神戸製鋼所の沿革(1905〜2026年)

神戸製鋼所の創業から現在までの主要な出来事・経営判断・組織変化を年月順に一覧できる沿革(社史年表)ページです。 各年の売上高・純利益などの業績推移と、歴史的意義の解説をあわせて掲載しています。 社史・報道資料などの公開情報をもとに重要事項を判断の上、作成しています。

年度売上高純利益年月区分出来事歴史的意義
1905
1-12月
創業
鈴木商店が小林製鋼所を買収し神戸製鋼所として創業
日露戦争後の艦船・機械国産化の要請を背景に、鈴木商店番頭・金子直吉が船舶部品などの鋳鍛鋼品製造のため買収
神戸製鋼所の直接の起点。後に鈴木商店が倒産しても独立企業として存続する出発点
1911
1-12月
創業
株式会社神戸製鋼所として鈴木商店から分離独立
初代社長は海軍造船少将の黒川勇熊
独立企業としての再出発
1912
1-12月
製品
日本初のドリル生産を開始
切削工具メーカーとしての国産化
日本の機械工業における切削工具国産化の先鞭
1915
1-12月
製品
機械製作分野に参入
大型鍛造プレスを活かした鋳鍛鋼品と並ぶ第二の柱
素材と機械の複合企業体化の起点
1916
1-12月
製品
鋼材圧延を開始
1917
1-12月
製品
伸銅品の生産を開始
門司工場で本格化、蒸気タービン復水管向け新銅合金の開発が飛躍に貢献
アルミ・銅部門の基礎構築
1927
1-12月
組織
母体の鈴木商店が金融恐慌の中で倒産
神戸製鋼所は独自企業として生き残り
財閥系ではない独立鉄鋼メーカーとしての歩みを確定
1937
1-12月
製品
アルミ分野に参入
軍需拡大を背景とした名古屋・長府工場新設
後にアルミ板・素形材で業界トップとなる事業の起点
1939
1-12月
設備
長府工場(現長府製造所)を新設
1940
1-12月
製品
溶接棒の生産を開始(日本初)
軍国化に伴う全溶接新鋭艦増産要請への対応
後の溶接事業の起点
1942
1-12月
設備
大久保工場(現コベルコ建機)を新設
FY50
1950/3
上場
東京・大阪・名古屋の各証券取引所に株式上場
戦後復興期の資金基盤を確立
組織
神鋼金属工業・神鋼電機の2社を分社
非鉄合金2工場と電機5工場を現物出資。1957年に神鋼金属工業を合金事業部として復帰
戦後の事業再編
FY54
1954/3
設備
高砂工場(現高砂製作所)を新設
機械部門の基幹工場
大型鋳鍛鋼品の生産体制構築
FY55
1955/3
売上高
221億円
FY56
1956/3
売上高
246億円
FY57
1957/3
売上高
399億円
FY58
1958/3
売上高
426億円
FY59
1959/3
売上高
384億円
海外
日本初のプラント輸出商談が成約
東パキスタン向け肥料工場を受注
わが国初のプラント輸出実現と機械部門の海外進出の起点
設備
灘浜1号高炉の火入れで鉄鋼一貫体制を確立
銑鋼一貫メーカーとしての地位確立
FY60
1960/3
売上高
566億円
当期純利益
10億円
FY61
1961/3
売上高
745億円
当期純利益
27億円
FY62
1962/3
売上高
942億円
当期純利益
37億円
FY63
1963/3
売上高
851億円
当期純利益
39億円
FY64
1964/3
売上高
1,055億円
当期純利益
35億円
FY65
1965/3
売上高
1,250億円
当期純利益
38億円
FY66
1966/3
売上高
1,671億円
当期純利益
35億円
M&A
尼崎製鉄を吸収合併
鉄鋼事業の経営基盤を強化
FY67
1967/3
売上高
1,971億円
当期純利益
45億円
FY68
1968/3
売上高
2,386億円
当期純利益
53億円
FY69
1969/3
売上高
2,823億円
当期純利益
56億円
FY70
1970/3
売上高
3,337億円
当期純利益
102億円
設備
真岡工場(現真岡製造所)を新設
アルミ分野の基幹工場
アルミ板業界トップ地位の土台
設備
加古川製鉄所が鉄鋼一貫生産を開始
線材・棒鋼に加え鋼板類も生産する総合鉄鋼メーカーへ
神戸・加古川の2製鉄所体制確立、薄板分野参入
FY71
1971/3
売上高
3,925億円
当期純利益
90億円
FY72
1972/3
売上高
3,721億円
当期純利益
39億円
FY73
1973/3
売上高
4,148億円
当期純利益
64億円
FY74
1974/3
売上高
6,124億円
当期純利益
103億円
FY75
1975/3
売上高
7,687億円
当期純利益
103億円
FY76
1976/3
売上高
7,362億円
当期純利益
32億円
FY77
1977/3
売上高
8,967億円
当期純利益
113億円
FY78
1978/3
売上高
8,332億円
当期純利益
70億円
FY79
1979/3
売上高
8,840億円
当期純利益
136億円
FY80
1980/3
売上高
10,247億円
当期純利益
256億円
FY81
1981/3
売上高
11,400億円
当期純利益
262億円
FY82
1982/3
売上高
11,827億円
当期純利益
136億円
FY83
1983/3
売上高
11,821億円
当期純利益
119億円
FY84
1984/3
売上高
12,514億円
当期純利益
-59億円
M&A
米ミドレックス社を買収
直接還元製鉄技術を保有、1983年同年に油谷重工に資本経営参加
直接還元製鉄技術の取り込みで後の水素還元製鉄事業の土台
FY85
1985/3
売上高
12,388億円
当期純利益
120億円
FY89
1989/3
海外
ニューヨークに米国総合統括会社Kobe Steel USAを設立
北米事業の統括体制
FY90
1990/3
海外
米USX社との合弁により米国で鉄鋼一貫生産を開始
USS・KOBE社(棒鋼・線材)
米国での本格的な現地鉄鋼生産
FY91
1991/3
海外
