麻野氏が退任へ

決算
リンクアンドモチベーションの業績
2019年12月期(連結)
売上収益
319
億円
当期利益
11
億円
2020年12月
最終赤字に転落

減損損失23億円(うち個人開発ディビジョンで16億円の減損計上)により最終赤字に転落。かねてより個人開発Divは業績不振だっが、コロナの蔓延で巨額減損を計上へ。BtoC領域における買収の失敗が確定へ

決算
リンクアンドモチベーションの業績
2020年12月期(連結)
売上収益
307
億円
当期利益
-9.9
億円
2020年1月
オープンワークを子会社化(2022年上場)

2018年
9月
オープンワークと資本業務提携を締結(+11%)
取得原価 13.5 億円
2020年
1月
オープンワークの株式を追加取得(+45%)
取得原価 40.7 億円
2022年
12月
オープンワークが株式上場
初値時価総額 179 億円
決算
リンクアンドモチベーションの業績
2020年12月期(連結)
売上収益
307
億円
当期利益
-9.9
億円