三井物産の沿革・歴史的証言

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1876年〜2026

三井物産の1876年〜2026年の主要な出来事・経営判断・組織変化を年月順に並べた沿革(社史年表)と、経営者・当事者の歴史的証言

年度売上高純利益年月区分出来事歴史的意義
1876
1-12月
会社設立
益田孝らが旧三井物産会社を設立
三井財閥の商事会社として発足
日本の総合商社業態の原型を作った企業の誕生
1909
1-12月
組織再編
三井合名会社の傘下で株式会社三井物産に改組
財閥組織下での法人化
財閥系商社の体制確立
1945
1-12月
終戦により旧三井物産の海外資産・取引を喪失
敗戦による商社機能の壊滅
戦後商社解体の直接要因
1947
1-12月
組織再編
過度経済力集中排除法により旧三井物産が解散
財閥解体に伴う強制分割
戦前商社の終焉
会社設立
旧三井物産の解散に伴い新会社群へ分割、現・三井物産の前身となる企業が発足
GHQ指導下での分散
現三井物産の直接の出発点
1949
1-12月
株式上場
東京証券取引所再開時に上場
戦後資本市場への復帰
公開企業としての再出発
1959
1-12月
組織再編
分散していた旧三井物産系商社を統合し現在の三井物産株式会社が発足
戦後分割から10年を経ての再統合
現・三井物産の組織的な再結集
1963
1-12月
海外進出
豪州Moura炭鉱(現 Dawson炭鉱)開発への参画
株式上場
米国預託証券(ADR)を発行(1971年2月に米国NASDAQに登録)
1965
1-12月
海外進出
豪州Robe River鉄鉱山への参画
1966
1-12月
海外進出
米国三井物産株式会社を設立
業務提携
豪州Mount Newman鉄鉱石長期契約締結
1971
1-12月
海外進出
ブラジルMBRへの参画(企業買収・統合などの再編を経て、現在のValeに至る)
リース事業部を分離し、三井リース事業株式会社(現 JA三井リース株式会社)を設立
業務提携
アブダビ・ダス島LNG(現 ADNOC LNG)開発基本協定調印
1973
1-12月
オイルショック前後の資源取引拡大
LNG・石油・鉄鉱石など一次資源取扱の拡張期
総合商社の資源依存構造の定着
1976
1-12月
設備投資
本店を東京都千代田区大手町に移転
1977
1-12月
モザンビークのLNG事業への関与開始(長期視点)
後のRhodes Ridge鉄鉱石事業と並ぶ長期資源プロジェクトの源流
長期交渉型大型資源案件の原型
FY91
1991/3
事業売却
イラン化学開発清算完了によりイラン石油化学プロジェクト終結(1971年に基本協定調印)
FY92
1992/3
売上高
178,330億円
当期純利益
270億円
組織再編
営業本部長制導入
FY93
1993/3
売上高
171,563億円
当期純利益
175億円
FY94
1994/3
売上高
176,371億円
当期純利益
153億円
三井物産鉄鋼建材株式会社(現 三井物産スチール株式会社)を設立
FY95
1995/3
売上高
170,350億円
当期純利益
262億円
業務提携
サハリンⅡ石油・天然ガス開発契約(生産分与契約)調印
FY96
1996/3
売上高
175,202億円
当期純利益
304億円
FY97
1997/3
売上高
163,259億円
当期純利益
363億円
FY98
1998/3
売上高
175,155億円
当期純利益
330億円
FY99
1999/3
売上高
139,803億円
当期純利益
298億円
FY00
2000/3
売上高
132,007億円
当期純利益
357億円
FY01
2001/3
売上高
130,482億円
当期純利益
516億円
企業買収
自動車販売・総合ソリューション事業Penske Automotive Groupに出資
FY02
2002/3
売上高
24,746億円
親会社株主に帰属する当期純利益
554億円
FY03
2003/3
売上高
27,779億円
親会社株主に帰属する当期純利益
311億円
組織再編
執行役員制を導入
FY04
2004/3
売上高
29,705億円
親会社株主に帰属する当期純利益
684億円
組織再編
社外取締役1名を初めて選任
FY05
2005/3
売上高
34,946億円
親会社株主に帰属する当期純利益
1,211億円
FY06
2006/3
収益
41,154億円
当社の所有者に帰属する当期純利益
2,024億円
連結収益4兆1154億円、当期利益2024億円
資源高ブームによる高収益期
資源依存型収益構造の確立
FY07
2007/3
収益
48,807億円
当社の所有者に帰属する当期純利益
3,015億円
組織再編
海外地域本部制導入
FY08
2008/3
収益
57,388億円
当社の所有者に帰属する当期純利益
4,100億円
連結収益5兆7388億円、当期利益4100億円