米TI社と合弁で半導体製造開始
同年9月に米アルコア社と包括提携を締結
ハイテク分野への進出
FY92
1992/3
売上高
14,554億円
当期純利益
272億円
FY93
1993/3
売上高
13,340億円
当期純利益
-143億円
FY94
1994/3
売上高
12,489億円
当期純利益
-83億円
FY95
1995/3
売上高
13,355億円
当期純利益
-924億円
業績
阪神・淡路大震災で神戸・加古川両製鉄所が甚大被害
同年8月までに両製鉄所は復旧完了。累積損失857億円
主力拠点被災からの復旧を通じ事業継続力を示した
FY96
1996/3
売上高
14,769億円
当期純利益
903億円
FY97
1997/3
売上高
15,334億円
当期純利益
175億円
FY98
1998/3
売上高
15,351億円
当期純利益
-48億円
FY99
1999/3
売上高
13,054億円
当期純利益
-388億円
FY00
2000/3
売上高
12,525億円
当期純利益
-530億円
組織
コベルコ建機に建設機械事業を一元化
油谷重工・神鋼コベルコ建機を統合
建設機械事業の独立運営体制を確立
FY01
2001/3
売上高
13,730億円
当期純利益
65億円
FY02
2002/3
売上高
11,980億円
当期純利益
-285億円
FY03
2003/3
売上高
12,047億円
当期純利益
17億円
設備
神戸発電所1号機の営業運転開始
IPP(独立系発電事業者)として電力事業を開始
第3の柱「電力事業」の起点
FY04
2004/3
売上高
12,191億円
当期純利益
220億円
FY05
2005/3
売上高
14,437億円
当期純利益
512億円
設備
神戸発電所2号機の営業運転開始
電力事業の2号機体制
FY06
2006/3
売上高
16,673億円
当期純利益
845億円
FY07
2007/3
売上高
19,102億円
当期純利益
1,096億円
FY08
2008/3
売上高
21,324億円
当期純利益
889億円
FY09
2009/3
売上高
21,772億円
当期純利益
-314億円
業績
2009年3月期親会社株主に帰属する当期純損失▲314億円を計上
リーマンショック後の需要急減
金融危機下での赤字転落
FY10
2010/3
売上高
16,710億円
当期純利益
63億円
人事
犬伏泰夫から佐藤廣士へ社長交代
リーマン後の事業立て直し
FY11
2011/3
売上高
18,585億円
当期純利益
529億円
海外
上海に中国統括会社(神鋼投資有限公司)を設立
中国事業の統括体制
FY12
2012/3
売上高
18,646億円
当期純利益
-142億円
FY13
2013/3
売上高
16,855億円
当期純利益
-269億円
業績
2013年3月期純損失▲270億円、経常損失▲181億円
鉄鋼市況低迷と円高影響
2期連続の赤字
FY14
2014/3
売上高
18,246億円
当期純利益
701億円
人事
佐藤廣士から川崎博也へ社長交代
20代社長
業績不振下での経営刷新
FY15
2015/3
売上高
18,868億円
当期純利益
865億円
FY16
2016/3
売上高
18,228億円
当期純利益
-215億円
業績
2016年3月期純損失▲216億円
鉄鋼市況悪化と特別損失395億円
鉄鋼市況サイクルの底で再び赤字
FY17
2017/3
売上高
16,958億円
当期純利益
-230億円
FY18
2018/3
売上高
18,811億円
当期純利益
631億円
組織
アルミ・銅製品等の品質データ改ざん問題が発覚
長年にわたる製品検査データの書き換えが社内調査で明らかになり、多数の納入先に影響
戦後の鉄鋼業界で最大級の品質問題、企業統治の根本的見直しを迫られた
業績
2018年3月期純利益632億円に回復
品質問題後の業績復元
FY19
2019/3
売上高
19,718億円
当期純利益
359億円
人事
川崎博也から山口貢へ社長交代
21代社長、品質問題引責含む
改ざん問題を受けた経営刷新
FY20
2020/3
売上高
18,698億円
当期純利益
-680億円
業績
2020年3月期純損失▲680億円、特別損失651億円
コロナ禍と構造改革費用
経営構造改革期の最大赤字
海外
バンコクに東南アジア・南アジア地域統括会社、ミュンヘンに欧州・中東地域統括会社を設立
同時に真岡発電所1・2号機の営業運転開始
地域統括体制のグローバル再編と電力事業の真岡展開
FY21
2021/3
売上高
17,055億円
当期純利益
232億円
FY22
2022/3
売上高
20,825億円
当期純利益
600億円
設備
神戸発電所3号機の営業運転開始
電力事業の拡大
業績
2022年3月期純利益601億円、売上2兆826億円
コロナ後回復と価格転嫁進展
コロナ禍からの業績回復
FY23
2023/3
売上高
24,725億円
当期純利益
725億円
設備
神戸発電所4号機の営業運転開始
電力事業の4号機体制確立
FY24
2024/3
売上高
25,431億円
当期純利益
1,095億円
業績
2024年3月期売上2兆5431億円、純利益1096億円
鉄鋼価格転嫁進展と機械・電力の好調
2期連続で1000億円超の純利益
人事
山口貢から勝川四志彦へ社長交代
22代社長
脱炭素・事業ポートフォリオ変革フェーズへ
2025
1-12月
業績
2025年3月期当期純利益1201億円(過去最高更新)
経常利益1571億円、ROIC6.9%
創業120年目にして過去最高純利益達成
2026
1-12月
業績
神戸発電所3号機が定期点検期間延長
高圧タービン大型ナットが緩まず配管切断対応、運転再開は2026年5月中旬予定
電力事業の一過性減益要因
  1. 創業
    鈴木商店が小林製鋼所を買収し神戸製鋼所として創業

