JFEホールディングスの沿革・歴史的証言
2002年〜2025年
JFEホールディングスの2002年〜2025年の主要な出来事・経営判断・組織変化を年月順に並べた沿革(社史年表)と、経営者・当事者の歴史的証言
| 年度 | 売上高 | 純利益 | 年月 | 区分 | 出来事 | 歴史的意義 |
|---|---|---|---|---|---|---|
FY03 2003/3 | 売上高 24,268億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 159億円 | 組織再編 | 川崎製鉄とNKKが統合しJFEホールディングスを設立 両社が共同して株式移転により完全親会社として当社を設立。東京・大阪・名古屋の各証券取引所一部に上場(両社普通株式は上場廃止) | 日本の高炉メーカーは新日鉄・JFE・神戸製鋼の三極体制に再編され、国内鉄鋼業の統合時代が本格化した | |
組織再編 | 両社の会社分割契約書締結を承認 | |||||
FY04 2004/3 | 売上高 24,737億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,068億円 | 組織再編 | 事業会社をJFEスチール・JFEエンジニアリング・JFE都市開発・JFE技研に再編 川崎マイクロエレクトロニクスをJFEHDの完全子会社とする会社分割も同時実施 | 統合を鉄鋼・エンジ・不動産・研究の4事業に整理し、持株会社型運営を開始した | |
FY05 2005/3 | 売上高 28,036億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,600億円 | ||||
FY06 2006/3 | 売上高 30,983億円 | 当期純利益 3,259億円 | 社長交代 | 數土文夫が代表取締役社長に就任 NKK出身。下垣内洋一(川鉄出身)からNKK出身者へ交代 | 川鉄・NKK両社出身者が交互にトップを務める人事バランスの第一歩となった | |
FY07 2007/3 | 売上高 32,604億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 2,996億円 | ||||
FY08 2008/3 | 売上高 35,398億円 | 当期純利益 2,618億円 | 企業買収 | 日立造船とJFEエンジの保有株式取得によりユニバーサル造船を子会社化 | 造船事業を子会社化し海洋エンジニアリング領域を強化する布石となった | |
FY09 2009/3 | 売上高 39,082億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,942億円 | ||||
FY10 2010/3 | 売上高 28,443億円 | 当期純利益 456億円 | 組織再編 | JFE技研のエンジニアリング研究機能をJFEエンジへ移転し、JFE技研をJFEスチールへ統合 | ||
社長交代 | 馬田一が代表取締役社長に就任 川崎製鉄出身。數土社長から交代 | リーマンショック後の業績悪化局面での社長交代となった | ||||
FY11 2011/3 | 売上高 31,955億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 586億円 | ||||
FY12 2012/3 | 売上高 31,665億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 -366億円 | 組織再編 | JFEスチールがJFE都市開発を吸収合併し保有不動産活用事業を承継 | ||
初の当期純損失を計上 欧州債務危機・円高・タイ洪水の影響 | 上場来初の最終赤字となり構造改革の必要性が顕在化した | |||||
FY13 2013/3 | 売上高 31,891億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 395億円 | 事業売却 | 川崎マイクロエレクトロニクス全株式をメガチップスに譲渡 | ||
企業買収 | JFE商事を株式交換により完全子会社化 | 商社機能を持株会社の直下に取り込み、鉄鋼・エンジ・商事の三本柱体制が確立した | ||||
組織再編 | ジャパンマリンユナイテッドを設立 ユニバーサル造船を存続会社として㈱アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッドと経営統合 | 造船事業の統合で国内造船業の再編が進んだ | ||||
FY14 2014/3 | 売上高 36,668億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,023億円 | ||||
FY15 2015/3 | 売上高 38,503億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,393億円 | ||||
FY16 2016/3 | 売上高 34,317億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 336億円 | 社長交代 | 林田英治が代表取締役社長に就任 馬田社長から交代 | ||
