伊藤忠商事の沿革(1858〜2023年)

伊藤忠商事の創業から現在までの主要な出来事・経営判断・組織変化を年月順に一覧できる沿革(社史年表)ページです。 各年の売上高・純利益などの業績推移と、歴史的意義の解説をあわせて掲載しています。 社史・報道資料などの公開情報をもとに重要事項を判断の上、作成しています。

年度売上高純利益年月区分出来事歴史的意義
1858
1-12月
founding
初代伊藤忠兵衛が個人創業
行商→店舗→貿易→綿輸入と4段階で業態転換した近江商人の適応構造
1914
1-12月
経営近代化のために伊藤忠合名会社を設立
戦時好況で拡張し平時に縮小を強いられた商社の構造的サイクル
FY50
1950/3
伊藤忠商事株式会社を設立
戦時中に企業統合により大建産業(旧伊藤忠商事が源流)を発足したが、戦後の財閥解体で会社分割を実施。1949年12月に伊藤忠商事株式会社を設立して事業を再開した。
FY61
1961/3
繊維重視の経営方針
国内の繊維メーカーが苦境に陥りつつあった中で、伊藤忠は線維重視の経営方針を遂行。合併を通じて非繊維を拡大したが、繊維の取り扱いも引き続き重視した。この結果、1960年代を通じて、丸紅と比べて非繊維部門の比率が低いという経営課題を背負った。
FY66
1966/3
東亜石油の株式取得・採掘から精製の一貫体制を志向
繊維商社が「和製メジャー」を志向した非繊維拡大の最大の賭け
FY76
1976/3
売上高
56,306億円
当期純利益
-57億円
FY77
1977/3
売上高
63,326億円
当期純利益
53億円
FY78
1978/3
売上高
63,559億円
当期純利益
-11億円
acquisition
安宅産業を救済合併・新日鐵の商権確保
「39年の恩を返す」という義理が規定した大手商社の救済合併
FY79
1979/3
売上高
65,607億円
当期純利益
22億円
FY80
1980/3
売上高
88,620億円
当期純利益
27億円
FY81
1981/3
売上高
107,046億円
当期純利益
45億円
東京本社新社屋を竣工(北青山2-5-1)
伊藤忠は歴史的に「繊維商社」として発展してきた経緯から、関西(大阪)に本社機能を置いてたが、非繊維比率の向上に合わせて東京への全面移転を決定。1980年11月に東京・北青山(最寄駅・銀座線外苑前)にて自社ビルとして「伊藤忠商事東京本社ビル」を竣工した。
FY82
1982/3
売上高
123,356億円
当期純利益
50億円
FY83
1983/3
売上高
124,902億円
当期純利益
30億円
FY84
1984/3
売上高
129,872億円
当期純利益
34億円
FY85
1985/3
売上高
140,772億円
当期純利益
54億円
divestiture
東亜石油の株式売却・石油精製から撤退
「得意の時に最悪の事をやった」と越後正一が自省した石油事業の蹉跌
FY95
1995/3
売上高
134,475億円
当期純利益
81億円
FY96
1996/3
売上高
136,099億円
当期純利益
116億円
FY97
1997/3
売上高
152,670億円
当期純利益
124億円
FY98
1998/3
売上高
155,445億円
当期純利益
-919億円
ファミリーマートに出資
22年・累計8000億円超を投じた段階的買収による川下進出の構造
FY99
1999/3
売上高
139,005億円
当期純利益
-340億円
FY00
2000/3
売上高
121,444億円
当期純利益
-882億円
伊藤忠テクノサイエンス(CTC)を株式上場
情報子会社の27年後の上場益がバブルの負の遺産を清算した逆説
特別損失3950億円を計上・バブル期の不良資産を清算
不動産バブルの損失をネットバブルの上場益で相殺した二重構造
FY01
2001/3
売上高
121,352億円
当期純利益
705億円
FY02
2002/3
収益
16,881億円
当期純利益
301億円
FY03
2003/3
収益
16,817億円
当期純利益
200億円
FY04
2004/3
収益
17,387億円
当期純利益
-319億円
FY05
2005/3
収益
19,912億円
当期純利益
777億円
FY06
2006/3
収益
22,182億円
当期純利益
1,451億円
FY07
2007/3
収益
26,472億円
当期純利益
1,770億円
FY08
2008/3
収益
28,612億円
当期純利益
2,185億円
FY09
2009/3
収益
34,191億円
当期純利益
1,768億円
FY10
2010/3
収益
34,166億円
当期純利益
1,404億円
FY11
2011/3
収益
36,516億円
当期純利益
1,743億円
岡藤正広氏が代表取締役社長に就任
FY12
2012/3
収益
42,711億円
当期純利益
3,218億円
ドラモンド社・コロンビア石炭権益を20%取得
FY13
2013/3
収益
46,995億円
当期純利益
3,026億円
米ドール・フード・カンパニーから一部の事業を買収
2012年に伊藤忠は米Dole Food Company社から「アジア地区における青果事業(売上12.9億ドル)」と「グローバルにおける加工食品事業(売上12.0億ドル)」の2事業の買収を決定した。取得価格は1596億円であり、伊藤忠の食糧事業としては大規模な投資となった。 取得に至った理由は、Doleh社が事業継承問題に直面して、株式上場を目標とした企業価値の向上を志向し、不採算事業の売却を決定したことであった。また、伊藤忠がDole社と50年近く前から取引していたことも、取得の理由であった。
FY14
2014/3
収益
55,875億円
当期純利益
2,544億円
FY15
2015/3
収益
55,914億円
当期純利益
2,956億円
alliance
CITIC(中国中信集団)と戦略的業務資本提携を締結
「友好商社」から43年を経た過去最大の対中投資と減損の帰結
FY16
2016/3
収益
50,835億円
当期純利益
2,763億円
FY17
2017/3
収益
48,385億円
当期純利益
3,745億円
FY18
2018/3
収益
55,101億円
当期純利益
4,317億円
FY19
2019/3
収益
116,005億円
当期純利益
5,456億円
FY20
2020/3
収益
109,830億円
当期純利益
5,592億円
FY21
2021/3
収益
103,626億円
当期純利益
4,408億円
FY22
2022/3
収益
122,933億円
当期純利益
8,789億円
FY23
2023/3
収益
139,456億円
当期純利益
8,446億円
日立建機の株式取得
伊藤忠テクノソリューションズを完全子会社化
伊藤忠は非資源部門を強化するために、子会社の伊藤忠テクノソリューションズ(通称CTC)について、株式38.7%を追加取得することで、完全子会社化することを決定。CTCは1974年に設立された伊藤忠の子会社「伊藤忠データシステム」が出自であり、1999年に伊藤忠はCTCの株式を上場することで、同社の保有株の一部を売却していた。このため、2023年のTOBにより完全子会社に戻る形となった。 2023年時点でCTCは株式上場をしていたが、TOBの成立によって上場廃止となった。伊藤忠はCTCの完全子会社化のために3870億円で株式を取得するに至った。
  1. founding
    初代伊藤忠兵衛が個人創業
    行商→店舗→貿易→綿輸入と4段階で業態転換した近江商人の適応構造
  2. 経営近代化のために伊藤忠合名会社を設立
    戦時好況で拡張し平時に縮小を強いられた商社の構造的サイクル
  3. 伊藤忠商事株式会社を設立