    日露戦争後の艦船・機械国産化の要請を背景に、鈴木商店番頭・金子直吉が船舶部品などの鋳鍛鋼品製造のため買収

    神戸製鋼所の直接の起点。後に鈴木商店が倒産しても独立企業として存続する出発点
  2. 創業
    株式会社神戸製鋼所として鈴木商店から分離独立

    初代社長は海軍造船少将の黒川勇熊

    独立企業としての再出発
  3. 製品
    日本初のドリル生産を開始

    切削工具メーカーとしての国産化

    日本の機械工業における切削工具国産化の先鞭
  4. 製品
    機械製作分野に参入

    大型鍛造プレスを活かした鋳鍛鋼品と並ぶ第二の柱

    素材と機械の複合企業体化の起点
  5. 製品
    鋼材圧延を開始
  6. 製品
    伸銅品の生産を開始

    門司工場で本格化、蒸気タービン復水管向け新銅合金の開発が飛躍に貢献

    アルミ・銅部門の基礎構築
  7. 組織
    母体の鈴木商店が金融恐慌の中で倒産

    神戸製鋼所は独自企業として生き残り

    財閥系ではない独立鉄鋼メーカーとしての歩みを確定
  8. 製品
    アルミ分野に参入

    軍需拡大を背景とした名古屋・長府工場新設

    後にアルミ板・素形材で業界トップとなる事業の起点
  9. 設備
    長府工場(現長府製造所)を新設
  10. 製品
    溶接棒の生産を開始(日本初)

    軍国化に伴う全溶接新鋭艦増産要請への対応

    後の溶接事業の起点
  11. 設備
    大久保工場(現コベルコ建機)を新設
  12. 上場
    東京・大阪・名古屋の各証券取引所に株式上場
    戦後復興期の資金基盤を確立
  13. 組織
    神鋼金属工業・神鋼電機の2社を分社

    非鉄合金2工場と電機5工場を現物出資。1957年に神鋼金属工業を合金事業部として復帰

    戦後の事業再編
  14. 設備
    高砂工場(現高砂製作所)を新設

    機械部門の基幹工場

    大型鋳鍛鋼品の生産体制構築
  15. 海外
    日本初のプラント輸出商談が成約

    東パキスタン向け肥料工場を受注

    わが国初のプラント輸出実現と機械部門の海外進出の起点
  16. 設備
    灘浜1号高炉の火入れで鉄鋼一貫体制を確立
    銑鋼一貫メーカーとしての地位確立
  17. M&A
    尼崎製鉄を吸収合併
    鉄鋼事業の経営基盤を強化
  18. 設備
    真岡工場(現真岡製造所)を新設