FY17 2017/3 | 売上高 33,089億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 679億円 | ||||
FY18 2018/3 | 売上高 36,786億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,446億円 | ||||
FY19 2019/3 | 売上高 39,617億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,642億円 | ||||
FY20 2020/3 | 売上高 37,297億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 -1,977億円 | 社長交代 | 柿木厚司が代表取締役社長に就任 林田社長から交代 | ||
初の最終赤字を計上(純損失▲1,977億円) 国内外鋼材市況低迷と構造改革費用計上 | JFE発足以来最大の赤字で、抜本的構造改革に向けた意思決定が迫られた | |||||
FY21 2021/3 | 売上高 32,272億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 -218億円 | 連結営業損益が初の赤字に転落 コロナ禍で鋼材需要が急減 | コロナ禍で本業ベースでも赤字に陥り、京浜地区上工程休止等の構造改革決断につながった | ||
FY22 2022/3 | 売上高 43,651億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 2,880億円 | 株式上場 | 名古屋証券取引所上場廃止 | ||
FY23 2023/3 | 売上高 52,687億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,626億円 | 株式上場 | 東証の市場区分見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行 | ||
商号をジェイ エフ イー ホールディングス㈱からJFEホールディングス㈱へ変更 | ||||||
企業買収 | 米CEMCO社を買収 米国建材大手の薄板建材加工販売会社 | 商社事業での海外事業運営収益拡大戦略の象徴となった | ||||
FY24 2024/3 | 売上高 51,746億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,974億円 | 社長交代 | 北野嘉久が代表取締役社長に就任 柿木社長から交代(正式就任は2024年4月) | JFEスチール社長を5年間務めた後の昇格で、量から質への転換を主導した | |
設備投資 | 京浜地区の上工程(高炉・製鋼)を休止 高炉8→7基体制へ移行 | 苦渋の決断として上工程を廃止し、量から質への転換の転機となった | ||||
企業買収 | インドJSWと方向性電磁鋼板JV「J2ES」を設立 持分比率JFE50%・JSW50% | 国内高炉縮小とインド市場拡張という地理的ポートフォリオ組み換えの第一歩となった | ||||
FY25 2025/3 | 売上高 48,596億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 918億円 | 設備投資 | JFEエンジニアリングが笠岡モノパイル製作所を発足 洋上風力向けモノパイル製造拠点 | ||
社長交代 | 北野嘉久が代表取締役社長CEOに就任(正式) 就任時「構造改革」「量から質への転換」を所信表明 | 統合後の6代目社長として第8次中期と長期ビジョン策定を主導する布陣となった | ||||
経営計画 | グループ事業利益倍増の長期ビジョンを公表 従来の3年中計に加え長期ビジョンを初策定 | カーボンニュートラル投資の原資確保を狙った収益倍増目標で、経営姿勢の大きな転換点となった | ||||
企業買収 | 米豪STUDCO社の買収を発表 米国・オーストラリア拠点の薄板建材加工販売会社 | |||||
セルビアに電磁鋼板加工会社JSSを設立 EV駆動モーター用NOの加工販売 | ||||||
企業買収 | インドJ2ES Nashikを買収 JSWとの方向性電磁鋼板事業の追加投資 | インドでの電磁鋼板能力拡張を加速し、2030年度35万t/年体制を目指す戦略を鮮明化した | ||||
設備投資 | 倉敷第3高炉をバンキング(一時休止) 米国関税措置・中国過剰輸出による需要減に対応 | 京浜休止に続く減産対応で、国内粗鋼生産の段階的縮小が継続した | ||||
設備投資 | 第8次中期経営計画を公表(2025〜27年度) 27年度に連結事業利益4,000億円・ROE10%以上・配当下限80円/株を掲げる | カーボンニュートラル投資実行のための収益基盤構築を明示した経営計画となった | ||||
企業買収 | インドJ2ESで方向性電磁鋼板製造能力を2030年度35万t/年へ拡張決定 今回拡張投資は約1,200億円、総投資額約2,900億円 | 国内高炉縮小とインド拡張という構造転換を数値目標で明示した戦略投資となった |
- 川崎製鉄とNKKが統合しJFEホールディングスを設立
両社が共同して株式移転により完全親会社として当社を設立。東京・大阪・名古屋の各証券取引所一部に上場(両社普通株式は上場廃止)