資源高ピーク期の過去最高益
資源ブーム期の到達点
FY09
2009/3
収益
55,352億円
当社の所有者に帰属する当期純利益
1,776億円
FY10
2010/3
収益
40,964億円
当社の所有者に帰属する当期純利益
1,497億円
業務提携
米国Marcellusシェールガス開発生産プロジェクトへの参画
FY11
2011/3
収益
46,794億円
当社の所有者に帰属する当期純利益
3,066億円
FY12
2012/3
売上高
104,811億円
親会社株主に帰属する当期純利益
4,344億円
株式上場
米国NASDAQ上場廃止(同年7月に米国証券取引委員会(SEC)登録廃止)
当期利益4344億円
資源高再来と高収益持続
商社利益首位争いの本格化
FY13
2013/3
売上高
49,121億円
親会社株主に帰属する当期純利益
2,966億円
FY14
2014/3
売上高
57,319億円
親会社株主に帰属する当期純利益
3,500億円
業務提携
米国Fairway Methanolへの参画
IFRS適用初年度、収益11兆1554億円
会計基準変更
IFRS移行による表示拡大
FY15
2015/3
売上高
54,049億円
親会社株主に帰属する当期純利益
3,064億円
業務提携
米国Cameron LNGプロジェクトへの参画
FY16
2016/3
売上高
47,596億円
親会社株主に帰属する当期純利益
-834億円
社長交代
飯島彰己が社長を退任し安永竜夫が代表取締役社長に就任
FY14期首の経営体制交代
資源価格下落局面への交代
当期純損失834億円を計上
チリ銅・シェールガス等の減損処理
資源価格急落で戦後初の大規模赤字
FY17
2017/3
売上高
43,639億円
親会社株主に帰属する当期純利益
3,061億円
当期利益3061億円でV字回復
資源価格反発と非資源強化の初期成果
赤字からの反転
FY18
2018/3
売上高
48,921億円
親会社株主に帰属する当期純利益
4,184億円
FY19
2019/3
売上高
89,589億円
親会社株主に帰属する当期純利益
4,142億円
当期利益4142億円、営業利益2722億円
IFRS上の営業利益開示開始
利益水準の再拡大
FY20
2020/3
売上高
84,841億円
親会社株主に帰属する当期純利益
3,915億円
FY21
2021/3
売上高
80,102億円
親会社株主に帰属する当期純利益
3,354億円
設備投資
新社屋完成
社長交代
安永竜夫が社長を退任し堀健一が代表取締役社長に就任
FY20期首の経営体制交代
脱炭素・人材戦略への転換
FY22
2022/3
売上高
117,575億円
親会社株主に帰属する当期純利益
9,147億円
連結収益11兆7575億円、当期利益9147億円
資源高復帰と非資源貢献
コロナ後のV字拡大
FY23
2023/3
売上高
143,064億円
親会社株主に帰属する当期純利益
11,306億円
株式上場
東京証券取引所市場第一部からプライム市場へ移行
連結収益14兆3064億円、当期利益1兆1306億円
24年ぶり商社利益首位
総合商社利益首位復帰
FY24
2024/3
売上高
133,249億円
親会社株主に帰属する当期純利益
10,636億円
企業買収
国内大手給食事業者エームサービス株式会社の完全子会社化(1976年に設立)
企業買収
Rhodes Ridge鉄鉱石事業への参画を公表
20年間の交渉を経て約8000億円規模の投資
長期資源案件の集大成
連結収益13兆3249億円、当期利益1兆636億円
2年連続1兆円超
利益1兆円商社の定着
FY25
2025/3
売上高
146,626億円
親会社株主に帰属する当期純利益
9,003億円
組織再編
普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施
流動性向上
個人投資家層拡大に向けた資本政策
経営計画
2026年3月期見通しを純利益8200億円・基礎営業CF9000億円に下方修正
当初目標9200億円・1兆円からの修正
インフレ・金利・先行コストによる中経目標ギャップ
経営計画
モザンビークLNG建設が4年間の不可抗力宣言解消を経て再開
既存一括請負契約の維持
長期停滞プロジェクトの再始動
経営計画
基礎営業キャッシュ・フロー「100億ドル」を中長期目標として堀社長が明示
商社の収益力上限を押し上げる野望
長期目標の数値化
業務提携
豪州Rhodes Ridge鉄鉱石プロジェクトへの参画を決定
連結収益14兆6626億円、当期利益9003億円
資源価格正常化と前期比減益
減益も1兆円水準圏内
2026
1-12月
組織再編
機構改組でデジタル・電力ソリューション本部と総合エネルギーソリューション本部を新設
次期中経に向けた事業本部再編
エネルギー分野の再構成
  1. 会社設立
    益田孝らが旧三井物産会社を設立