    アルミ分野の基幹工場

    アルミ板業界トップ地位の土台
  19. 設備
    加古川製鉄所が鉄鋼一貫生産を開始

    線材・棒鋼に加え鋼板類も生産する総合鉄鋼メーカーへ

    神戸・加古川の2製鉄所体制確立、薄板分野参入
  20. M&A
    米ミドレックス社を買収

    直接還元製鉄技術を保有、1983年同年に油谷重工に資本経営参加

    直接還元製鉄技術の取り込みで後の水素還元製鉄事業の土台
  21. 海外
    ニューヨークに米国総合統括会社Kobe Steel USAを設立
    北米事業の統括体制
  22. 海外
    米USX社との合弁により米国で鉄鋼一貫生産を開始

    USS・KOBE社(棒鋼・線材)

    米国での本格的な現地鉄鋼生産
  23. 海外
    米TI社と合弁で半導体製造開始

    同年9月に米アルコア社と包括提携を締結

    ハイテク分野への進出
  24. 業績
    阪神・淡路大震災で神戸・加古川両製鉄所が甚大被害

    同年8月までに両製鉄所は復旧完了。累積損失857億円

    主力拠点被災からの復旧を通じ事業継続力を示した
  25. 組織
    コベルコ建機に建設機械事業を一元化

    油谷重工・神鋼コベルコ建機を統合

    建設機械事業の独立運営体制を確立
  26. 設備
    神戸発電所1号機の営業運転開始

    IPP(独立系発電事業者)として電力事業を開始

    第3の柱「電力事業」の起点
  27. 設備
    神戸発電所2号機の営業運転開始
    電力事業の2号機体制
  28. 業績
    2009年3月期親会社株主に帰属する当期純損失▲314億円を計上

    リーマンショック後の需要急減

    金融危機下での赤字転落
  29. 人事
    犬伏泰夫から佐藤廣士へ社長交代
    リーマン後の事業立て直し
  30. 海外
    上海に中国統括会社(神鋼投資有限公司)を設立
    中国事業の統括体制
  31. 業績
    2013年3月期純損失▲270億円、経常損失▲181億円

    鉄鋼市況低迷と円高影響

    2期連続の赤字
  32. 人事
    佐藤廣士から川崎博也へ社長交代

    20代社長

    業績不振下での経営刷新
  33. 業績
    2016年3月期純損失▲216億円

    鉄鋼市況悪化と特別損失395億円

    鉄鋼市況サイクルの底で再び赤字
  34. 組織
    アルミ・銅製品等の品質データ改ざん問題が発覚

    長年にわたる製品検査データの書き換えが社内調査で明らかになり、多数の納入先に影響

    戦後の鉄鋼業界で最大級の品質問題、企業統治の根本的見直しを迫られた
  35. 業績
    2018年3月期純利益632億円に回復
    品質問題後の業績復元
  36. 人事
    川崎博也から山口貢へ社長交代

    21代社長、品質問題引責含む

    改ざん問題を受けた経営刷新
  37. 業績
    2020年3月期純損失▲680億円、特別損失651億円

    コロナ禍と構造改革費用

    経営構造改革期の最大赤字
  38. 海外
    バンコクに東南アジア・南アジア地域統括会社、ミュンヘンに欧州・中東地域統括会社を設立

    同時に真岡発電所1・2号機の営業運転開始

    地域統括体制のグローバル再編と電力事業の真岡展開
  39. 設備
    神戸発電所3号機の営業運転開始
    電力事業の拡大
  40. 業績
    2022年3月期純利益601億円、売上2兆826億円

    コロナ後回復と価格転嫁進展

    コロナ禍からの業績回復
  41. 設備
    神戸発電所4号機の営業運転開始
    電力事業の4号機体制確立
  42. 業績
    2024年3月期売上2兆5431億円、純利益1096億円

    鉄鋼価格転嫁進展と機械・電力の好調

    2期連続で1000億円超の純利益
  43. 人事
    山口貢から勝川四志彦へ社長交代

    22代社長

    脱炭素・事業ポートフォリオ変革フェーズへ
  44. 業績
    2025年3月期当期純利益1201億円(過去最高更新)

    経常利益1571億円、ROIC6.9%

    創業120年目にして過去最高純利益達成
  45. 業績
    神戸発電所3号機が定期点検期間延長

    高圧タービン大型ナットが緩まず配管切断対応、運転再開は2026年5月中旬予定

    電力事業の一過性減益要因

参考文献・出所

有価証券報告書
日本会社史総覧 1995/11/1
決算説明会 FY2025
決算説明会 FY2026-Q3