日本の高炉メーカーは新日鉄・JFE・神戸製鋼の三極体制に再編され、国内鉄鋼業の統合時代が本格化した - 両社の会社分割契約書締結を承認
- 事業会社をJFEスチール・JFEエンジニアリング・JFE都市開発・JFE技研に再編
川崎マイクロエレクトロニクスをJFEHDの完全子会社とする会社分割も同時実施
統合を鉄鋼・エンジ・不動産・研究の4事業に整理し、持株会社型運営を開始した - 數土文夫が代表取締役社長に就任
NKK出身。下垣内洋一(川鉄出身)からNKK出身者へ交代
川鉄・NKK両社出身者が交互にトップを務める人事バランスの第一歩となった - 日立造船とJFEエンジの保有株式取得によりユニバーサル造船を子会社化造船事業を子会社化し海洋エンジニアリング領域を強化する布石となった
- JFE技研のエンジニアリング研究機能をJFEエンジへ移転し、JFE技研をJFEスチールへ統合
- 馬田一が代表取締役社長に就任
川崎製鉄出身。數土社長から交代
リーマンショック後の業績悪化局面での社長交代となった - JFEスチールがJFE都市開発を吸収合併し保有不動産活用事業を承継
- 初の当期純損失を計上
欧州債務危機・円高・タイ洪水の影響
上場来初の最終赤字となり構造改革の必要性が顕在化した - 川崎マイクロエレクトロニクス全株式をメガチップスに譲渡
- JFE商事を株式交換により完全子会社化商社機能を持株会社の直下に取り込み、鉄鋼・エンジ・商事の三本柱体制が確立した
- ジャパンマリンユナイテッドを設立
ユニバーサル造船を存続会社として㈱アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッドと経営統合
造船事業の統合で国内造船業の再編が進んだ - 林田英治が代表取締役社長に就任
馬田社長から交代
- 柿木厚司が代表取締役社長に就任
林田社長から交代
- 初の最終赤字を計上(純損失▲1,977億円)
国内外鋼材市況低迷と構造改革費用計上
JFE発足以来最大の赤字で、抜本的構造改革に向けた意思決定が迫られた - 連結営業損益が初の赤字に転落
コロナ禍で鋼材需要が急減
コロナ禍で本業ベースでも赤字に陥り、京浜地区上工程休止等の構造改革決断につながった - 名古屋証券取引所上場廃止
- 東証の市場区分見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行
- 商号をジェイ エフ イー ホールディングス㈱からJFEホールディングス㈱へ変更
- 米CEMCO社を買収
米国建材大手の薄板建材加工販売会社
商社事業での海外事業運営収益拡大戦略の象徴となった - 北野嘉久が代表取締役社長に就任
柿木社長から交代(正式就任は2024年4月)
JFEスチール社長を5年間務めた後の昇格で、量から質への転換を主導した - 京浜地区の上工程(高炉・製鋼)を休止
高炉8→7基体制へ移行
苦渋の決断として上工程を廃止し、量から質への転換の転機となった - インドJSWと方向性電磁鋼板JV「J2ES」を設立
持分比率JFE50%・JSW50%
国内高炉縮小とインド市場拡張という地理的ポートフォリオ組み換えの第一歩となった - JFEエンジニアリングが笠岡モノパイル製作所を発足
洋上風力向けモノパイル製造拠点
- 北野嘉久が代表取締役社長CEOに就任(正式)
就任時「構造改革」「量から質への転換」を所信表明
統合後の6代目社長として第8次中期と長期ビジョン策定を主導する布陣となった - グループ事業利益倍増の長期ビジョンを公表
従来の3年中計に加え長期ビジョンを初策定
カーボンニュートラル投資の原資確保を狙った収益倍増目標で、経営姿勢の大きな転換点となった - 米豪STUDCO社の買収を発表
米国・オーストラリア拠点の薄板建材加工販売会社
- セルビアに電磁鋼板加工会社JSSを設立
EV駆動モーター用NOの加工販売
- インドJ2ES Nashikを買収
JSWとの方向性電磁鋼板事業の追加投資
インドでの電磁鋼板能力拡張を加速し、2030年度35万t/年体制を目指す戦略を鮮明化した - 倉敷第3高炉をバンキング(一時休止)
米国関税措置・中国過剰輸出による需要減に対応
京浜休止に続く減産対応で、国内粗鋼生産の段階的縮小が継続した - 第8次中期経営計画を公表(2025〜27年度)
27年度に連結事業利益4,000億円・ROE10%以上・配当下限80円/株を掲げる
カーボンニュートラル投資実行のための収益基盤構築を明示した経営計画となった - インドJ2ESで方向性電磁鋼板製造能力を2030年度35万t/年へ拡張決定
今回拡張投資は約1,200億円、総投資額約2,900億円
国内高炉縮小とインド拡張という構造転換を数値目標で明示した戦略投資となった
歴史的証言
數土文夫(JFEスチール社長)
鉄鋼業界は数年前、地獄の淵まで見たわけです。JFEにしても、統合時には「収益第一」という経営方針しか出せなかったし、それ以外のことを考える余裕は全くなかった
江本寛治(JFEホールディングス会長)
鉄鋼生産の上工程に当たる製鉄・製鋼工程は技術の固まりだから、絶対に日本が守らなければならない
参考文献・出所
有価証券報告書
決算説明会 FY24
日経ビジネス 2004/12/13
日経ビジネス 2004/1/15
決算説明会 FY23-2Q
決算説明会 FY25
決算説明会 FY26-1Q
決算説明会 FY26-2Q
決算説明会 FY26-3Q