    三井財閥の商事会社として発足

    日本の総合商社業態の原型を作った企業の誕生
  2. 組織再編
    三井合名会社の傘下で株式会社三井物産に改組

    財閥組織下での法人化

    財閥系商社の体制確立
  3. 終戦により旧三井物産の海外資産・取引を喪失

    敗戦による商社機能の壊滅

    戦後商社解体の直接要因
  4. 組織再編
    過度経済力集中排除法により旧三井物産が解散

    財閥解体に伴う強制分割

    戦前商社の終焉
  5. 会社設立
    旧三井物産の解散に伴い新会社群へ分割、現・三井物産の前身となる企業が発足

    GHQ指導下での分散

    現三井物産の直接の出発点
  6. 株式上場
    東京証券取引所再開時に上場

    戦後資本市場への復帰

    公開企業としての再出発
  7. 組織再編
    分散していた旧三井物産系商社を統合し現在の三井物産株式会社が発足

    戦後分割から10年を経ての再統合

    現・三井物産の組織的な再結集
  8. 海外進出
    豪州Moura炭鉱(現 Dawson炭鉱)開発への参画
  9. 株式上場
    米国預託証券(ADR)を発行(1971年2月に米国NASDAQに登録)
  10. 海外進出
    豪州Robe River鉄鉱山への参画
  11. 海外進出
    米国三井物産株式会社を設立
  12. 業務提携
    豪州Mount Newman鉄鉱石長期契約締結
  13. 海外進出
    ブラジルMBRへの参画(企業買収・統合などの再編を経て、現在のValeに至る)
  14. リース事業部を分離し、三井リース事業株式会社(現 JA三井リース株式会社)を設立
  15. 業務提携
    アブダビ・ダス島LNG(現 ADNOC LNG)開発基本協定調印
  16. オイルショック前後の資源取引拡大

    LNG・石油・鉄鉱石など一次資源取扱の拡張期

    総合商社の資源依存構造の定着
  17. 設備投資
    本店を東京都千代田区大手町に移転
  18. モザンビークのLNG事業への関与開始(長期視点)

    後のRhodes Ridge鉄鉱石事業と並ぶ長期資源プロジェクトの源流

    長期交渉型大型資源案件の原型
  19. 事業売却
    イラン化学開発清算完了によりイラン石油化学プロジェクト終結(1971年に基本協定調印)
  20. 組織再編
    営業本部長制導入
  21. 三井物産鉄鋼建材株式会社(現 三井物産スチール株式会社)を設立
  22. 業務提携
    サハリンⅡ石油・天然ガス開発契約(生産分与契約)調印
  23. 企業買収
    自動車販売・総合ソリューション事業Penske Automotive Groupに出資
  24. 組織再編
    執行役員制を導入
  25. 組織再編
    社外取締役1名を初めて選任
  26. 連結収益4兆1154億円、当期利益2024億円

    資源高ブームによる高収益期

    資源依存型収益構造の確立
  27. 組織再編
    海外地域本部制導入
  28. 連結収益5兆7388億円、当期利益4100億円

    資源高ピーク期の過去最高益

    資源ブーム期の到達点
  29. 業務提携
    米国Marcellusシェールガス開発生産プロジェクトへの参画
  30. 株式上場
    米国NASDAQ上場廃止(同年7月に米国証券取引委員会(SEC)登録廃止)
  31. 当期利益4344億円

    資源高再来と高収益持続

    商社利益首位争いの本格化
  32. 業務提携
    米国Fairway Methanolへの参画
  33. IFRS適用初年度、収益11兆1554億円

    会計基準変更

    IFRS移行による表示拡大
  34. 業務提携
    米国Cameron LNGプロジェクトへの参画
  35. 社長交代
    飯島彰己が社長を退任し安永竜夫が代表取締役社長に就任

    FY14期首の経営体制交代

    資源価格下落局面への交代
  36. 当期純損失834億円を計上

    チリ銅・シェールガス等の減損処理

    資源価格急落で戦後初の大規模赤字
  37. 当期利益3061億円でV字回復

    資源価格反発と非資源強化の初期成果

    赤字からの反転
  38. 当期利益4142億円、営業利益2722億円

    IFRS上の営業利益開示開始

    利益水準の再拡大
  39. 設備投資
    新社屋完成
  40. 社長交代
    安永竜夫が社長を退任し堀健一が代表取締役社長に就任

    FY20期首の経営体制交代

    脱炭素・人材戦略への転換
  41. 連結収益11兆7575億円、当期利益9147億円

    資源高復帰と非資源貢献

    コロナ後のV字拡大
  42. 株式上場
    東京証券取引所市場第一部からプライム市場へ移行
  43. 連結収益14兆3064億円、当期利益1兆1306億円

