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御幸毛織の歴史

かつては紳士服向けの高級毛織物の製造に特化して日本屈指の高収益を達成。1980年代以降はイタリア製ブランドの日本進出を受けて苦戦。2009年に上場廃止
御幸毛織の長期業績
1958〜2009

■ 半期売上高: 億円※

■単体 | ■連結

■ 半期売上高_半期当期純利益率: %※

※連単は売上に同じ
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※年毎に科目・連単・会計基準・期間が違う場合あり。参考値
1905
*1
御幸毛織を個人創業
創業

明治42年に祖父江利一郎氏が御幸毛織を創業。綿毛交織製品の製造に着手。英国から最新鋭の織機を導入し、豪州から羊毛を仕入れることで毛織物の製造技術を磨いた

1918
*2
御幸毛織を設立
会社設立

第一次世界対戦の勃発による業績の好調を踏まえ、1918年に御幸毛織として株式会社に改組。資本金は50万円

1934
*3
名古屋市内に庄内川工場を新設

毛糸紡績から毛織物の一貫生産を開始。高級服地の生産を本格化

1942
*4
東洋紡績が株式を取得

戦時経済体制のために繊維工業も企業集約が行われ、御幸毛織も繊維のトップメーカーであった東洋紡績が筆頭株主へ

1945 05月
*5
庄内川工場が焼失。創業停止へ
創業

庄内川工場は1958年まで操業停止。被災を逃れた西志賀工場(名古屋市西区)が拠点に

1949 03月
*6
名古屋証券取引所に株式上場
株式上場
Performance
1905〜1952
名古屋の繊維メーカーとして発展

■ この間の売上は不明です※

■単体 | ■連結

■ この間の利益率は不明です※

※連単は売上に同じ
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※年毎に科目・連単・会計基準・期間が違う場合あり。参考値
1957 03月
*8
テレビ番組「ミユキ野球教室」の放映開始
1957 10月
*9
庄内川工場を毛織物工場として復旧

戦時中の空襲によって被災した庄内川工場を毛織物工場を復旧した。戦前は紡績の拠点だっが織物工場として復旧することで、紡績と決別した

小松原氏(御幸毛織当時社長)
出所 : 1962/10野田経済
1958
*10
婦人服向け毛織物から撤退
事業失敗
1963 04月
*11
東京証券取引所第1部に株式上場
株式上場
1963
*12
庄内川工場を増設

工場増設に伴い庄内川工場では「製織」、同じく名古屋市内の西志賀工場では「染色仕上」に特化する体制を構築

Performance
1953〜1966
高級紳士服向けの毛織物製造に特化し、販売と製造に集中投資

■ 半期売上高: 億円※

■単体 | ■連結

■ 半期売上高_半期当期純利益率: %※

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※年毎に科目・連単・会計基準・期間が違う場合あり。参考値
1970 09月
*13
城北工場を稼働

名古屋市北区に染色・仕上工場として新設。1.5万㎡の大規模工場。品質向上をはかる

1973
*14
イギリスへの高級毛織物輸出に成功

御幸毛織は繊維工業の中心地であったイギリスに高級毛織物への輸出を果たし、国産品の品質が通用することを証明した。なお、御幸毛織は「輸出は儲からない」という理由で国内販売に注力したが、輸出の成功は「ミユキ」のブランド向上に大きく寄与した

1978
*15
売上高経常利益率34%を達成

高級スーツ向けの高級毛織物の国内販売(主に百貨店向け)が好調で、御幸毛織は斜陽とみなされた繊維企業の中では異例の高収益を達成した。1978年における御幸毛織の業績は、自己資本率85.5%、売上高102億円、売上高経常利益率34%という驚異的な水準を記録

Performance
1967〜1979
長期的に高収益を持続。1978年に売上高経常利益率34%という驚異的な業績を達成

■ 売上高: 億円※

■単体 | ■連結

■ 売上高_当期純利益率: %※

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※年毎に科目・連単・会計基準・期間が違う場合あり。参考値
1980 03月
*16
オーストラリアの羊毛工場を買収

さらなる品質向上のために、羊毛原料を確保するためにオーストラリアの牧場を買収してミユキパストラル社を設立。高級毛織物のさらなる品質向上を目論む

1984
*17
欧米の高級紳士服ブランドとの競争が激化し、減収減益へ
業績低迷

1980年代を通じて円高が進行したため、イタリアなどの本場のオーダースーツの輸入が活発化。このため、御幸毛織は高級オーダースーツ市場で欧米ブランドとの競争が激化し、円高の進行とともに減収減益へ

1985 09月
*18
英ミノバリミテッドを買収
1986 05月
*19
電子事業に進出
1996 12月
*20
旧本社の西志賀工場(名古屋市西区)を閉鎖

業績の低迷を受けて旧本社工場の閉鎖を決定

Performance
1980〜1997
円高ドル安の進行でイタリア製の高級紳士服との競争が激化。収益性が低迷

■ 売上高: 億円※

■単体 | ■連結

■ 売上高_当期純利益率: %※

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※年毎に科目・連単・会計基準・期間が違う場合あり。参考値
1998 11月
*21
西志賀工場跡地にミユキモールを新設

住宅店舗の複合施設を開業。不動産賃貸業に進出

2003 03月
*22
最終赤字74億円を計上
業績低迷
2009
*23
東洋紡が御幸毛織を完全子会社化。上場廃止へ
完全子会社

東南アジアにおける毛織物工業の勃興により御幸毛織は競争力を喪失する。2009年に東洋紡は株式交換によって御幸毛織の株式を取得して、御幸毛織は上場廃止となる。

2019
*24
自己資本比率88.8%。優良体質を維持

上場廃止後も御幸毛織は東洋紡の子会社として存続しており、2019年時点で自己資本比率88.8%という高水準を維持。同社は非上場のために利益内容の内訳は不明だが、名古屋市内の都心部に位置する「ミユキモール」などの不動産賃貸収入が収益に寄与していると推察

Performance
1998〜2023
百貨店向けの高級紳士服の販売が不振。繊維事業が行き詰まり東洋紡による買収を許諾

■ 売上高: 億円※

■単体 | ■連結

■ 売上高_当期純利益率: %※

※連単は売上に同じ
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※年毎に科目・連単・会計基準・期間が違う場合あり。参考値