沿革年表 1912〜2026年における重要度別の出来事(合計59件)
| 年月 | 区分 | 社長/CEO | 出来事 | 年度 | 売上高 | 純利益 |
|---|---|---|---|---|---|---|
揖斐川電力株式会社を設立 1912年、立川勇次郎は岐阜県大垣市で揖斐川電力株式会社(現イビデン)を設立した。立川は美濃の元藩士の家系で養老鉄道などを手掛けた地元実業家であり、揖斐川の豊富な水力で発電所を設置し電力事業に参入した。しかし当時の大垣周辺は電力需要が乏しかった。そこで安価な水力電力を武器に紡績工場の誘致戦略をとり、大日本紡績など大手が大垣に進出して顧客基盤が形成された。よって高度成長期まで大垣の繊維産業は発展し、立川は地域発展の名士として記憶された。 発電所と需要を同時に設計した地方実業家の産業誘致モデル | 1912 1-12月 | |||||
重要事項会社設立 | 揖斐川電力株式会社設立 | |||||
設備投資 | 西横山発電所発電開始、出力3,000KW、電力供給業開始 | 1915 1-12月 | ||||
大垣工場を新設。カーバイドの製造を開始 | 1917 1-12月 | |||||
設備投資 | 大垣工場(岐阜県大垣市)を開設 | |||||
商号を揖斐川電気株式会社に変更 | 1921 1-12月 | |||||
設備投資 | 東横山発電所発電開始、出力6,400KW(現在・14,600KW) | |||||
設備投資 | 広瀬発電所発電開始、出力5,200KW(現在・8,900KW) | 1925 1-12月 | ||||
設備投資 | 川上発電所発電開始、出力2,950KW(現在・4,400KW) | 1935 1-12月 | ||||
設備投資 | 河間工場(岐阜県大垣市)を開設 | 1939 1-12月 | ||||
組織再編 | 商号を揖斐川電気工業株式会社に改称 | 1940 1-12月 | ||||
重要事項事業売却 | 電力事業から撤退。カーバイドに業態転換 歴史的意義yutaka sugiura イビデンの電力事業からの撤退は、電力を外部に販売する事業から、自社のカーバイド製造に電力を振り向ける垂直統合の志向であった。水力発電のコスト優位は売電でも活かせたが、化学品製造の原価に組み込むことでより直接的な競争力に変換された。ただし、戦後の石油化学の普及によるカーバイド市場の縮小とともに優位性を失い、オイルショック後のイビデンの業績不振へと繋がった。 | 1942 1-12月 | ||||
事業売却 | 西横山・西平両発電所を譲渡、電力供給業を廃止 | |||||
設備投資 | 青柳工場(岐阜県大垣市)を開設 | 1943 1-12月 | ||||
東京証券取引所に株式上場 | 1949 1-12月 | |||||
重要事項株式上場 | 東京・大阪・名古屋の各証券取引所に株式上場(2004年9月 大阪証券取引所上場廃止) | |||||
建材に本格参入 | 1960 1-12月 | |||||
特殊炭素製品の製造・販売開始 | 1969 1-12月 | |||||
設備投資 | 衣浦工場(愛知県高浜市)を開設 | |||||
重要事項 | プリント配線板に参入 歴史的意義yutaka sugiura イビデンのプリント配線板参入は、メラミン化粧板で蓄積したエッチング加工技術の転用によって実現した。建材と半導体基板は最終製品として全く異なるが、化学薬品による腐食加工という製造工程では共通する。この技術の転用が、電力・カーバイドの企業をエレクトロニクス部品メーカーへと変える転換点となり、のちのインテル向けパッケージ基板事業の技術的な起点となった。 | 1970 1-12月 | ||||
FY71 1971/3 | 売上高 133億円 | 経常利益 2.87億円 | ||||
FY72 1972/3 | 売上高 136億円 | 経常利益 3.11億円 | ||||
電子回路製品の製造・販売開始 | FY73 1973/3 | 売上高 155億円 | 経常利益 2.26億円 | |||
断熱材セラミックファイバーの製造・販売開始 | FY74 1974/3 | 売上高 212億円 | 経常利益 7.49億円 | |||
FY75 1975/3 | 売上高 280億円 | 経常利益 7.28億円 | ||||
緊急合理化対策を発表 1973年のオイルショックを契機に、それまでのイビデンの主力事業であった「カーバイド」に対する需要が減少した。加えて、業界内におけるカーバイドの過剰生産も問題となり、イビデンはそれまでの主力事業が行き詰まってしまう。1976年にイビデンは、緊急合理化対策を発表し、社員200名のリストラを決定した。この決定について、のちにイビデンの社長に就任した遠藤氏は苦しい思いをしたことを述懐しており、今後は二度とリストラをしないことを誓ったという。 | FY76 1976/3 | 売上高 258.5億円 | 当期純利益 0.36億円 | |||
