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トランスコスモスの歴史

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経営戦略のハイライト

祖業はパンチカードのデータ入力代行業。その後コールセンターのグローバル展開で急成長を遂げた

奥田耕己(トランスコスモス・創業者)
奥田耕己(トランスコスモス・創業者)
1937年和歌山県生まれ、1966年丸栄計算センター株式会社(現在のトランスコスモス)を設立、1966年丸栄計算センター代表取締役社長、2002年トランスコスモス代表取締役会長
イラストは筆者作成 @Yutaka Sugiura
  • 歴史
    経営戦略
  • 沿革
    主な出来事
  • 業績
    長期の業績推移
1966年

データ入力の受託ビジネスを起業

創業経緯
1966年に奥田耕己は大阪にて丸栄計算センターを設立。コンピューターを使用した計算業務の委託業務を意図したが、実際にはデータ入力の代行ビジネスを主力に据えた。

当時はコンピューターは高額であり、コンピューターを使用した計算は資金力の豊富な大企業が大型コンピュータを導入するのが一般的で、中堅企業がコンピュータを活用することが難しい時代であった。そこで、計算業務の受託ビジネスが産業として勃興するが、いずれも参入障壁が低く倒産する企業が相次いだため、創業者の奥田はあえてデータ入力代行を主力事業に据える戦略をとった。

当時のデータ入力は、実質的にパンチカードの穴を開ける作業であり、女性従業員を雇うことで代行業務を実施していたという。

なお、データ入力代行の顧客は朝日新聞や大林組などであり、トランスコスモスは大企業受けの受託ビジネスを中心に据えていた。

奥田耕己
奥田耕己
(トランスコスモス・創業者)

コンピュータ部門を含めてユーザーの業務そのものをすべて我々が受注したいというのが基本的な私の考えです。それにはいきなりすべてといっても相手にしてもらえませんから、入り口のところから、まず仕事を獲得していくという考えです。ですから比較的競争相手の少ない、入カ、オペレーションから入って、その間に体力がつけばソフトウエア開発もやらせてもらうという展開です

1980年代〜1990年代

コールセンター業務に投資

意思決定

1980年代から1990年代にかけて、トランスコスモスはコールセンター事業に集中投資をした。1995年には中国にコールセンターの拠点を新設し、人件費の安いアジアでコールセンター業務を請け負うグローバル体制を構築した。

トランスコスモスの特色は、技術サポートを充実させるために正社員を多く登用していることにある。トランスコスモスの顧客は自動車メーカーなど、コールセンター業務を通じて顧客の質問に答えるためには専門的な知識が欠かせなかった。そこで、トランスコスモスはコールセンターの従業員を正社員登用することで離職率を抑え、技術的な質問に対応できる体制を整えた。

この結果、トランスコスモスは自動車メーカーを中心に企業のコールセンター業務を受託することによって業容を拡大し、1989年に株式公開、1997年には東京証券取引所第一部への株式上場を果たし、コールセンターの大手企業として注目を集めた。

2002年

ITバブル崩壊に伴い業績悪化へ

業績悪化

2000年前後のITバブル絶頂期において、トランスコスモスはIT企業への投資を積極的に行い、光通信とソフトバンクと並んで急成長IT企業として注目を集めた。

だが、2000年までにITバブルが崩壊するとトランスコスモスの株価も暴落。IT企業への投資が軒並み失敗に終わったため、2002年3月期から2期連続の赤字を計上した。

また、業績悪化に関して、奥田耕己(トランスコスモス創業者)や奥田昌孝(トランスコスモス当時社長)は投資家に対して十分な説明を行わなかったとして、メディアから批判され、トランスコスモスは「奥田商店」として批判の対象になった。

MEMO
MEMO
(メディアに登場しない上場企業)

トランスコスモスは現在に至るまで、経営陣が表立ってインタビューに応じることは稀で、その内実は秘密のベールに包まれているとも言われた。

なお、2020年時点で、奥田家はトランスコスモスの株式の約27%を保有しており、経営者かつ大株主であり続けている。

2016年

大規模な組織改革を実施し、デジタルビジネスの支援業務を強化

意思決定

2010年以降、スマートフォンの普及によって顧客が求めるサービス内容が変化し、ECサイトにおけるカスタマーサービスなど、従来とは異なるニーズが生まれつつあった。

そこで、トランスコスモスはカスタマーサポートから営業やマーケティングまで、顧客のビジネスを一気通貫で支援する「DECサービス(D:ダイレクトマーケティング・E:ECワンストップ・C:コンタクトセンター)」の強化を決め、2016年に大規模な組織変更を実施した。

トランスコスモスとしては、価格競争の激しいコールセンタービジネスではなく、より複合的なサービスを提供することで、価格競争から脱する意図があったものと思われる。

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