    戦時中に企業統合により大建産業(旧伊藤忠商事が源流)を発足したが、戦後の財閥解体で会社分割を実施。1949年12月に伊藤忠商事株式会社を設立して事業を再開した。

  4. 繊維重視の経営方針

    国内の繊維メーカーが苦境に陥りつつあった中で、伊藤忠は線維重視の経営方針を遂行。合併を通じて非繊維を拡大したが、繊維の取り扱いも引き続き重視した。この結果、1960年代を通じて、丸紅と比べて非繊維部門の比率が低いという経営課題を背負った。

  5. 東亜石油の株式取得・採掘から精製の一貫体制を志向
    繊維商社が「和製メジャー」を志向した非繊維拡大の最大の賭け
  6. acquisition
    安宅産業を救済合併・新日鐵の商権確保
    「39年の恩を返す」という義理が規定した大手商社の救済合併
  7. 東京本社新社屋を竣工(北青山2-5-1)

    伊藤忠は歴史的に「繊維商社」として発展してきた経緯から、関西(大阪)に本社機能を置いてたが、非繊維比率の向上に合わせて東京への全面移転を決定。1980年11月に東京・北青山(最寄駅・銀座線外苑前)にて自社ビルとして「伊藤忠商事東京本社ビル」を竣工した。

  8. divestiture
    東亜石油の株式売却・石油精製から撤退
    「得意の時に最悪の事をやった」と越後正一が自省した石油事業の蹉跌
  9. ファミリーマートに出資
    22年・累計8000億円超を投じた段階的買収による川下進出の構造
  10. 伊藤忠テクノサイエンス(CTC)を株式上場
    情報子会社の27年後の上場益がバブルの負の遺産を清算した逆説
  11. 特別損失3950億円を計上・バブル期の不良資産を清算
    不動産バブルの損失をネットバブルの上場益で相殺した二重構造
  12. 岡藤正広氏が代表取締役社長に就任
  13. ドラモンド社・コロンビア石炭権益を20%取得
  14. 米ドール・フード・カンパニーから一部の事業を買収

    2012年に伊藤忠は米Dole Food Company社から「アジア地区における青果事業(売上12.9億ドル)」と「グローバルにおける加工食品事業(売上12.0億ドル)」の2事業の買収を決定した。取得価格は1596億円であり、伊藤忠の食糧事業としては大規模な投資となった。 取得に至った理由は、Doleh社が事業継承問題に直面して、株式上場を目標とした企業価値の向上を志向し、不採算事業の売却を決定したことであった。また、伊藤忠がDole社と50年近く前から取引していたことも、取得の理由であった。

  15. alliance
    CITIC(中国中信集団)と戦略的業務資本提携を締結
    「友好商社」から43年を経た過去最大の対中投資と減損の帰結
  16. 日立建機の株式取得
  17. 伊藤忠テクノソリューションズを完全子会社化

    伊藤忠は非資源部門を強化するために、子会社の伊藤忠テクノソリューションズ(通称CTC)について、株式38.7%を追加取得することで、完全子会社化することを決定。CTCは1974年に設立された伊藤忠の子会社「伊藤忠データシステム」が出自であり、1999年に伊藤忠はCTCの株式を上場することで、同社の保有株の一部を売却していた。このため、2023年のTOBにより完全子会社に戻る形となった。 2023年時点でCTCは株式上場をしていたが、TOBの成立によって上場廃止となった。伊藤忠はCTCの完全子会社化のために3870億円で株式を取得するに至った。

参考文献・出所

有価証券報告書
伊藤忠商事 社史
日本経済新聞 私の履歴書 1975
日経ビジネス
大阪商人道を生きて・越後正一 1988
伊藤忠商事 IR資料
情報通信ジャーナル
決算説明会 FY24
決算説明会 FY25-2Q
決算説明会 FY25-3Q