Akamai Technologiesの歴史

Last Updated: | Author: @yusugiura
歴史概要
Content Delivery Networkの老舗。webコンテンツの高速配信基盤とセキュリティーインフラを提供するグローバル企業
1995
創業経緯
MITの数学者がネットワーク配信の最適化アルゴリズムを考案
Akamai Technologiesの歴史は、1995年にMITの数学者であったTom Leighton教授が、webにおけるコンテンツの最適な配信方法を研究したこと...
詳細なレポートを読む ( 385文字)
1998
意思決定
共同研究者のMITの学生がローン返済のために起業コンテストに応募し、Akamaiを共同創業
1997年にMITで数学者を目指していた若者・Daniel M. Lewinは、自らの学生ローンを返済するために、共同研究者であったTom Leightonが提唱したC...
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2001
業績悪化
株式上場を果たすが、ネットバブルの崩壊で存亡の危機へ
インターネットバブルの追い風を受けて、1999年にAkamaiは株式上場を果たした。IPOによって獲得した資金によって、全世界に向けてAkamaiのサーバーを分散配置す...
詳細なレポートを読む ( 352文字)
2004
業績好調
創業以来初となる黒字転換を達成
Akamaiは2001年までに投資の失敗による損失を計上し、本業であるCDNに回帰して経営再建を図った。インターネットバブルは崩壊したものの、インターネットに対するコン...
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2012
意思決定
セキュリティー事業に本格投資
2001年ごろからAkamaiはCDNを応用して、ファイアウォールなどのセキュリティーに関する技術開発にも関係するようになった。セキュリティー研究の発端は、2001年に...
詳細なレポートを読む ( 503文字)
2020
業績好調
過去最高益を達成
2010年代を通じて、Akamaiの創業事業であるCDNはAWS(CloudFront)などの競合の台頭によって競争にさらされたものの、セキュリティー分野における収益の...
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Report

1995 MITの数学者がネットワーク配信の最適化アルゴリズムを考案

創業経緯

Akamai Technologiesの歴史は、1995年にMITの数学者であったTom Leighton教授が、webにおけるコンテンツの最適な配信方法を研究したことに始まる。このときに考案されたのが、Content Delivery Network(CDN)であり、webにおけるコンテンツを配信する際に「最も近いキャッシュサーバーからデータを配信する」ことを実現する数学的なアルゴリズムであった。

だが、インターネットが普及途上にあったため、商用化は難しいと考えられていた。実際に、CDNの商用化のために大手プロバイダー(ISP)からは、良い返事を得ることはできなかったという。

このため、CDNの理論的な研究は完了していたものの、Akamaiの実用化のための起業はインターネットバブルによる追い風が吹くまで待つ必要があった。

Tom Leighton

Danny and I had no experience in business, so starting a company was the furthest idea from our minds. However, there was a business plan competition at MIT's Sloan School, and Danny, who was my graduate student at the time, was worried about going broke from student loans.

Danny’s next door neighbor told him that the competition had a $50,000 prize, which just about matched Danny’s debt. What Danny did not know was that the winner received only $35,000 of the prize and that he could not use the earnings to pay off his student loans. However, that motivation got us into the competition. We rented books from the library to prepare, but since we had no business experience, we [read] “Business Plans for Dummies”.

Throughout this process, we became interested in how the technology we worked on in the lab could make a difference with web congestion, making the Internet faster. As part of the competition, we met potential customers, experts in the industry, and experts in business. We learned a great deal throughout, one idea led to another, and we started the company 20 years ago.

Report

1998 共同研究者のMITの学生がローン返済のために起業コンテストに応募し、Akamaiを共同創業

意思決定

1997年にMITで数学者を目指していた若者・Daniel M. Lewinは、自らの学生ローンを返済するために、共同研究者であったTom Leightonが提唱したCDNの理論をもとに起業コンテストに応募した。この結果、幸いにも、1998年ごろからインターネット産業に対する注目が集まったこともあり、Tom Leightonが提唱するアルゴリズムに興味を示すベンチャーキャピタルが現れた。

そして、1998年にTom LeightonとDaniel M. LewinというMITの数学者2名によってAkamai Technologies が設立された。なお、社名の由来は「A」から始まる社名であれば索引などで目立つことと、ハワイ語でAkamaiは「賢い」を意味することから、このエキゾチックな名前に決めたという。

