CADDiの歴史

製造業における調達の合理化を目指す。原価計算と形状解析を軸としたソフトウェアに特色

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Author: @yusugiura
2017〜2018 - 創業経緯
製造業の調達の合理化に着眼。CADDiの開発を開始
2017 11月
会社設立
CADDiを創業
【マッキンゼー出身の加藤勇志郎氏が創業。製造業の不合理にメス】 2017年11月に加藤勇志郎氏は、製造業における「下請け構造」を改善するためにキャディ株式会社(CADD...
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2017
技術開発
CADDiの開発を開始
板金加工における見積もりの自動化から着手(板金は金型とは違い複雑性は低い)。機械学習を活用して数千枚の図面を元にアルゴリズムを構築。形状解析→工程分解→原価計算→ロジスティクスに至るシステムを実装したと推定
2017 11月
拠点設置
関西拠点を設置
神戸市内に設置。2018年3月に尼崎市に移転(尼崎市内に密集する町工場との接触を図ったと推察)
2017 12月
人員採用
エンジニアの募集を開始
システム開発の本格化に伴い、エンジニアの募集を開始。条件は「週3日以上の勤務、時給約5000円」の仮条件を設定
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2018 02月
資金調達
[*出所1-5]
シードラウンドを実施。7000万円を調達
会社設立以来、初の資本による資金調達。評価額や資本政策は非開示
2018 04月
販売促進
ものづくりパートナーフォーラムin大阪にブース出店
2018年10月リリース予定の「3DCADデータ自動見積」のデモを展示。顧客との商談を意図。なお、キャディは「駆け引き」をする企業とは取引をしないポリシーをもって、製造業の顧客開拓に挑んでいる
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2018 04月
人員採用
[*出所1-7]
正社員1人目の採用に成功
アプローチしていた人物の採用が決定し正社員1人目に。大阪王将でお祝い会を開催
2018 05月
本社移転
東京都墨田区に本社を移転
2018 09月
新サービス
3D自動見積もりサービスの提供を開始
2018 09月
資金調達
シリーズAに向けた準備を開始
(推定:サービスのリリースや、開発体制が充実したことを受けて、資金調達を本格化したと思われる)
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2018 11月
人員採用
フロントエンドエンジニアの募集を開始
フロントエンドエンジニアの募集。週2〜3日で、時給3000〜5000円。技術はHTML/CSSとwordpress。業務委託で募集(正社員の確保が難しいための措置と推定)
2018
経営課題
品質担保問題に直面
CADDiは発注者に対する「納品」に責任を負うプラットフォームとして運営した。このため、不良品のリスクを自らが背負うビジネスであった。創業期は3LDKのマンションで部品の穴を手で削る手直しに直面するなど、品質維持が課題に
加藤勇志郎氏(CADDi創業者)
2018 12月
業績好調
顧客が累計2000社を突破。提携加工会社70社を確保
サービス提供開始から1年で、累計利用顧客2000社、提携加工会社70社を確保。12月時点の社員数12名。ただし板金加工は閉鎖的業界であり、創業時から2〜3年は取引先の開拓に苦労したという
加藤勇志郎氏(CADDi創業者)
2018〜2020 - 業容拡大
創業約1年で10.8億円の調達を実現。サービス開発を加速
2018 12月
資金調達
[*出所2-1]
第三者割当増資で10.2億円を調達
出資者は、DCM Ventures(原健一郎氏)、WiL(久保田雅也氏)、グローバル・ブレイン(百合本安彦氏)、グロービス・キャピタル・パートナーズ(湯浅エムレ秀和氏)、個人投資家など。
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2019 01月
特許取得
[*出所2-2]
システムに関する特許を取得
特許6462945、特願2018-178180
2019 01月
人員採用
[*出所2-3]
マーケティング担当者の募集を開始
2019 01月
メディア取材
NewPicksがCADDiを特集
創業から約1年で10億円の調達に成功したスタートアップとしてNewsPicksで特集記事が掲載。知名度を拡大し、これ以降もメディア露出を継続。顧客獲得や採用のための認知拡大を目論む
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2019 05月
新サービス
[*出所2-5]
切削加工品の受託生産のサービス提供を開始
金属加工・樹脂加工の両方に対応。板金以外の取り扱いを拡充。最短見積もり時間は2時間
2019 06月
業績好調
社員数42名体制へ
2019 08月
業績好調
サービス利用顧客が累計4000社を突破
2021〜2022 - 顧客開拓
少量多品種の部品への対応に集中。産業機械向けに注力
2020 04月
営業活動
産業機械向けの顧客開拓に注力
加藤勇志郎氏(CADDi創業者)
2020 07月
業容拡大
従業員数55名
2020 09月
最終赤字
[*出所3-3]
当期純損失8.4億円
資産合計14億円に対して、純資産約4億円
2021 04月
経営方針
兆単位プラットフォームへの10課題を公表
数百億円ではなく、10兆円・100兆円の事業を作る方針を明文化(この金額の定義は記載されていないが、流通総額と推察)
加藤勇志郎氏(CADDi創業者)
2021 07月
キーパーソン
芳賀亮太氏がカーライルを退職してCADDiに入社。社長室に配属
2021 07月
設備投資
[*出所3-6]
関東・関西品質管理センターを増床。1億円を投資
2021 07月
業容拡大
[*出所3-7]
従業員数200名強
2021〜2022 - 新規事業
80.3億円を調達。海外進出と新規プロダクトへの投資を本格化
2021 08月
資金調達
[*出所4-1]
第三者割当増資により80.3億円を調達
グロービス・キャピタル・パートナーズ(湯浅エムレ秀和氏)とWiL(久保田雅也氏)をリード投資家として、80.3億円を第三者割当増資により調達。評価額は非開示。資金用途は人材採用、ソフトウェアの開発、新規事業の開発の3点。特にグローバル化に期待
湯浅エムレ秀和氏(グロービス・キャピタル・パートナーズ)
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2021 08月
資金調達
金融機関から25億円の追加融資枠を確保
三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行により融資枠を設定
加藤勇志郎氏(CADDi創業者)
2021 09月
新規事業
CADDi DRAWERのベータ版の提供を開始
2021 12月
業績好調
[*出所4-4]
受注高が前年度比で6倍を達成
受注高を拡大するとともに、高難易度な加工の比率も上昇
2022 04月
経営方針
「現在の8つの挑戦と未来の8つの挑戦」を公表
8つの指針を公表。第1の指針として「グローバルカンパニーになるための開発体制のグローバル化と多言語化」を明文化。開発ドキュメントやプルリクの英語化を推進
2022 04月
海外進出
ベトナム・ホーチミンに現地法人を設立
初の海外進出。ベトナムにおけるエンジニアとサプライヤーの確保が狙い。1年で40〜50名の採用計画。責任者は武居大介氏(@daisuke_take1)と推定
武居大介氏(Head of Vietnam Office)
2022 06月
新規事業
[*出所4-7]
CADDi DRAWERのサービス提供を開始
図面管理とデータ化のニーズに応えるためにSaaSとして開発。開発期間は約1年。リリースのスピードを優先し、技術的要件は最小に抑えた。ただし顧客企業の図面という「知財」を扱うため、セキュリティーに投資
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2022 07月
特許買収
米Plethora社の特許を取得
Plethora(2013年創業・2021年倒産)が保有する特許を取得。内容は「Auto DFM = 自動加工可否判定」「Auto Quote = 自動見積り」「Auto CAM = 自動加工プロクラム作成」の3点。部品のコスト計算のノウハウの吸収が目的と推察される
加藤勇志郎氏(CADDi創業者)
2022 08月
設備投資
関西支社兼品質管理センターを新設移転
三菱倉庫からの賃貸と推察(大阪府大阪市此花区桜島三丁目4番9号)。800坪
2022 10月
ブランド
祖業のサービス名を「CADDi MANUFACTURING」に変更
2022 10月
人員採用
[*出所4-11]
給与のベースアップを実施
2019〜2022年の過去3年間で100〜150万円上昇
2022 11月
顧客確保
[*出所4-12]
CADDi DRAWERで大口顧客を確保
川崎車両(川崎重工業系列)がCADDi DRAWERを採用
2017
Report

