勧業電気機器を設立
1965年に須藤氏は「勧業電気機器」を設立し、計測機である「ホール素子」を製品化して起業家に転身した。技術ベンチャー企業としてスタートしたが、技術は懇意にしていた大学教授と共同で開発したものであり、須藤社長の主な仕事は金策や営業活動であったと推察される。
創業期の勧業電気は注目されないベンチャー企業であったが、1967年にホール阻止の技術を応用した「ガウスメーター(高感度磁力計)」を製品化するなど、計測機器の開発を行なっていた。1970年代前半には自動車向けの衝突センサーを研究開発していたと思われる。
業績不振で社員15名中12名が辞職。3名で再スタートを切る
1973年のオイルショックによって、経済不況に陥ると、勧業電気も影響を受けた。勧業電気は自動車メーカー向けの衝突センサーを手掛けていたが、オイルショックによって需要が激減して業績が悪化した。
このため、勧業電気の須藤社長を含めた3名を残して12名が会社から社員が辞職し、実質的に再スタートを切る必要に迫られたという。この頃の勧業電気は無名会社であり、須藤社長は資金繰りに苦労していた。