RSS広告社を設立
2005年ごろからブログサービスが日本でも一般化し、ブログ向けのRSSに広告を配信するという市場が台頭した。
これを受けて、インターネット企業で経営危機に陥っていたネットエイジは、収益を確保するためにRSS広告の分野に参入するために「RSS広告社(Fringe81)」を「東京都渋谷区円山町23-2アレトゥーサ渋谷3階」にて設立し、田中弦氏が同社の社長に就任した。
RSS広告社は2005年にリクルートなどから出資を受けて、ネットエイジの関連会社として運営された。事業面ではサイバーエージェントが展開するアメーバブログ向けにも広告を配信するなど、ブログサービスの台頭とともに成長する。
RSS広告で国内シェア100%。ただし売上目標は未達
Fringe81はRSS広告を事業化したものの、予想に反して市場の拡大は限定的であった。このため、事業開始から1年で資金を使い果たし、期待された収益を計上できなかったという。この間、企業が存続できた理由は不明だが、親会社のネットエイジから支援があった可能性もある。
ただし、市場が拡大しなかったことによって、Googleやトランコスモスといった競合会社はRSS広告から撤退した。
このため、Fringe81は残存者利益を確保して国内におけるRSS広告サービスでシェア100%を確保したという。とはいえ、2011年ごろのFringe81の売上高は約10億円(推定)であり、爆発的な成長を遂げたわけではなかった。加えて、創業当時に掲げた3年で売上高20億円という目標は、創業6年の時点でも未達となった。
アドサーバーに参入
スマートフォンの普及によりSNSが台頭し、ブログが凋落しつつある中で、Fringe81は新たな収益基盤を求めた広告配信サーバーに参入した。
2011年に、第三者広告配信サービス(3PAS)の「デジタリス(digitalice) 」を開発した。スマホの普及によるインターネット広告の市場成長のスピードが急速なこともあり、Fringe81も3PASで広告事業を拡大した。
MBOによりネットエイジから独立
経営危機に陥っていたネットエイジは、資金繰りを改善するために「Fringe81」の売却を決定。Fringe81は経営陣によるMBOを経て、独立した。