FY77 1977/3 | 売上高 273.04億円 | 当期純利益 3.61億円 | ||||
FY78 1978/3 | 売上高 256.96億円 | 当期純利益 1.9億円 | ||||
FY79 1979/3 | 売上高 278.48億円 | 当期純利益 2.04億円 | ||||
FY80 1980/3 | 売上高 351.37億円 | 当期純利益 6.76億円 | ||||
FY81 1981/3 | 売上高 380.67億円 | 当期純利益 8.81億円 | ||||
商号をイビデンに変更 | FY82 1982/3 | 売上高 382.04億円 | 当期純利益 9.22億円 | |||
組織再編 | 商号をイビデン株式会社に改称 | FY83 1983/3 | 売上高 401.99億円 | 当期純利益 11.72億円 | ||
FY84 1984/3 | 売上高 435.07億円 | 当期純利益 13.59億円 | ||||
FY85 1985/3 | 売上高 507.25億円 | 当期純利益 16.69億円 | ||||
プラスチックパッケージ基板の生産開始 歴史的意義yutaka sugiura パッケージ基板市場がセラミック製で確立されていた1987年に、イビデンはあえてプラスチック製に素材を絞って参入した。絶縁性の優位性という技術的判断は正しかったが、積層加工の困難から価格競争力を欠き、1990年代前半まではPC向け市場に入り込めなかった。先見性のある素材選定と、市場が追いつくまでの時間差をどう耐えるかという、技術先行型参入に固有のリスクを示す事例であった。 | FY87 1987/3 | |||||
ファインセラミックス製品の製造・販売開始 | FY88 1988/3 | |||||
設備投資 | 大垣北工場(岐阜県揖斐川町)を開設 | FY90 1990/3 | ||||
海外進出 | アメリカ合衆国にセラミック製品販売会社マイクロメック株式会社を設立(現・連結子会社) | FY91 1991/3 | ||||
海外進出 | オランダに金融統括会社イビデンネザーランズ株式会社(現・イビデンヨーロッパ株式会社)を設立(現・連結子会社) | FY92 1992/3 | 売上高 711億円 | 当期純利益 22億円 | ||
海外進出 | シンガポールに電子関連製品販売会社イビデンシンガポール株式会社を設立(現・連結子会社) | FY93 1993/3 | 売上高 598億円 | 当期純利益 2億円 | ||
重要事項 | インテル攻略プロジェクトを発足。遠藤社長が直轄でPJを率先 歴史的意義yutaka sugiura イビデンのインテル攻略プロジェクトは、研究開発予算のほぼ全額を単一プロジェクトに集中させるという極端な資源配分の決断であった。通常5〜6年の開発を2年に圧縮する目標設定、他部署との兼務禁止、解散時の雇用保証というルール設計は、組織の全エネルギーを一点に収束させるための仕組みであった。この賭けが成立したのは、インテルのセラミックからプラスチックへの素材転換という外部環境の変化と時期が一致したためでもある。 | FY94 1994/3 | 売上高 599億円 | 当期純利益 4億円 | ||
FY95 1995/3 | 売上高 672億円 | 当期純利益 19億円 | ||||
海外進出 | アメリカ合衆国に金融統括会社イビデンインターナショナル株式会社(現・イビデンU.S.A.株式会社)を設立(現・連結子会社) | FY96 1996/3 | 売上高 750億円 | 当期純利益 17億円 | ||
FY97 1997/3 | 売上高 881億円 | 経常利益 60億円 | ||||
| 岩田義文 | FY98 1998/3 | 売上高 1,051億円 | 経常利益 92億円 | |||
| 岩田義文 | 乗用車向けDPFの実用化 | FY99 1999/3 | ||||
海外進出 | 岩田義文 | 台湾に電子関連製品販売会社台湾揖斐電股分有限公司を設立(現・連結子会社) | FY00 2000/3 | |||
海外進出 | 岩田義文 | フィリピンに電子関連製品製造会社イビデンフィリピン株式会社、土地管理会社イビデンフィリピンランドホールディングス株式会社を設立(ともに現・連結子会社) | FY01 2001/3 | |||
海外進出 | 中国に電子関連製品販売会社揖斐電電子(上海)有限公司を設立(現・連結子会社) | |||||
海外進出 | 韓国に電子関連製品販売会社イビデンコリア株式会社を設立(現・連結子会社) | |||||
フィリピンにパッケージ基板の製造拠点を設置 | ||||||
| 岩田義文 | FY02 2002/3 | 売上高 2,120億円 | 当期純利益 56億円 | |||
| 岩田義文 | FY03 2003/3 | 売上高 2,101億円 | 経常利益 93億円 | |||
| 岩田義文 | ハンガリーにてDPFの生産開始 | FY04 2004/3 | 売上高 2,205億円 | 経常利益 131億円 | ||
