沿革年表 1936〜2025年における重要度別の出来事(合計25件)
| 年月 | 区分 | 社長/CEO | 出来事 | 年度 | 売上高 | 純利益 |
|---|---|---|---|---|---|---|
重要事項 | 協和化学研究所を発足 歴史的意義yutaka sugiura 協和発酵の出自は酒造3社のカルテルによる共同研究所であり、戦時中は航空機燃料の開発という軍需事業に従事した。終戦による軍需喪失は事業基盤の崩壊を意味したが、発酵技術そのものは民需に転用可能な汎用技術であった。航空燃料に向けた培養・精製の技術的蓄積が結核治療薬の製造へと転用された事実は、技術基盤の応用範囲が事業転換の選択肢を規定するという構造を示している。 | 1936 1-12月 | ||||
協和発酵工業株式会社を設立(企業再建整備法に基づき旧会社を解散・第二会社として発足) | FY50 1950/3 | |||||
東京証券取引所に株式上場 | ||||||
メルク社と提携・結核治療薬「ストレプトマイシン」の製造を開始 終戦直後、結核治療薬が欧米で普及したのを受け日本政府は国内導入を決定し、ストレプトマイシン製造元として協和発酵工業と明治製菓を選定した。協和発酵はメルク社と技術提携を結び、自社の「発酵タンク」を高く評価したメルク社から国内培養技術の供与を受けた。加藤辨三郎社長は資本金2.7億円のところ4億円の設備投資を決定し、防府工場に拠点を設けて医薬品事業へ本格参入した。 | FY52 1952/3 | |||||
蒸留酒会社の買収を本格化 | FY53 1953/3 | |||||
発酵法によるグルタミン酸ソーダの製造を発明(味の素と競合へ) | FY57 1957/3 | |||||
山陽化学工業を合併・宇部工場を開設 | FY58 1958/3 | |||||
医療用医薬品「マイトマイシン」を発売(渋谷区の土壌から放線菌を分離) | FY60 1960/3 | |||||
4事業部体制(医薬品・酒類・化学品・食品) | FY67 1967/3 | |||||
FY70 1970/3 | 売上高 497億円 | 当期純利益 11億円 | ||||
FY71 1971/3 | 売上高 520億円 | 当期純利益 10億円 | ||||
FY72 1972/3 | 売上高 586億円 | 当期純利益 10億円 | ||||
FY73 1973/3 | 売上高 791億円 | 当期純利益 15億円 | ||||
FY74 1974/3 | 売上高 1,162億円 | 当期純利益 24億円 | ||||
FY75 1975/3 | 売上高 1,241億円 | 当期純利益 7億円 | ||||
FY76 1976/3 | 売上高 1,393億円 | 当期純利益 14億円 | ||||
FY77 1977/3 | 売上高 1,473億円 | 当期純利益 26億円 | ||||
FY78 1978/3 | 売上高 1,449億円 | 当期純利益 27億円 | ||||
FY79 1979/3 | 売上高 1,735億円 | 当期純利益 30億円 | ||||
FY80 1980/3 | 売上高 2,012億円 | 当期純利益 32億円 | ||||
FY81 1981/3 | 売上高 2,065億円 | 当期純利益 42億円 | ||||
協和メディックスを設立 | FY82 1982/3 | 売上高 2,159億円 | 当期純利益 49億円 | |||
FY83 1983/3 | 売上高 2,199億円 | 当期純利益 50億円 | ||||
加藤弁三郎会長が逝去 | FY84 1984/3 | 売上高 2,244億円 | 当期純利益 55億円 | |||
高血圧症・狭心症治療剤「コニール」を発売 | FY92 1992/3 | 売上高 3,237億円 | 当期純利益 47億円 | |||
FY93 1993/3 | 売上高 3,232億円 | 当期純利益 62億円 | ||||
FY94 1994/3 | 売上高 3,415億円 | 当期純利益 106億円 | ||||
FY95 1995/3 | 売上高 3,749億円 | 当期純利益 156億円 | ||||
FY96 1996/3 | 売上高 829億円 | 当期純利益 12億円 | ||||
FY97 1997/3 | 売上高 3,976億円 | 当期純利益 123億円 | ||||
| 松田譲 | FY98 1998/3 | 売上高 3,973億円 | 当期純利益 135億円 | |||
| 松田譲 | FY99 1999/3 | 売上高 3,846億円 | 当期純利益 61億円 | |||
| 松田譲 | FY00 2000/3 | 売上高 3,749億円 | 当期純利益 112億円 | |||
| 松田譲 | ヤンセン協和をJ&Jに売却 | FY01 2001/3 | 売上高 3,756億円 | 当期純利益 93億円 | ||
