1954年に佐藤仁一氏は愛知県にて「佐藤食品工業」を有限会社として設立して、白醤油の製造販売を開始した。
佐藤仁一氏は大学生時代に京都大学で食品工学を研究し、卒業後は知人から誘われて醤油メーカー「北勢醸造(三重県)」で技術者として勤務していた。醤油メーカーでは、アミノ酸醤油の研究を通じて、活性炭が多すぎることによって生じる無色透明な「白醤油」の開発に成功した。このアイデアをもとに、脱サラを決意し、佐藤食品工業で白醤油「マルハク」の製造販売を開始した。
創業直の3年間はなかなか売れずに借金だけが増える苦労を重ねていたが、米菓向けの調味料として展開することで、3年目から売れ行きが良くなった。業績の好転を受けて、1962年に株式会社として「佐藤食品工業」を設立した。なお、新潟県にも餅製造でトップシェアを握る「佐藤食品工業(現・サトウ食品)」が存在するが、両社は無関係である。