海外進出 | 岩田義文 | ハンガリーにDPF製造会社イビデンハンガリー株式会社を設立(現・連結子会社) | FY05 2005/3 | 売上高 2,475億円 | 当期純利益 121億円 | |
| 竹中裕紀 | FY06 2006/3 | 売上高 3,190億円 | 当期純利益 272億円 | |||
| 竹中裕紀 | FY07 2007/3 | 売上高 3,986億円 | 当期純利益 483億円 | |||
設備投資 | 竹中裕紀 | 大垣中央事業場(岐阜県大垣市)を開設 | FY08 2008/3 | 売上高 4,135億円 | 当期純利益 460億円 | |
重要事項 | 自己資金で618億円の設備投資。マレーシア新工場の建設開始 歴史的意義yutaka sugiura イビデンは618億円の設備投資を全額自己資金で実行し、銀行借入や資本市場からの調達を見送った。半導体関連事業は需要変動が激しく、好況期の利益を次の投資に充当するサイクルを自己資金で完結させることで、不況期に借入返済の負担を負わない構造を志向したと考えられる。翌2009年のリーマンショックで赤字に転落した際にも財務危機に至らなかった点は、この判断の妥当性を裏付けている。 | |||||
海外進出 | 竹中裕紀 | マレーシアに電子関連製品製造会社イビデンエレクトロニクスマレーシア株式会社を設立(現・連結子会社) | FY09 2009/3 | 売上高 3,093億円 | 当期純利益 -87億円 | |
設備投資 | 神戸事業場(岐阜県神戸町)を開設 | |||||
最終赤字87億円に転落 | ||||||
| 竹中裕紀 | FY10 2010/3 | 売上高 2,742億円 | 当期純利益 119億円 | |||
| 竹中裕紀 | パッケージ基板をマレーシアで量産開始 FY2017にイビデンは約600億円の事業改革構造費用を特別損失として計上し、最終赤字628億円を計上した。損失の主な内訳は、グループ会社の事業用資産の減損であった。電子セグメントでは、マレーシアを中心としたパッケージ基板の製造設備に関する減損が累計約381億円に及んだ。 | FY11 2011/3 | 売上高 3,049億円 | 当期純利益 197億円 | ||
海外進出 | 竹中裕紀 | 韓国にセラミック製品製造会社イビデングラファイトコリア株式会社を設立(現・連結子会社) | FY12 2012/3 | 売上高 3,008億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 106億円 | |
海外進出 | シンガポールに金融統括会社イビデンアジアホールディングス株式会社を設立(現・連結子会社) | |||||
| 竹中裕紀 | FY13 2013/3 | 売上高 2,859億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 22億円 | |||
海外進出 | 竹中裕紀 | メキシコにDPF製造会社イビデンメキシコ株式会社を設立(現・連結子会社) | FY14 2014/3 | 売上高 3,102億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 175億円 | |
| 竹中裕紀 | FY15 2015/3 | 売上高 3,180億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 191億円 | |||
| 青木武志 | FY16 2016/3 | 売上高 3,141億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 75億円 | |||
| 青木武志 | デンソーと業務資本提携を締結 | FY17 2017/3 | 売上高 2,664億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 -628億円 | ||
| 青木武志 | パッケージ基板への投資再開 2010年代後半からAWS等のクラウド普及でデータセンター増設ラッシュが沸き起こり、DC向けプロセッサー生産急増で顧客インテルの半導体生産量増大が予想された。そこで2018年、イビデンは3年間でICパッケージ基板に投資する方針を示し、FY2020設備投資額を従来計画より250億円増額の900億円に修正、大半を同基板に配分した。2017年に最終赤字計上後の即座の投資再開という異色決断で、良好な財務体質ゆえ可能と推察される。 | FY18 2018/3 | 売上高 3,004億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 116億円 | ||
| 青木武志 | 特例子会社、イビデンオアシス株式会社を設立(現・連結子会社) | FY19 2019/3 | 売上高 2,911億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 33億円 | ||