| 松田譲 | FY02 2002/3 | 売上高 2,786億円 | 当期純利益 55億円 | |||
| 松田譲 | 酒類事業をアサヒビールに売却 | FY03 2003/3 | 売上高 3,592億円 | 当期純利益 84億円 | ||
| 松田譲 | FY04 2004/3 | 売上高 3,488億円 | 当期純利益 100億円 | |||
| 松田譲 | 化学品事業を分割・協和発酵ケミカルを設立 | FY05 2005/3 | 売上高 3,589億円 | 当期純利益 179億円 | ||
| 松田譲 | 食品事業を分割・協和発酵フーズを設立 | FY06 2006/3 | 売上高 3,534億円 | 当期純利益 162億円 | ||
| 松田譲 | FY07 2007/3 | 売上高 3,542億円 | 当期純利益 126億円 | |||
| 松田譲 | 第一三共から「第一ファインケミカル」を買収 | FY08 2008/3 | 売上高 3,921億円 | 当期純利益 234億円 | ||
重要事項企業買収 | 松田譲 | キリンHDが協和発酵をTOBにより買収 歴史的意義yutaka sugiura キリンHDによる協和発酵のTOBは、ビール会社が医薬品事業の拡大を目的に実行した買収であった。両社を結びつけたのは「発酵技術」という共通の技術基盤であり、協和発酵の側にも2002年来の合併構想と社内の高い賛同率が存在した。買収後に酒類・化学品・食品の各事業が相次いで売却された経緯は、親会社の事業戦略が子会社のポートフォリオを規定し、非中核と判断された事業は切り離される構造を浮き彫りにしている。 | FY09 2009/3 | 売上高 3,091億円 | 当期純利益 87億円 | |
| 松田譲 | FY10 2010/3 | 売上高 4,137億円 | 当期純利益 221億円 | |||
| 松田譲 | 協和発酵ケミカルをケイジェイHDに譲渡 | FY11 2011/3 | 売上高 3,437億円 | 当期純利益 256億円 | ||
| 花井陳雄 | 英ProStrakan Group plcを買収 2011年に協和発酵はイギリスのProStrakan社(ロンドン証券取引所への上場企業)の買収を決断。買収予定価格は394億円であり、抗体医薬における医薬品のうち、がん・胃・免疫疾患に関するパイプラインを拡充するために取得を決断した。イギリスに本社を置く企業であるが、自社販売網として米国と欧州に営業網を展開(うち欧州の比率が高い)しており、これら先進国における販売体制の強化も買収の目的であった。 | FY12 2012/3 | 売上高 3,331億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 241億円 | ||
富士フイルムと合弁会社を設立 | ||||||
| 花井陳雄 | FY13 2013/3 | 売上高 3,406億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 300億円 | |||
| 花井陳雄 | 協和油化で不祥事が発覚(高圧ガス設備の点検で虚偽申請) | FY14 2014/3 | 売上高 3,334億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 158億円 | ||
| 花井陳雄 | 英Archimedes Pharma Limitedを買収 | FY15 2015/3 | 売上高 3,643億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 297億円 | ||
| 花井陳雄 | FY16 2016/3 | 売上高 3,430億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 186億円 | |||
| 花井陳雄 | FY17 2017/3 | 売上高 3,507億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 263億円 | |||
| 宮本昌志 | FY18 2018/3 | 売上高 2,715億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 544億円 | |||
| 宮本昌志 | FY19 2019/3 | 売上高 3,058億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 670億円 | |||