なお、Akamaiの顧客はISPなどのプロバイダーではなく、Yahooなどのコンテンツの提供者が主体であった。短期間に大量のアクセスが発生するコンテンツを持つweb企業に対してCDNを提供することによって、Akamaiはweb企業のインフラ基盤を提供するというポジションを確保した。

Report

2001 株式上場を果たすが、ネットバブルの崩壊で存亡の危機へ

業績悪化

インターネットバブルの追い風を受けて、1999年にAkamaiは株式上場を果たした。IPOによって獲得した資金によって、全世界に向けてAkamaiのサーバーを分散配置するとともに、ネット関係のベンチャー企業への投資を推し進めた。

しかし、ネットバブルが崩壊するとAkamaiの手掛けたベンチャー企業への投資は失敗し、Akamaiは2001年に巨額損失を計上するとともに株価が暴落した。ネットバブルの崩壊によってAkamaiの顧客も多くが消滅した。この結果、Akamaiは従業員の2/3のリストラを決めるなど厳しい状況に陥った。

加えて2000年には9.11のテロにより共同創業者の一人であるTom Leightonが逝去するなど、その前途が危ぶまれた。

Akamai Annual Report(FY2001)

The entire Akamai family mourns the loss of our co-founder and Chief Technology Officer, Danny Lewin,who was a victim of the terrible events of September 11th. Not only was Danny a valuable member of the executive team, he helped found Akamai in September 1998, along with Tom Leighton and a group of Massachusetts Institute of Technology scientists and business professionals.

As our Chief Technology Officer, he was responsible for Akamai’s fundamental strategy of creating innovative Internet infrastructure services that would produce an entirely new industry segment and forever change the way people and companies distribute content, data, and applications worldwide. Danny’s spirit and enthusiasm are deeply and profoundly missed by all who knew him.

Report

2004 創業以来初となる黒字転換を達成

業績好調

Akamaiは2001年までに投資の失敗による損失を計上し、本業であるCDNに回帰して経営再建を図った。インターネットバブルは崩壊したものの、インターネットに対するコンテンツへのアクセスは徐々に増加したため、AKamaiの赤字も徐々に解消されていった。

2004年にAkamaiは創業以来初となる純利益の黒字化を達成し、本業による経営再建に目処をつけた。

なお、2000年代前半におけるAkamaiの顧客は、IBM、Apple、Microsoft、Yahoo、FBI、FedEx、BestBuyなどであり、2004年時点で1300の会社および機関を顧客として抱えた。

Report

2012 セキュリティー事業に本格投資

意思決定

2001年ごろからAkamaiはCDNを応用して、ファイアウォールなどのセキュリティーに関する技術開発にも関係するようになった。

セキュリティー研究の発端は、2001年に何者かによって開発されたCodeRedという悪意のあるプログラムによって、ホワイトハウスのネットワークが攻撃されたことであった。当時、国家安全保障の責任者はAkamaiにセキュリティーの強化を相談し、Akamaiがこの問題を解決したことでセキュリティーの研究を本格化させた。だが、DDoS攻撃などをAkamaiのCDNを応用して防御する技術開発に難航し、2000年代はAkamaiがセキュリティー事業を本格化させることはなかった。

セキュリティーの事業化に目処が立った2012年に、Akamaiはセキュリティー事業への本格投資を始めた。従来は顧客企業がセキュリティー強化のためにVPNを使用することが一般的だったが、Akamaiはアプリケーションをネットワークから隠蔽することで攻撃者が侵入できないような仕組みを構築し、顧客がVPNを使用せずにアプリケーションを使用できるサービスの提供を開始した。

Tom Leighton(Akamai CEO)

We have made a huge investment around security, and as I mentioned, it will become our biggest business in five years. I believe that In five years, most people will not have traditional firewalls, but change sometimes moves slower than technologists predict.

Report

2020 過去最高益を達成

業績好調

2010年代を通じて、Akamaiの創業事業であるCDNはAWS(CloudFront)などの競合の台頭によって競争にさらされたものの、セキュリティー分野における収益の増加に成功した。AkamaiのSecurity事業の収益(Revenue)は、2016年度に$658百万ドル、2019年度には848百万ドルへと急成長を遂げた。2020年度はコロナウイルスによるトラフックの増加もあり、過去最高益(Net Profit)を達成した。

この結果、Akamaiは主力事業を「CDN(コンテンツ配信の最適化)」から、顧客企業に対する安全なネットワークの提供というセキュリティー事業にシフトしている。