沿革年表 1960〜2025年における重要度別の出来事(合計28件)

年月区分社長/CEO出来事年度売上高純利益
重要事項会社設立
X線テレビ開発での独立創業
歴史的意義yutaka sugiura
内山康がX線テレビの開発で独立した1960年、日本の製造業は高度成長期に入りつつあった。大企業では組織の規模が開発の迅速性を阻害する一方、中堅企業には設計と現場の近さという構造的な優位があった。内山は松下通信工業での経験からこの非対称性を認識し、工場を持たず研究開発に特化する経営モデルを選択した。この判断は資金制約からの消極的選択に見えるが、結果として65年後の現在まで続くファブライト経営の基盤を形成した。
1960
1-12月
日本自動制御株式会社の設立
1962
1-12月
テンションアナライザー開発(自社ブランド製品第一号)
磁気テープ走行中のテンションを測定する装置。日本自動制御として初の自社ブランド製品
1971
1-12月
半導体フォトマスク検査への参入
歴史的意義yutaka sugiura
従業員30人の工業用テレビメーカーが半導体フォトマスク検査という市場に参入した判断は、技術的な偶然ではなく、創業者・内山康の開発テーマを「選ぶ力」に基づく意図的な選択であった。大企業が手を出さないニッチ市場で、中堅企業ならではの開発スピードと設計・現場の近さを武器に世界初の製品を生み出した。この構造は、後のEUV検査装置開発に至るまで同社が繰り返してきたパターンの原型であり、企業の方向性を不可逆的に規定した転換点であった。
1975
1-12月
フォトマスク欠陥検査装置「1MD1」が十大新製品賞を受賞
1977
1-12月
米国サンマテオに初の海外拠点を設立
SEMICON Westに初出展。科学技術庁長官賞を受賞
1979
1-12月
自社製品100%を達成(下請けからの完全脱却)
大河内記念技術賞、中小企業庁長官賞を受賞。昭和55年度の売上高19億7千万円、従業員30人
FY80
1980/6
売上高
19.7億円
走査型カラーレーザー顕微鏡を世界初開発
半導体以外の新事業分野として、レーザー顕微鏡の開発に着手
FY85
1985/6
売上高
41億円
社名を「レーザーテック」に変更
旧社名「日本自動制御株式会社」から改称。レーザー技術を軸にした事業多角化を社名で宣言
FY86
1986/6
FY88
1988/6
売上高
11.2億円
当期純利益
0.83億円
FY89
1989/6
売上高
18.6億円
当期純利益
1.12億円
FY90
1990/6
売上高
26.5億円
当期純利益
3億円
店頭公開(株式公開)
日本証券業協会に店頭売買銘柄として株式を登録
FY91
1991/6
売上高
28.5億円
当期純利益
2.98億円
FY92
1992/6
売上高
22.4億円
当期純利益
-1.64億円
創業者・内山康が61歳で急逝
粟村大吉が2代目社長に就任。内山の理念「世の中にないものをつくり、世の中のためになるものをつくる」は企業理念として継承
FY93
1993/6
売上高
14.8億円
当期純利益
-6.74億円
液晶用カラーフィルター欠陥検査装置を開発
FPD関連事業の立ち上げ。後に同社の売上の約半分を占める事業領域に成長
FY94
1994/6
売上高
19.5億円
当期純利益
0.62億円
位相シフト量測定装置MPM100を世界初開発(業界標準機に)
半導体微細化に伴い普及した位相シフトマスクの測定装置。業界標準機として広く採用された
FY95
1995/6
売上高
31.9億円
当期純利益
5.35億円
FY96
1996/6
売上高
41.8億円
当期純利益
5.28億円
FY97
1997/6
売上高
50.8億円
当期純利益
6.21億円
FY98
1998/6
売上高
59.8億円
当期純利益
5.9億円
FY99
1999/6
売上高
44.9億円
当期純利益
2.8億円
マスクブランクス欠陥検査装置MAGICSシリーズ初代機を開発
「M1320」を開発。マスクブランクス検査という新たな市場を開拓
FY00
2000/6
売上高
47億円
当期純利益
4.2億円
FY01
2001/6
売上高
65億円
当期純利益
8.1億円
FY02
2002/6
売上高
65億円
当期純利益
7億円
渡壁弥一郎
FY03
2003/6
売上高
61億円
当期純利益
6億円
渡壁弥一郎
FY04
2004/6
売上高
75億円
当期純利益
7億円
渡壁弥一郎
ジャスダック証券取引所に上場
FY05
2005/6
売上高
99億円
当期純利益
12億円
渡壁弥一郎
FY06
2006/6
売上高
120億円
当期純利益
18億円
渡壁弥一郎
FY07
2007/6
売上高
158億円
当期純利益
23億円
岡林理
新横浜に研究開発センター兼本社社屋を建設・移転
FY08
2008/6
売上高
141億円
当期純利益
18億円
岡林理
FY09
2009/6
売上高
92億円
当期純利益又は当期純損失
-6億円
重要事項
岡林理
FPD事業の大幅縮小と半導体集中