| 青木武志 | FY20 2020/3 | 売上高 2,959億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 113億円 | |||
海外進出 | 青木武志 | 中国に触媒担体保持・シール材製造会社揖斐電精密陶瓷(蘇州)有限公司を設立(現・連結子会社) | FY21 2021/3 | 売上高 3,234億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 257億円 | |
企業買収 | イタリアの炭素製品の加工・販売会社エルジーグラファイト株式会社の株式を取得(現・連結子会社) | |||||
| 青木武志 | イビデンヒューマンネットワーク株式会社を設立(現・連結子会社) | FY22 2022/3 | 売上高 4,011億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 412億円 | ||
インテル向け復調 2018年以降、Intelはイビデンに対するパッケージ基板の発注量を毎年増大させ、イビデンの売上拡大を牽引した。この結果、イビデンはパッケージ基板の販売を拡大し、FY2021にインテル向けの販売高が1736億円(イビデンの全社売上高の約40%)に及び、電子セグメントの売上高セグメント利益率も40%という驚異的な水準に達した。 | ||||||
株式上場 | 河島浩二 | 東京証券取引所及び名古屋証券取引所の市場区分の見直しにより各市場第一部からプライム市場及びプレミア市場へ移行 | FY23 2023/3 | 売上高 4,175億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 522億円 | |
| 河島浩二 | 河間事業所新棟を稼働 | FY24 2024/3 | 売上高 3,705億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 315億円 | ||
| 河島浩二 | FY25 2025/3 | 売上高 3,694億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 337億円 | |||
FY26 2026/3 | 売上高 4,162億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 637億円 |
- 揖斐川電力株式会社を設立
1912年、立川勇次郎は岐阜県大垣市で揖斐川電力株式会社(現イビデン)を設立した。立川は美濃の元藩士の家系で養老鉄道などを手掛けた地元実業家であり、揖斐川の豊富な水力で発電所を設置し電力事業に参入した。しかし当時の大垣周辺は電力需要が乏しかった。そこで安価な水力電力を武器に紡績工場の誘致戦略をとり、大日本紡績など大手が大垣に進出して顧客基盤が形成された。よって高度成長期まで大垣の繊維産業は発展し、立川は地域発展の名士として記憶された。
発電所と需要を同時に設計した地方実業家の産業誘致モデル - 揖斐川電力株式会社設立
- 西横山発電所発電開始、出力3,000KW、電力供給業開始
- 大垣工場を新設。カーバイドの製造を開始
- 大垣工場(岐阜県大垣市)を開設
- 商号を揖斐川電気株式会社に変更
- 東横山発電所発電開始、出力6,400KW(現在・14,600KW)
- 広瀬発電所発電開始、出力5,200KW(現在・8,900KW)
- 川上発電所発電開始、出力2,950KW(現在・4,400KW)
- 河間工場(岐阜県大垣市)を開設
- 商号を揖斐川電気工業株式会社に改称
- 電力事業から撤退。カーバイドに業態転換イビデンの電力事業からの撤退は、電力を外部に販売する事業から、自社のカーバイド製造に電力を振り向ける垂直統合の志向であった。水力発電のコスト優位は売電でも活かせたが、化学品製造の原価に組み込むことでより直接的な競争力に変換された。ただし、戦後の石油化学の普及によるカーバイド市場の縮小とともに優位性を失い、オイルショック後のイビデンの業績不振へと繋がった。
- 西横山・西平両発電所を譲渡、電力供給業を廃止
- 青柳工場(岐阜県大垣市)を開設
- 東京証券取引所に株式上場
- 東京・大阪・名古屋の各証券取引所に株式上場(2004年9月 大阪証券取引所上場廃止)
- 建材に本格参入
- 特殊炭素製品の製造・販売開始
- 衣浦工場(愛知県高浜市)を開設
- プリント配線板に参入イビデンのプリント配線板参入は、メラミン化粧板で蓄積したエッチング加工技術の転用によって実現した。建材と半導体基板は最終製品として全く異なるが、化学薬品による腐食加工という製造工程では共通する。この技術の転用が、電力・カーバイドの企業をエレクトロニクス部品メーカーへと変える転換点となり、のちのインテル向けパッケージ基板事業の技術的な起点となった。
