私は米国が1960年代以降、日本に敗れていった歴史と同じことが日本と中国の間で起きるという歴史観に突き動かされていました。思い返すと、10年前に「ここで動かないと致命傷になる」と中国へ進出したのは正しい決断でした。あのタイミングを逸していたら、ミスミは日本の金型産業が中国に敗退し、多くの倒産が出たのと似た命運を辿っている可能性があります。10年越しで追いかけてきた中国戦略の経験から、経営者として正しい歴史観を持ち、自分の戦略フレームワーク(物事の構造や本質を理解し、分かりやすく説明するための道具)に反映させる重要性を改めて痛感しています。