重要事項事業売却 | 宮本昌志 | 非注力事業の売却・協和発酵バイオをキリンHDに譲渡 歴史的意義yutaka sugiura 売上高782億円・コア営業利益81億円の高収益子会社を親会社に譲渡するという判断は、子会社単体の経営合理性からは説明しにくい。この意思決定を規定したのは、キリンHDが53.77%を保有する親子上場の資本構造である。少数株主にとって収益源の流出は企業価値の毀損リスクを伴うが、支配株主のグループ戦略に抗しえない構造的な非対称性が存在した。親子上場における少数株主保護の限界を示す事例でもある。 | FY20 2020/3 | 売上高 3,183億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 470億円 | |
| 宮本昌志 | FY21 2021/3 | 売上高 3,522億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 523億円 | |||
| 宮本昌志 | FY22 2022/3 | 売上高 3,983億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 535億円 | |||
| 宮本昌志 | FY23 2023/3 | 売上高 4,422億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 811億円 | |||
| 宮本昌志 | 英Orchard Therapeutics plcを買収 | FY24 2024/3 | 売上高 4,955億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 598億円 | ||
| アブドゥル・マリック | FY25 2025/3 | 売上高 4,968億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 670億円 |
- 協和化学研究所を発足協和発酵の出自は酒造3社のカルテルによる共同研究所であり、戦時中は航空機燃料の開発という軍需事業に従事した。終戦による軍需喪失は事業基盤の崩壊を意味したが、発酵技術そのものは民需に転用可能な汎用技術であった。航空燃料に向けた培養・精製の技術的蓄積が結核治療薬の製造へと転用された事実は、技術基盤の応用範囲が事業転換の選択肢を規定するという構造を示している。
- 協和発酵工業株式会社を設立(企業再建整備法に基づき旧会社を解散・第二会社として発足)
- 東京証券取引所に株式上場
- メルク社と提携・結核治療薬「ストレプトマイシン」の製造を開始
終戦直後、結核治療薬が欧米で普及したのを受け日本政府は国内導入を決定し、ストレプトマイシン製造元として協和発酵工業と明治製菓を選定した。協和発酵はメルク社と技術提携を結び、自社の「発酵タンク」を高く評価したメルク社から国内培養技術の供与を受けた。加藤辨三郎社長は資本金2.7億円のところ4億円の設備投資を決定し、防府工場に拠点を設けて医薬品事業へ本格参入した。
- 蒸留酒会社の買収を本格化
- 発酵法によるグルタミン酸ソーダの製造を発明(味の素と競合へ)
- 山陽化学工業を合併・宇部工場を開設
- 医療用医薬品「マイトマイシン」を発売(渋谷区の土壌から放線菌を分離)
- 4事業部体制(医薬品・酒類・化学品・食品)
- 協和メディックスを設立
- 加藤弁三郎会長が逝去
- 高血圧症・狭心症治療剤「コニール」を発売
- ヤンセン協和をJ&Jに売却
- 酒類事業をアサヒビールに売却
- 化学品事業を分割・協和発酵ケミカルを設立
- 食品事業を分割・協和発酵フーズを設立
- 第一三共から「第一ファインケミカル」を買収
- キリンHDが協和発酵をTOBにより買収キリンHDによる協和発酵のTOBは、ビール会社が医薬品事業の拡大を目的に実行した買収であった。両社を結びつけたのは「発酵技術」という共通の技術基盤であり、協和発酵の側にも2002年来の合併構想と社内の高い賛同率が存在した。買収後に酒類・化学品・食品の各事業が相次いで売却された経緯は、親会社の事業戦略が子会社のポートフォリオを規定し、非中核と判断された事業は切り離される構造を浮き彫りにしている。
- 協和発酵ケミカルをケイジェイHDに譲渡
- 英ProStrakan Group plcを買収
2011年に協和発酵はイギリスのProStrakan社(ロンドン証券取引所への上場企業)の買収を決断。買収予定価格は394億円であり、抗体医薬における医薬品のうち、がん・胃・免疫疾患に関するパイプラインを拡充するために取得を決断した。イギリスに本社を置く企業であるが、自社販売網として米国と欧州に営業網を展開(うち欧州の比率が高い)しており、これら先進国における販売体制の強化も買収の目的であった。
- 富士フイルムと合弁会社を設立
- 協和油化で不祥事が発覚(高圧ガス設備の点検で虚偽申請)
- 英Archimedes Pharma Limitedを買収
- 英Orchard Therapeutics plcを買収