川本製作所の創業者である川本𨨞三(せいぞう)氏は、手押しポンプの第一人者である小沢半助からポンプ製造の技術を学び、1919年に名古屋市中区大須にて手押しポンプの製造販売店(現・川本製作所)を創業した。
川本𨨞三氏は生産を工夫することによって、ポンプの販売価格の値下げに成功。「川本ポンプ」は安いポンプとして全国各地から引き合いがあり、同業者が驚くほどであったという。
この結果、大正時代を通じて川本製作所は全国に2000店の販売店と契約をし、全国への販売網を構築した。大正時代には手押しポンプといえば「川本ポンプ」という連想を獲得し、国内シェアが100%近い状態だったとも言われている。