    24年ぶり商社利益首位

    総合商社利益首位復帰
  44. 企業買収
    国内大手給食事業者エームサービス株式会社の完全子会社化(1976年に設立)
  45. 企業買収
    Rhodes Ridge鉄鉱石事業への参画を公表

    20年間の交渉を経て約8000億円規模の投資

    長期資源案件の集大成
  46. 連結収益13兆3249億円、当期利益1兆636億円

    2年連続1兆円超

    利益1兆円商社の定着
  47. 組織再編
    普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施

    流動性向上

    個人投資家層拡大に向けた資本政策
  48. 経営計画
    2026年3月期見通しを純利益8200億円・基礎営業CF9000億円に下方修正

    当初目標9200億円・1兆円からの修正

    インフレ・金利・先行コストによる中経目標ギャップ
  49. 経営計画
    モザンビークLNG建設が4年間の不可抗力宣言解消を経て再開

    既存一括請負契約の維持

    長期停滞プロジェクトの再始動
  50. 経営計画
    基礎営業キャッシュ・フロー「100億ドル」を中長期目標として堀社長が明示

    商社の収益力上限を押し上げる野望

    長期目標の数値化
  51. 業務提携
    豪州Rhodes Ridge鉄鉱石プロジェクトへの参画を決定
  52. 連結収益14兆6626億円、当期利益9003億円

    資源価格正常化と前期比減益

    減益も1兆円水準圏内
  53. 組織再編
    機構改組でデジタル・電力ソリューション本部と総合エネルギーソリューション本部を新設

    次期中経に向けた事業本部再編

    エネルギー分野の再構成

歴史的証言

池田芳蔵(三井物産社長)
経済環境の変化に適応して、商社が国際経済に貢献する道である。勇断を持って実行すべきだ
八尋俊邦(三井物産元社長)
すべては油乞いの時代に締結した「基本協定」と呼ぶ契約が足かせとなった。なにをするにも、イランの同意が必要だった。引くに引けない。へたをすれば、訴訟ざたや外交問題に発展しかねない。それだけは避けたかった。技術者引き揚げはそのなかでのギリギリの選択だった。
池田芳蔵(三井物産・社長)
米国向け輸出シェアは大きいが、伸びは年1.2%ぐらいです。やはり中近東が1割以上伸びでいますよ。金(かね)はあるから。日本はいままで中近東に何をしとったかということですね。歴史的にみて、お、イランの油は英国人が発見したんだし、アラビアのローレンスなんて人はアラブのために血を流しているしね。ドイツもしかり、かれらは距離的に近いということもありますが。日本人は何もしていないですよね。
池田芳蔵(三井物産・社長)
これからやるにしても、いろいろ試行錯誤があると思います。早い話が、宗教にしても、日本でイスラム教とはどんなものか知っている人は少ないでしょう。大学の先生の話を聞いたんですが、あの辺の人は、宗教を水と空気のように考えている。宗教を持たない者は人非人だと思っている、というんですね。イスラム教は左手にコーラン、右手に剣と言われているでしょう。ところが、これは絶対にウソだという。
池田芳蔵(三井物産・社長)
そういう誤った観念を日本人がもつのは、イスラム教を西欧を通じて学んだからです。日本人が、中国の文化に対して抱くようなインフェリオリティ・コンプレックス(劣等感)を、西欧人はイスラム文化に対して抱いているので、そういう風にいう。しかし、イスラム教はそんな侵略的なものではない。実に平和的なものです。
池田芳蔵(三井物産・社長)
イスラム教には5つの信条があり、その一つに「惜しみなく与えよ」というのがある。日本人がカメラをぶらさげてアラブの町を歩いているとしますか。そうすると汚いやつが道端でパンを食っている。のぞきこむと、なんとかアラビア語で言われる。日本人は顔をそむけていってしまう。しかし、かれらにとってこれほどの侮辱はない。「いっしょに食べませんか」と言っているというんですね。「惜しみなく与えよ」というのは、いかに貧しくてもそういう風に言うということなんですよ。
池田芳蔵(三井物産・社長)
まあ、これは一例ですけどね、その辺まで考えて経済協力もやらねばならないし、商売もそうしないとだめですね。私どもの場合、イランで大きな石油化学のプロジェクトを進めていますが、ガスやナフサは豊富にあるが、イランの泣き所は技術者がいないことです。そこで三井東圧や三井石油化学、東洋曹達などが技術者を供給しているんです。やっているうちに血が通ってくるわけですね。

参考文献・出所

有価証券報告書
決算説明会 FY26-2Q
読売新聞 1960/07/02
日経ビジネス 1976/11/22
日経新聞 1989/12
日本経済新聞 2023/5
日経ビジネス 2024/06/28
東洋経済オンライン 2024/12
決算説明会 FY26-3Q
東洋経済オンライン 2025/10/28