- 電子回路製品の製造・販売開始
- 断熱材セラミックファイバーの製造・販売開始
- 緊急合理化対策を発表
1973年のオイルショックを契機に、それまでのイビデンの主力事業であった「カーバイド」に対する需要が減少した。加えて、業界内におけるカーバイドの過剰生産も問題となり、イビデンはそれまでの主力事業が行き詰まってしまう。1976年にイビデンは、緊急合理化対策を発表し、社員200名のリストラを決定した。この決定について、のちにイビデンの社長に就任した遠藤氏は苦しい思いをしたことを述懐しており、今後は二度とリストラをしないことを誓ったという。
- 商号をイビデンに変更
- 商号をイビデン株式会社に改称
- プラスチックパッケージ基板の生産開始パッケージ基板市場がセラミック製で確立されていた1987年に、イビデンはあえてプラスチック製に素材を絞って参入した。絶縁性の優位性という技術的判断は正しかったが、積層加工の困難から価格競争力を欠き、1990年代前半まではPC向け市場に入り込めなかった。先見性のある素材選定と、市場が追いつくまでの時間差をどう耐えるかという、技術先行型参入に固有のリスクを示す事例であった。
- ファインセラミックス製品の製造・販売開始
- 大垣北工場(岐阜県揖斐川町)を開設
- アメリカ合衆国にセラミック製品販売会社マイクロメック株式会社を設立(現・連結子会社)
- オランダに金融統括会社イビデンネザーランズ株式会社(現・イビデンヨーロッパ株式会社)を設立(現・連結子会社)
- シンガポールに電子関連製品販売会社イビデンシンガポール株式会社を設立(現・連結子会社)
- アメリカ合衆国に金融統括会社イビデンインターナショナル株式会社(現・イビデンU.S.A.株式会社)を設立(現・連結子会社)
- 乗用車向けDPFの実用化
- 台湾に電子関連製品販売会社台湾揖斐電股分有限公司を設立(現・連結子会社)
- フィリピンに電子関連製品製造会社イビデンフィリピン株式会社、土地管理会社イビデンフィリピンランドホールディングス株式会社を設立(ともに現・連結子会社)
- 中国に電子関連製品販売会社揖斐電電子(上海)有限公司を設立(現・連結子会社)
- 韓国に電子関連製品販売会社イビデンコリア株式会社を設立(現・連結子会社)
- フィリピンにパッケージ基板の製造拠点を設置
- ハンガリーにてDPFの生産開始
- ハンガリーにDPF製造会社イビデンハンガリー株式会社を設立(現・連結子会社)
- 大垣中央事業場(岐阜県大垣市)を開設
- マレーシアに電子関連製品製造会社イビデンエレクトロニクスマレーシア株式会社を設立(現・連結子会社)
- 神戸事業場(岐阜県神戸町)を開設
- 最終赤字87億円に転落
- パッケージ基板をマレーシアで量産開始
FY2017にイビデンは約600億円の事業改革構造費用を特別損失として計上し、最終赤字628億円を計上した。損失の主な内訳は、グループ会社の事業用資産の減損であった。電子セグメントでは、マレーシアを中心としたパッケージ基板の製造設備に関する減損が累計約381億円に及んだ。
- 韓国にセラミック製品製造会社イビデングラファイトコリア株式会社を設立(現・連結子会社)
- シンガポールに金融統括会社イビデンアジアホールディングス株式会社を設立(現・連結子会社)
- メキシコにDPF製造会社イビデンメキシコ株式会社を設立(現・連結子会社)
- デンソーと業務資本提携を締結
- パッケージ基板への投資再開
2010年代後半からAWS等のクラウド普及でデータセンター増設ラッシュが沸き起こり、DC向けプロセッサー生産急増で顧客インテルの半導体生産量増大が予想された。そこで2018年、イビデンは3年間でICパッケージ基板に投資する方針を示し、FY2020設備投資額を従来計画より250億円増額の900億円に修正、大半を同基板に配分した。2017年に最終赤字計上後の即座の投資再開という異色決断で、良好な財務体質ゆえ可能と推察される。
- 特例子会社、イビデンオアシス株式会社を設立(現・連結子会社)
- 中国に触媒担体保持・シール材製造会社揖斐電精密陶瓷(蘇州)有限公司を設立(現・連結子会社)
- イタリアの炭素製品の加工・販売会社エルジーグラファイト株式会社の株式を取得(現・連結子会社)
- イビデンヒューマンネットワーク株式会社を設立(現・連結子会社)
- インテル向け復調
2018年以降、Intelはイビデンに対するパッケージ基板の発注量を毎年増大させ、イビデンの売上拡大を牽引した。この結果、イビデンはパッケージ基板の販売を拡大し、FY2021にインテル向けの販売高が1736億円(イビデンの全社売上高の約40%)に及び、電子セグメントの売上高セグメント利益率も40%という驚異的な水準に達した。
- 東京証券取引所及び名古屋証券取引所の市場区分の見直しにより各市場第一部からプライム市場及びプレミア市場へ移行
- 河間事業所新棟を稼働