工場を持たないファブライト経営は、売上減少時に赤字に転落しやすいという脆弱性を持つ一方、事業撤退時の固定費負担が軽いという構造的特性も持つ。岡林理がFPD事業を縮小できた背景には、工場閉鎖や設備の減損処理といった撤退コストが発生しないファブライトモデルの柔軟性があった。売上の半分を失う決断の重さは変わらないが、その判断を実行に移せる構造を創業者が60年前に設計していたという点が、この転換の本質的な興味深さである。
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FY10
2010/6
売上高
89億円
当期純利益
3億円
岡林理
EUV検査装置の開発決断
歴史的意義yutaka sugiura
EUV検査装置の開発において、レーザーテックの規模の小ささは制約ではなく条件であった。大手装置メーカーにとって市場規模が不透明なEUV検査装置は投資判断が難しいテーマであったが、レーザーテックにとっては半導体集中戦略の延長線上にある必然の選択であった。FPD事業を縮小してリソースを集中させた直後だからこそ、最も困難なテーマに人材と資金を投入できた。市場を独占した要因は技術力だけでなく、中堅企業の事業構造が大企業よりも早く意思決定できたという組織的条件にもあったと考えられる。
FY11
2011/6
売上高
127億円
当期純利益
15億円
岡林理
東証二部に上場
FY12
2012/6
売上高
123億円
親会社株主に帰属する当期純利益
17億円
岡林理
東証一部銘柄に指定
FY13
2013/6
売上高
113億円
親会社株主に帰属する当期純利益
16億円
岡林理
FY14
2014/6
売上高
136億円
親会社株主に帰属する当期純利益
19億円
岡林理
FY15
2015/6
売上高
151億円
親会社株主に帰属する当期純利益
29億円
岡林理
FY16
2016/6
売上高
152億円
親会社株主に帰属する当期純利益
32億円
重要事項
岡林理
EUVマスクブランクス欠陥検査装置ABICS E120を世界初開発
EUV光(波長13.5nm)を用いた量産対応の検査装置。十大新製品賞「日本力賞」を受賞
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FY17
2017/6
売上高
172億円
親会社株主に帰属する当期純利益
35億円
岡林理
FY18
2018/6
売上高
212億円
親会社株主に帰属する当期純利益
43億円
岡林理
EUVパターンマスク欠陥検査装置ACTIS A150を世界初開発
EUVマスク検査の全工程をカバーする製品ラインナップが完成。十大新製品賞「日本力賞」を受賞(2020年)
FY19
2019/6
売上高
287億円
親会社株主に帰属する当期純利益
59億円
岡林理
グローバルニッチトップ企業100選に選定
FY20
2020/6
売上高
425億円
親会社株主に帰属する当期純利益
108億円
岡林理
FY21
2021/6
売上高
702億円
親会社株主に帰属する当期純利益
192億円
岡林理
InnoPa(新研究開発拠点)の取得
横浜市港北区鳥山町の本社近隣に大型研究開発拠点を取得
FY22
2022/6
売上高
903億円
親会社株主に帰属する当期純利益
248億円
東証の年間売買代金で首位を独走
2022年と2023年の2年連続で東証の年間売買代金首位
仙洞田哲也
FY23
2023/6
売上高
1,528億円
親会社株主に帰属する当期純利益
461億円
仙洞田哲也
InnoPa稼働開始
2024年12月に第2期工事が完了し、キャパシティが大幅増加
FY24
2024/6
売上高
2,135億円
親会社株主に帰属する当期純利益
590億円
重要事項社長交代
社長交代と仙洞田体制への移行
歴史的意義yutaka sugiura
岡林理が仙洞田哲也を後任に選んだ判断は、レーザーテックの競争力の源泉が何であるかを反映している。同社の強みは技術開発力と顧客密着の営業であり、その両方を自ら経験した人物が経営を担うべきだという論理である。47歳という年齢は上場企業の社長としては若いが、中計の6年計画を完遂するには十分な在任期間を確保できる。成長企業の経営承継において、「成長の立役者」から「次の成長を設計する者」への委譲をどう設計するかという問いに対する一つの回答である。
FY25
2025/6
売上高
2,514億円
親会社株主に帰属する当期純利益
846億円
売上高2,514億円・営業利益1,228億円で過去最高更新
12年連続増収。営業利益率48.8%で過去最高。一方で受注高は1,052億円と前期比57.2%減
  1. 会社設立
    X線テレビ開発での独立創業
    内山康がX線テレビの開発で独立した1960年、日本の製造業は高度成長期に入りつつあった。大企業では組織の規模が開発の迅速性を阻害する一方、中堅企業には設計と現場の近さという構造的な優位があった。内山は松下通信工業での経験からこの非対称性を認識し、工場を持たず研究開発に特化する経営モデルを選択した。この判断は資金制約からの消極的選択に見えるが、結果として65年後の現在まで続くファブライト経営の基盤を形成した。
  2. 日本自動制御株式会社の設立
  3. テンションアナライザー開発(自社ブランド製品第一号)