CADDiを創業

会社設立

マッキンゼー出身の加藤勇志郎氏が創業。製造業の不合理にメス

2017年11月に加藤勇志郎氏は、製造業における「下請け構造」を改善するためにキャディ株式会社(CADDi)を東京都千代田区にて設立した。加藤氏マッキンゼーでコンサルタントの業務に従事する中で、製造業の商流(設計→調達→製造→販売)において、特に調達における無駄を発見し、その市場規模の大きさ(調達の市場規模は120兆円と言われる)にポテンシャルを見いだした。

CTOとして小橋昭文氏が参画

CADDiの創業と同時に、技術責任者として小橋昭文氏(当時27歳)が参画した。小橋昭文氏はスタンフォード大学で電子工学を学んだのちに、ロッキード社(軍用機製造)やアップルなど、米国東海岸における製造業・テック企業でキャリアを歩んでいたが、将来は企業を考えていたという。2014年ごろに小橋氏と加藤氏は共通の知人を介してシリコンバレーで出会っていた。そして、加藤氏からCADDiの製造業に関わるビジネスモデルを聞いて、小橋氏は共同創業を決意したという。

これらの経緯から、CADDiは、加藤氏と小橋氏の2名が共同創業した会社とされる。ただし、資本政策に関しては非開示(未上場企業)であるため不明である。

3名で役割分担。受発注の顧客開拓に注力

加藤氏と小橋氏に加えて、2017年末までにマッキンゼー出身の幸松大喜氏がCADDiに参画し、3名で事業を開始した。

加藤氏は「事業戦略、財務、経理、顧客開拓」を担当し、小橋氏は「技術開発、労務、総務」、幸松氏は「パートナー企業の開拓」を担当した。CADDiのビジネスは、受発注(発注者:主に大企業、受注者:主に中小企業)の双方の顧客開拓が必要であることから、創業当初から営業に注力した布陣を取ったと推察される。

加藤勇志郎氏(CADDi創業者)

企業に至った背景には、前職のマッキンゼーで製造業メーカーの調達部門における「原価コストの改善」と「構造改革」に従事した経験が紐づいています。設計図を元にサプライヤーから部品を買い付ける調達では、いくつかの町工場に相見積もりを取り、価格交渉を経て、もっとも安い工場に発注するのが一般的なフローです。私がここで目にしたのは、非効率かつ顧客中心の「多重下請け構造」の実態でした。