    磁気テープ走行中のテンションを測定する装置。日本自動制御として初の自社ブランド製品

  4. 半導体フォトマスク検査への参入
    従業員30人の工業用テレビメーカーが半導体フォトマスク検査という市場に参入した判断は、技術的な偶然ではなく、創業者・内山康の開発テーマを「選ぶ力」に基づく意図的な選択であった。大企業が手を出さないニッチ市場で、中堅企業ならではの開発スピードと設計・現場の近さを武器に世界初の製品を生み出した。この構造は、後のEUV検査装置開発に至るまで同社が繰り返してきたパターンの原型であり、企業の方向性を不可逆的に規定した転換点であった。
  5. フォトマスク欠陥検査装置「1MD1」が十大新製品賞を受賞
  6. 米国サンマテオに初の海外拠点を設立

    SEMICON Westに初出展。科学技術庁長官賞を受賞

  7. 自社製品100%を達成(下請けからの完全脱却)

    大河内記念技術賞、中小企業庁長官賞を受賞。昭和55年度の売上高19億7千万円、従業員30人

  8. 走査型カラーレーザー顕微鏡を世界初開発

    半導体以外の新事業分野として、レーザー顕微鏡の開発に着手

  9. 社名を「レーザーテック」に変更

    旧社名「日本自動制御株式会社」から改称。レーザー技術を軸にした事業多角化を社名で宣言

  10. 店頭公開(株式公開)

    日本証券業協会に店頭売買銘柄として株式を登録

  11. 創業者・内山康が61歳で急逝

    粟村大吉が2代目社長に就任。内山の理念「世の中にないものをつくり、世の中のためになるものをつくる」は企業理念として継承

  12. 液晶用カラーフィルター欠陥検査装置を開発

    FPD関連事業の立ち上げ。後に同社の売上の約半分を占める事業領域に成長

  13. 位相シフト量測定装置MPM100を世界初開発(業界標準機に)

    半導体微細化に伴い普及した位相シフトマスクの測定装置。業界標準機として広く採用された

  14. マスクブランクス欠陥検査装置MAGICSシリーズ初代機を開発

    「M1320」を開発。マスクブランクス検査という新たな市場を開拓

  15. ジャスダック証券取引所に上場
  16. 新横浜に研究開発センター兼本社社屋を建設・移転
  17. EUV検査装置の開発決断
    EUV検査装置の開発において、レーザーテックの規模の小ささは制約ではなく条件であった。大手装置メーカーにとって市場規模が不透明なEUV検査装置は投資判断が難しいテーマであったが、レーザーテックにとっては半導体集中戦略の延長線上にある必然の選択であった。FPD事業を縮小してリソースを集中させた直後だからこそ、最も困難なテーマに人材と資金を投入できた。市場を独占した要因は技術力だけでなく、中堅企業の事業構造が大企業よりも早く意思決定できたという組織的条件にもあったと考えられる。
  18. 東証二部に上場
  19. 東証一部銘柄に指定
  20. EUVパターンマスク欠陥検査装置ACTIS A150を世界初開発

    EUVマスク検査の全工程をカバーする製品ラインナップが完成。十大新製品賞「日本力賞」を受賞(2020年)

  21. グローバルニッチトップ企業100選に選定
  22. InnoPa(新研究開発拠点)の取得

    横浜市港北区鳥山町の本社近隣に大型研究開発拠点を取得

  23. 東証の年間売買代金で首位を独走

    2022年と2023年の2年連続で東証の年間売買代金首位

  24. InnoPa稼働開始

    2024年12月に第2期工事が完了し、キャパシティが大幅増加

  25. 社長交代
    社長交代と仙洞田体制への移行
    岡林理が仙洞田哲也を後任に選んだ判断は、レーザーテックの競争力の源泉が何であるかを反映している。同社の強みは技術開発力と顧客密着の営業であり、その両方を自ら経験した人物が経営を担うべきだという論理である。47歳という年齢は上場企業の社長としては若いが、中計の6年計画を完遂するには十分な在任期間を確保できる。成長企業の経営承継において、「成長の立役者」から「次の成長を設計する者」への委譲をどう設計するかという問いに対する一つの回答である。
  26. 売上高2,514億円・営業利益1,228億円で過去最高更新

    12年連続増収。営業利益率48.8%で過去最高。一方で受注高は1,052億円と前期比57.2%減